- 【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ8
341 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/27(木) 01:25:35.00 ID:nnF6QNMd - 陵辱モノ追撃します。
深海棲艦の拷問による摩耶様の闇堕ち。 触手・陵辱・微レズというキワモノなので苦手な方はご注意。 もし連投規制に引っ掛かったら気長にお待ち下さい。
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342 :341[sage]:2014/03/27(木) 01:28:51.40 ID:nnF6QNMd - 右腕。左の足首。胸先。そして――
あちこちがずきずきと痛む気だるい身体の感覚に、ふと艦娘『摩耶』は目を醒ました。 (ここは…) ぼんやりと周囲を見渡す。幽かな青い燐光に照らされた荒野。不気味なほどの静けさ。 呼吸は出来る。頭上には空の代わりに、圧倒的な質量の海水。奇妙な空間。――深海。 (そうか。アタシは沈んじまったんだ) 他の気配が無い以外、状況は一切変わっていない。 限界を超えた快楽に、失禁しながら気を失ったあの瞬間から。 蒼くて深い、孤独な海の底。 両腕は赤子の手首ほどの太さの動かぬ触手に頭上に縛り上げられ、全裸の身体はごつごつとした岩に腰掛ける形で、両脚は大きく開かされたまま―― 塗り付けられた黒っぽい謎の粘液にひりつく性器、感じて感じて感じ過ぎて壊れてしまったのか充血したままの花芯までもを外気と燐光に晒されたまま隠すこともできず、まるで堅固な鎖を思わせる硬質の触手で手足を海底に絡め取られている。 撃沈のときから二日か三日か、ここで性的な玩具にされ始めてからの正確な時間の感覚はもはやない。 装備と衣服を剥ぎ取られ手足を拘束され、抗うことも死ぬことも許されず。 たった一人で異形に囲まれ弄ばれる恐怖の叫びも、肉体をなぞる無数の触手とざらつく舌から与えられた快楽に喉が嗄れるほど放ち続けた喘ぎ声も甘ったるい悲鳴も、昏い水底に飲み込まれていった。 死ねない、狂えない、兵器の強靭さと若い娘の性感の両方を持って生まれた我が身の不幸を呪わずにはいられない――ここはまさに地の底ならぬ、海底に用意された獄。 拘束する触手に多少のスキがないかと、無駄と知りつつぶらぶらと手足を揺らしていたとき。 摩耶は視線の先に違和感を認めた。暗い海の底から沸き上がるようにゆらゆらとした、空間の瞬き。 (…また来やがったか) やがてそれは、二つの異形の人型を結ぶ。 完全に実体を得た、自分を見下ろす二対の冷たい眼には、昨日の奴らとは違う感情が浮かんでいるようだ、と摩耶はぼんやりと思う。 ――コノモノセイキヨウナリテ、イマダゼツボウニソメルニアタワズ。 沈没直後の自分を拘束しその触手で散々に嬲った、鎮守府が『深海棲艦・ヲ級』と呼ぶ異形を纏った青灰色の少女が抑揚のない声を発すると、 応えるかのようにもう一人の娘――先が巨大な怪物の顔となった尾を持ち、対照的に小さな体躯を黒衣に包んだ見覚えのない個体――が、微かに笑いながら口を開いた。 ――テキカンニモサマザマアリテ、ママワレラノ"ヨリシロ"タルウツワモアルヤモシレズ。 その言葉は辛うじて理解できるが、内容は摩耶には良く理解できない。 「新しいお友達かよ…何度も言わせんな」 久しぶりに出した声。ざらざらと掠れてはいるが、まだ役目を果たせないほど壊れてはいない。 「アタシは味方に砲を向ける位なら、ここでお前らのオモチャになって狂って死ぬ方がマシだ」 二隻の深海棲艦を睨み付ける。 いつまで正気でいられるかは分からないが、せめて最期まで抵抗したい。 そんな空虚なプライドから放たれたタンカが、わずかながら自分を勇気づけるのを感じて摩耶は少しだけ嬉しさを感じる。 「…アタシはこんなもんじゃ全然満足してねぇぞ。今日は多少はテクを見せてくれんだろうな?」 ――そうだ。これでこそ、アタシだ。 ――ハンノウヲミタイ。サイドノホキユウヲモトム。 ――リヨウカイシタ。ホキユウヲカイシス。 新型の言葉に呼応したヲ級から伸びた灰色の触手が、摩耶の身体に巻き付いてゆく。
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343 :341[sage]:2014/03/27(木) 01:30:44.10 ID:nnF6QNMd - 「あっ……あっ……」
反射的に、恐怖が摩耶の表情を彩る。 首筋に到達した二本の触手が、動脈のあたりを撫で始めた。 生命の急所を責められても拒否も抵抗もできない、するすると首に巻き付く巨大な恐怖に摩耶は知らず身体をすくませる。 どういう理屈なのかその状況で固く勃ち始めた摩耶の乳首を狙うように、別の触手が震える乳房に巻き付いた。 「くあぁぁぁぁぁッ…」 ぬめった感触が、まるで刺激を望むかのように淫らに色づいた右乳首をかすめた瞬間、電流のような快楽が摩耶を襲った。 触手を覆うぬめりに薬物のような作用があるのか、異様に感じやすくなっている自分の身体が恐ろしい。 「うあっ、あっ、はっ、…畜生…ッ!」 左右の乳首を容赦なく擦るように、触手が乳房をやわやわと揉み潰しながら這いずる。たったそれだけの刺激で目に涙が浮かび、達してしまいそうになる。 ばさばさになった髪を激しく揺らし抵抗を示しながらも、摩耶の肉体は更に感じやすく昂り、女陰は意志に関係なく『出来上がって』ゆく。 「くそ…胸に…触るな…!」 そこへ一本の触手が獲物のにおいを見つけ出したかのように、柔らかな太ももに巻き付きはじめ、上を目指して―― 「…やめろ…やめろぉ…そこは………ッ!!」 性器にぐいぐいと押し付けられる、おぞましい感覚。しかし必死に払い落とそうとするも両手は封じられて動かず、ただかすかに身体を揺らせるのみ。 「うあっ!?」 唐突に両足首を物凄い力で触手に釣り上げ開かされ、摩耶の秘所が上を向いてぱっくりとぬめる口をあけた。 あられもない格好に頬を深紅に染めた摩耶が何かを言う前に、露わになった秘裂の奥を目掛けて、ずぶずぶと触手が入口から胎内に沈んでゆく。 「あぁぁぁぁんッ!やだっ!やだあぁぁッ!やめてえぇぇぇッ!」 気を張っていた摩耶の何かが限界に達し、少女のような悲鳴が、喉を反らした屈辱的な嬌声が高く甘く海底に響き渡る。 「あっ、はっ、うあぁっ!」 最奥に達した触手が波打つように蠢きはじめると、摩耶の身体がそのたびに与えられる苦痛と快楽に震え、跳ね上がる。 更に容赦のないヲ級のもう一本が、異物を挿入され張り裂けそうな秘唇の上でてらてらと淫らに光る敏感な核を、ごりごりとしたその先端で圧し潰すように強く強く擦りはじめた。 「あぁん!んはぁ、ひぁあ!…もう…やぁぁぁッ!ぃ…く…ぅッ!」 背骨が折れるほど身体を反らし、白目を向いてびくびくと大きく痙攣しながら摩耶は達した。 ずちゅずちゅと、彼女自身が大量に分泌した雌汁を跳ね上げるほどの勢いで入口から最奥までの往復を繰り返す触手に、更にもう一本が加わり――容赦なく、摩耶の秘所をずぶりと貫く。 「いやあぁぁぁぁぁ――――!」 二本の太すぎる痛みが、張り裂けそうな膣内でぐねぐねと蠢く。それぞれが膣壁を擦るその感触が、摩耶を絶頂からいつまでも解放しない。 「いやっ、いやっ、ああああ――」 ぬらり、と触手の先端に子宮の入口を撫でられた瞬間、絶頂感の更に更に上、この世のものとは思えない狂気的な快感が摩耶の全身の毛孔を開かせ、眼を見開いての金切り声が自分の耳すら痛めつけた。 不安と恐怖に苛まれ、極限の快楽を流し込まれ、心臓がどくどくと痛む。 腰の奥が甘く切なくどうしようもなく疼き、脳髄には容赦なく苦痛と快感が交互に同時に突き刺さってくる。 ――やめて。もうやめて。殺して。お願い。 ひくひくとだらしなく濡れた肛門から更に一本が侵入を試みてきたとき、白くちかちかと瞬く目蓋の裏で、摩耶は本気で死を願った。 だが。 最後まで、彼女は言葉で敵に慈悲を乞うことを自分に許さなかった。 下唇を血が滲むほどに噛みしめ、耐える。 …違う。 死ぬべきはアタシじゃねぇ。 殺す。こいつら必ずブッ殺す。コロス。コロス! 「……!」 二体の深海棲艦を睨み付けた、視線。 屈辱を殺意に変えての、決して屈伏せぬ野獣の気迫を見せた、その途端――
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344 :341[sage]:2014/03/27(木) 01:32:38.57 ID:nnF6QNMd - ――リカイシタ。ホキユウサギヨウヲテイシセヨ。
喘ぎなから嬲られる彼女の恥態をじっと見つめていた新型がそう言いながら腕組みを解くと、最後まで表情を変えなかったヲ級の触手が四肢の拘束のみ残して一斉に引いた。 がくん、と解放された摩耶の身体が糸の切れた人形のように横たわった。意外に細い肩だけが、熱い息、荒い呼吸を弾ませる。 ――ドウホウニツグ。コレヨリコノモノ、トウカンノアズカリトス。 珍しい昆虫を見つけた少年のような、好奇に似た表情を浮かべた黒衣の娘が、周囲の空間に向かって何かを宣言した。 ぐったりとした摩耶へ近づき、そのまま彼女の形の良い顎を指先で軽く上向かせると、にっこりと笑いかけ―― 「――強いね、キミ」 「な…!」 流暢にして甘美な『声』。 「だからボクが、たっぷりとおもいださせてあげる。君がなぜ、何をするために産み出されたモノであるかを」 「そんな…ん、む…」 更に、驚愕に目を見開いた彼女に与えられた、甘く柔らかな口づけ。 完全に隙を衝かれる形となった摩耶の心は震え、魂は混乱する。 停止させられた白紙の思考に与えられる、温かくねっとりと口内を犯す舌使いの感覚。 暴力しか与えられなかった女の本能がその優しさに、奇妙な唾液の味に、歯髄をなぞる相手の舌の感触に、脳髄を鈍く甘く痺れさせていき―― 「……んっ」 摩耶は自分でも意識しないままに、やがてその瞳の奥の光をとろかせ、ただ柔らかく心地よい相手の舌の感触を更に味わうべく、自ら舌を絡ませていた。 それが『終わり』であるとは、彼女はもはや、考えることができなかった。 *** 『――緊急警報、メイデイ、メイデイ。哀れな戦艦『長門』さんはこれから10秒後に撃沈します。総員退避をお願いしまーす』 猫がネズミをいたぶるような、猛禽が飛べぬ獲物を嘲るような。呪わしい声が、通信録音の内容として会議室に響き渡った。 『逃げろ…提督ッ…!…うあぁぁッ!』 微かに聞こえた長門の絞り出すような声が、悲鳴に変わる。 『聞いてるかぁ?クソ提督さんとその他一同よぉ。今日がてめぇらのめでたい沈没日だ。楽しい楽しい深海に、鎮守府御一行様を全員ご案内してやるぜ』 『…何者だ。貴様』 耳障りな笑い声に、怒りと困惑の篭った提督の声が割り込んだ。 『つれないねぇ提督。この声を忘れやがったか』 『なんだと……まさか……お前、先日の戦闘で……』 『帰ってきたんだよ。アタシは深海棲艦たちの依代となって、本当の自分をやっと手に入れた――じゃ、すぐ着くぜ。首でも洗って待ってなよ』 『…待て!『摩耶』ッ!』 ぶつっ、という不吉な音と共に――おそらくは長門の運命と共に――通信は終わった。
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345 :341[sage]:2014/03/27(木) 01:34:23.45 ID:nnF6QNMd - 「…対潜哨戒に当たっていた『長月』『菊月』から連絡が途絶えたのはおよそ一時間前。そして威力偵察に向かった『長門』『加賀』からのこの通信はおよそ10分前――おそらくあと30分もせず、摩…敵艦はこの鎮守府に到達する」
鎮守府内作戦会議室、緊急招集を掛けられた全艦娘に向かって重苦しい口調で伝える提督。 と、突然、沈黙を破って青ざめた顔の秘書艦『神通』が部屋に飛び込んできた。 「通信報告!『日向』『大和』、共に大破の報有り!敵艦は単艦、なお無傷の模様!」 「全力の防衛線も、まるで無力か……」 新たな報告に拳を震わせ、苦渋に満ちたその表情は、決して迫りくる破滅の恐怖に怯えている訳ではなく。 かつての部下を沈めてしまった後悔と、その後の更に哀れな運命に弄ばれる彼女のことを思ってのものであることはこの場のすべての艦娘が承知していた。 「司令官。私が出る。あの装備をまた、用意してくれないか」 僅かな沈黙の後。一人の艦娘が、意を決したかのように立ち上がった。 「…しかし『那智』、あの試験艤装はまだ調整が……それに、君の船体への…」 「他に手はない。時間もない。……それに、摩耶は私の親友だ。私が、止める」 彼女の意志も、正論も、その真剣な眼差しも、覆す術を持たない無力な提督が導き出せる解答はひとつしか無かった。 「………分かった。……彼女を――頼む」 「そんな顔をするな、提督。心配ない――あの後先考えないバカの後始末は、いつも私が押し付けられてきたんだ」 だから。大船に乗ったつもりで、待っていてくれ。 言い慣れない冗談を言いつつ頼もしい笑顔を浮かべた那智の顔を、提督はどうしても見ることが出来なかった。 「――来たか。摩耶」 鎮守府正面海域。 腕組みをして仁王立ちした那智が、水平線の彼方から現れた異形の艦娘を、殺気を込めた切れ長の眼で睨み付ける。 その右腕には、圧倒的に巨大な46センチの三連砲。 「出迎えはてめぇか、那智。御大層な装備じゃねぇか。それがお前の改ニってか?」 全身をぬめる嵐の色に染め、両の瞳を黄昏の黄金色に爛々と輝かせ。 鎮守府が空母『ヲ級』と呼称する深海棲艦と同様、半裸の身に不気味な怪物を纏わせた異形に身を堕とした『摩耶』が海上数メートルの距離に立ち、嘲るようにそう言った。 「改二ではない。私がこれを装着するのは、これが最後だ」 「お前はお高いドレスは悦ばないタイプだと思ってたぜ?」 「貴様こそ最悪に似合わん帽子だな。首が重くないのか?」 顎を軽く上げて見下しながらの那智の台詞に、下から睨み上げた摩耶が舌打ちを響かせる。 「けッ……まぁなんだっていい。この摩耶様が、五秒で沈めてやるぜ」 「お前は私が止める。『那智・最終試験改装』、推して参る!」 次の瞬間。那智が、後方に派手な水柱を上げつつ先手で摩耶に襲い掛かった。 「…ッ、バカな、なんて船速……!そのタービン音、まさか……」 「みんなが力を貸してくれたのだ――お前を止めるためにな!」 「……『島風』の動力かッ!?」 大きな弧を描き、しかし一瞬で摩耶に背後から近づいた那智が放った主砲――『大和』から譲り受けた海戦史上最強の砲撃が、海を揺らす。 「…くっ!」 「スキありだ!」 辛うじて零距離での直撃をかわした摩耶の隙を逃さず、那智の渾身のサイドキックがその身を捉えた。 速度と重量の十分に乗った破壊力が彼女の身体を大きく吹っ飛ばし、海面にその身を叩き付けた。轟音と共に、海上に機雷の爆発のような水飛沫が上がる。 やがて収まった波紋の中心、腹部を押さえて海上にゆらりと立ち上がった摩耶が、その顔に禍々しい笑みを浮かべた。
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346 :341[sage]:2014/03/27(木) 01:37:56.81 ID:nnF6QNMd - 「……なにが可笑しい」
「ククク……なるほどその火力と機動性、確かに重巡の身でないと実現できないバランスって奴だ。……だがなぁ!」 一瞬で間合いを詰めた摩耶の拳を、頬をかすらせて那智がかわす。 そのまま至近距離での、格闘戦の応酬。 互いに噛み合う狼のように攻撃、視線、気迫をぶつけ合ううち、那智の表情が一瞬曇る。 「分かるぜ、てめぇの艦体がキシんでやがるのがよぉ!そんなスピードでクソ重い武器、いつまでも振り回せるはずがねぇ!こっちから懐に飛びこんじまえば――」 巧みに誘導された重量が、一気に片足に掛かる。一瞬よろめいた隙を逃さず、摩耶の強烈なタックルが那智の身体の中央を捕らえた。 「ぐはぁッ!」 思わず、那智の肺腑から熱いものが吐き出される。 異形の怪力が、放たれた矢のように海面上を一直線に那智の体を吹き飛ばした。 飛ばされたその先には――鎮守府。 中途に集積されていた資材と接触して派手に吹き飛ばし、 轟音と共にドック施設の外壁に叩き付けられ、 その瓦礫に半ば埋もれるようにして、那智の体はようやく停止した。 「くぅッ……」 「ようやく合点が言ったぜ。そんなイカレた艤装試験にお前が選ばれたのはな、たとえブッ壊れても戦力的に痛くも痒くもねぇからよ。……ちょっと早いがゲームオーバーだ、那智」 追ってついに鎮守府敷地に上陸した摩耶の周囲に、次々と深海棲艦の小型使役獣が現れる。 浮遊するその数はやがて並の深海空母の操る倍、およそ二十を越えた。 「アタシの可愛い艦載鬼たちに粉々に噛み砕かれて、大好きな鎮守府ごと――消えな」 凶悪な笑みを湛えた摩耶が、対象をゆっくりと指し示した瞬間。 飢えた野獣のように、一斉に使い魔たちが獲物に殺到した。 「あっははは!壊れろ、全て!!」 連続着弾の閃光と爆煙が視界を遮る。 やがて彼女の前に姿を現したのは四散した那智の残骸と、廃墟と化した鎮守府―― ではなく。 「バカな……」 摩耶の顔が、驚きに歪められる。 「全機撃墜されただと?あの一瞬、この距離で?!」 「……摩耶。那智は、そしてこの鎮守府は私が護ります」 「『妙高』ッ!!てめぇッ!」 晴れた視界の先にあったのは倒れた那智の肩を抱き、大型の盾を構えた艦娘――。 「野郎……艦娘にイージスシステムとは魔改造にも程があるぜクソ鎮守府ッ!」 「試作型『フェーズドアレイシールド』全域展開。――もはや指一本も触れされませんよ、摩耶」 普段は限りない優しさをたたえた妙高の視線が、強い敵意を込めて摩耶を押さえつける。 「クソッ!那智一隻なら片付いてたものを――」 「単艦では出来ないことが、艦隊ならば出来る。そんな事実も深海に忘れてきたのか、貴様」 那智が額から血を流しながらも再び立ち上がり、壊れかけた砲を構え摩耶を睨み付ける。 「くっ……おおおおオオォ!!」 ケダモノじみた咆哮を上げ、摩耶が再び背後の海上に一瞬で飛び下がった。 「面白ぇ!面白ぇぇ!この摩耶様の全弾一斉砲撃、耐えられるもんなら耐えてみやがれぇ!」 絶叫と共に摩耶の背後から蠢く巨大な十本の触手が現れ、その一本一本が大口径の砲身へと姿を変えてゆく。
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347 :341[sage]:2014/03/27(木) 01:40:04.11 ID:nnF6QNMd - 「下がった!今だ『足柄』!」
「りょーかい!出し惜しみ無しで行くわよ!」 「何?!」 那智の後方。鎮守府施設屋上に、応えた艦娘が姿を現したのを摩耶は視界に捉えた。 その両肩に抱え上げた、巨大な――途方もなく巨大な、まるで『建造物』と称するのが相応しいような二つの発射装置が、自分に向けられていた。 「12式地対艦誘導弾、発射!……かーらーのー」 ズシン、ズシンと鎮守府の建物を揺るがしながら発射を終えた両肩のランチャーを捨てると、しなやかな右手が天を指す。 次の瞬間。その指示に忠実に従うように、身に纏った艤装のあらゆる場所から発射された小型ミサイルが、足柄の長い黒髪を舞わせながら次々と天へ向かう。 「VLS!行きなさい!」 「ッの野郎オオォォォォォ!!!」 足柄の指先が、砲撃姿勢を中断し回避体制に入った摩耶を指し示す。 正面からの地対艦ミサイルを辛くもかわしたところへ、頭上から艦対艦ミサイルの雨。 連続着弾による紅蓮の爆発に包まれたのは、今度は摩耶の方だった。 「ケッ……こんな小玉の花火!この摩耶様の装甲にゃ目眩まし程度で……」 「目眩ましになれば、充分です」 「!?」 爆炎も収まりかけた頃、すぐ背後から聞こえた声に、摩耶が驚き振り向く――そのとき。 両腕をがっしりと羽交い締めに固められ、振り向くことも出来ないことに気づき、摩耶は激しくもがいた。 「ちっくしょ、ステルス強襲艦仕様かッ!コソコソした弱虫のてめぇにゃピッタリだな『羽黒』ッ!…離せッ!」 「離しません!弱虫な私でも可愛がってくれたあの摩耶さんが私は大好きだったから――これ以上貴方に泣いて欲しくないから、もう絶対に、離さない!」 「誰がッ!泣いてるッてんだ!この野郎がぁッ!」 がつっ、がつっと何度も後頭部を羽黒の顔面に叩き付ける鈍い音が海上に響く。しかし顔を傷つけられつつも、決意に満ちたその細腕は僅にも揺るがない。 「ケッ!だがこんなにくっついてりゃ、他の奴等も砲撃爆撃なんざ出来やしねぇ!覚悟は結構だが、ちっと考えが――」 はっ、と殺気に気付いた摩耶が正面に意識を戻したとき。 漆黒の反り身を大上段に構えた那智の姿が、眼前にあった。 「てめぇ……そいつは……」 「斬艦刀『船切(フナキリ)』。天龍が持っていたものを、更に打ち直したものだ。――これなら貴様のみを、再び深海に葬れる」 「……ッ!」 逃げ、攻め、すべての手を封じられた。 チェックメイト。最強のはずの自分が。こんなにも、あっけなく。 「終わりだ、摩耶。――まったく、散々暴れやがって。結局また私に、後片付けを押し付けたな」 「…そう言うな、これで最後だ。勘弁しろよ、那智」 先ほどまでとは別人のように穏やかな表情を見せた摩耶に、那智のそれが驚きに変わる。 「摩耶…お前…」 「あぁ全く、サイコーに気持ち良かったぜ。兵器としての本分を全うできて、お前とおもいっきり戦えて、アタシは満足だ………泣いてんじゃねぇよ、バカ」 「…バカはお前だ…」 理由の分からない笑みが、思わず互いにつられあうように引き出された暖かくも苦い笑いが、二人の顔に浮かんだ。 ――あばよ。最期に楽しい良いケンカだったぜ。 ――ああ。来世でまた、盃を交わそう――。 視線で言葉を交わした瞬間。 迷いなき刀身の軌跡が、摩耶の頭上に振り下ろされて――
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348 :341[sage]:2014/03/27(木) 01:42:19.30 ID:nnF6QNMd - 「…はッ!?」
目覚めて勢い良く上半身を起こした摩耶の視界に入ってきたのは、 薄暗い室内、コタツの上に散らばった空きビンと空きカンと柿ピーの残骸。 思い思いに床に転がり、それぞれ上から軽い寝具を掛けられて安らかに寝息を立てている羽黒、足柄、妙高。そして―― 「起きたのか、摩耶。朝までいても構わないが、風邪を引くなよ」 窓際で一人まだ飲んでいたらしい、那智が静かな視線でこちらを見ていた。 「…こ…ここは…」 「妙高型の居室、時刻はマルフタサンマル。お前は真っ先に酔っ払って寝てしまったがたった今目覚めたところだ」 寝ボケてるのを察してくれたのか、状況をやけに細かく説明してくれる那智。 つまり…… …………夢?!夢オチ?!! え?!っつーかアレ、何? 前半はアレか、最悪、欲求不満がまぁ積もり積もってあんなカタチになってしまったとしても(最近提督も相手してくれねぇし)、 …後半は何だったんだよ?!つーかアタシ悪役似合うな!!なんか妙にイキイキしてたし!! ……な……なんかすげぇはずかしぃ………/// 「どうした摩耶?顔が赤いぞ。本当に風邪引いたんじゃないだろうな」 すっ、と那智の手が額に当てられる。ぼっ、と火がついたように顔が一気に熱くなる。 「い、いやいやあのあのな?だ、大丈夫で、だからその、」 「熱はないようだが。自分の部屋に帰って寝るか?」 「いや、…大丈夫。…今日はお……ここで寝る!」 お前らと一緒にいたい、と危うく出かけた言葉を飲み込んで、摩耶はばさりとコタツ布団に潜り込んだ。 「変な奴。ま、好きにしてくれ」 「なぁ那智よぅ。……お前さ…おもいっきり暴れたい、とか思ったことある?」 「なんだ。面白い夢でも観たのか」 あぁ。傑作だぜ、今日のは。 口の端がにやりと歪むのを、我慢することができない。 夢。夢だった。全部。 嬉しいのか。楽しいのか。単に酔っぱらったか。…うん、それだ。最後のに違いねぇ。 「あのな…」 ――なんだかんだで最高に幸せな、自分の日常。 その夜は、心ゆくまでそれを噛み締めた摩耶だった。 (FIN.)
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349 :341[sage]:2014/03/27(木) 01:46:36.19 ID:nnF6QNMd - 以上、エロパロで何書いてんだという感じですが後半は中二的展開を貫いて満足しました
お目汚し失礼しました
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