- 【パチンパチン】ブラックラグーンVOL.16【バシィッ】
257 :254[sage]:2014/03/14(金) 00:39:57.26 ID:XM3nQNSr - >>255
反応戴けて感謝感激。全裸は風邪の原因になるから携帯からざっくりと投下。結局、色々していません。 【真夜中の悪い夢】 自分の寝起きをする部屋と扉を一枚隔てた向こう側から微かに聞こえる慟哭。ハリケーンがくる季節になると半月に一度は聞こえてくる哀しみに溢れる慟哭。 「…ボリス、いるか?」 呼ばれれば返事もせずに即座に扉を開け、そこにはベッドの上へ上体を起こして両手を顔に当てている『彼女』はいつも見る気丈な姿とは正反対で。 「どうしましたか、大尉」 椅子にかけてあったブランケットを彼女の肩にかけようと近寄るとその腕を掴まれ、反射的にその顔を見つめる。その涙で濡れた頬が少し弛むと同時に掴まれた腕を引っ張られ、彼女の腕の中へ強引に収められる。 …最も、体格差があるので多少押し倒している風に見えなくもない体勢だが。 「悪い夢を見た。アフガンの夢だ。今更…だな」 「…ここはロアナプラですよ、大尉。"あの場所"ではありません」 「そうだな。今だけでも悪夢を忘れさせろ」 「…貴女がそう望むのでしたら」 ふ、と淋しげな微笑みを浮かべた彼女の癖のある髪に指先を絡めるとそのままどちらからともなく、そしてお互い遠慮がちに口付けを啄むように交わしていく。柔らかな胸元を服越しに優しく撫でればそれだけで吐息は漏れ、更に口付けを求めてくる彼女の首筋に指先を這わせる。 「さ…っ、最後まではさせんぞ?」 「貴女が落ち着けるまで、貴女が安心するまでこうしていましょう」 彼女の傷痕はなぞらぬようにしながら胸元を揉み、程好く筋肉が付いた臀部から背中を撫で上げる。指先がなぞる度に熱を帯びた吐息が自分の耳を擽ると衝動に駆られるが気にせず、ひたすら彼女の悪夢を打ち消す為だけに愛撫を続ける。 優しい愛撫の甲斐もあってか彼女が僅かに身動ぎすればそれだけで淫靡な水音が暗い部屋に響き、それを聞くと一瞬理性が弾けそうになる。 「ボリス?」 「…何でしょう」 「最後までさせんと言ったな」 「………はい」 「悪いな、無理そうだ」 聞き直そうとした瞬間には腕をまた掴まれて今度は自分が彼女の下敷きにされている。 窓の隙間から入ってくる灯りに照らされた彼女は自分と二人だけの時にしか見せない淋しげな、儚げな、それでもどこか悪戯めいた微笑を浮かべている。 「明日は昼からの予定だろう?」 「ちゃんと睡眠を摂れるのでしたら構いませんが」 こんな体勢では逃げられる筈もないと諦めつつ、この後に見られる彼女の乱れた姿を思うと自分の顔も自然に綻ぶ。 「悪い夢を見なくて済む位に満足をさせますよ、大尉」 「たまには名前で呼ばれたいモノだな、この堅物が」 彼女の重みを体に受けながら、次の日の予定でずらせるモノが何かを考えつつ。 「それはまた次の機会までとっておいても?」 「まあ仕方ないな、許してやろう」 暗がりに重なり合う影。声を圧し殺してでも貪るように自分を胎内に収める彼女の事を、自分の上官ではなく既に愛しい人だと思っている事にボリスは気付きながら、相手が満足して果てるまで、フラッシュバックが消え失せるまで、その長い夜は続く。 -FIN-
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