- ポップンのエロ小説スレ
407 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/15(土) 20:25:06.89 ID:snQb0b+X - 冬から春への季節の移行を感じる今日この頃。
という訳で、しおんとフローラの百合話を用意します。 まずは導入から。
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408 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/15(土) 20:27:17.56 ID:snQb0b+X - ここは、とある山奥。俗世から離れ、滅多に人の来ない自然溢れる高原。
冬の銀世界に覆われた静かで平和な所。 …のはずであった。 そこには人間嫌いの雪女がいる…という言い伝えがあるらしい。 自然に覆われた広間にどんと置かれた場違いなかまくら。 入り口付近に青い髪と無愛想な顔をした一人の少女がいた。 「…強い風…」 わたしは不意の強い風に裾を押さえることもなく遠くを見た。 ワンピースの裾が風の喜びを感じたように舞い上がった。 他人に見られたらわたしの尻や股間は丸見えだろう。 誰もいなかった…動物すらいない。別に興味はないけど。 ふて寝するように後ろへ倒れ込んだ。 …と思ったが一人の気配を感じた。 「し お ん ちゃーんっ!」 緑の髪と白い花を散りばめた、柔らかそうなワンピースドレスに包まれた 少女がこちらへ近づく。 「ただいまですっ!」 「フラ、おかえり」 「しおんちゃん、日向ぼっこですか? 混ぜてくださいっ」 「いいわよ。ご自由に」 「わーい!お隣、いただきますねっ」 笑顔を浮かべた少女は両足を曲げ、隣に座り寝転んでるわたしに顔を近づけた。 三角座りした彼女からスカートの中が見えた。 薄く色づいた綺麗な足と、ドレスよりもさらに白〜い純白レースのぱんつ。 絶景だから黙っておこう。わたし達しかいないので言う必要もないし。 よくある光景だが、わたしは未だに慣れない。 彼女の名はフローラ。2ヶ月ほど前にここへ来た、花の精霊…のようだ。 (詳しいことは知らない。訳ありな子に聞くのも野暮だろう) 寒さは白い花を散りばめて凌ぐことができるのだ。多分人間ではない。 わたしは彼女の名前と「フラワー」にちなんで『フラ』と呼んでいる。 「しおんちゃん。最近、風が強くなりましたね」 「…そうね。春一番。もう冬も終わる頃ね…」 「それにあちこち回ったら雪解けもありまして。春の気配です! もうすぐ春になります。そうすれば動物さんもお花さんも元気に集まりますよっ」 フラはにっこりと微笑んだ。 かわいい。わたしでも素直に思うのだから間違いないだろう。 わたしは仏頂面だが特に気にしたこともなかった。 「うん…そうね…」 「はいっ!」 そんな感じでフラとのひと時を過ごした。 わたしは口数こそ少ないが、会話を楽しんだ。 (ちなみに、彼女はずっと三角座りのままだった。頻繁に目線が寄ってしまった)
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409 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/15(土) 20:30:03.12 ID:snQb0b+X - その夜、かまくらの中。
もしもの時の薬草、簡素な囲炉裏と火起こしやフラ用湯のみ。 そしてフラ手製の花布団(二人用)以外何もないところ。 でもフラにとっては大切な住まい。 わたしにとっては、フラと一緒にいるための空間。 白い花でできた布団でフラは寝息を立てている。 わたしはこの子の寝顔を眺めながら、今までのこと…フラとのひと時を思い出した。 フラが言うのに、わたしはとても優しく素敵な子…らしい。 無愛想だけど話も聞いてくれるし、森で困ったことにも相談に乗ってくれる。 道案内や動物さん達の生息地も教えてくれる。 おまけにこんなでっかいかまくらも用意してくれるっと。 わたしは雪女だからそんなことは動作もない。 その度にお礼と笑顔をくれるこの子のためにしたことだ。 『しおんちゃんがいなかったら、私どうなっていましたか…』 …以前聞いた言葉だ。 恐らくここに来る前に何かあったのだろう。でも向こうから言わない限り それを尋ねる筋合いもない。訳ありなのはお互い様だ。 フラは寒さを凌ぐため、毎日ここで寝泊まりする。 寝る前にわたし達は布団で横になり、他愛のない可愛を楽しんでいたものだ。 フラは最近嬉しそうに言う。 ここは春が訪ればあっという間に一面の花と草が生い茂げる。 動物や小鳥がさえずる生き生きしたところになると。素敵! …とフラは言う。 フラは春の訪れを一心に喜んでいる。そう、わたしも春の気配を感じた。 相変わらず銀世界であったが、この一週間で雪解けが進み、さっきのような強風が吹き巡っている。 今も降っているのは雪ではない。小雨だ。 しかしわたしは春の景色を知らないのだ。見たことがないから。 わたしは春の訪れとともに消える。 体が溶けるようになり…痛みや苦しさこそないが、感覚がなくなりだるくなる。 寝た時のように、五感が消えるのだ。その時にわたしは消える。 そして次の冬まで姿を見せることは出来ないのだ。 わたしはそういう体質だから、他人とは関わらないようにしている。 冬にしか会えないような面倒な奴に関わる物好きもいないだろう。 だからいつものように冬の終わりに、寝るように体を預けるだけ。
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410 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/15(土) 20:30:40.76 ID:snQb0b+X - でも…こんなことは初めてだ。
となりで寝息を立ててるこの子は、無邪気にわたしへ接してくれる。 選択が違っていたら…もしかしたら邪険に扱って森から追い出したかもしれない。 勿論、それで済ますには遅すぎた。そんな訳にはいかなかった。 初めて会った時…森に迷っていた、服もぼろぼろで目も虚ろな彼女を見たとき 放っておくことはできなかった。 急いで即興のかまくらをこしらえ、 一緒に森で薬草探しや、背中にフラを乗せて温泉へ連れて行ったり。 寂しそうな時はそばにいて、話し相手になった。 口下手なわたしが…弱った彼女に。自分から話すのはとても苦労した。 時には手をつないだりもした。手に温もりがありますっ、とフラは言った。 (ちなみに食べ物は不要だ。お互いにただの生物ではないようだ) その甲斐あってフラは元気になり、笑顔と優しさ溢れる子になった。 表情や声色で、嫌でも伝わる。 我ながらよくここまで尽くしたな、と思った。 わたしは今まで雪女なことも体質のこともフラに告げてない。 何故か伝えることが出来なかった。 『し お ん ちゃーん!』 脳裏に、微笑むフラの顔がよぎった。 何も言わず、彼女の目の届かない所へ去っても良かった。 だがもう遅い。遅すぎる。この子をおざなりにすることは出来ない。 この子はわたしがいなくなって悲しむのか。 次の冬までずっと覚えていてくれるのか。 …会いたいと思っていても、出来ないのはとても辛いことだ。 それくらいのことはわたしも分かる。 …ふと気づくと視界が揺れている。 わたしの目に、水のようなものが溢れ…やがて頬を伝っていった。 どうすればいいだろうか。 この子との思い出が欲しい。わたしの以前の記憶はずっと残る。 もしこの子に会えるのなら…次の冬が楽しみになる。今までになかった感情だ。 わたしは両手を強く握り締め、力を込めた。 小雨は落ち着いたがまた降るだろう。もう時間がない。明日に備えよう…。 しばらくして、わたしはフラの手を握ったまま眠りについた。 別の手に握っているのは…青い小石とツルで作った粗末なアクセサリー 自分の冷気で作った、ずっと溶けない不思議な氷。
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411 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/03/15(土) 20:32:55.23 ID:snQb0b+X - 導入終わりです。続き(本番)は今日中か明日です。
風邪にはお気をつけください。
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