- SS書きの控え室144号室
673 :667[sage]:2014/03/23(日) 06:02:19.91 ID:FQelsXdY - >>668>>669
すいません教科書で読んだレベルでして そういえばこの作者締切がそのままタイトルにもなってたし 件の作品も作者がつけたタイトルじゃなかったっけな
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684 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/23(日) 12:36:46.92 ID:FQelsXdY - >>683
セカイ系か…
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- 【巨根】TRICK・矢部謙三でエロパロ【貧乳】part6
272 :絶対的関係 1/12[sage]:2014/03/23(日) 20:40:38.81 ID:FQelsXdY - 58です。まとめて一度に投下出来るかわかりませんが
しばらくお借りします。 ――――――― 私が日本に戻ってきてから数ヶ月。すっかり色んな事が変わっていた事にも少しずつ慣れてきた。 ―――ただ一つのことを除いては。 「もし私の目の前で本物の霊能力を見せていただけたなら、この賞金5000万飛んで7000円は全てお渡しします。締切は一週間後、かかってこい!」 と科学と人類大賞授賞式で言っていた、日本科学技術大学教授、上田次郎。 私が得意の封筒マジックで賞金をせしめようとした。が、何やら私を見つめたまま泣いてるような、だけどどこか笑っているような不思議な顔で見ていたが、手品のネタが暴かれてしまった。 (そこまで鋭そうな感じはしなかったのに) 仕方なくとぼとぼと帰ろうとしたところ、何故か夕食をご馳走すると言う。 一応、形式上一度は断ろうとした途端にお腹が鳴ってしまい、上田さんはそうだろうと言わんばかりにたらふくご馳走してくれた。 しかも何故か、私の好きな餃子と寿司という変な組み合わせを。 そしてその後、何故か度々呼び出されては、食事をご馳走になるという関係が続いている。 ―――おかしい。 こんなこと、長野のお母さんに話せる訳もないし、上田さんも自分の自慢話と世間話以外何も話さない。 ただ、時折夢中で食べてる時に(こちらが気づいてないと思ってるのか)、どこか私じゃない私を見ているような視線を感じる。 ――私の空白の記憶を知っているのか? ――じゃあ何故、何も言って来ないのか…? 大家さんも上田さんを以前から知っているらしく、ますます訳がわからない。 私と上田さんは以前からの知り合いと仮定するなら、私達はどういう関係だったんだろう…? 一応自分なりに結論は出てるけれど、決定的なものはないし、認めたくない自分もいる。 ある週末、トクウエカルビに釣られて呼び出された席で、思い切って上田さんに直接聞いてみた。 「あの、上田さんと私って、どういう関係だったんですか?」 「YOU、何を唐突に。ビールの泡付いてるぞ」 指摘され、口元を拭いながら続ける。 「わからないんです。あの賞金は貰えなかったけど、こうして食事に連れてってもらったり…アパートの大家さんの話では、なんだか家賃まで払ってもらったりしてたみたいですし…どうして、そこまで」 「思い出してきたという訳ではないんだな…?」 「はい」
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- 【巨根】TRICK・矢部謙三でエロパロ【貧乳】part6
273 :絶対的関係 2/12[sage]:2014/03/23(日) 20:42:33.21 ID:FQelsXdY - ただ、時折夢中で食べてる時に(こちらが気づいてないと思ってるのか)、どこか私じゃない私を見ているような視線を感じる。
――私の空白の記憶を知っているのか? ――じゃあ何故、何も言って来ないのか…? 大家さんも上田さんを以前から知っているらしく、ますます訳がわからない。 私と上田さんは以前からの知り合いと仮定するなら、私達はどういう関係だったんだろう…? 一応自分なりに結論は出てるけれど、決「はい」 すると、上田さんはどこか遠い目をして話し出した。 「情けないものだな……キスもしたというのに」 「き…きき、キス!?」 「キスだけじゃない。お互いの寝息を感じながら眠りについた事だって、一度や二度じゃない」 「う…嘘だ!」 「嘘を言ってるかどうか、YOU、俺の顔を見ればわかるだろう」 今までは大体、自慢話かホラとかばかり聞かされてきたので、特にホラ話の時にするクセは知っていた。 だが、今回はそれが上田さんには無い。 「いつかの夜には、大胆にも君の方から俺の方に…」 「わー!わあああ!」 「あろうことか、俺の股間に手を」 「うるっし!黙れ!」 この席には二人、仕切りもあるとは言えここは店内という公然の場だ。いたたまれなさからつい上田さんの言葉を遮ってしまった。ある程度、そうなんじゃないかという気はしていたが。 ――だけど、まさかそんな事。 だから上田さんは、私にここまでするのかと合点はいくが… 意を決して、ジョッキに半分残っていたビールを一気に飲み干す。 「…わかりました」 「まあ、YOUがまだ思い出さないなら仕方無い…そろそろ帰ろう」 そう言って席を立とうとした上田さんの服の襟をつかみ、ぐっと自分の方に引き寄せる。 ガチン、とお互いの歯がぶつかる。私は、ビールの勢いを借りて上田さんにキスしていた。 唇が離れる瞬間、ぶつかった際に唇が切れてないかと舌で唇を舐めてみる。その時、上田さんの唇を掠めたようだった。 「や、やっぱり私、上田さんの愛人だったんですね!?でも急にまた前と同じように、というのは無理なので…これで許して下さい!お代官様!ごめんなさい!反省!」 畳み掛けるように一気に話すと、上田さんは意外にもこれ以上ないというくらい耳まで赤くして狼狽えていた。 「………い、いや、愛人でもないし、代官でもない……というかYOU、どこでこんなキス…」
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274 :絶対的関係 3/12[sage]:2014/03/23(日) 20:45:21.68 ID:FQelsXdY - 「え?で、でも以前、い、一緒に…ね、寝たとか…色々…」
「嘘は言ってない」 アルコールは回っているが、冷静に筋道立てて今までの上田さんの発言を整理してみる。 一緒に泊まったのは事実。 キス、したのも…事実。 でも上田さんがこんなに赤面して狼狽えてるところからキスはともかく、一緒に寝たのは。 「一緒の部屋に寝た…だけ?」 「………そうだ」 「でも、寝息を感じる距離というのは」 「まあ、すぐ隣で寝たこともあるが…何もなかった」 俺はジェントルだからな、とつけ加えてたが、じゃあ何故私の目を見て言えないのか。 疚しい気持ちが微塵もなかった訳ではないと、その表情が物語っている。 「とにかく、店を出て話そう。喧騒に紛れてるとは言え、これ以上人に聞かれていいものではない」 (さっきの自分は棚に上げておいて)そうですね、と荷物を持って席を離れかけた際、酔いのせいで少しふらつき、上田さんの背中にぶつかってしまった。 「すみません」 「おう…」 それきり、上田さんは黙ってしまった。 車の中ででも話すのかと思っていたのでいささか肩透かしを食らったが、まあいいかと思っていた時、上田さんがぼそりと切り出した。 「コーヒー、飲まないか」 「はあ」 「いい豆を貰ったんだ。その…お、俺のマンションで、ゆっくり」 「いいですよ」 正直、こんな見え見えの下心に気付かない訳もなかった。 だけど、もしかしたら何かしら過去の私の記憶の片鱗があるかも知れないと、誘いに乗る事にしたのだ。 過去に隣でこんな巨乳美女が無防備に寝ていたのにも拘わらず、何も手を出してこなかった位だから迂闊な事はしないだろう、という思いもあったが。 ☆ 上田さんの部屋は大学教授らしく、一人で住むには十分過ぎる広さだった。 「今用意して来るから、掛けて待ってろ」 そう言われたものの、リビングのあちこちを見て回っても、まるで初めての部屋。 爽やかスマイルな青年の写真パネル、赤や青や黄色の円が描かれた謎のマット、健康器具等々…不思議な物ばかりが雑然と置かれていた。 「なんだ、うろうろ歩き回って」 と、上田さんが奥のキッチンから高級そうなカップに入れたコーヒーを持って来た。 「私、以前この部屋に来た事あります?」 「YOU…」 「あの爽やかな青年は誰ですか?」 「君は、この部屋に来た事があるし、あれは昔の俺だよ」
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275 :絶対的関係 4/12[sage]:2014/03/23(日) 20:47:13.08 ID:FQelsXdY - ダイニングテーブルにコーヒーを置きながら、上田さんは深いため息をつく。
それは、私がまだ何も思い出さない事に落胆したのがありありと見えた。 どこか気まずさを覚えながら椅子に座ると、運ばれて来たコーヒーに口を付ける。 「この匂い…」 「……ルアックコーヒーだ。独特な香りはあるが、希少な物なので一杯数千円する」 それを聞いて、どことなく以前嗅いだような匂いだった気がしたものの、グイッと飲む。 「――どうだ?」 「ん、味はイケる!」 「そうか、良かった」 そう言って上田さんは一口だけコーヒーに口をつけると、何やら怪しい目つきで私を見つめる。 「何か、変化は無いか」 「なんで?」 と、小首を傾げる。 「今の君は忘れてるが…以前黒門島という島にしか生えない、カリボネという媚薬があった。以前は悉く失敗に終わってしまったが、YOUが今飲んだコーヒーに入れておいた」 「え」 「ちなみに俺のと交換したかも知れないが無駄だ。予めそれを見越して両方に入れておいたからな」 「お、おのれ…たばかったな、上田!」「フ、まあコーヒーは偶然だが、ああ積極的に来られては、拒めるはずも無い。いくら相手がYOUでも、女性に恥をかかせてはいけない…俺は、ジェントルだからな」 上田さんはそんな言葉とは裏腹に、息が荒くなっている。私も薬が効いてきたらしく体が温かくなり、力が抜けてきた。 「大丈夫。俺は人より大きいが…優しくする」 「上田さん」 「YOU…」 「ベッドに、行きたいです」 上田さんは固唾を飲むと、力が入らなくなった私を両腕で横抱きにする。ことん、と頭を上田さんの胸に預けると、上田さんの鼓動が一際早くなった。 ベッドルームに着き、そっとベッドの上に私を下ろすと、上田さんがそそくさと服を脱ぎだす。 「…上田さん」 「ゆ、YOU…は、ははやる気持ちはわわわ分かるが、もう少し」 さっきの薬のせいで体が温まり、焼き肉屋のビールの相乗効果と満腹も相俟って、カフェインの覚醒効果も適わない強い眠気が襲う。 「おやすみ、なさい…」 シーツの感触が心地よく、まぶたが重い。 「こ、ここまで来て…ばんなそかな!」 私の肩を掴んでガクガクと揺らすも、眠気には抗えなかった。 「いいのか?襲うぞYOU…ヘイ、YOU!」 「記憶が戻ったら…襲って、いいですから…」
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276 :絶対的関係 5/12[sage]:2014/03/23(日) 20:51:59.53 ID:FQelsXdY - 何を言われても睡魔には勝てない。眠りに落ちる間際、上田さんの「WAIT!」という声を聞いた気がした。
――その夜、夢を見た。 モノクロの映像、上田さんの研究室。 私と何故か半裸の上田さんは対峙して何か話している。 でも声はしない。 私は上田さんの机の前の椅子に腰掛け、突然子供のように泣きじゃくる。 勿論上田さんはそんな私に戸惑い、何を思ったのか車のおもちゃを使って必死になだめすかす。 泣き止んだ私はおもむろに立ち上がると上田さんに何か話したあと、ふわりと微笑んで 「あなたに、会えて良かった」 相変わらず声はしないものの、確かにそう言っていた。 場面は変わり、 どこかの洞窟の中。 上田さんは私に何か必死に叫んでいる。 やはり声はしない。 私と上田さんの間には、崩れてきたと思われる岩に阻まれ、お互いに近付くことは出来ずにいる。 やがて上田さんは黙り込み、切迫した表情で私を見つめていた。 私は上田さんに二言三言何かを話したあと、 「…さよなら」 と別れを告げていた。 そして何かを決意したように、上田さんに背中を向けて一度も振り返る事なく、どこかへと歩き出した――― 「…YOU?」 ぺちぺちと額を軽く叩かれ目を開けると、すぐ目の前に上田さんの顔があった。 「やめろ!何をする!」 「YOUが夢見ながら泣いてたからじゃねぇか」 言われて、涙で頬が濡れている事に気付く。 「あ…」 「泣く程ってどんな夢だよ?あれか?目の前で焼肉食べ放題が締め切られたとか、そんなか」 上田さんの軽口にも冗談で返す気にはならず、のっそりと起き上がる。 「はっきりとは覚えてないんですけど、夢の中で上田さんに向かって『さよなら』と告げていた事だけは、覚えてます」 最初のはさすがに気恥ずかしくて言えなかったが、洞窟内での夢の話は、それまでにやついていた上田さんの表情がさっと変わった。 「――それは、どこだったか、覚えてるのか…?」
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277 :絶対的関係 6/12[sage]:2014/03/23(日) 20:53:51.61 ID:FQelsXdY - 「モノクロの夢でしたけど、どこかの崩れた洞窟の…」
言いかけて、今度は上田さんの方が目に涙を浮かべていたことに気付く。 「あの…上田、さん?」 おそるおそる手を伸ばして肩に触れると、ビクリと震えた。 「何か、まずかったですか?」 「いや…いいんだ。何でもないんだ…何でも」 最初に研究室で私を見ていたような顔。でもそれよりはどこか嬉しそうに見えた。 「今は、それだけで」 壊れものに触れるようにおずおずと私に上田さんの両腕が回され、最初はそっと、ややあってからぎゅっと抱きしめられる。 昨夜と違って下心を感じられなかったこともあり、その手を振り解く気にはなれなかった。 「俺は、生まれてこの方人前で泣いたことなどない」 「そうですね」 大学の研究室で、私の前であれだけ涙目でいておきながら、とクスッと笑う。今の上田さんは、まるで大きな大きな子供のようだった。 思わずあやすように背中を軽く叩くと、鼻を啜る音までした。 「ねぇ、上田さん」 「なんだ」 相変わらず涙声だ。 「ちょっとだけ、昔の私と上田さんがどういう関係だったのかわかった気がしました」 「言ってみろよ」 上田さんは身を離してじっと私の顔を見つめる。 「えへへへ!」 「答えになってねぇじゃねえか」 「『わかった気がしました』と言っただけで、教えるとは言ってませんから」 泣き止んではいたが上田さんは涙と鼻水でひどい顔だったので、つい吹き出してしまう。 「…笑うな」 上田さんは私から目線を逸らしてちょっと拗ねたような口調で言うが、私の生来の天の邪鬼のせいもあり余計に笑った。 「YOUが天の邪鬼なのを忘れていたな…よし!わかった、笑え!」 「あはははは!」 「なんでだよ!」 更に大きな声で笑ってしまったので、余計拗ねてしまった。 「くそっ!」 上田さんは涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔を拭こうと、ベッドサイドのティッシュに手を伸ばす。 「おうっ!?」 「ちょっ…にゃむー!」 上田さんがバランスを崩して寄りかかって来た為に、私はそのままベッドに押し倒される形になってしまった。 「重い!早くどけ!」
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278 :絶対的関係 7/12[sage]:2014/03/23(日) 20:57:32.13 ID:FQelsXdY - すると、何故だか上田さんは私を見つめたまま動こうとしない。
「昨夜『記憶が戻ったら襲っていい』と確かに言ったよな?」 「普通、そういう場合は『全部戻った』時に決まってるじゃないですか。第一、夢で見ただけで自分の記憶として認識ありませんし」 「だが、昨夜は君一人寝てしまったおかげで俺はひっっ…じょ―――――に眠れない夜を過ごさせてもらったからな。ちょっとくらいいいだろ」 「そんなの自業自得じゃん!大体、薬に頼るなんて姑息過ぎだろ」 「正攻法ならいいのか」 上田さんの声が一段と低くなり、私の体温が少し上がったような気がする。真摯な眼差しに、思わず視線を外しながら声が小さくなっていた。 「そりゃ…場合によっては、考えなく…も、ありますん」 「どっちだよ」 「ちょっと、目が怖い…堪忍して、お侍さ―――」 それ以上は言葉が出なかった。あろう事か、上田さんの唇で塞がれてしまったのだ。 「んっ!…ん…んぅ…」 ただ唇を押しつけるだけのキス。だけど何度も、次第に角度を変えて。何度目のキスかわからなくなった頃、やっと上田さんの唇が離れた。 「なんで突然…キ、キスするんだ!」 「セックスの始まりはキスからじゃないのか?」 熱くなる私と対称的に上田さんは不思議そうな顔で答え、全然話が噛み合っていない。 とどのつまりは。 「…セックスしたいだけだろ」 「ああしたいね。だが、君だから本気でセックスしたいんだよ」 昨夜は「YOUが相手でも」とか失礼な事を言っていたのに、ふてぶてしく開き直るにも程がある。しかし、だからこそうっかり絆されてしまった。なんとなくだが、過去の私も上田さんといつかはそうなっていただろうという気もしたからだった。 「…よ」 「え?」 「ちょっ…ちょっとだけなら、いい…ですよ」 「ちょっとって、どこまでだ」 「さっき自分で『ちょっとくらい』と言ったんだろ。それよりカーテン閉めろ」 「なぜ」 「あ、明るいだろ!……恥ずかしい」 上田さんがカーテンを閉めている間、慌ただしく服を脱いで下着姿でベッドに潜り込む。 上田さんはカーテンを閉めたついでに顔も拭いてきたらしく、さっきまでよりはさっぱりした顔をしていた。そして布団から顔だけ出した私を見て、念を押す。 「YOU…今度は寝たりしない、よな?」 「………」 「寝るのかよ!…だが、今度こそ本当に途中で止めねえぞ」
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279 :絶対的関係 8/12[sage]:2014/03/23(日) 20:59:51.39 ID:FQelsXdY - さっきのキスの前より真剣な眼差し。まるで射抜かれるかのようで胸が熱い。
上田さんは素早く服を脱ぎ捨て、下着姿で私の居るベッドへ膝を詰めた。 「口、開けろ」 言われるがまま口を開けると、上田さんの唇と共に舌が滑り込む。 「んぅ、っふ…」 無我夢中で舌を絡め取られ、時には歯の裏を舐められる感覚に肌が粟立つ。嫌悪ではなく、まるで昨日の媚薬のように頭がぼうっとしてしまう。 「…は」 唇が離れ、ひとつ小さなため息をつく。いつの間にか布団を捲られて肩に置かれていた上田さんの手が、ブラジャーの肩紐をするりと下ろした。 「YOU…外して、いいよな」 その言葉に小さく頷き、外しやすいように少し身を起こして、上田さんがホックを外すのを待つ。 しかし、なかなか外せずにいた上田さんに痺れを切らし、後ろ手に上田さんの腕を掴んでホックを外し、そのままブラジャーを外した。 「―――」 上田さんが息を飲む。正直、自分で外したのは失敗だった。 ホックを外す手を背中に回していた為に、まじまじとコンプレックスでもある胸を見られてしまった。 いくらそういう行為で体を見られるとはわかっていても、何も隠さずにただ見られるのとは違う。 「…じっくり見ないで下さいよ」 「見ないで触れないだろ」 そっと、上田さんの右手が胸に触れる。 その形を確かめるようにゆっくりなで上げると、小さく震えた。 「悪い、痛かったか」 「いえ…痛くは、ないです」 「感じたのか」 「…いちいち聞くな」 そんな私に気を良くしたらしい上田が左手も空いた右の胸に触れると、途端に体の中に何か電流のようなものが走った。 「…っ!」 上田さんはそれには気付かず、啄むようなキスを首筋から鎖骨、そして胸元へと降りてくる。時々肌を掠める髭がくすぐったい。そのまま唇が私の右胸の先端に辿り着き、唇で軽く食む。 「あんっ…」 「…YOU」 上田さんより、自分の出した声に自分が一番驚いていた。上田さんはそんな私を更に追い立てるように、舌で転がしたり、時には軽く吸ったり。さっきはくすぐったいだけの髭の感触すらも、私を更に追い立てる。 「こっちも、どうかな…」 「んんぅ、あ…っ」 唇が左胸に移ったところ、さっきまでより強い刺激が走る。 どうやらこちらがより感じるのだと、初めて知ってしまった。 「YOU、こっちのが感じるのか」 「なんでだ」 「さっきより声出てるぞ」
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280 :絶対的関係 9/12[sage]:2014/03/23(日) 21:02:24.63 ID:FQelsXdY - 「…ぅ、んっ…!」
強めに吸われ、思わず声が漏れる。上田さんの良いように翻弄される事が、どこか悔しい。 それとはまた別に、身体のずっと奥で何かがくすぶり始めたのを感じる。 「……あのっ…」 いい加減ふやけるんじゃないかと思うくらい、子供みたいにずっと胸を吸い続けていた上田さんに思い切って訴える。 「ほ、他も、さ…触って、下さい…」 「他ってどこだよ?ん?」 「だから…そこ以外ですよ」 上田さんは純粋にどこなのかがわからないという訳でなく、どうにも意地悪く聞いてきたので、恥ずかしさのあまり思わず顔を逸らす。 「なんでそんな嬉しそうな顔してるんですか」 「実際嬉しいから、仕方ないだろう?さっきも言ったが、俺はずっと、君とセックスしたかったんだよ」 鳩尾の辺りをちゅうっと吸われ、また小さく声が漏れる。 上田さんはにやっと歯が見えるように笑って続けた。 「YOUにそんな顔をさせてるのが俺だと思うと、たまらないね」 「どんな顔ですか」 「もっともっと、君の望むだけ気持ち良くさせてやりたくなる顔だ」 そう言うと、最後の一枚となっていた下着に手をかける。 「…取るぞ」 さっきと違い、下ろすだけなのに恐る恐るといった様子で、変に時間をかけられてしまって余計に恥ずかしい。 「おぉう…」 「…?」 次のアクションが無いことに困惑し、少し頭を起こして見てみる。 自分の足の間に上田さんの顔が見えるという、非常識な光景につい思わず足を閉じると、上田さんの頭を挟んでしまった。 「うおっ!」 「すいません。というか、何してるんですか」 「観察してただけだが」 「観察って」 「ベストを尽くす為事前に色々研究し尽くしてきたが、百聞は一見に如かず。ここまでかぐわしいものだとは思わなかった」 と、何やら一人しみじみと耽っている。 「なんでかぐや姫?」 「『かぐわしい』。匂いがいいという意味だ」 「―――!!」 閉じようとした足をがっしり掴まれ更に開かれた。 「YOUの『触って欲しいところ』には入ってないのか?」 「知りません!」 「じゃあ、好きにさせてもらう」 内股の付け根部分まで、軽く舌で舐めたり時々少し強く吸われたり。しかし、その観察していた部分には何もせずにいる。 とはいえ、鼻先や顎髭がそこを掠めていくだけでも、小さく体が跳ねた。
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281 :絶対的関係 10/12[sage]:2014/03/23(日) 21:04:31.93 ID:FQelsXdY - 「…煽るんじゃあない」
「煽って、なんか…」 つつ、と軽く人差し指で撫でられ、正直待ち焦がれていたそこへの刺激に一際甘い声が出る。 「は…ぁ、ぅ…」 「ほう…ここが…」 人には見せた事すらないその場所を、指の腹でそっと確かめるように触れられていく。それだけでも背筋を快感が走ったが、その中でもある場所に辿り着いた時、今までで一番鋭い快感が走った。 「…ひ、あっ!」 「思った通りだ。ここが、クリトリスだな」 「なっ…に…?」 「女性に存在する唯一快楽の為の器官だ。だから、素直に浸っていればいい」 「…そんな、わか…なっ…」 そこを指でこすられ、自分でどうする事も出来ない、狂おしい快感の波に翻弄される。合間にはなだめられるように、首筋や鎖骨の辺りにキスされた。 「あ…あ、――何か、何か…来るっ…!」 さっきから少しずつ私の体の奥でくすぶっていたものがどんどん大きくなっていった後、一気に熱く爆ぜた。 「――おい、YOU」 「……なんか…ヘン、です…」 「どんな風に」 「何か、体の奥でくすぶっていたものが爆発したような…」 「つまり、オーガズムに達したんだな」 「お…おー、ガ…?」 「性的快感の頂点。俗に言うと『イった』という事だ」 淡々と説明され、急に恥ずかしさが全身を襲う。 「〜〜〜〜っ」 「まだ、セックスが終わった訳でもない。というか挿入してないとセックスではない」 そんな理屈をこねていた上田さんはいつの間にか自分も下着を脱いで裸になっていた。そしてついついある一部分に目が釘付けになっていると、その視線に気付かれた。 「ふん…スキモノめ」 「ち、違いますよ!そこだけ色が違ってたから気になっただけだ!」 上体を起こし、毒々しい色の避妊具に包まれたそこに手を伸ばす。 「YOU!?」 扱いがわからないまま、そこの先を包み込むように恐々と柔らかく握ってみる。すると思ったよりその感触が楽しくて、そっと握っては離したり、形を確かめるようにくびれを指でなぞったりしていると、次第に上田さんの息が上がってきた。 「YOU…そこ、を…なぞるんじゃ、ない…」 「ここ?」 「う、くっ…」 さっきまで余裕ぶっていた上田さんの反応が楽しい。片手では収まりきらないので左手も添えて、一番反応が良かった辺りを軽くこすってみる。 「ダメ、だっ…このまま…じゃ…」 「このままじゃ?」 「おぅっ…出、出るっ…!」
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282 :絶対的関係 11/12[sage]:2014/03/23(日) 21:06:02.06 ID:FQelsXdY - 「――にゃっ!」
上田さんの苦悶の表情と同時に、手の中のそれがびくびくとしたかと思うと、手のひらに何か温かいものを感じた。 「くそっ…!こんなはずでは」 なんだかこの状況のせいか、一人でおたおたする上田さんがどこか可愛らしいと思ってしまった。初めて知った事だが避妊具はどうやら使い切りらしく、さっきの物を外している。 「…見るなよ」 「純粋な好奇心だ。上田さんだってさっきずっと見てたじゃないですか」 「あれは研究者として当然の行為だ。大体、見ないと何も出来ないじゃないか」 「私も見ないと何をどうしていいかわかりません」 「俺はともかく、君というかすべからく女性の体は、男性を受け入れる準備をするべく、必要な行為なんだよ」 さっきはちょっとだけ可愛いと思えたのに、また屁理屈の不遜な男に戻ってしまった。しかも上田さんは不敵な笑みを浮かべ、ぶつぶつと呟いている。何やら、それもアリだのそれなら次はもっとだの準備に費やせるとか何とか。 「よし、じゃあYOU、足開けよ」 上田さんはちょうど私に向かって前屈みの体勢で、私の耳元で囁いた。 その囁かれた声音がまるで呪文のように響き、ついのろのろと従ってしまう。 「痛かったら言えよ」 つぷ、と少しだけ冷たい長い指が入ってきた。 初めての感覚に体をびくりと震わすと、上田さんは少しだけ入れた指をすぐに抜いた。 「痛かったか」 「驚いただけで、大丈夫です」 そうか、と再び指を入れられ、ゆるゆると抜き差しされる感覚に浅いため息が漏れる。 「熱く、濡れてきたな」 「そんなこと言うな」 単調とも言える、ただ指を抜き差ししているだけの行為で、自分の体の奥の何かが再び呼び覚まされる。 「…っ…」 「もう一本」 つるり、と上田さんのもう一本の指が入ってくる。さっきの単調な動きと違って、中で軽く曲げてみたり、少し指を広げてみたり。その度に言葉にならない声が口から漏れていく。 いつしか私は再びベッドに横たわり、上田さんから与えられる刺激を、ただ甘んじて受けるだけになっていた。 「まだもう少し解さないとな」 そして、三本目の指。入る時に少し引っ掛かるような感覚はあったものの、さっきと同じように指を動かしていくうち順応し、上田さんはそれを確認するとそろそろいくぞ、と呟いた。 「…?どうした?」 ゆっくり起き上がると、若干慌てて避妊具を着けている上田さんに一言告げる。
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283 :絶対的関係 12/12[sage]:2014/03/23(日) 21:12:11.91 ID:FQelsXdY - 「私にさせて下さい」
「私に、って」 上田さんの肩に手を置き、唇に触れるだけのキスをする。 唇を離すと、肩に手を置いたままそろそろと腰を落とそうとして、視線に気付く。 「み、見るな!」 ぺちん、とびんたの要領で上田さんの両目を右手で塞ぐと、また腰を落としていく。 「っう、く…」 ただ腰を落としただけでは上田さんのそれを上手く受け入れる事が出来ず、こすりつけるだけの状態になってしまう。 いつの間にか上田さんに腰を支えられてはいたが、どうしたものかと考えあぐねてでもやっぱりと躊躇し、最後はどうせ見えてないからと、空いた左手で左腿の付け根近くを抱えながら跨がると、上田さんの熱さを体の中から感じた。 「あ…は……っ、ぁ…!」 「おおう…これが…ついに!」 客観的に見れば、はしたない格好だという自覚はある。上田さんの目を覆っているからこそ、出来る事だった。 上田さんも私の腰に手を添え、上体がふらつかないように支えている。 「…は…ぁっ、う…」 「グレイト!熱くて、絡み付いてくる…」 「喋る、んじゃ、ない…!」 少しずつ、少しずつ。じりじりと上田さんの熱さが私の中から感じられる。 痛みももちろんだが、内臓を押し上げるような圧倒的な存在感。 その苦しさから逃れるように、上田さんの目を覆っていた右手と左足を抱えていた手をそれぞれ離し、上田さんの首にしがみつく。 「あと少しだから…もうちょっとだけ、我慢してくれ」 上田さんに頭と腰を優しくさすられるが、息も絶え絶えな状態なのにまだ終わりじゃなかったのかと、軽い絶望感を味わう。 「――ふ、…っ…全部入った、ぞ…」 「なか、いっぱい…」 ぜいぜい喘ぎながらポツリと呟いた一言で、上田さんがうち震える。 「……そんなことを言うんじゃない」 「なんで」 「優しく出来なくなるだろ」 上田さんは緩やかに私の腰を浮かせては、またじりじりと私を侵す。私の中に熱く脈打つ上田さんがいる。 「優しく出来ない」と言っていたのに、私に気遣って激しい動きはしてこない。 それがたまらなく苦しくて、私は上田さんにキスをする。上手なキスの仕方なんてわからない。ただ、めちゃくちゃに。 「…奈緒子」
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- 【巨根】TRICK・矢部謙三でエロパロ【貧乳】part6
284 :絶対的関係 13[sage]:2014/03/23(日) 21:15:32.21 ID:FQelsXdY - (すみません改行規制でズレました…あと2レスです)
唇が離れたあと、再び呪文のように私を縛り付ける声。その低音で自分の名前を呼ばれる事が、こんなにも胸をいっぱいにする。どれだけ彼は、愛おしく私の名前を呼ぶのか。 それは今の「私」に向けられているのか、それとも過去の「私」に向けられているのか。一瞬過ぎった考えを無理矢理消し去り、上田さんから言葉を奪うように再びキスをする。 「…む、んんっ…」 「上田さん…上田さん…っ!」 キスの合間、うわごとのように上田さんの名前を呼び続ける。私を突き動かしているこの感情は何なのかわからない。もどかしくて苦しくて切なくて、訳もなく涙を流していた。 やがて、上田さんが再び眉根を寄せて苦悶の表情を見せる。 「うあっ…も…もう…出…っ!」 最後はお互いに汗ばんだ体を痛いくらい抱き締められて、上田さんは私の中で果てたのだった。 少し息が整った頃、上田さんはゆっくり私の中から引き抜くと、そのままどっと大の字になってベッドに倒れる。 「上田さん?」 心配して顔を覗き込むと、何故か突然笑い出した。 「ハハハハハ!」 「頭でも打ったのか」 「俺は正常だ。正常に…君を、抱けたんだ…!」 今度は寝転がったまま感涙に咽んでいた。 なんと忙しい男だと思っていると、ふと今さらながら自分の姿に恥ずかしさを覚え、布団を手繰り寄せる。 「今更隠すなよ」 「今だから隠すんだ」 「さっきまであんなに全部曝け出してたのに?」 「上田さんは曝け過ぎなんです!」 「おう、まだ後始末してなかったな。君も拭いてやろうか?」 「自分でします!」 まったくどこ吹く風だ。 上田さんはむっくりと起き上がり、先ほどと同じように避妊具を外してティッシュで軽く拭いゴミを始末すると、自分の隣に来いと促すようにぽんぽんと布団を叩く。 「まだシャワーを浴びなくてもいいだろう」 こそこそと布団で体を隠して拭いながら応える。 「浴びたいのはやまやまですけど」 「『けど』なんだよ」 「…体のあちこちが軋んでるんですよ」 それを聴いて、上田さんは私の肩を抱き寄せるとベッドに押し倒す。その勢いでゴミが散乱してしまった。 「わあ!…ま、まだやるのか!」 「バーカ。ならもう少しゴロゴロしてたらいいんだよ」
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285 :絶対的関係 14[sage]:2014/03/23(日) 21:20:50.37 ID:FQelsXdY - 上田さんの顔を間近に見据え、なんだか胸の奥がくすぐったい気持ちになる。さっきまでの熱い時間を過ごした後は皆こうなのだろうか。
「上田さん」 「なんだ」 「良かったですか」 すると上田さんは顔を赤らめ、私から視線を逸らしてぼそぼそと話す。 「YOU、だ、大胆な質問だな…そりゃ良くなかったら、初めてとは言えあんなに夢中でしないだろう」 「え?」 「だ、だから、気持ち良かったかどうか心配したんだろ?」 そこで初めて話が噛み合ってなかった事に気づく。 「ち…違う!気持ち良かったかどうかでなくて、単に私とセックス出来て良かったかどうかと――」 「――良かった」 突然真剣な声色で話し出し、優しく頬を撫でて来たので、どきんと心臓が跳ねた。 「こんなに簡単な事なら、もっと前に君に触れるんだった」 ――ああ、また。 どちらの「私」に向けての言葉なのかわからない事が苦しい。 さっきまで上田さんの熱い体を知ってしまった今、余計に心焦がれる。 「そういう君は」 「はい?」 「君は良かったのか」 「私は」 次の言葉を言おうとして、はらはらと涙がこぼれる。 「お、おい…もしかして後悔してるのか?」 ただおろおろする上田さんの両頬をむにっとつねり、泣きながら笑って見せた。 「お前にはわからないだろうな。えへへへ!」 まだつねったままで言葉を続ける。 「…後悔はしてませんよ」 「嬉し泣きか」 「そういうことにしといて下さい」 手を離し、上田さんの胸に顔をうずめる。後悔の涙とも嬉し泣きとも違い、うまく説明がつかない。行為中の涙ともまた違う、静かな涙だった。
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286 :絶対的関係 15[sage]:2014/03/23(日) 21:24:15.94 ID:FQelsXdY - ☆
あれからまだ、私は過去の記憶を思い出さないまま日々を過ごしている。 前と変わったところは、あれから上田さんが食事に誘うことが頻繁になった。食事の誘いにかこつけて、あわよくばという下心が見え見えなのだが。 ――まあ、食事以外はごくごくたまに気が向いた時にだけ、付き合ってやっている。 過去の記憶を取り戻した時、「今この時の私」を私は覚えているだろうか。 覚えていなくともいつかきっと上田さんが話してくれるだろう、そんな気がした。 ――その際、多少のホラ話で事実を盛られるであろうことはご愛嬌で―― <end> ―――――――― すみません連投規制より改行規制とか細かいもので 15レスにもなりましたorz
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