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広小路淳 ◆3AtYOpAcmY
前篇 Lever ◆3AtYOpAcmY
キモ姉&キモウトの小説を書こう!part44

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キモ姉&キモウトの小説を書こう!part44
310 :広小路淳 ◆3AtYOpAcmY [sage]:2014/03/03(月) 17:38:23.92 ID:ItcVevyN
皆さんこんにちは。
前回の幕間を挟みまして、今度は「あなたがいるだけでは何にもならない」を投下します。
キモ姉&キモウトの小説を書こう!part44
311 :前篇 Lever ◆3AtYOpAcmY [sage]:2014/03/03(月) 17:41:26.86 ID:ItcVevyN
「ああ、あんたか。
 そうそう、その場所でぶつけて、担ぎ込むんだ。
 死んだら? 死なん方が厄介はないだろうが……死んだら死んだで構わんよ、あんな奴。
 どうせ金を巻き上げるだけのろくでなしだ。
 まあ、どうなるにせよバックアップは完璧にやるよ。
 運び込んだらそっからは任せればいいから。
 もうないか? そうか。
 じゃ、しっかりやれよ」



 朝、メイドに揺さぶられてようよう八雲清次は目を覚ます。
「朝、か……?」
「はい、もう食事ができてますよ」
「つっつっ……」
 彼は右手で頭を押さえた。鈍い頭痛が止まないのである。
 その素振りに、彼女は釘を刺す。
「だめですよ」
 そして、着替えさせるためにパジャマを脱がそうとしてくる。
「やめろやめろ、自分でできる」
「無理にでも食べなくては」
 ボタンを一つ一つ外し、替わって彼女が手にする制服を着る。
「大体、毎晩あんなに飲むからいけないんです」
「俺にとってはあれが適量だ。そんなことは問題じゃない。
 頭痛の種は、わかっているだろう?」
 彼はそう言って、彼女がポケットから差し出してきたノーシンを押し返し、部屋を出た。


 食堂に入る。
 文字通りの頭痛の種だ。

 彼の家族である二人の女が、これまた彼の家族である二人の男の隣に座り、それぞれ「はい、あーん」と朝食を食べさせていた。
 男は、彼の父圭次郎(けいじろう)と、彼の弟である三陽(みはる)。
 圭次郎に食べさせているのが彼の母聖理奈(せりな)で、三陽に食べさせているのが清次と三陽の妹である美月(みつき)。
 彼の父と母、弟と妹は二組とも兄妹である。
 そして、兄妹でありながら、情交を結ぶ恋人同士の関係になっているのも同じ。
 物心ついた時からずっと、彼はそれを嫌っているが、だが言ったところで聞かないだろうというのは目に見えていた。
 だから、彼も敢えてそれを止める気もない。
 止める気がないからといって、それが不快な光景であることには変わらない。
 その鬱憤を紛らすためもあって、清次は後ろに控えている給仕に文句をたれる。
「どうせお前らが支度しなきゃならない食事は俺の分だけなんだから、俺が起きるのに合わせて作れよ」
 椅子に座らないままにスープに匙を入れ、それを一口啜る。
「ほら、冷めてるじゃないか」
「申し訳ありません」
 と給仕は恐縮する。
 それに、美月が口を挟んできた。
「いいのよ、遅く起きてくるほうが悪いんだから」
「何?」
「立ったまま物を食べないで。行儀が悪いわ」
 そう言うと、これ以上は取り合わないとばかりに三陽に向き直り、自らの手料理を彼に食べさせるのを再開した。
 不承不承に、清次も座り、冷えたコンソメ・ロッシーニに再び口をつけ始めた。
(やはりこうなってしまっては不味いな)
 食べるというより、片付けるといった感じで。
キモ姉&キモウトの小説を書こう!part44
312 :前篇 Lever ◆3AtYOpAcmY [sage]:2014/03/03(月) 17:43:20.37 ID:ItcVevyN
 水分を吸いすぎてベチャベチャになったシューを中のフォアグラごと匙で割り、それを掬って自分の口元に運びつつ、気怠げに席に座る面々を見遣る。
 聖理奈が圭次郎に食べさせているところが彼の眼に映った。
 海苔でふんわりと巻いているご飯を箸で彼の口に運んでいる。
(聖理奈、というちょっと浮ついたような名前に負けず劣らず、歳に似合わない振る舞いだな)
 箸で挟んでいる海苔は艶のある色で、有明海でまだこんなに質の良い海苔が採れるのかと驚嘆したくなるような綺麗な板海苔である。
 ご飯も、炊いてからいかほどの時間を挟んだかは知らないが、仄かに湯気が立っており、自然な甘さが、漂う匂いからも味わえる。
 それが少し妬くなりつつ、
(「大金持ちという特権を持った一部の人間なら評判など気にしなくてすむ。大金持ちの女はむちゃなことをやっても、金の力で許される」か)
 という、ギリシャの海運王アリストテレス・オナシスが愛人に宛てた手紙の一節を脳裏に浮かべた。
(議席は失ったが、未だにウチが製薬業界の大手として振る舞っていられるところを見ると、それは本当のようだな)
 思いを浮かべつつ、目を三陽と美月に移す。
 美月は三陽にサラダを食べさせていた。
 彼女が兄の口に運ぶトマトは瑞々しく、程よいサイズに切り分けられており、新鮮な野菜独特の仄甘さがある。
(血は争えない、ということか)
 そう思いながらテンダーロインステーキにナイフを入れる。
 脂身の少なく、冷えてやや硬くなった肉を自らの口に運ぶ。
(半分押し切られるような形で、昔は三陽も結構嫌がっていたかと覚えているが、どうして今はこうもすんなり受け入れているんだっけ)

 * * * * *

 ある夜のこと、教科書とノートを手に、三陽は自分の兄に頼み事をした。
「ねえ、兄さん、勉強教えてよ」
 清次は弟の顔を一瞥する。
 言外に、妹に夜伽を求められないように一緒にいてほしいとの願いが込められていた。
 それを彼は、言下に断った。
「断る」
「えぇ、何でさ」
「お前は要領が悪い、付き合ってられん」
 言外に、自分の身ぐらい自分で守れとのメッセージが込められていた。
 そのまま自分の部屋に引っ込んだため、清次はその時の三陽がどのような表情をしていたかは見ていなかった(見る気もなかっただろうが)。

 * * * * *

 思いを馳せつつ、オレンジジュースを飲む。
 酔いの残る頭と脂っこさの残る舌に、その酸味と甘味が染み渡るようだ。
 向こうは、パンプキンスープを食べさせているようだった。
 その匙に、よくローストされたパンプキンシードが共に掬われているのが目に付いたとき、答えを思い出した。
(ああ、思い出した)

 子供を作ることを望んでいた美月は、避妊せずに性行為を行っていた。
 しかし、一向に妊娠しないのを訝り、検査したところ三陽の男性不妊が明らかになったのである。

(特発性造精機能障害による非閉塞性無精子症、だっけ?
 原因は不明だそうだが、DNA疾患が影響するケースもあるそうだし、やはり近親交配の異常が出てきたんだろうな。
 まあ、もっとも、俺はガキを孕ませることができるのが実証済みだから、必ずそうなるってわけでもないみたいだが)

 子供を作ることが不可能であるという自分の体の欠損を知ることは、三陽に新しい世界を見せた。
 この時初めて、申し訳なさ、そして、美月への愛しさから、彼は情を通じ合う関係を終わらせ、普通の仲睦まじい兄妹に戻ることを提案した。
 しかし、彼女は首肯しなかった。
『お兄ちゃんの子供を産めなくても、それでもお兄ちゃんとの愛は変わらない。
 子供ができないのは残念だけど、一番大事なのは愛する人と一緒にいられることだから』
 真っ直ぐな彼女の言葉。
 その性格同様に単純な物言いだが、それゆえにその時の彼にはかなり効けた。
 その結果、それでも添い遂げたいという彼女の意思に絆され、今に至っている。

(全く、妹も妹なら兄も兄だ。
 それにしても、わざわざ南瓜の種をスープにトッピングしたところからして、気にしてるんだろうな。
 子供を作れない男のことをよくなんとか言うよな。
 ええと、ああ、そうだ、)
キモ姉&キモウトの小説を書こう!part44
313 :前篇 Lever ◆3AtYOpAcmY [sage]:2014/03/03(月) 17:44:12.68 ID:ItcVevyN
 「種無しカボチャだ」
 ふっと、その言葉が清次の口をついて出た。
 不意にモノローグを実際の言葉として発してしまうという漫画的な行為。
 だが、美月はそれを聞き逃さなかった。
「何ですって……!」
 今朝一番の険しい表情で、清次を睨む。
 三陽は半ばうろたえているかのようだが、彼女は言われた当人よりはるかに憤慨している。
 この時点で、清次は自分の失言に初めて気付いた。
「いや、これは、九尾のことを思い出して……」
 この苦し紛れの言い訳に――彼は個人的な付き合いもあるから、政治家の名前が出ること自体は不自然ではないだろうが――彼女はさらに逆上した。
「嘘を吐け!」
 美月は清次にヒルドンを浴びせかける。
 が、泰然としたもので、彼は開き直ったかのようにこう返した。
「英国式に顔を洗うというのもなかなかいいね」
 ミネラルウォーターで顔が濡れたまま席を立ち、後ろに控えていた清次のメイドに声をかける。
「おい、ビオフェルミン」
 すぐに彼に瓶が渡された。
「だから、飲みすぎですってば」
「バーカ、吐き気は酒のせいじゃないっての」
「待ちなさいよ!」
 と彼女は後ろから声を浴びせる。
「誰が待つかよ」
 それに対し、彼はすたこらさっさとその場を後にすることで応じた。
キモ姉&キモウトの小説を書こう!part44
314 :前篇 Lever ◆3AtYOpAcmY [sage]:2014/03/03(月) 17:47:03.69 ID:ItcVevyN
 時を経て、清次は近い将来の政界進出に備えた下準備のため、アメリカはワシントンDCに来ていた。
 プロライフ(反中絶)団体の集会に参加するため、選挙のプロに演説の訓練を受けるのである。
 投宿しているカッツ・リールトンのレストランで、彼は朝食を摂っていた。
 朝食らしく、パンやサラダなどの簡便な食事。
 それらに続いて、エッグベネディクトが運ばれてきた。
 給仕がそれを運んできた時、彼はその料理の名から何の気なしに一人の男を思い浮かべた。
(教皇とは関係ないが、ベネディクトというとどうしてもそっちが出てきてしまうな)
 ローマ教皇、ベネディクト18世。
 シスの暗黒卿に似ているとよく言われる悪人面だが、れっきとしたカトリック12億人の精神の最高指導者として活動している。
 そんな最高級の聖職者のことを考えつつ、カリカリに焼き上げられたベーコンやイングリッシュマフィンをポーチドエッグごと切り分けると、半熟の黄身がとろりと流れ出てきた。
 クリーミーなオランデーズソースとともに、それを食す。
(まあ、ネブラスカでは4分の1以上、アメリカ全体でも今や2割以上の国民がカトリックだからなあ)
 元々二日酔いを直すために発明された料理という説があるだけあって、朝になっても酔いの残っている――それが彼の常であった――彼にとっても、その皿を平らげるのは難しくはなかった。
 食後に、コーヒーを注文する。
(ま、そいつらに恩を売るためにも、スピーチは練習しておかなくちゃな)
 飲み終え、そのコーチを待つため、自分の泊まっているスイートに戻ろうと、彼は席を立った。


「……My parents are siblings, and I am a son of incest.
 Unfortunately, adults who committed incest with consent are not punished in Japan.
 I had been heavily tormented by my fate and repeatedly thought that my birth is an error.
 However, one priest told me sometime.
 "My son, You shouldn't think so.
 Every human lives are gifts from God.
 Incest is undoubtedly horrible, but God intended to born.
 Of course, you are also a gift from God.
 So, you should spend your time as God intended."
 I found my hope in his every word at that time.
 I adore him just like real father.
 And, I want to accomplish my mission.
 I hope to save lives as products of rape and incest, like me.」
(……私の両親はきょうだいであり、私は近親相姦の所産です。
 不幸なことに、日本では同意の下で近親相姦を犯した成人は罰せられません。
 私はこれまで、ひどく運命に苦しみ、何度となく私が生まれたことは過ちだったのではないかと考えました。
 しかし、ある時、一人の神父様が私にお話をしてくださいました。
「息子よ、そのように考えてはいけない。
 すべての人命は神様からの贈り物だ。
 近親相姦は疑いなくひどいことだ、しかし神様は生命を授けられるようお導きになったのだ。
 もちろん、あなたも神の贈り物だ。
 だから、あなたは神のお導きになるように過ごすべきだ」
 その時、私は彼の一言一言に希望を見出しました。
 私は本当の父のように慕っています。
 そして、私は私の使命を達成したい。
 私は、私と同じような、強姦や近親相姦の所産たる命を救いたいと思っているのです)
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315 :前篇 Lever ◆3AtYOpAcmY [sage]:2014/03/03(月) 17:53:48.78 ID:ItcVevyN
 隣で聴いていた中年の男に、話し終えた清次が話しかける。
「How was my speech?」(俺の演説はどうだった?)
 問いかけられた、ロマンスグレーの髪を湛えている長身痩躯の男は鷹揚に返した。
「Polish a little, and you can deliver perfectly.」(あともう少し練り上げれば完璧に演説できるぞ)
 彼は、カロル・ガウンという。
 有力な政治コンサルタントであり、清次が結婚する手はずとなっているセシルの叔父エドワード・J・マクミランを、IQ91とかアル中とか囁かれる中で大統領にまで仕立て上げた選挙対策の第一人者である。
 当然そんな全米屈指の「当選請負人」は、報酬をたんまり支払わなければならないのは勿論だが、誰もが参謀にしたがるだけに、契約することそのものが極めて困難であった。
 そんな絶好の助っ人を得ることができたのは、一重に清次とマクミラン家の関係の賜物と言っていいだろう。
「Is it tolerable now?」(今はまずまずということか?)
「Enough to be a state senator or a congressman right now.
 But it's not your goal, right?」
(州議会や連邦下院の議員なら今すぐにでも務まるさ。
 でもそれはあんたのゴールじゃないだろ?)
「Sure. Thank you for your continued help.」(もちろんだ。ありがとう、これからもよろしく)
 手を差し出す。
「Sure.」(どういたしまして)
 老練な黒子は、そう述べて手を握り返した。

「By the way, don't you meet Cecile?」(ところで、セシルとは会わないのか?)
 手を離したカロルが思い出したかのごとくに切り出してきた。
 彼女の名が出され、囁くような小さな声で、清次は自分でも意識しないままに呟いた。
「……40点」
 その数字には、言うまでもなく彼なりの意味があった。
 まるでどこかの脚本家の如くに、彼は自分と関係した女たちについて、こと細かい批評を加えた採点表を作っていた。
 例えばセシルについては「感度は中の上といったところか。名門の娘というのは良いスパイスだが、それだけにベッドの上でも奉仕精神がない」云々、といった具合に。
 40点というのは、クロスレビューなら満点となる点数だが、勿論彼一人での採点であり、100点満点中の点である。
「What?」(何?)
「Nothing.」(何でもない)
 ふと呟いたのが日本語で良かった、と思いつつ(カロルは清次の知る限り日本語を解してなかった)、軽く返していた。
「Well, what will you do?」(さて、どうするんだ?)
「No, I won't meet her. I'll go to France after this.」(いや、彼女には会わないよ。これからフランスに行く)
「I guess she want to meet you.」(会いたがってると思うぞ)
「She knows I can pay her accounts from a distance.」(離れていても俺がツケを払ってくれるって彼女はわかってるよ)
 そして、こう付け加えた。
「It'll be my business to settle bills in and out of the home.」(家の中でも外でも請求書を処理し続けるのが俺の務めになるわけだ)
 政治の道に進むことを企図している彼にとって、「bill」が「請求書」と「法案」のダブルミーニングであることは言うまでもない。
「All right.」(わかったよ)
 それを聞き、彼は部屋を後にする。
 が、首だけを振り返り、もう一言、清次に尋ねた。
「Do you have anything to tell her?」(何か彼女に伝えたいことはあるか?)
「None.」(何も)
「I've got it.」(そうか)
 そして、彼は今度こそ部屋を後にした。
キモ姉&キモウトの小説を書こう!part44
316 :広小路淳 ◆3AtYOpAcmY [sage]:2014/03/03(月) 17:55:56.70 ID:ItcVevyN
以上です。


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