- 強制女性化小説ない?Part49
502 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 02:55:51.18 ID:MTvUS9ee - 今誰かいる?
ちょっと聞きたいんだけど、投下ってどれくらいの間隔(文字数と時間)ですればいいのかな あと、1万文字ってどれくらいで投下し終わるかな っていうか今か明日投下しても大丈夫ですか?
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508 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 08:17:15.86 ID:MTvUS9ee - お前らがそうやってからかうから沸くんだろjk
まあ触らなくても同じだろうが テキトーに投下始めます。初めてなので分の区切り方とかで引っ掛かって時間かかるかもしれません
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- 強制女性化小説ない?Part49
509 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 08:18:12.63 ID:MTvUS9ee - どこかで電子音が聞こえている。
薄い布団越しでも音量の落ちないやたらと甲高い電子音は不愉快だが、一定のリズムで鳴り響くそれは、与えられた機能とは裏腹に俺の意識を拡散させていく――。 「何時まで寝ているの!」 枕元で響いた声は、こぼれおちた水のように延々広がるかとも思えた俺の意識を、一瞬で固形化させた。思わず肩を震わせて飛び起きる。 「今、何時だと思っているの? 早く着替えなさい。そうしたら厨房で朝食の支度!」 「……」 むくりと起き上がる俺の横で声の主が忙しげに狭い部屋から出ていく音がした。半開きの目を無理やりこじ開けて伸びをすると再び声が飛ぶ。 「返事は!?」 「……かしこまりました、――撫子、さん」 他人に返事を求めておいて、声の主、撫子は声を返しもせずにどこかへ行ってしまう。おそらく、まだ朝食の準備が残っているのだろう。 床と大して寝心地の変わらないような安ベッドから足を下ろし、座ったままもう一度伸びをする。 脱ぎ捨てられた布団の下でくぐもった音を鳴らし続けている目覚まし時計を発掘し、裏のスイッチを切る。時刻は朝六時。 俺にとっては早朝も同然だが、メイドという人種にとってはそうではないそうだ。 壁にぶら下がった着替えを見て、自分の身体を見下ろし、裸足に床の冷たさを感じて、俺はこれが夢の続きでないことを自覚した。 屋根だけは無駄に高いが、身体を丸めるのが精いっぱいの小さなベッドが入っただけで残りの面積は両手を広げて一回りできるかどうかという、狭い部屋。 ポツンと裸電球のともっただけの灯りと同じくらい壁も薄く、部屋の外の喧騒が聞こえてくる。メイドたちが朝食の準備に追われているのだろう。 そして俺も、その喧騒に加わらなければならない。なぜなら、今の俺はこの屋敷に仕えるメイド――しかも、どんな相手にも顎先で使われる程度の、メイド見習いなのだから。
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510 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 08:19:10.93 ID:MTvUS9ee - ベッドの下の収納空間から、畳んであるのか丸めてあるのか分からないようなごちゃまぜになった下着を物色し、絵合わせのごとくどうにか同じ柄のブラとショーツを探し出す。
つい一週間ほど前は放っておいても誰かが勝手に洗濯して畳んで仕舞い、その日に着るものまで出されていたというのに。 俺がこの屋敷の主だった日々、つい一週間ほど前のはずなのに、それが遥か遠くのことに思える。それだけ、この一週間は激動だった。 未だ、新しい生活に慣れたはずもない。 グラビアアイドルじみた、天然モノならばレッドデータブック入りしてもおかしくないほどの大きさでありながらツンと肌の張った巨乳にも、 それを押さえつける蛍光色の装飾過剰なブラにも、だ。 ついでに背部のホックも一発で止められるようになるのもまだまだ先だろう。肩甲骨を隠すほどに伸びた金糸の艶を持つ髪が背中で揺れてくすぐったい。 いっそ切りたいが、そんなことすら俺に決める権利はない。 ショーツに足を通しながら、俺はこの一週間のことを思い返す。 俺の名前は、天城・夏樹。なんだか女のような名前だが、生まれてこの方17年ほど男をやっている――否、『やっていた』。 大抵の人間は、女っぽい名前などより、名字の方に反応するだろう。俺の親父で七代を数える薬品開発の老舗、天城製薬の看板を背負っているのだから。 その御曹司である俺は、いくつかある親父の別宅の一つで誰からも制約を受けることなく自由気ままに暮らしてきた。 一応高校に籍はあるが、出席日数は限界ぎりぎりで、成績も狙ったかのように赤点をバレルロールで回避しているような状況だ。 なにせ、大抵は家にこもって好き勝手に趣味に走っていたのだから仕方ない。普通の一人暮らしにある掃除洗濯炊事の手間すらないのだから、時間だけは豊富にあった。 だが、それもアイツが現れるまでの話。 思い返すと、ハンガーにかかった着替えを握る手に力が入る。 アイツ――高橋・和樹、今では天城・和樹を名乗る男。 男といっても、俺と同じ年齢だ。誕生日は俺の三日前だというから、今では財界の大物ぶっている親父も中々にお盛んだったらしい。 そう、アイツは親父の隠し子だった。それならとっとと認知してやればよかったものを、母親が地に足のついていない生活を送っていたようで思うようにはいかなかったようだ。 よくありそうといえばありそうな話だ。 そしてありそうな話ついでに、高橋姓だったころのアイツも大変な幼少期を送っていたようだ。 中学までは家に帰らない母親のせいでほとんど一人の力で暮らし、高校に入った途端に母親が夭折して天涯孤独。 そんな苦境にもめげず、中学からは特待生として名門校に進学というのだから、物語の登場人物のように出来過ぎだ。 そんなアイツと、同じ年数を自堕落に浪費してきた俺。親父が跡継ぎに選ぶならどっちにする? その選択の結果がこれだ。
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511 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 08:20:18.48 ID:MTvUS9ee - アイツは晴れてメイドに囲まれて悠々と天国のような至れり尽くせりの生活。
切り捨てられた俺は……放り出して後継がこじれることを恐れた親父や役員の計略で、生殖機能を奪われるどころか、性機能まで女にされた上に、 性根を鍛え直すという名目でアイツ付きのメイドにさせられて、こうやって空色のワンピースに腕を通す羽目になったというわけだ。 のろのろと着替えようと手早く着替えようと、俺が男に戻れないことくらい分かる。 だったら、俺の教育係として選ばれた撫子の叱咤が飛ばないようにとっとと着替えるに越したことはない。 正式に後継と認められたアイツが通知とともにやってきたのが一週間前。 その後気付けばカレンダーが二日分進んでいて、その間に俺は17年を共にした身体を失っていた。 そして行くあてのない俺が屈辱のメイド生活に甘んじるを得ないことを知らされたのが四日前。 都合四日間、まだ五日目のメイドとしての生活だが、事あるごとに俺を叱咤して罰まで与える撫子の教育は、着実に俺の精神を蝕んでいる。 壁に備え付けられた古ぼけた鏡に、着替えを終えた姿を映す。 青いワンピースの上に白いフリル満載のエプロン。 袖の付け根は大きく膨らんだパフスリーブで、スカートは円形に広がりその分白のニ―ハイソックスに包まれた太ももが露出している。 靴は黒の革靴、半袖の先は白の長手袋を付けることを強制されている。 いわゆるアリスメイドというやつだ、俺の今の格好は。古めかしい屋敷には似つかない、メイド喫茶の方が似合いそうな服は、俺の羞恥心を限りなく刺激してくる。 最後に長い金髪をリボンでまとめるために、鏡の前で姿を見せびらかすようにしなければならないのが苦痛だ。 服の皺を直し、髪の跳ねを手櫛で撫でつけると、鏡の中に現れるのは見た目だけは上品で清楚な金髪美少女メイドだ。 それが俺自身の姿でなければ、どんな手を使ってでも手に入れようとしただろう、人形のような最上級の容姿。 未だに自分自身という実感の湧かない容姿に見とれている暇はない。転がった目覚まし時計を横目で見ると、すでに二十分を超えている。 慌てて部屋の扉を開き、駆け足で共同の水道に駆け寄って顔を洗い歯を磨く。 それを済ませて道具を部屋に置き、再び扉を開くと――狙い澄ましたかのように一人のメイドがドアノブに手をかける体勢で立っていた。 「遅い、一体何をやっているの?」 「……申し訳ありません、撫子さん」 「返事だけは出来るようになったかしら。で、朝の挨拶は?」 言われ、一瞬だけ言葉に詰まるが、初日に何度も練習させられた文句をどうにか喉の奥から絞り出す。 「おはようございます。……新人メイド見習いの夏樹を、一人前になれるように、どうかご指導のほど、お願いいたします、わ」 ついこの前までは俺の身の回りの世話をしていた撫子が、俺のことを一番知っているからという理由で教育係だ。 確か二十歳にはなっていないはずだが、今の150センチ程度しかない俺と比べれば背が高く、逆らい難い威圧感がある。 幾度かからかい交じりに下品な冗談を飛ばしたことのある端正な容姿も、それが目上となると圧力でしかない。 言葉づかいも性格矯正の一環として『丁寧かつおしとやかに』だ。誰に対しても敬語で、それだけでなくまるで山の手のお嬢様のような言葉づかいをしないと叱られてしまう。 「ぐずぐずしていると朝食を抜くわよ。早く来なさい」 振り返って厨房に向かう撫子に、慌てて付いていく。使用人の部屋の並ぶ廊下では、非番の者が私服でうろついている。 その全員が、撫子に従う俺を見て笑った。流石に顔を俯けて隠している者が多いが、何人かは露骨に背中から指を指してくる。 俺は足元だけを見て歩こうと視線を落とす。そうすると、今度は膨らんだスカートと撫子のヒールが視界に入る。 目立つ上に浮いていることこの上ない俺の可愛らしいメイド服とは違い、 撫子や他のメイドの制服とされているのはシックな黒いロングスカートにシャツと装飾のないエプロンというおとなしく気品のあるいでたちだ。 若いメイドも多いので、エロゲーにでも出てきそうな扇情的なメイド服に変えてやるかと思ったこともあったが、実行しなくて正解だった。 そんなことを考えていた俺へのメイドたちの反感と鬱憤は積もり積もって、今になって帰ってきている。
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512 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 08:21:02.55 ID:MTvUS9ee - 廊下の先に、長机の並べられた食堂がある。中学校の食堂にも似た雰囲気だが、今は奥の厨房から湯気が立ち上っている以外には人気はない。
「ほら、とっとと食べて支度をしなさい」 食堂の端に一人分の朝食が置いてある。冷めかけた一杯の紅茶と焼き目のついたトーストが2枚、バターが半分。 男だった頃ならば絶対に足りない量だが、この小さな体相応の胃袋ではそれでも多いくらいだ。それを急いでかっ込むと、厨房の方から撫子に呼びつけられる。 「とっとと運んで。後が閊えるんだから」 厨房の奥から、いくつもの食器が運び出されていく。住み込みの使用人が多いため、一括の食事は大変な量になり、そのために厨房には専属の使用人がいる。 俺の朝一番の仕事は、大量の食器を机に並べていくことだ。 小走りで駆けまわるのに合わせてスカートやエプロンのフリルが可愛らしく揺れる。 自分が女になったことやメイドに墜ちたことをこの上なく思い知らされるが、押し迫る食器の前では自己嫌悪に陥る暇もない。 俺が必死で食器を運んでいると、廊下の奥から撫子と同じメイド服の女たちが現れる。 「あれ、私たちが一番? 早すぎたかな」 「おはよう、夏樹ちゃん♪」 「おはようございます……暁さん、渚さん」 「今日も可愛いよ、夏・樹・ちゃ・ん」 食器を置いて両手を前に出し頭を下げる俺に、軽い挨拶を投げて視線もくれずに我が物顔で席に着く二人。 ハウスキーピングのために雇われたメイドだが、どちらもまだ中学を卒業したばかりで俺よりも年下だ。 それでも、メイドとしては格上のため、彼女たちにすら敬語を使わなければならない。それは、撫子と話すよりも苦痛だった。 とにかく、今は朝食の準備だ。未だに三分の一程度しか埋まっていない机を見て厨房へ走る。その間に他のメイドたちが現れるが、挨拶はない。 挨拶がなければ、こちらも視線が合わない限り挨拶をしなくてよいルールだ。 無論、免除されるというよりはあちらから無視されているということだが。それでも、余計なちょっかいを出されるよりは何倍もマシだった。 暁から声が飛ぶ。 「夏樹ちゃん、今日のパンツは何色?」 「み――緑、です、の」 問われたことには、どんなことでも応えなければならない。セクハラのような問いですら、だ。近づいて小声でつぶやく俺を見て、渚が笑った。 「夏樹ちゃん顔赤くなってるじゃん。かわい〜」 からかわれ、顔に熱が満ちるのを感じる。今の俺は、何をされようと反抗できない立場なのを知っていて、何人かの使用人はこうして辱めてくるのだ。 今更ながらに、もう少しきちんとしていればよかったと後悔する。なにせ、思春期の俺にとって小さなセクハラなど日常茶飯事だったのだ。 それをやり返されて、初めて自分のやってきたことを自覚するが、後の祭り。 「お、ホントに緑だ」 「あ、わっ!?」 渚にスカートを後ろから捲られ、思わず綿菓子のように膨らんだスカートを抑える。あまりに女性的な動作にさらに顔の赤みが増したのが分かった。 「やめろっなにす――」 「ん? 『やめろ?』」 「いえ――『止めてくださいまし』、です」 慌てて言葉づかいを直した俺に、渚が追撃を繰り出す。 「あはは、面白い言葉づかい。お嬢様みたい」 「暁、夏樹ちゃんは『元御曹司』だよ」 「あ、そうだっけ? いまは私たちの方が偉いんだけどね」 二人が同時に侮蔑の視線を投げつける。周りからも、小さく嘲笑が漏れた。 「夏樹、遊んでないで働きなさい!」 撫子の叱咤を今はありがたいと思いつつ、俺は視線から逃げ出すように厨房へと駆ける。
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513 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 08:22:01.64 ID:MTvUS9ee - そうして食器を運び終わると、時刻はもう7時だ。厨房は一仕事終えて休憩に入っているが、俺にはまだ仕事が残っている。
それを思うと、胃が痛みそうだった。 「じゃあこれ、運んで行って。あたりまえだけど粗相のないようにね」 「はい……」 銀のカートに乗った、一人分の朝食。ポットに入った紅茶と何種類ものジャムとパン、焼き立てのスコーンに瑞々しいサラダ。 俺のものとは比べ物にならない豪華な――大企業の御曹司にふさわしい食事だ。 俺の次の仕事は、アイツに朝食を運ぶことだ。 屋敷の主人は、使用人と同じ机で朝食を食べない。食事専用の部屋があつらえてあって、そこにメイドが食事を運ぶのだ。 「今のご主人様はきちんとした方だから、時間どおりに運べばいいんだから楽でしょ。前のはいつ起きてくるかわかったもんじゃなかったから大変だったのよ」 言うまでもなく、前の主人とは俺のことだ。非難がましい視線に耐えかね、行ってまいりますと小声でつぶやくとカートを押して楽しそうな喧騒に満ちた食堂を後にする。 しんと静まった朝の屋敷は、朝の遅い俺の知らなかったものだ。それだけに、別の家のような気がしてくる。だが、朝食を食べる部屋だけは別だ。 見知った扉を裏手でノックする。 「お食事を、お持ちしました」 「ああ、入ってくれ」 透き通るような美声が中から聞こえる。顔を伏せ、音の出ないようにゆっくりと扉を引く。 「ご苦労。おはよう、夏樹」 「おはようございます――」 ご主人様、の声は自分でも聞こえるかどうかという小ささだった。 誰が自分の地位を追いやった人間に『ご主人さま』などと言える? そんな俺の心中に関わりなく、着替えを終えている和樹は春の日差しのような笑みを浮かべて俺を部屋に招き入れる。 黙々と高価なガラステーブルに食器を配置する俺を、ソファに尻を沈めて日本人離れした長い足を組んで観察しているのが分かった。 足だけでなく、均整の取れた体つきも、その上に乗っかった首から上も、ふざけたことにモデル顔負けだ。 親父が岡惚れするような相手だから母親も相応だったのだろうが、間違いなくその遺伝子を十全に受け継いでいて、しかも耳の形や瞳の色に親父の面影がある。 ミーハーなメイドたちが騒いでいるのを、俺は耳にしたことが何度もある。いや、むしろ聞かせるつもりで話していたのかもしれない。 だが、あいつらは和樹という人間を知らないから、容姿だけで騒いでいるのだ。 「いい朝だ、そうだろう?」 雲ひとつない秋の空を背景に、和樹は青春ドラマの主人公のような顔でそう抜かした。 唾でも吐きかけてやりたいところだが、今の俺は生殺与奪権を握られているに等しい。仕方なく、平坦な声で答える。世辞の一つも言ってやる義理はない。 「そうですわね」 話を聞き流しながら紅茶を入れる。琥珀色の液体が陶器のなかで香りを立てる。俺が朝一息で飲み干したような出がらしの安物ではないことくらいはわかった。 「お待たせいたしました」 食事の準備が済んでも、部屋を出ることは許されない。食事中も求められればナプキンを差しだしたり、紅茶のお代りを入れなくてはならないからだ。 掃除や洗濯より、両手をエプロンにあてて和樹の後ろで立っているだけの作業が、自分の立場を思い知らされる。 がっつくことなく、食器の音すら立てずに食事を進める和樹は、まるで生まれながらの御曹司だ。その後ろに立っていると、自分が始めからメイドだった気までしてくる。 はたから見れば優雅な朝食、俺にとっては心に突き刺さる針のむしろも同然の時間が過ぎていき、和樹が食後の紅茶を啜りながら言った。 「ここの生活はいいね。まったく大したぬるま湯だ」 問われない限り答えない。使用人の心得というより、俺に出来る精いっぱいの反抗だ。そんなことは気にせずに和樹は続ける。 「自分を律することが出来なければ、骨抜きになってしまいそうだ。……もしかすると、そうやって父上は僕を試しているのかもしれない」 父上ときたもんだ。俺としても、後継のことしか考えていないような親父などまっぴらごめんだが、自分がすでに天城製薬の後継者ではないことを実感してしまう。 ほんの少しだけ狭まった俺の眉を和樹は敏感に読みとったようだ。 「不満かい?」 「何が、でしょう」 「分かっているよ。君が僕の質問の意図を分かっていることも、その答えも」 「……」 芝居がかった遠回しな言い方も、コイツに言わせると妙にしっくりくる。なんとか嫌悪感を現さないように気を使いながら、俺は和樹の次の言葉を待った。
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514 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 08:24:20.50 ID:MTvUS9ee - 「だが、それも運命だ。君のような人間では遅かれ早かれ会社の頂点に着く前に追い出されるだけだ。
そうするのは、僕のような優秀な人間さ。僕はくじ引きに当たったにすぎない」 ぐい、と紅茶を一息に飲み干す。そのまま小さく音を立てておくのは追加の合図だ。しかたなくポットを手にする俺を楽しげに見ながら言葉が垂れ流される。 「感謝はしない。僕だって、ここに来るまで生き延びてきたんだ。そこには君には到底分らない苦労もあった。 当たるかどうかはともかく、くじを引く権利はある。それに――君には感謝してほしいくらいだ」 「感謝、だと?」 思わず素の口調が出た。気づいた時には、俺はポットを置いて和樹を睨みつけていた。 しかし、削っていない鉛筆を向けられた程度の威圧感も覚えていないような和樹はわざとらしく肩をすくめて見せる。 「睨むなよ。可愛い顔が台無しだ」 「ふざけるな……誰のせいで、俺は、こんな」 「君のせいさ」 長手袋に包まれた拳を握った細い腕を座ったままの和樹に掴まれる。 いつの間に、と怒りに水を差された俺が言葉を詰まらすと、和樹がもう片方の手でカップを持ち上げる。 「恵まれた環境に居ながら、つまらないことに労力を使い込んだ。それはまさしく浪費に他ならない。 君の私物を処分する前に見せてもらったが、健全な青少年が手を出していいものではなかったね」 そう言われるとクスリでもやっていそうな雰囲気だが、おそらくは部屋に積んであった大量のエロゲーのことだろう。 それくらい、思春期の男としてはどうということはないはずだ。 「僕だって男だ、そういったものへの興味がないと言えば嘘になる。だが、それにのめり込むほど愚かじゃない。 愚か者の君は、僕に傅いて紅茶を入れているのがお似合いさ」 あからさまな挑発に、俺の頭に血が上り、拳を振り上げようとする。しかしその前に和樹の手に力が入り、鈍い痛みが腕に走った。 「ぃ、たっ」 「ああ、すまない。女の子に手荒なまねは良くないな。だけど女の子がそれをするのも、僕は好まない」 和樹はカップを置いて立ちあがる。身長は180に近いだろう、頭一つ高い相手に俺は見上げる形になる。 男らしい大きな、しかし繊細で長い指をもった手のひらがふっくらと膨らんだパフスリーブに沈む。 「君はいまだに立場が分かっていないらしい。もう君は御曹司でも何でも――男ですらないんだ。それを分からせてあげよう」 「なにを、する気だ」 「言ったろう、手荒なまねをするのは嫌いだ。少し待っていたまえ」 身をすくめた俺を置いて、和樹は部屋を出て行った。ほどなくして、革のカバーに包まれた何かを持って帰ってくる。 ゆっくりと外されるカバーの下からあらわれるのは、鏡のように磨かれた刃。銀色のカミソリだ。小さなクリーム入りの瓶もあった。 髭でもそらせるつもりかと思った俺だが、和樹がこともなげに放った言葉に背筋が凍った。 「スカートをめくって、ショーツを脱げ。命令だ」 「何、する気……」 「早くしろ」 椅子に座ったまま放たれた声は、妙にドスが効いていた。それに脅されたわけではないが、元より力では敵わない。 半ば焼け鉢になり、俺は震える手でショーツの端を握り、下ろす。
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515 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 08:25:56.31 ID:MTvUS9ee - 「緑か。可愛らしい下着を履いているじゃないか」
評され、思わず太ももをすり合わせる。俺の服や下着は撫子が用意したものだが、どれもこれも可愛らしいものばかりだった。 当然、おしゃれを楽しませるなどという考えではなく辱めるためだ。 「よし、椅子に座ってスカートをめくるんだ。そっちの方が見やすいからな」 何処が、などという問いは発するまでもないだろう。久々に味わう高級ソファの感覚に浸ることもなく、ゆっくりとスカートの裾を持ち上げて行く。 どっさりと付いたフリルが動作に揺れる。 「そうだな……口でスカートを咥えるのもいいな。確か、君の持っていたゲームにもそんなシーンがあっただろう」 「……やったのかよ」 「パッケージさ。言葉づかいも直さないと、撫子に言い付けなくちゃならないな」 布の端を申し訳程度に唇で挟む。そんなものでもワンピースのスカートでは股間はおろか腹の下までが露出してしまう。 画面で見たときは思わなかったが、実際にやってみると顔が済みになりそうなほどに恥ずかしい。 和樹の視線が股間に向いていることを意識すると、いっそ燃え尽きてここから消えてしまいたいほどだ。 「どれどれ。見やすいように、足は開くんだ。メイドならそれくらい気を利かせろ」 ぐいと無理やり両手で足を開かされ、和樹の顔が股間に入り込む。自分の格好を想像するだけで屈辱に身が震えて目頭が熱くなる。 「髪だけじゃなくて下の毛も金なのか。細かいな」 「あ、まり、見るな!」 和樹の吐息が股間を撫でるだけで、かつてない感覚が背筋を走り抜ける。 「台詞が違うな。『わたくしの恥ずかしい場所を、どうかじっくりとご鑑賞ください』だっけ?」 「な、なんだ、その台詞はっ」 「君はそう言うのが好きなんだろう?」 いわれ、思い出した。あるエロゲーのパッケージに、そんな台詞があったことを。 「誰が言うか……変態野郎……うぅっ!?」 「ほう、敏感だな」 息を吹きかけるどころか、舌を伸ばして、俺の股間に作られた割れ目に触れやがったのだ。息とは比べ物にならない刺激に心臓の鼓動が早まる。 男だった時には知らなかった感覚に背筋を振るわせる俺から、ゆっくりと和樹が頭を引いた。 「微妙にしょっぱいな。きちんと紙で拭いているか?」 「やってるよ……」 そういた日常周りのことは撫子に教えられている。生理はまだだが、遠くないうちに来るらしい。 それと先ほどの感覚を思い出し、俺はもはや自分が戻れないということに絶望した。俺の身体は、もうどうしようもないほどに女になってしまったのだ。 「もう、いいだろ。わかったから……」 「何が分かったかは知らないが、言葉づかいを直さない限り立場を分かったとは言えないな。――スカートを咥え直して、足を開いたままでいろ」 「こんな恰好で……?」 視線で早くしろと言われ、俺は再びスカートを咥え直した。和樹は持ってきたクリームを指先に広げる。 和樹が何をするか、俺は理解した。拒否しようと首を振るが、部屋の明かりを照り返す銀のカミソリに腰が引けた。
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516 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 09:45:57.34 ID:MTvUS9ee - 「分かったようだが、一応教えてやろう。君のそのうっすらと生えかかった下の毛をツルツルに剃ってやる」
そんなことに何の意味があるのかは分からない。クリームの塗りつけられる冷たくくすぐったい感覚に、足が小さく震えた。 「動くなよ。女の子をキズものにする趣味はないんだ」 冷たいカミソリが押しあてられるのが分かり、身を固くする。つ、と肌の上を刃が滑って行くのが分かる。 髭を剃るのとは全く違う感触に、俺は硬く目を閉じた。首筋に刀でも突きつけられているような恐怖に、ただ終わるのを祈っていた。 「……こんなものでいいか」 どれくらいの時間が立ったのか分からない。とても長く、そしてとても短かった気がする。 最後に布で揉むように拭かれた後、和樹の手が離れる。ほっと息をはくと、はらりとスカートが落ちて股間を隠した。 「どうなったか、自分の目で見てみろ」 恐るおそるスカートに手を掛け、めくり上げる。雪原の白さの肌が女の性器の形で広がり――そこには、一本の産毛も生えていない。 朝見たときには、薄くではあるが確かに紙と同じ色の毛が絡みついていたはずなのに。 直視できないほどの恥ずかしさを感じて、俺はスカートを落とし、その上から股間を抑える。和樹が声を上げて笑った。 「随分と女の子らしい仕草をするじゃないか。顔が真っ赤だぞ」 「こんなの、毛を、剃られただけ」 「他人に秘所の毛を剃られる屈辱はどうだ? いやが応にも、自分が僕の所有物だという実感が湧くだろう。 これからは定期的に君の毛を剃ってやろう。身だしなみは大切だからな」 恐ろしい宣告に、俺は声も出なかった。 「主人の手を煩わせたんだ、何か言うことがあるだろう?」 「え――」 ソファに肩を預け、肘を背もたれに付けて頬を乗せながら、和樹は宙を見て言った。 「そうだな、『わたくしのはしたない下の毛を処理して下さってありがとうございます。ご主人様のお手を煩わせて、誠に申し訳ございません』ってところかな。 立ちあがって、スカートをめくって言うんだ」 「そんなの、言えるわけないだろっ」 「だったら、今日いっぱいノーパンで過ごすかい? 好きな方を選ばせてあげよう」 奥歯をかみしめて、俺は立ち上がった。早鐘のようになった心臓を抑えて深く呼吸し、スカートを摘まむ。 「それじゃあ剃った部分が見えないじゃないか。もっと高く上げるんだ」 命令に従うしか、解放される方法はない。荒い息を吐きながら、胸のあたりまで布を持ち上げる。 「わ、わた、くしの……」 「声が小さい。詰まったらやり直しだ」 「わたくしの、はしたない下の……」 「はい、もう一度」 「わたくしのはしたない下の毛を処理して下さってありがとうございます……! ごしゅ、じん様のお手を煩わせて、誠に、もうしわけ……ありません……っ」 羞恥心と屈辱に身を震わせて絞り出した言葉に、和樹はゆっくりと頷いた。 「まあ、いいだろう。今にも泣きそうな顔がなかなかエロティックだったしね。 ああいうゲームに嵌まる君の気持が少しだけ分かった気がするよ。見る側から見られる側になった感想はどうだい?」 膝の力が抜けて、俺は今にも崩れ落ちそうだった。かろうじて経ってはいたが、和樹を睨みつける気力もない。 その様子を見て、和樹は喉を鳴らして笑った。 「じゃあ、朝食を片づけてくれ。僕はこれから勉強があるから。何かあったら呼ぶからすぐ来るように」 悠々と俺の横を通り抜け、ドアノブに手を掛ける。思い出したように、最後に声を投げた。 「そうそう。ショーツを履き忘れるなよ?」
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- 強制女性化小説ない?Part49
517 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 09:47:56.96 ID:MTvUS9ee - 連投規制引っ掛かったせいで時間ぎりぎりですわ
これで投下終わりです。この前お嬢様言葉に萌えるとか言ってた奴が有言実行した次第であります 以上
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- 【女体化】TS系小説総合スレ【男体化】8話目
622 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 17:21:48.51 ID:MTvUS9ee - >>621
馬鹿の釣り堀が変わった 腹空かしたマグロじゃないんだから釣られるなよ
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- 【pixiv】R-18小説&SSスレ 8ページ目【エロパロ】
153 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 19:12:26.18 ID:MTvUS9ee - 人気順で読者増えるとか裏山
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- 強制女性化小説ない?Part49
526 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 20:18:40.55 ID:MTvUS9ee - ここでレスしないと、話題ないわ嵐にレスしたくないわで本当にスレが停滞する流れだな
>>509-516の続きは主人公が跡取りどころか将来の嫁としてお嬢様修行させられるというのはどうだろう 家ではメイド、学校には本家と縁続きの娘として通わされるけど一人の生徒に正体知られて脅されるとか 個人的には肉便器ルートより女の快楽に落ちるレズ調教ルートがいいです
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533 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/02/27(木) 21:38:01.81 ID:MTvUS9ee - 別にレスしなくてもいいんだろうけど、テキストファイルに纏めてくれたら見やすくて嬉しいんだがな
投下でもないのに長文垂れ流されても迷惑だろうし 久々に他人に推敲されたわ。この屈辱と敗北感は癖になるね 投稿作とかじゃないし、フィーリング任せで浮ついた文章が書きたかったんだよ。失敗したけど 出だしで気を引かれたっつーのは最上の褒め言葉だよ。どんなSS書くときも、とにかくそこだけは妥協しないようにしてる その他はまあ仰る通りだが、灯りの表現で「薄明かり」って使わない?IMEだと一発変換できるからそういう表現があると思ってた 「駆け足で駆けよって」みたいなのは注意してるんだけど、多少はね。いいわけだが、朝起きて顔洗わないのもおかしいだろうと最後に入れた部分なんだ >もう苦痛だから読むのを止めるが、独り善がりの表現が多すぎるような気がする 総合評価はソレで結構。いつもは別所で書いてるんだが、日に日に表現力が落ち込んでるからどうにかしたかったんだ いわば習作的なナニカ。それで奇矯な表現が頻出したわけよ これも一つの勉強だと思って読み直して精進するわ。わざわざすまんね
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