- 7THDRAGON/セブンスドラゴンでエロパロ 第六帝竜
78 :デストロイヤーは強化人間の夢を見るか?(1/6)[sage]:2014/02/24(月) 17:36:29.03 ID:iyP99caT - デス子とアオイちゃんがイチャイチャするSSがいつまでたっても来ないので自分で書いた
あんまりエロくないけどよかったら見てくれ * ――深いところにいる。深いところだ。とても、深いところ。 「……こ……が、今……の実……体か……ら。ず……と、若……みたいだ……れど」 ――声が聞こえる。私のずっと上から、響いてくる。細かくは、聞き取れない。 「親………………の代わ……に……なんて、……と……な……ですね」 ――聞き取れないのは、遠くにいるせいではない。痛みはないのに、頭を酷く打ち付けたかのようで、思考がすぐ霧散する。 「……ぁ、この…………実験で、…………変……るわ」「…………れば、…………すが」 ――視覚が復活した。水の中に浸されていた私は、「一番上」に引き上げられる。 「では、始めましょうか」 朦朧としていた私の意識に、その言葉は烙印のように焼き付いて、そして私は、
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79 :デストロイヤーは強化人間の夢を見るか?(1/6)[sage]:2014/02/24(月) 17:37:23.66 ID:iyP99caT - 最初に、自分の荒い吐息が聞こえてきた。とにかく、冷えた空気を吸い込みたかった。
過剰に供給された酸素が血液に送られる。こめかみの蠢きが皮膚の感覚で分かる。刺すような痛みが脳髄を貫き、私は押し殺したような呻き声を上げた。 細めた目で枕元の時計を見る。午前二時。蛍光色の冷光を放つ短針と長針は、私の意識を少しだけ落ち着かせた。仲間たちの静かな寝息に、甲高い耳鳴りが覆い被さる。 深く息を吸いながら、手探りで枕元を探す。ペットボトルと精神安定剤を手に取り、錠剤を噛み砕いて精製水で飲み下す。 こんなドラッグじみたもの、「正義の味方」の13班には似つかわしくない。でも、これがないと私は、まともに拳を振るえやしない。 「……これで、六回目、か」 小さな声で、呟いた。 ムラクモに所属し、竜と戦うようになってから四ヶ月。月に一、二回の周期で、悪夢に魘されている。 内容は、よく覚えていない。ただ、強烈な印象の悪夢ということだけはわかる。両の掌に、嫌な汗がいつもじっとりと滲んでいる。 最初に医務室を訪れた時は、PTSD――心的外傷後ストレス障害と診断された。戦場に立つ兵士がよくかかると、聞いたことがあった。 今まで数え切れないほど死地に赴き、そしてその倍は殺されかけてきた。無理もないと、自分でも納得していた。 その日から周りの人は心配してくれたし、事実私が実地に赴く頻度は少なくなっていた。規則上三人で一チームを組むため、五人構成の13班は待機するメンバーが二人出る。 しかしそうやって休みを増やしても、未だ症状は収まらない。仲間が負ってくる傷の数は、日に日に増えているように思える。 この病は恐らく、竜との戦いが終わるまで続くだろう。中途半端な療養に意味はない。そしてこれ以上、迷惑をかけることはできない。 次にあの悪夢を見たなら、私は治ったことにするつもりにしている。どうせ心の弱さが生む幻影に過ぎないのだ。今の私は、甘えているだけに過ぎない。そう割り切ったのが、つい昨日。 ただ、一つ――このまま無かったことにするには、引っかかるものがあった。はっきりとは言えないが、一つ。 私が見ているのは、「竜を殺す夢」でも「竜に殺される夢」でもないような気がするのだ。 そう、例えばそれは、もっと無機質でもっと冷酷でもっと凄惨で、しかしどこか既視感のある――ここまで考えて、私は強く歯ぎしりした。 頭痛がまたぶり返してくる。これ以上思い出せない。思い出すことを脳が拒んでいた。これ以上考えても、仕方ない。私はやむなく、もう一度横になった。 「…………うー、ん……」 しかしこのジアゼパムという抗不安薬は、使い始めてすぐ即効性がないことに気付いていた。効果が出るのはおよそ十五分後と説明されていたが、どうも私は薬に強いのかもしれない。 あれだけ凄惨な夢――内容は全く覚えていないが――を見せられれば、すぐに眠れるはずもない。夢を思い出して怖がることはないけど、どうしても聴覚は周囲を探ろうとしてしまう。 戦闘職の人間として、無理もないのかもしれない。けれど埃が降り積もる音すら聞き入れようとする――実際に聞こえそうになる私は、やはり精神疾患なのだろう。 薄手の掛け布団に潜り込んでも、やはり眠れない。三十分は起きていることになりそうだ。明日は四ツ谷で生存者の捜索を行うのに、こんな時間に起きてしまっては仕方ない。
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80 :デストロイヤーは強化人間の夢を見るか?(3/6)[sage]:2014/02/24(月) 17:38:11.11 ID:iyP99caT - ――思い切って、私は布団から出ることにした。なるべく音を立てないようにしてベッドから降りる。しばらくこの階を歩き回って、眠くなったら帰ってこよう。少し体を動かしたほうが、きっとより深い眠りに就けるはずだ。
ドアノブをゆっくりと回し、静かに扉を開いて閉めた。目前の窓ガラス越しに夜景を眺めた。明かり一つ無い世界が広がっている。フロワロの花弁が舞い散っている。竜が生み出した歪な構造物が見える。――遥か向こうに、海が見える。 黒い空に光る星が綺麗だった。静かに凪ぐ海が綺麗だった。皮肉だった。竜が東京に降り立たなければ、こんな夜景を見ることは叶わなかっただろう。 けれど、願わくば。私はこんな景色を、私の病が落ち着いてから、今はまだいないけれども、私の大切な人と眺めたいと、思った。 また、溜息を吐く。薬を飲むようになってから、憂鬱な気分になることが多い。だが、甘えに過ぎないのだ。これも。きっと。 吐いた分だけ空気を吸い込む。前を向くと、フロア中央の廊下を挟んで向こう側にある部屋から、微かに光が漏れ出ていることに気付く。 10班の自室だ。眠れていないのは、私一人ではないようだ。どうせ寝るなら、一人より二人の方がいい。「彼女」もきっと、そうだろう。 私は散策の予定を取りやめ、光が漏れている扉をノックした。
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81 :デストロイヤーは強化人間の夢を見るか?(4/6)[sage]:2014/02/24(月) 17:39:05.45 ID:iyP99caT - *
中央のテーブルに座っていたのは、一人の女性――というには、少し幼すぎる。優しげな顔立ちの彼女は、どちらかと言えば少女に近い。私たちを先輩と呼んで慕ってくれるのだから、尚更そんな気がする。 雨瀬アオイ。現時点において、ムラクモ10班唯一の班員。体力と瞬発性と射撃の腕、そして根性においてムラクモで右に出るものはいないだろう。彼女に助けられたことも、何度もある。 性格は素直で、それでいて芯が通っていて――恐らく、私の知る限り、ムラクモで唯一総長の頬をはたいた人間。 ――私は、彼女と仲がいいとよく言われる。私も彼女をよく知っているつもりだが、彼女は私のことを知っているのだろうか。 「……こんな夜遅くに、ごめん。こんばんは、アオイちゃん」 「いえ、ちょっと私も不安でしたし、嬉しいです。こんばんは、センパイ」 微笑んだ彼女は、テーブルの脇に自らの得物――8インチのマテバ・オートリボルバーと、50AEのデザートイーグルを置いていた。今しがたメンテナンスを終えたところのようだ。 眠れない時に銃を整備するのは、彼女のクセになっているらしい。眠れない時に、私が少し体を動かすのと同じだろう。自らの命を預かるものを、邪険に扱うことは出来ない。 「……急に、起きちゃって。よく分からないけど。参っちゃう」 「私も、ずっと眠れなくて……こういう時、ありますよね」 よく分からない、というのは無論嘘だ。とっくのとうに理由なんて知っている――そして彼女も、知っているはず。 明日に訪れるかもしれない自らの死、あるいは同志の死、友人の死。どんな蛮勇の戦士でも、恐れないわけがなかった。仲間を失いたくないのは、あの総長でも同じはずだ。 部屋を見渡す。がらんとした部屋。今は彼女だけが使っている部屋。ガトウの遺品は、すでに片付けられていた。 「アオイちゃんも、か……みんな、そうなのかな」「そうですよ、きっと」 「……そっか。そう、だよね」 彼女は、また微笑んだ。心からの、屈託のない笑みだった。私は、そんな風に笑えているかどうか、分からない。 私ぐらい、あるいはそれ以上に辛いはずなのに、どうしてここまで気丈に振る舞えるのだろうか。分からない。私には、分からない――けれども。 「そうだ。アオイちゃん、お茶飲む? 丁度、ハーブティーが作れるから」 「ハーブティー、ですか? でも、アレって……」 「大丈夫大丈夫、気にしないで。意外と簡単だよ」 そんな彼女からいつも元気を貰っているのは私だから、こんな時にはお返しがしたい、と思った。
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82 :デストロイヤーは強化人間の夢を見るか?(5/6)[sage]:2014/02/24(月) 17:39:51.24 ID:iyP99caT - 椅子から立ち上がって、備え付けの小さなシンクから二人分のティーカップとヤカンを取り出す。ヤカンの中に、ポケットから出した二つの小瓶をおおよそ三対一で注ぎ入れる。
右手に持っているのは内服型応急薬で、愛称は「メディス」。原料によって回復の度合いが違い、「イチ」とか「ニ」とかいう言い回しで区別する。今持っているのは「イチ」だ。 左手に持っているのは同じく内服型治療薬の「ソルマネル」。こっちは単純な負傷には効果が薄いけれど、火傷や凍傷、軽い鬱状態の回復に使える万能薬。 混ぜると効果が打ち消されてしまうから、戦闘中にこの二つを混ぜても仕方ないけど、単純な嗜好品として味わうならこういう飲み方がいい。おいしくなる。 液体の入ったヤカンを、火の付いたコンロにかけてしばらく待つ。沸騰して三分ほど待つと薬剤特有の苦味が飛んで、原料の味が感じられるようになる。 適当なところで火を止めて、ゆっくりとカップに注ぎ入れる。湯気と一緒に、使われていたハーブの薫りが漂ってくる。 フリーマーケットでは一杯三千円は下らないハーブティーも、こんな簡単な手順で作れてしまうのだった。――ヤカンは一個しかないから、カップが温められないのはご愛嬌だ。 「……はい、どうぞ。お口に合うと、いいんだけれど」 「わ、ありがとうございます……! ……合います合います、すっごく美味しいです! 本当に簡単な手順で、作れるんですね」 「そういうこと。普通にハーブティーを買うよりずっと安上がりだし、アオイちゃんも作ってみるといいよ。チョコバーにも、合うと思うから」 簡単に作ったハーブティーだけれども、彼女はとても感動してくれた。夜中だっていうのに、チョコバーまで食べ始めている。……あまり太られてほしくないけれど、彼女なら大丈夫だろう。 彼女が喜んでくれると、私も嬉しくなる。勿論作ったお弁当が仲間たちに好評でも嬉しくなるけれども、彼女の喜びからは何か別のあたたかいものを感じる。 ゆっくりと自分の椅子を動かして、彼女の隣に座る。きょとん、とした表情で見つめてくる彼女と、手を重ねる。
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83 :デストロイヤーは強化人間の夢を見るか?(6/6)[sage]:2014/02/24(月) 17:40:34.18 ID:iyP99caT - 「……ねぇ、アオイちゃん。
今夜、一緒に寝ても、いいかな」 自分でも思ってもみないことを、私は言った。――無神経すぎるんじゃないかとか、そんなことは思いもしなかった。 なぜそんな気分になったかは、分からない。だけれど、私は唐突にそうしたくなった。理由なんて、それでいいような気がした。 彼女はしばらく呆気にとられていたようだったけれど、すぐに微笑んでこう言った。 「……はい! よろしくお願いしますっ!」 ちょっとズレた返事だった。だけど、私は彼女がそう言ってくれるだけで、不思議で嬉しい気分になる。 そう、例えばそれは、もっと甘酸っぱくてもっと情熱的でもっと繊細で、そして今まで経験したことのない。そんな、不思議な気分なのだった。 深夜のお茶会を開いた私たちは、その後に歯を磨いて、同じベッドに入って寝た。 自分一人で寝るよりも、ずっと早く眠ることができた。今まで背負ってきた心の重荷のようなものを、一旦すべて下ろせたのかもしれない。 本当にものの数分で寝てしまったけど、私より先に眠った彼女は手を繋ぎながら寝てくれた。安らかな寝息と寝顔が私のすぐそばで見えると、また私は不思議な気分になることができた。 数ヶ月後。 彼女は、
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84 :デストロイヤーは強化人間の夢を見るか? ◆L7SVs0AQ8wCN [sage]:2014/02/24(月) 17:43:13.40 ID:iyP99caT - こんなところです。駄文すみませんです。あと、>>79の名前欄、正確には(2/6)です。
一応、続編も書こうかと思っています。こんなので良かったら晒しますので、というより良くなくても晒したいので、よろしくお願いします。 お目汚し失礼しました。
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