- 【朝ドラ】ごちそうさんでエロパロ2
91 :迎え酒まで[sage]:2014/03/03(月) 21:06:17.27 ID:jCP5wXrB - 牽制球、投げとるつもりか。
そう聞いた後、通天閣はろくに返事もしなかった。 まあ、ここで素直に「そうです」と言える男ではないことくらい、源太もとっくに承知の上だ。 あまりの面倒くささに、呆れて息をつく。 「そないなことせんでも、わし、『鉄筋』みたいなゴツい女、好みやないねん」 「……今、うちの嫁のことバカにしましたか?」 「先に言うたんそっちやろが」 「自分が言うんと、他人に言われるんとはちゃういうか……」 何やら思案しながら歯切れ悪く答える悠太郎のことがほとほと面倒になって、源太は言い捨てる。 「まあとにかく、わしはごんぼも鉄筋も願い下げじゃ。抱きしめたら、こう、柔らかくてふんわり丸うないとおなごやないやろ。ごんぼやの鉄筋やのに、それがあるかっちゅうねん」 ここまで言うたったら、不毛な会話も終わるやろ。 源太はそう思った。しかし。 「知らんのによう言えますね、そんなこと」 あきらかに先ほどよりもムッとした声音で、悠太郎が返してくる。そのまま淡々と続けて言うには、 「言うときますけど、鉄筋言うんはものの例えであって、あれで結構柔らか……いや、しなやか言うか」 黙っていれば自覚のないただの惚気を聞かされそうだったので、源太はわざと大声でそれを遮った。 「聞きとうないねん、ええ年した大男と大女の話なんか! ほんま、こっちは死にかけてたのに、どうせおまえら二階でどったんばったん───」 「え」 そこで一瞬悠太郎の表情が固まった。 「え?」 どったんばったんしとったんちゃうん、と冗談のつもりだったのだが、とんだ藪蛇だったかと源太も言葉をつまらせる。 ややあって悠太郎は咳払いをしたあと、神妙な面持ちで言った。 「すみません」 「いや、謝られても困るさかい」 実際、そんな物音を聞かされたわけでもないし、そうだったとしても謝られたところでどう返答すればいいというのか。 困惑する源太をよそに、悠太郎は顎に手を当てて考えながら続ける。 「声も気を付けたし、そんな激しくしたつもりもなかったんですが」 どうやら思い当たったらしい夫婦の営みを思い出すように呟いた悠太郎に、源太は間髪入れずに突っ込む。 「そーいう問題ちゃうやろっ」 しかしそこで彼はふと、気づいてしまった。 「………おまえ、もしかしてまだわしのこと牽制してんの、それ !?」 「僕にはそんなつもりはないですけど、あなたがそう捉えるんであれば、それで結構ですかね」 悠太郎はしれっとしている。 つまり、そういうことなのだろう。 しかし源太もこのいい加減嫉妬深い男に合わせてやるのも疲れてきた。 「いや、わいには牽制言うか、おっさんの惚気聞かされてるだけやけどな。はーーー、素面でこないな話やっとれんわ。だいたいおまえもまだ酒全然抜けてへんやろ」 そうでなければ、こんな話をするはずがないのだ、この男が。 「迎え酒、付き合うたるわ。酒飲みながら好きなだけ嫁自慢しとったらその頭痛も治るで」 おわり
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