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名無しさん@ピンキー
◆Freege5emM
エロパロ板の愚痴を吐け! 【二十四言目】
ファイアーエムブレム&ティアサガ第49章

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エロパロ板の愚痴を吐け! 【二十四言目】
907 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/16(日) 13:04:31.74 ID:9QKyXaRb
まぁそこら辺は規制に引っかかり具合やん。

例えば4話までスレ投下して規制食らって、
7話まで書き上げて支部に投下して、それから規制解除されたって、
いきなりスレに8話から投下するのもおかしな話だし、
既に支部に投下したのをスレに投下し直すのもマルポで避けるのが無難。

それに、規制に嫌気が差してピンクや2chにアクセスしなくなってたら、
アク禁解除に気付かないなんて普通だしょ。
ファイアーエムブレム&ティアサガ第49章
615 : ◆Freege5emM [sage]:2014/03/16(日) 23:20:46.98 ID:9QKyXaRb
お久しぶりです。
以前のヴァルター×エイリークを読んでくださった方、感想を寄せてくださった方に、
この場で御礼申し上げます。ありがとうございます。

一本投下します。

諸注意
※聖戦アーサー×ティニーです。挿入こそしませんが近親です。話が重苦しく歪んでいます。
※イシュタル×ティニーの百合描写が匂わせる程度にあり。
※陵辱ではありません。純愛でもありません。
※10レス、約14000文字の予定。
ファイアーエムブレム&ティアサガ第49章
616 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/16(日) 23:21:53.93 ID:9QKyXaRb
●1

――あなたは、……が好きなのか。
――それとも、……に嫌われるのが、恐ろしいのか。



夜遅い時分。月の光が、ドズル城の窓から差し込んできて、部屋の暗闇を白く切り取っている。
月明かりに切り取られたスペースには、床と寝台のシーツだけが映っている。
そこ以外の部屋の内部は、月光から取り残されているので、今はよく見えない。
寝台の白いシーツの上に、細長い影が二つ伸びている。ひとつは俺の、もうひとつは俺の妹――ティニーのものだ。
兄妹で並んで、寝台の縁に腰掛けている。互いの膝に触れられるほどの近さだった。
しかし、そんなにティニーと近い距離に居ながら、俺はティニーから視線を逸らしている。

「兄様、こちらを向いて。これでは、お話もし辛いから」

膝に置いた俺の右手に、ティニーの左手が重ねられる。手の甲にくすぐったい軽さが広がる。
俺は軽く背を後ろに倒しながら、右に首を傾げた。俺の肩ほどの高さから、ティニーがこちらを見上げていた。
藍色の瞳は、きらきらとしていて眩しい。それ自体が輝いているとさえ、錯覚しそうだった。
くりくりと丸っこい上瞼と、垂れ気味の目尻は、母親譲りか。そんな目鼻立ちは、父親似の俺とは、趣が異なる。
兄妹揃いの紫がかった銀髪は、月光を浴びて絹のように輝いている。俺にとっては、恩讐入り交じるフリージの色だ。
深窓の佳人に相応しい白い肌が、シレジアの処女雪を思い起こさせる。その美しさも、儚さも、似ている。
細い肩。同世代の少女と比べても幾分華奢だ。女らしい丸みは、もう数年見れば出てくるだろうか、といったところ。

「髪の毛、下ろすと結構長いんだな。肩下まであるんじゃないか」
「兄様と同じくらいの長さではないでしょうか。兄様には、見せたことが無かったかも知れませんね。どうですか」
「綺麗だ。いつもよりも、二つか三つは大人に見える。で、どうして、いつもの赤いリボンを外したんだ?」

ティニーは、普段は銀髪を赤いリボンで左右に分けて結んでいる。その髪型に顔立ちも相俟って、見る者に幼い印象を与えがちだ。
それが髪を下ろすと、幾分落ち着いた様子に見える。静かな夜にはお似合いだ。

「あれは、姉さ――イシュタルが、私に、つけさせてたものだから。今は、もう」
「ああ、あいつね。まさか、それで俺に気を遣ったのか」

イシュタルの名前が出て――ティニーには失礼だが――ほんの一瞬、記憶に焼き付いているあいつの姿に意識が向いた。
あいつとの思い出の品を、俺に見せるのは憚られるか。そうだな、あいつからティニーを引き離したのは、俺だから。何を今更。

俺たちの母親と、あいつの父親は兄妹だ。つまり俺たちから見て、あいつは従姉にあたる。年齢は俺より二、三歳年上らしい。
フリージ家の人間の特徴である、紫がかった銀髪が、赤いリボンでポニーテールに結ばれている。
女にしては背丈が高い気がしたが、面相と身体つきは女らしい。遠目でも、なかなか男受けしそうな女、と見えた。
そして、俺とティニーがぎこちない二人の夜を過ごす羽目になっている原因が、あいつだった。
ファイアーエムブレム&ティアサガ第49章
617 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/16(日) 23:23:01.82 ID:9QKyXaRb
●2

「兄様、お願い。どうしても、相談に乗って欲しいことがあるの」

数日前、突然ティニーが改まった台詞で俺を呼び止めてきた。
俺たちが世話になっている解放軍が、ドズル城占領の後処理に追われている間を縫って、俺に会いに来たらしい。
俺は反射的にティニーの話へ喰い付いた。何でもいい。可愛い妹に頼られるのは嬉しいものだ。
もっとも、俺が喰い付いた理由の中には、幼い頃に引き離されて以来、
ずっと兄らしいことをしてやれなかった負い目も、少し含まれていたが。

「ふたりだけで、ゆっくり話せる場所と時間を作れませんか……?」

俺が頷くと、辺りを憚る素振りで、ティニーはこう続けてきた。囁く、と呼ぶべき程度の声量だった。
弱々しく、不安そうで、とても放置していられない声音だった。一方、表情は何やらもじもじと浮ついていた。
妙な素振りが少し気になったものの、俺はもう残りの仕事を部下へ投げることに決めていた。

「良かった……どうしても、兄様にしか相談できないことだったから……」

もしかして、好きな男でもできたのか。俺の承諾に安堵したティニーの様子を見て、そんな見当が頭を過ぎった。
否定はできない。ティニーの年頃の女の子といったら、恋したい盛りだ。となれば……
ついこの間、俺が『もうお前に悲しい思いはさせない、俺が守ってやる』と大見得を切ったのが、間抜けに思えてしまった。
不肖の兄が気張るまでもなく、ティニーを支えてくれる男が既に現れていたのか。それに気づけなかったなら、兄として情けない。
それでも、情けなさに打ちひしがれていてもしょうがないので、せめて妹の力になれればと、俺は相談の内容をあれこれ想定した。
惚れた腫れたの場数は、年齢以上に踏んでいる自負があった。現状だと、俺に特定の相手がいないので、自慢にならないが。
とりあえず、落ち着いた場所で仕切り直そう、とティニーに持ちかけると、ティニーはこくりと頷いた。

「……聞いたら、私を軽蔑するかも知れないわ、たとえ、兄様であっても、いや、兄様であれば……尚更」

落ち合う場所を決めて、その後の別れ際。くちびるさえ殆ど動かさずに、ティニーから音声が溢れ落ちた。
そんな細々とした、常人なら聞き落とす呟きを、俺の耳は拾ってしまった。ティニーは気づいていないのか。
それとも、俺にだけ聞こえるように、ふと漏らしてしまったような体裁で、わざと聞かせているのか。随分思わせぶりな。

そういう、婉曲に構って欲しがる癖が、ティニーに染み付いている気がする。どうしてだろうか。
危うい立場で、人の顔を窺いながら、という生活が長かったから、人に頼ったり甘えたりが下手になったのか。
だが、俺も偉そうなことが言える育ちではない。兄妹揃って出来が悪いが、それを過去に転嫁しては詮も無い。
不出来は不出来なりのやり方を手探りするしかない。俺は去ろうとするティニーの肩を引き寄せた。

「兄様は、おそらく、愉快とは思わないでしょう……兄様に、悪く思われたりしたら、怖くて……臆病だから、私は」

今度の声は小さくともはっきりしていた。俺は黙ってティニーの頭を撫でた。何がそんなに深刻な話なのか。
焦れったいし水臭いしで、ますます相談が気になって困る。が、人目もあったので、その場ではこれ以上追及しなかった。
ファイアーエムブレム&ティアサガ第49章
618 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/16(日) 23:24:18.72 ID:9QKyXaRb
●3

先に言ってしまえば、ティニーの相談の内容は、俺の見当から随分外れていた。

「……はぁ、お前、女同士でなら、弄り合ったこともあるって言ったら、引かれたって。どう言い訳したらいいのかって。
 その程度で引く解放軍の女連中の初心さもたいがいだが、いったいフリージ家の教育はどうなってるんだ」
「そういう教育は、きちんと時間を取って受けたことは無かったわ。あの家の人たちが、わざわざ私に教え込む理由も無いし」

二人きりの夜の部屋で、並んで寝台に腰掛けてから小半時でも経った頃、ティニーはぼつぼつと相談を告白しだした。
ティニーの悩みの発端は女同士の話からだった。解放軍内の年頃の女の子たちが、誰ともなく集まって切り出す男子禁制の話で、
男、いやお床の話題が出た時に――俺、こんな話聞いてて大丈夫か?――ともかく、ティニーたちが、
女同士で“お戯れ”に興じる話をしたら、引かれて気不味い空気になってしまったんだと。そこまで変なこと言ってしまったかと。
まさか妹から艶笑噺を聞かされるとは。何でそれを、男の俺に聞くかね、と言うと、

「話が話だから、女の子同士だと妙な雰囲気になって聞き辛いし、かといって男の人で話せるのは、兄様しか……
 それに、兄様はその手のことについて、世慣れてると聞いていたから」

世慣れてる、とか。待て待て。他の人間ならまだしも、ティニーにそんな破廉恥な方面で評価されても、嬉しくない。
誰だよ、そんなこと吹き込んだのは。俺はこんな清楚で可愛らしいティニーのお兄様だぞ。断じてはしたない男じゃないはずだ。

「念の為に聞いておくが、その“お戯れ”は誰に教えられたんだ?」

軽い口調のまま俺が訊くと、ティニーは口を開きかけて躊躇う素振りを見せた。
少し空気が落ち込むと、ティニーは婉曲に答えを告げてきた。

「兄様の、想像の通りよ」
「はいはい、あいつね。イシュタルおねえさま、ね」

俺は強いて茶化した言い方であいつの名前を出した。わざとらしい空笑いが、敢無く部屋の暗さに溶けていった。
無理しておどけた声を出しても、心中のざわつきが鎮まることはなかった。憤慨か、嫉妬か。
どういう経緯や動機だったかは知らんが、どうやらあいつはティニーに悪戯していたらしい。おそらく、常習的に。
巫山戯た女だ。俺の妹を玩具にしやがって。結局あいつも、あのブルームとヒルダと変わらないのか。

「あいつ、今何やってるのかね。思えば、俺はあいつのこと、大して知らんからなぁ。
 手前の親父が北トラキアで苛政やってるのを見過ごしてて、そのくせマギ団には肩入れして。
 手前の母親がミレトスで子供狩りしてるのを放置しながら、連行された子供らをこっそり逃したり。女心って複雑だな」

俺があいつについて知ってることは少ない。今挙げた伝聞の他は、一回だけ戦場で顔を合わせたきり。
戦闘中だったから、容姿は大まかにしか覚えていない。顔より下は、記憶に自信が無い。
それ以外で覚えていることは……あいつは凄まじく強かった。小手調べ程度の戦闘で、その強さが分かった。
やろうと思えば、雑兵を何千人単位で軽く消し炭にできるだろう。おお、おっかない魔女だ。
俺もあいつと対峙した瞬間、同じ神器継承者だというのに、洒落にならない格の差を感じてしまった。

「私などが言うには、不遜なことだけれど……イシュタル姉様には、慰めが必要だったのでしょう。
 いくら実力があって、門地が高貴で、次期当主であっても、公女ひとりのできる事なんて、多寡が知れているもの。
 かといって姉様は、親や帝国に面と向かって反抗する強情さも、持ち合わせていなかった。
 板挟みの中で、姉様は、自分にできることをやって、それで自分を納得させようとしていたの」

ティニーは俺の隣で、淡々とイシュタルについて語った。イシュタルの、自分のやれる範囲だけで動く、というのは、
ある意味賢い振る舞いだったが、ティニーはそれを、自慰で片付けた。その言い草が、俺には意外だった。
俺は、ティニーがもっとイシュタルに依存していると思っていた。ティニーの立場は色々と複雑だったから。
ティニーが俺と再会するまで生き延びられたのは、イシュタルの贔屓のおかげだったはず。
ファイアーエムブレム&ティアサガ第49章
619 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/16(日) 23:26:36.66 ID:9QKyXaRb
フリージ家では、ヒルダが――あれがイシュタルの母親というのは、未だに信じ難い――ティニーを公然と迫害していた。
ヒルダは、それ以前に俺たちの母親を――あれから見れば義妹か――を軟禁して嬲り殺しにしていた、という過去を考えると、
ティニーが“イシュタルのお気に入り”でなければ、フリージ内では生存も危うかっただろう。
その背景を思うと、さっき聞いたイシュタルについてのティニーの言及は、他人事じみていて、ひどく突き放したものだ。

●4

「イシュタル姉様は確かにお優しい方。実際、私もよくしてもらったもの。でも、姉様だって私に負うところがあったはず。
 だって、優しいということは、優しさを受け止めてくれる誰かを必要とすることであって、その誰かと成り得る人間が、
 あの時の姉様の近くには、私しか居なかった。お可哀想な姉様。私が居ない今、どうしているのかしら」
「それで、お前はそういうお可哀想なイシュタルの憂さ晴らしで、“お戯れ”に付き合ってたってのか」

つまり、イシュタルは人望こそあるものの、心を開ける相手は少なかった、と。確かに思い当たる節がある。
あいつと父親との仲は詳しくないが、だいたい想像はつく。あいつは、コノートに追い詰められた父親を助けに来なかった。
結局、父親が俺に討ち取られて、その後に戦場で俺とあいつは鉢合わせしたが、あいつは父の死について何も言ってこなかった。
他方母親は、娘のあいつをユリウス皇子と政略結婚させようとしたり、皇子の後ろに居るロプト教に擦り寄ったりしていた。
自分の娘のことを、権勢拡大の道具だと思ってるんだろう。どおりで、平気で子供狩りなんかできるわけだ。

他に、あいつにはイシュトーという兄がいたが、兄妹は以前からわだかまりがあったらしい。
理由はおそらく、長子が受け継ぐ慣例の神器・トールハンマーを、何故か妹のイシュタルが継承してしまったせいだ。
俺がイシュトーと戦った時は、何でフリージの貴公子がメルゲンなんて辺境を守っていたのか、腑に落ちなかった。
これを。イシュタルの神器継承によって、イシュトーが次期当主の座から滑り落ち、政治的影響力を失って僻地に飛ばされた、
と考えれば、辻褄が合う。だがティニー、その考えは、お前の願望が入り込んでいないか。

「兄様に会って、フリージ家から離反するまでは、そんな考えが頭に浮かんでも、強いて打ち消していたでしょう。
 中に居たままでは、あの家の事がよく見えなかったし、それを見通せたところで意味も無かったから」
「せっかく面倒を見てやったのに、そんな冷たいあしらわれ方をされるとは、イシュタルに同情するわ。
 もし、解放軍が一敗地に塗れて、お前が再びイシュタルに縋ることがあれば、その時俺はどんな言い草をされるのやら」
「意地の悪いことを……兄様こそ、私を守ってくれると仰ったのに」

ティニーは吐息混じりに言葉を放って、ぷいと視線を俺から逸らしてしまった。
下に傾いだ横顔の上に、月光が陰影を隈取る。肩口からは、掛け物と見紛う程に薄い化粧着に覆われている。
ちらりと覗いた鎖骨が、雪原の肌に浅い谷地を形作っている。縫い目の細かい綾絹が、そこから先を隠している。

「……話を、戻したいんだが。ティニーは、女同士の“お戯れ”が、おかしなことか、という事が聞きたいんだろう?」
「兄様は、どう思う?」
「何をどう間違っても、女同士では子供とか生まれたりしないからなぁ……本当の意味で“お戯れ”だな。
 それなら、ティニー自身が、その行為についてどう思っていたか、によるんじゃないかね」

女同士の“お戯れ”について、俺が持ってる知識は多少の見聞だけだった。男の俺には実体験のしようがない。
ふと、すぐそばのティニーの横顔の向こうに、イシュタルの姿が浮かんだ気がした。気配は無い。明らかな幻視。
俺が俺に見せたあいつの幻影は、ティニーの肩に腕を回して、この部屋から連れ去ろうとしていた。

「私自身がどう思っていた、というのは……それって、ただの私の勝手でしょう」
「なんたって“お戯れ”だから、当人たちが楽しめてればいいんだろうさ。それに、秘密のお遊びが他人に露見したならば、
 そのせいで気不味い思いをするのは、当たり前だろうよ。餓鬼の頃からそう決まってるもんだ」
ファイアーエムブレム&ティアサガ第49章
620 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/16(日) 23:27:46.84 ID:9QKyXaRb
軽く触れ合っていたお互いの手を通して、強張りが伝わる。その瞬間、イシュタルの幻影は音もなく霧散した。

「兄様は、気になるかしら。私が、どう思っていたか、どう思っているのか」

ティニーが指を絡めてきた。きゅっと力を込めて握ってきた。握りは徐々に力強く、やがて指の関節から血の気が引くほどに。
最近のティニーは、魔法戦士としての鍛錬で剣を持ち始めたせいか、感触は少し固かった。
俺は手を握り返した。また、こちらを見上げていたティニーと目が合った。藍色の瞳が、くすんで見えた。

「ああ、なるなぁ。とっても、気になる」

俺の偽らざる内心は、喉から出る時に、べとついた感触を口内に残していた。まるで嘔吐でもした気分だ。
“お戯れ”だとか、妙な言葉遊びで誤魔化してきたものが、臓腑の奥から迫り上がってくる。いよいよざわつきがうるさくなる。
しっかり見た経験が無いはずのイシュタルの姿が、今になって、俺の目前に浮かび上がってくる。
あいつの、魔導書の頁を繰った指先が、雷の聖句を紡いだくちびるが、戦場で鋭く俺を射抜いてきた眼光が、
戦塵にはためくマントからすらりと伸ばされた腕が、魔道士服から見える扇情的な肢が、ティニーに、絡む。

「お前が、お姉様と、どんな具合で遊んでいたのか、それを、お前がどう思っていたのか」

イシュタルが、思うに任せない現状の憂さ晴らしとして、ティニーを弄んでいたのなら、
俺は、思うに任せなかった過去の埋め合わせとして、ティニーを弄ぼうとしているんだろう。

●5

「姉様が、たった一言、はじめるわ、と仰られる。それが、始まりの符牒。私は、それに逆らわない」

ティニーは俺の右手を掴んで、自分の首筋に宛てがわせる。指を食い込ませる。脈が分かるほど、押し付けてくる。
肌はじっとりと湿って、温かった。俺は指を滑らせて、ティニーのおとがいを撫でた。

「姉様は、鎖骨に指を乗せて、そこから項(うなじ)に手を回すのがお気に入りだった。さて、兄様はどうなさるの」

やや上を向かされた顔のまま、ティニーは軽くくちびるを動かして告げてくる。
瞳が下瞼に寄っていて、投げかけられる眼差しが、ティニーの癖に挑戦的だった。

「姉様、姉様ってね、五月蝿いよ。忘れられないぐらい、仕込まれたか」

自分で気になるとか言っておきながら、姉様姉様と言われる度に虫唾が走る。
首筋に絡みつかせた指に、痕を残しそうなほど力が籠もる。ティニーの顔色が青白くなると共に、部屋の空気まで冷たくなる。
風が慄く。冴えた月光に照らされた、寝台のシーツがかすかに波打つ。化粧着に皺が寄る。

「まだ、まだ、こんなものじゃないわ……もっと、酷い事も、恥ずかしい事も……私の、口から、聞きたい?」

喘ぎ喘ぎ、途切れ途切れの言葉が漏れ聞こえる。息苦しいはずなのに、ティニーは口元を緩ませていた。
胸ぐらを掴んでいる俺の腕に、ティニーは自分の両手を絡ませ、引き寄せようとしてくる。
聞きたくないが、聞かずにはいられない。俺の内心を覗いたのか、返事も待たずに、ティニーのくちびるが動く。

「私は、お戯れのお供、さしづめ、姉様のオモチャ。リボンもだけど、姉様は色々な服を私のために用意して、
 服を取っ替え引っ替えされたりもしたわ。新しい服を持ってくる時の、姉様の顔ったら、本当に、ね」
「口の減らない着せ替え人形だな。そんなだから、あいつに『見損なったわ』なんて言われたんじゃないのか」
「兄様ったら、男の子のくせにお人形遊びだなんて。ああ怖い、男の子のオモチャは、無事では済まないと決まってるのに」

俺たちのやり取りは、無遠慮やら剣呑やらの域を超えて、ナイフを突き刺して返り血を浴びせ合う応酬のようだった。
見損なった、とは、ティニーがイシュタルから最後に投げつけられた言葉。もう“お戯れ”も終わりだ、と俺は告げた。
そうしたら、お人形遊びしたいのか、と返された。お姉様が昔していたから、お兄様もそうやって私で遊びたいのか、と。
過去の“お戯れ”に嫉妬しているのか、と。したり顔で言いやがって、ティニー相手でもさすがに腹立たしい。

そういう、お互い触れられたらただで済まない所を、そうと知って抉り合う。
普段の俺たちを知る人間が聞いていたら、頭か耳がおかしくなったと思うだろう。
ただ、普段の俺たち――生き別れを乗り越えてそれなりに仲睦まじい兄妹――は、俺たちの一面でしかない。
ファイアーエムブレム&ティアサガ第49章
621 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/16(日) 23:28:47.55 ID:9QKyXaRb
●6

「“お戯れ”を私がどう思っていたか、一言で片付けるなら、あれは私にとって待ち遠しい時だった。
 どんなやり方でも、姉様は私を必要としてくれた。私はそれが嬉しかった……それが、兄様は、面白くないのでしょう」

俺たちの間に、あいつひとりを置くだけで、こんなに捻くれている俺たちの本性が暴露される。
気色悪くなるほど独占欲の強い兄と、寒気のするほど依存気質の強い妹が、寝台の上で所有欲をせめぎ合わせている。

「……イシュタルには、あいつにだけは、どうしてもお前を渡したくない」
「何故? 姉様のおかげで、私はどうにかここまで命を長らえて、貴方の下まで辿りつけたのに。ねえ、兄様」
「さぁな」

俺は嘲笑でお茶を濁した。口に出すつもりは無かったが、ティニーに聞こえてしまったらしい。これではティニーを笑えない。
ティニー、お前の向こうに、俺の知らなかったお前の姿を通して、イシュタルの影がちらつくんだ。
赤いリボンも。歪んだ性癖も。こんな重苦しい女になったのも。全部あいつのせい。そう思うしかなかった。

「……兄様」

ティニーが思い切り体重をかけて、自分の首を掴んでいる腕を引っ張ってきた。体格差があるとはいえ、さすがに俺の身体が傾ぐ。
息が届くほど近いところまで、顔と顔とが引き寄せられる。ティニーは目を閉じて、こちらにくちびるを差し出していた。

「唐突だな。風情もへったくれもない」
「そんなものは、いらないの。貴方に二人きりの話を切り出すと決めた時から、私はこうされるつもりだった。
 だって、私は、兄様に従って姉様から離れたもの。それなら、兄様に、姉様の代わりを求めても、構わないでしょう」
「本当に、姉様姉様って五月蝿いんだよ。あまり俺を苛立たせるな」

いい加減に、その挑発にも慣れてきた。ティニーは、自分が構ってもらいたいからって、殊更にあいつに言及する。

「優しいお兄様。貴方は、私を必要としてくれますか」

本当に、この妹は、愛しくも憎たらしい奴だ。
ファイアーエムブレム&ティアサガ第49章
622 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/16(日) 23:29:55.98 ID:9QKyXaRb
●7

「随分と凝った寝間着だ。俺は、確かお前をいきなり戦場で声掛けて、強引に解放軍に連れ込んだよな。
 荷物を取りに帰る暇も無かったと思うが、そんな代物を私物として戦場に持ち込んでたのか」

ティニーの肩を抱くと、するりとした薄絹が手に触れた。縁に控えめなレースがあしらわれている以外は、まったくの無地。
また生地が月光を通して血色まで見えそうなほど薄いものだった。一見地味だが、贅沢な代物だ。

「いえ、まさか。これは後から買い求めた品よ。だいたい、こんな薄手ではうかうかと眠れないわ。
 ねえ、兄様……そんな、皺になってしまうわ、貴方に見せるために、選んだのに」
「似合ってると思うぞ。すっきりしていて丁度いい。寝間着と戯れに来たわけじゃないからな」

それはティニーを引き立てる脇役としては、よくできていた。起伏に乏しい体の線を、ふんわりと包んでいる。
肌理細かい肌の照り返しを、布の向こうから滲ませる。小さな肩を締める肩紐の危うさが、俺の手を煽ってくる。
丈は座っていて目立たないが、もしティニーが立ち上がれば、絶妙な高さまで下肢を覆っていることだろう。

「これもイシュタルお姉様の着せ替えの賜物、だったりするのかね」
「兄様ったら、失礼よ。女性の身体に触れながら、他の女性の名前を出すなんて」

ティニーが俺の首の後ろに両手を回した。ティニーの方が座高が低いので、俺にぶら下がるような体勢になる。

「私だけを、見て、私だけを、聞いて、私だけに、触れて、私だけを、感じて、それで、やっと私は、貴方のものになれるの」
「やっとそうなった時、本当は逆に、俺が“私のもの”にされるんじゃないのか」

背中に手を回す。肩甲骨の浮き沈みが俺の掌にかかる。反応は上々。
俺が見つめ合ったまま首を横に傾げると、ティニーも合わせて反対に首を傾いで目を閉じた。はは、分かってるじゃないか。
慣れていれば、真正面から挑んで鼻だの歯だのぶつけて悶絶するなんて無作法はしないもんだ。いつ覚えさせられたよ。
おっ始める前のお喋りが過ぎたからか、寄せたくちびるは味気無く乾いていた。しばらく体温と息遣いだけを交わす。
やがて、くちびる同士を擦り合う。甘咬みする。舌は差し伸ばさずにいた。あまり凝ったキスをする気分じゃない。
押し合う。柔らかい感触を捏ねる。ティニーがそっと舌を差し出してきたのを、下くちびる側からゆっくりと拐う。
気持ち湿っぽくなってきた具合で、こちらからくちびるを離す。

「キスは、お嫌いかしら」
「さっきまでに、舌は十分回しただろうよ」

ティニーは掠れ声で挑発を投げつけてくる。キスは嫌いか、だって。勝手知った風が小憎らしいわ。
背中の、背骨のあたりの窪みに指をそろそろと歩かせる。皮膚の薄いところから、俺の体温を塗り付ける。
ティニーは微かに吐息を漏らしながら、下げ気味の瞼、半分隠れた瞳でこちらを見つめてくる。

「もっと強く、強く抱いてくれないの?」
「あんまり強くすると、無事では済まないんじゃないか。か弱いくせに」

化粧着の肩紐を落とす。それに応じて、ふわりとした布も抵抗無く落ちて、腰か尻かのところで絡まっている。
上半身を露わにされたティニーは、恨めしげな表情で俺を見上げている。

「わざわざ、そんな脱がし方しなくてもいいでしょうに……」
「引っ掛かりが無いってのが悲しいなら、もっと肌に張り付く代物にすれば良かったのに」
「兄様、それは残酷な冗談よ」

大きさにゆとりを持たせた物とは言え、化粧着がぱさりと落ちるのを邪魔しない、慎ましやかな膨らみ。
胸の先は色素が薄く、茫としている。うっすらと浮く静脈が儚げだ。
さて、さっきは背中で、触覚でしか味わうことができなかったが、いよいよ処女雪を踏み荒らす時だ。
鎖骨の間を指先でなぞる。首筋から肩口にかけての筋がびくと動いて、肌に投げかけられた月光の陰影が揺らぐ。

「……どうぞ、兄様。遠慮は、いらないから」
「緊張してるだろ。まだ、心の準備ができていなかったかな」

ティニーの耳近くで囁くと、呼吸に混じって声が垂れ落ちてくる。幾分鼻にかかってるが、なかなか素直な反応。
愛撫を受け入れる気はあるようだ。ここからが、値踏みし合いのはじまり。
ファイアーエムブレム&ティアサガ第49章
623 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/16(日) 23:31:38.10 ID:9QKyXaRb
●8

「こうして、胸、包まれてると、兄様の手が大きく感じる」
「手と手を重ねていた時よりも、か」

ティニーの胸は、俺の手でもやや余裕を持って包み込めた。探り探りで指を曲げ伸ばしする。
いくらあいつに遊ばれていると言っても、ティニーの年頃だと、触れられる歓びが身体に馴染むには、まだ早いだろう。
肌は、見た目は処女雪のように冷たかったが、触れば瑞々しい弾力でこちらの圧力を跳ね返してくる。
膨らみの麓に掌を這わせると、心臓の鼓動が微かに感じ取れる。心臓は静かに脈打っている。
ふと、できるならその拍動を掴み出してやりたい、といった悪魔じみた考えが、端も無く湧いた。

「兄様は、いい目、してる……そんな見つめ方されたら、それだけで、切なくなりそう」
「兄相手に、媚びた台詞ほざきやがって」

指に力を込めると、ティニーの柔らかい胸が稜線を歪める。
がっと深く指を埋めると、肉に隠されている胸骨の硬さにぶつかる。心臓はまだ遠い。それなら、

「ふぁ、あ、あうっ、く、くすぐった……っ」

俺は目先を胸から下腹に転じた。うっすらと肋の浮いた脇腹を、彫像の埃を払うようにさわさわ触れる。
恥ずかしげに窄んで居る臍の周りを、指先でなぞる。だんだんと呼吸に勢いが出てくる。
滑らかな肌は、手を表面に佇ませるだけで心地良い。

「ん、は、あっ、そんな、じゃれた触り方ばかり、揉み甲斐が無いって、指が言ってるわ……」
「物悲しいこと言うなよ」

だいたい、水入り皮袋みたいな柔い脂肪より、程よい弾力のある筋肉の方が触り甲斐があるってものだ。
ティニーは骨格も小作りで脂肪もあまり乗ってないが、魔法戦士としての鍛錬の成果か、筋にしなやかさが出てきた。
それに筋の方が反応が露骨で、触っていて楽しい。今だって、臍下がくすぐったさにひゅうひゅうと呻いている。
その上、シレジアでもちょっと見ないぐらい肌理細かい肌。こんなの、舐めたら舌で甘く溶けそうだ。
ぐにゃぐにゃと揉み込む愛撫では、それらの魅力が半減してしまう。

「う、ふぁあっ!」

下腹部に意識が向いてそうなので、寂しげだった鎖骨の嶺にくちづけた。
ほのかな味が口と鼻腔に溶け出す。息遣いが、耳のすぐそこで聞こえてくる。俺は口責めを強めた。
白い肌の奥、指では届かなかった深さから、体温が染みだして、肌の上に立ち昇ってくる。
冷たそうな色との落差が面白い。雪花石膏の彫像に生命を吹き込むお伽話は、きっとこんな具合なんだろう。

「そんな、強くされたら、痕が残ってしまうわ」
「スカーフでも巻けばいいだろ。首筋じゃあないなんだし」

どうせ痕をつけるなら、もっと隠し様の無い場所に残してやれば良かったか。
それなら、あいつや、ティニーに色目を使ってくる連中に対する溜飲が多少は下がったんだが。
ただそうしたらそうしたで、俺の嫉妬が見透かされて、気恥ずかしい思いをする。
はは。妹相手に、何の見栄を切ってるんだか。自分の事ながら、馬鹿馬鹿しい意地を張ってしまっている。
ファイアーエムブレム&ティアサガ第49章
624 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/16(日) 23:32:40.33 ID:9QKyXaRb
●9

寝台の上で横座りしているティニー。俺はティニーから見て真横に座っている。肩と肩を寄せ合っている。
くしゃくしゃになって腰に絡まっている化粧着の内に、手を入り込ませる。まず、淡い草むらが俺の指を迎える。

「兄様、そこ、そこを、弄りたい……?」
「ここまででお仕舞いじゃあ、拍子抜けだろう。ティニーは、ここを自分で慰めたことはあるのかな」

ティニーの秘密の場所、女の入り口は、こちらを拒絶しているのか、縦一本線で閉じていた。
秘所は、陰毛が土手の上の方を、添え物程度に覆っているだけだった。スリットの近くはあっさりとしている。
右手を押し付ける。手首の付け根を陰毛がくすぐる。傷だらけの俺の掌が、仄かな火照りに曝される。

「いくら兄と妹だからって……そんな事まで聞きたがるの」
「俺たちが、今更、兄妹のあるべき姿を気にするのか。まぁ、口で言う気が無いなら、それなりの聞き方をするさ」

ぐりぐりと掌でティニーの秘所を蹂躙する。ティニーの声が不自然に籠もる。くちびるを噛んでいるらしい。
その羞恥心が可愛らしい、と――相手がティニーじゃなかったら、今夜のやり取りが無かったら――そう思えただろうな。
もっとも、これが芝居であるなら、それもいじらしい。女同士が云々という話の割に、男のツボを心得ている。

「あいつと遊んでた時は、ここの事を何て呼んでたんだ。女同士なら、弄らないはず無いよな」
「馬鹿、意地悪……言わなきゃ、ダメかしら」

手首寄りの掌の部分に、くにくにと抗ってくる感触。敏感な肉の粒。もうお互いに通じている。ここは、大概の女が好きなところ。
あいつが触れずに捨て置くなんて、あり得ないところ。さて、あいつがどんな責め方をしたか知らないが、あいつは女で魔導師。
俺より長く爪を伸ばせる。その硬さ、鋭さを大いに活用しているはず。同じやり口では、遅れを取る。

「く……クリトリス、クリトリスよ、そこの、ことでしょう……」
「……お上品だなぁ。ま、よく言ってくれた。恥ずかしかっただろうに」
「私以外に……こんなこと言わせては、いけないわ。兄様、女の子に幻滅されてしまうから」
「ご忠告痛み入るよ」

親指を反らしたり、円を描いて動かす。親指の付け根から掌を連携して動かし、ティニーのクリトリスを転がす。
吐息が火照ってくる。湿り気が昂じて、ぬるぬるとした気配が張り付いてくる。目まぐるしい圧迫で責め立てる。
同時にティニーの入り口の方を、親指以外の四本を少々無理して曲げて伸ばして、侵入の準備をする。
しかしこちらはクリトリスと違って、反応が不慣れだった。中にはあまり興味を示さなかったのだろうか。
指で虐める内に、血と共に熱が流れ込んで、ティニーのクリトリスが励起してくる。ぱち、ぱち、と宙が弾ける。
ティニーに流れるトードの血脈、それにくっついている雷精が、主の興奮ではしゃいでいるらしい。

「いけない子だ、ティニー。雷が、ピリっと来てしまうよ。刺激的過ぎる」
「いいの、もっと、強く、痺れて、中までっ」

責め手を拳一つ分引いて、すっかり存在感を増したティニーのクリトリスに指で挑みかかる。
くち、くち、といやらしい音がして、ティニーの腰が僅かに浮く。刺激をねだってる。これじゃ物足りないようだ。
濡れて茹だってきたクリトリスと違って、入り口の息遣いは大人しい。ここはクリトリスに集中するのが良い。
ゆっくり捩じって、速く擦って、時折摘んで、それを一定のリズムで繰り返し、ティニーに覚えさせる。
ティニーが寝台に突いていた手が引き攣り、シーツの皺がぴんと突っ張られる。雷精がどよめき、下ろした髪がほわりと膨らむ。

「ひっ! あ、はぁ、はぁあっ」

頃合いを見て外皮を剥いてしまう。そこにティニーから滲み出たぬるぬるの涎を絵取ってやる。内腿の筋が窪みを形作る。
指を四つ駆り出して、根本と先っぽを同時に弄る。たまらず、ティニーの細い背が反った。呻きが鮮やかになった。
垂れ落ちた涎と愛液で、シーツが滲んだ。横座りしていた両腿が、秘所に差し入れている俺の腕をぎゅうぎゅうと締め付けた。

「あっ、ぐ――く、くぁ、はあぁぁああっ」

ティニーが一際大きな喘ぎを吐いて、下腹部を不自然にびくつかせる。横座りの重心がずれて、体勢が崩れる。
寝台に倒れ込む寸前のティニーを、俺は腕に抱き留めた。三度、四度と痙攣を繰り返して、ティニーの四肢が弛緩した。
ファイアーエムブレム&ティアサガ第49章
625 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/16(日) 23:37:10.00 ID:9QKyXaRb
●10

だらり、と力無く身体を預けてくるティニー。じっくり吟味したらしい化粧着は、今や濡れたり皺が寄ったりで無残だった。
ティニーが息を整えるまで、俺は寝台の上で華奢な背中を抱いて支えていた。瞼は僅かに開かれ、瞳が爪先ぐらいに覗いている。
乱れてしまったティニーの髪を、頭を撫で付けながら梳く。しばらく続けていると、ティニーが俺の首元に顔を埋めてきた。

「これで、終わりにするのかしら」
「物足りないか? もっと過激なものがお望みかい」

俺は呆れ半分、感心半分だった。これでも、愛撫はそれなりに効かせたのをお見舞いしたつもりだった。
それを受けてまだまだ余裕、ということは、あいつの“お戯れ”は相当なものだったってわけか。

「姉様は、私が口を聞けなくなるまで、私の手足が寝台に張り付いて動かなくなるまで、私で遊んでた」

これ以上の、あいつに張り合うほどのやり方となると、俺にできることは限られてくる。
本当、あいつはどんなことしてティニーで遊んでいたのやら。いつか本人に聞いてみたい。

「ねぇ、もっと……もっと遊んでくれないかしら……私、まだ寂しい、こんなんじゃ、眠れないの」
「黙れ処女め。俺に催促するなんて、五年早いわ」

自分の言葉の勢いに任せてしがみついてくるティニーに、俺はつれない台詞をぶつけた。
語気と声音だけで、ティニーのおねだりをぴしゃんと叩き落すつもりだった。
が、ティニーは動揺した素振りも見せず、回してきた腕に力を込めた。聞き分けの無い妹だ。

「貴方は、私の中に指も入れてこなかったのに、確かめもしなかったのに、いやに確信した言い方をするのね」
「何だ、俺の見立ては間違っていたのか」
「……いいえ。姉様は、そんな事しないから……兄様は、奪ってくれないの」

あいつにも一片の良識があったのか、それとも趣味か、気まぐれか、ともかくティニーの純潔は今日まで無事だったようだ。
それを今俺が奪えば、俺は、あいつが手を出さなかったところまで手中に収めることになる。けれど、

「あいつがわざわざ後生大事に取っておいたのを、俺に奪えと、そう言うつもりか」
「……そうしたら私は、貴方のもの……それで貴方は、私のものよ」
「やれやれ、いくら相手して欲しいからって、自分の処女まで持ってかせようとは。さすがの兄様も吃驚だ。
 お前が、お前をより深く存分に弄んだ奴の物になるべきだって言うなら、お前はそれこそ、ただの玩具の人形じゃないか」

ティニーは、俺に構って欲しくて、つまり餓鬼の悪戯か駄々っ子と同じ勢いで、処女を奪えと煽っている。
兄に構って欲しくて処女ぶら下げる妹なんて、その見返りで妹を構ってやる兄なんて、まったくおかしな話だ。

「人形でも、構わないわ……卑屈でも、惨めでも、無力でも、私は、誰かに、誰かの、ために……」

ティニーは、自分の全てを譲渡して人形になりきってしまえば、よもや捨てられる事は無いと考えているが、それは思い込みだ。
自分が大切だと思っているものは、譲った相手も大切に扱ってくれるだろう、と期待するのは、自他の区別がついていない。
人形に心は無い。人形は所有者を選んで求めたりもしない。人形の気持ちなんて、誰も考えない。
愛する側が、愛される側の気持ちを考えなくていいから、人形は気兼ね無く愛でられて、飽きられれば無造作に捨てられる。

「そういうの、やめろ。お前のような甘えん坊の寂しがり屋が、人形の真似をするなんて、無理だ」

俺が今確信した事は、きっとあいつも感づいていたはずだ。だから、ティニーの全てを奪ってやらなかった。
あいつは俺の下に走ったティニーに向けて、『裏切った』だの『見損なったわ』だの吐き捨てていた。未練がましいことで。
あいつの“お戯れ”は、人形遊びと言うより姉妹ごっこのつもりだったかもしれない。その遊び方が、少々奇妙だっただけで。
あいつは、ティニーを人形のごとく無造作に捨てることが、できていないようだ。

もし俺の思いつきが正しいのなら、あいつは、再びティニーの前に現れるだろう。

(終わり)
エロパロ板の愚痴を吐け! 【二十四言目】
913 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/16(日) 23:59:54.39 ID:9QKyXaRb
あるあるwww


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