- 不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part19
199 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 02:37:04.06 ID:2KMjcb0H - どのような生物であっても必ず害になるものは存在する。
哺乳類や鳥類などはわかりやすいが、菌類や細菌類、 はたまた生物であるかどうか議論があるウイルスであってもそうだ。 人間はその英知をもって害と戦い、時には制圧し、あるいはされた。 かつて科学が未発達であった時代は人生50年と言われるほど弱かったのだ。 例えば病魔。 天然痘や黒死病など幾度となく人間はその数を減らさざるを得ない敵と相対した。 大きな犠牲を払いながらも、ある物の発見によって情勢は変わった。 抗生物質の発見やワクチンの発明。 この類の、革命とも言える大きな発見はそれまで繰り広げてきた戦いを大きく変えた。 不治の病とされていたものの幾つかは治るようになったのだ。 そのようにして、人類は害悪と戦い続けていた。 だが、それが生物性のものではなかったとしたら? 元を断つか、適応するか。 まさしくそれは生存競争とも言える、過酷な戦いとなる。 …はずたった。 ガラスの割れる音が、静まった病棟に響く。 頑強な警備システムは全く意味をなさず、ただただ無意味に沈黙を続けていた。 ここは隔離病棟。
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200 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 02:37:36.32 ID:2KMjcb0H - 最先端の科学力をもってしても対応できない患者が収容されていた。
彼らはひとまずのところ、微生物やウイルスの類に感染しているわけではないことはわかっていた。 逆に言うとそれしかわかっていない。 この時代ーー1950年代の日本は、その経済成長の裏に巨大な影を携えていた。 急速な工業化による環境汚染。 それに伴う様々な有害物質の排出と、それに伴う人体への影響。 明らかな健康被害は出ているものの、原因の特定が進まなかった時代でもあった。 『――』 その人型の影は何らかの言葉を発すると、そのまま歩き始めた。 階段の踊り場には1F/2Fと書かれている。 人影は上の階へと移動し始めた。 2階・・・3階・・・4階。 そこで足が止まった。 日本の病院には4階が存在しないことがある。 むろん、4という数字は死と発音が同じだからだ。 しかしこの病院にはそれがあった。 人影は階段から離れ、この4階の廊下へと足を進めていく。
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201 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 02:38:20.38 ID:2KMjcb0H - 明らかに靴でも裸足でもない足音と共に・・・
444号室。 その中の患者は既に床についていた。 しかしまだ眠れてはいなかった。 「・・・」 (ここに来てから何日かな・・・) 無機質な病室は既に暗く、非常灯だけが唯一の光だ。 「!」 ベッドの住人は体をこわばらせる。 ドアの外から足音が聞こえる。 (もう消灯時間なのはともかく、見回りの時間じゃないような?) 普段は21時消灯。 そして最初の見回りは0時頃のはず・・・ 目線を時計に動かすも、時刻は22時半。 明らかに見回りではない。 (お隣さんが先に逝っちゃったのかな? それともこれから逝っちゃう感じかも・・・) この階には、もはや死ぬことしか出来ない者だけがいる。 最初ここに来た時は大いに絶望したものであった。 いつしかその絶望は傍観と呆れとなり、周囲の病室で先立つ旅人が現れても感想を持たなくなっていった。 いずれ自分に順番が回ってくることも理解しているし、やり残したことはあっても出来る体ではない。 だったらどうでもいいか、といった具合だった。 (・・・足音、止まった? 私の部屋の前っぽい?) その足音は確かに止まっていた。 それも彼女の部屋の前で。
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202 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 02:38:57.88 ID:2KMjcb0H - 隣人が先立ったのならばそれはおかしいし、今の彼女は重篤な容態変化があったわけでもない。
部屋の外では、階段の踊り場から突入してきた人影がいた。 この病棟には部屋番号しか表示されておらず、中の住人の名前は一切書かれていない。 『・・・』 人影は今、444号室の前にいる。 その手をドアノブにかけた。 カチャ、という音が室内に聞こえた。 (こんな時間に誰だろう? 目は覚めてるし、多分「お迎え」とかじゃないよね) 彼女は目線をドアに移す。 薄暗い非常灯の僅かな灯りにより、ドアがゆっくりと開いていくのが見えた。 「・・・どなたですか?」 思い切って声を出してみた。 ドアは開ききる前に止まった。 『私はあなたの姉に頼まれて来た者です。』 「えっ」 人間とは思えないような声が小さく聞こえた。 ベッドの住人はゆっくりと体を起こす。 『そのままで。私の姿は見ない方がいいと思うから・・・』 「・・・そこに椅子がある」 『見えています。この暗さでも全部。私は人間じゃないから』 「よくわからないけれど、とりあえず話を聞きましょう」 その来訪客は椅子をついたての裏に持ち込んだ。 『昼間のうちに管理棟であなたの情報を調べました』 「うん」
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203 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 02:39:43.84 ID:2KMjcb0H - 『それを踏まえてあなたに提案があります』
「その情報、何となくわかるかな・・・。もってあと何日とか、そういうのでしょう?」 自分を人間ではない、と自己紹介した「それ」は沈黙を持って答えた。 「そろそろかな、とは思ってました。私より何日か前に来た人はもう逝っちゃったから」 『あなたのお姉さんは、あなたを救う手段を探して欲しいと懇願してきました』 「姉さん、まだそんなことを・・・」 『そうです。今の医療技術ではあなたを救うことはできない。』 「で、あなたが来た理由はそれに関係があるんですね?」 『はい。お姉さんはご自身の全てを捧げ、あなたを助けようとしました。 そしてその方法を持ってきたのです。』 「え?」 耳を疑うとはまさにこのことだったのだろう。 余命いくばくも無いと自覚しており、目の前の来訪者からはその裏付け情報すら存在すると言われたのだ。 しかし自分を助ける手段を提供しに来たと言う。 ありえるものなのだろうか。 『しかし、あなたご自身の意志を尊重して欲しいとも。』 「詳しく聞かせて下さい。」 『この階の患者は同じ原因による不治の病です。現在の医療では100%治療不可能です。 それはご存じの通り。ここからは私独自の研究によりわかったことですが――』 そこで一度言葉が途切れた。 「他言無用にしてほしい、とかですか?」 『そういうことです。誰も信じないでしょうけれど。』 「どうせじきに死ぬ体ですから。お墓まで持って行く秘密の1つくらい、あってもいいですよね。」 『本当に諦めているんですね。この階の患者は、みんな病原菌やウイルスのせいではありません。』 「・・・?」
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204 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 02:40:17.07 ID:2KMjcb0H - 『つまり、現在の医療が主な対象としている病気ではないのです。だから当然、薬だって存在しない。
予防接種だって存在しない。一度発症したら最後、死ぬまで待つしかない・・・』 「そんなことってありえるんですか?」 『そう、普通はそう言います。あなたのお姉さんもそうでした。しかし答えはイエスです。 人間の体には有害となるものがたくさんあります。フグで死ぬ人、いるでしょう?』 「ああ、フグ毒・・・毒?」 『そう、毒。まさしくその毒です。この階の患者は全員、その毒に冒されているわけです。』 「・・・考えもしませんでした。」 『誰も毒であることを疑いもしない。だから当然解毒剤も作られていないというわけで』 「なるほど」 彼女は素直に納得していた。 あらゆる医者にかかっても、皆似たような検査しかされなかった。 すなわち原因を探せるはずがなかったのだ。 『この毒は人間だからこそ毒になってしまうのです。』 「あなたは人間ではないと先ほど?」 『私は科学者として、自らの体で実験をしたのですよ。そして・・・』 「・・・」 ついたてから人影が現れた。 しかし非常灯の灯りも直接当たるわけではないため、ほぼ見えない。 『これを。懐中電灯です。私の足下を照らしてみて下さい。』 「・・・うん」 ベッドに懐中電灯を投げてよこした。 彼女はそれを手に取り、床に向ける。 スイッチを入れると光がともり、病棟の無機質なグリーンの床が見えた。 『ゆっくりとこちらを照らして下さい。』 「・・・」
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205 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 02:40:50.69 ID:2KMjcb0H - 「・・・」
おそるおそるそちらに光を向ける。 すぐに銀色の物体が見えた。 「・・・これは・・・?」 『止めて下さい。これは私の足なのですよ。』 「!」 『人間にとって毒であり、それにより死ぬのならば・・・人間をやめればいい。それだけのことです。』 「・・・! ・・・!」 彼女は目の前の現実に、ただただ驚くことしか出来なかった。 『ただ、私の成果をお姉さんに伝えたところ・・・あなたの意志を尊重したい、と。 人間のまま死にたいというのならば、それでもいい・・・ということでした。』 「そ、そうですか」 『ゆっくりと上を照らして下さい。』 言われるがまま、懐中電灯を上に向けていく。 つま先からすね、膝、もも・・・ 腹部、胸、肩・・・ すべてが銀色だった。 思わず彼女の手がゆっくりと伸びる。 『触ると毒ですよ?』 「あ」 ぴたりと手が止まる。 『毒を克服するためではなく、私自身が毒になった・・・というようなものなのですよ。』 「そんなこと」 『できるんです。できてしまったんです。』
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206 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 02:41:37.61 ID:2KMjcb0H - 「・・・」
『どうしますか? 私はどちらでも構いません。』 死を覚悟し、受け入れる準備すら出来ている人間がそんな話を聞いたら。 答えは1つしかなかった。 「その方法、私に。」 『では・・・』 その銀色の人型は、自らの腹部に右手を添えた。 『ショッキングですから見ない方がいいかと』 「私もそれをするようになるんでしょう?」 『ええ』 「ならば見ておきます。」 『気絶しないでくださいよ? ・・・んふぅ』 小さい喘ぎ声をあげ、その右手がずぶりとお腹の中に沈んだ。 そのまま何かを探すかのようにかき回す。 『くふ、ここ、かしら・・・あふ』 やがて手を抜く。 『私も元々は人間の女です。この体になった後に色々と自分の体を調べたんですが――』 その銀色が言うに、いくつかの特徴がわかったとのことだった。 1つ、体はベースにした毒素で構成されている。 2つ、元々が女だった自分には生殖器は残されている。 3つ、その生殖器からは「方法」を実行するためのモノを産み出せる。 4つ、その気になれば人間に擬態することは用意である。 まだまだ不明なことが多いそうだが、この4つのことはわかったらしい。 「その、つまり・・・あなたの体から産まれたものを使って私を作り替える、と。」
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207 :FBX ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 02:53:35.34 ID:2KMjcb0H - 連投規制でストップします。
そろそろ眠いしorz
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212 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 21:06:10.08 ID:2KMjcb0H - 『さすがお姉さんの言うとおり、賢い方ですね。』
腹部から抜いた手を開き、彼女に見せる。 『これをあなたのお腹に入れます。』 そこには蛍光色の、非常に細い繊維状の紐らしき束があった。 『これはあなたの中に入るとあらゆる臓器に根を伸ばし、付着し、同化します。 あなたを死に追いやっている毒素を吸い寄せ、それを使って体を作り替えていく。 ものの2,3時間であなたは新しい体を手に入れられますよ。』 「・・・」 『さぁ、脱いで下さい。』 「え? 口からじゃ?」 『私がどこからこれを産みだしたか見ていたでしょう?』 「う・・・でもなんでそこから?」 『体の中心とも言える場所だからと考えています。はっきりとはわかりませんがね。 それと、この紐みたいなものは生物です。周囲にある物質で宿主を作り替え、 自分たちにとって住みよい環境にする特性を持っています。 例えそれがこの生物にとって毒であったとしても、ものの数秒で適応してしまう。 おまけに宿主にもその耐性を与えるようです。』 「頑丈な生き物なんですね?」 『果たして地球の生物かどうかすらわかりませんがね。さぁ』 不安を覚えつつも、彼女は服を脱いでいく。 「・・・」 『慣れているみたいですね?』
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213 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 21:06:57.54 ID:2KMjcb0H - 「検査とかで何度も脱いでいるから・・・」
すぐにその裸身があらわになる。 死を目前に控えた体はやせ細り、文字通り重篤な患者であることは明らかだった。 銀色の前に四つん這いになった。 『処女ですか?』 「ちょ、そんな急に・・・はい」 『大丈夫。痛くはありませんよ。私もそうでしたから。』 そうしているうちに、銀色の右手が伸びてきた。 『行きますよ?』 「あ、は、はい。」 ゆっくりと繊維状のものが差し込まれてきた。 「は・・・う・・・なんか変な・・・」 『ひんやりして気持ちいいでしょう?』 「あ、なんかくっついて・・・」 『あなたの体のあちこちに入り始めたんですよ。』 「あうあ・・・ああ・・・」 銀色は彼女の耳元に口を近づける。 『ほうら、全部入りました。あなたの全身に広がっていくのがわかるでしょう?』 「う、うん・・・それになんだか・・・気持ちいい・・・」 『ふふふ・・・』 小さい笑い声と共に、その銀色は彼女を抱きしめて押し倒した。 「へう・・・ひんやり・・・」
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214 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 21:07:36.29 ID:2KMjcb0H - 『もう頭の方まで入っていったみたいですね。私の体は毒素の塊なのに、暴れもしない。』
「へふう・・・毒・・・」 『こうやって抱きしめていればすぐに私みたいになりますよ? だって』 そうして銀色は左手を彼女の股間に当て、 『あなたを死に追いやった毒素で私は出来ているんですから』 秘所に指を入れた。 「っ――!!?」 びくびくと体を震わせて絶頂に達するが、彼女の口からは声が出ない。 銀色の右手が口を塞いでいた。 『さぁ、楽しみましょう。あなたが人間じゃなくなるまで。』 444号室のベッドで、異様な儀式は始まった。 「うむぅ・・・」 銀色の人型は彼女の唇を奪う。 彼女は銀色から注がれる液体をひたすら飲み込んでいく。 その接合部からはわからないが、銀色の喉からはチューブのようなモノが伸びていた。 数秒で口を離すと、彼女の口を犯していたチューブもぐじゅぐじゅと小さく音を立てて銀色の中に戻っていく。 見ると彼女の首が銀色と同じ色になってきていた。 銀色は満足そうに微笑むと、今度はその胸を両手で持ち上げる。 『んふぅ・・・イイ・・・』 明らかに快楽の色を帯びた声を上げる。
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215 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 21:08:12.62 ID:2KMjcb0H - 乳首と、その胸の盛り上がりの周囲から数本のチューブが産まれていた。
『ふふふ・・・』 チューブは自然に伸びていき、彼女の胸の対応する場所に次々と刺さっていった。 「くひっ?」 彼女の体はピクリと硬直し、驚きの声とも喘ぎ声とも取れる音を漏らす。 しかしすぐにそれは収まり、幸せそうな表情になっていく。 『生きていけることを実感してるのかしら・・・はふぅ』 銀色の喘ぎ声と共に胸から伸びたチューブが蠕動を始めた。 彼女の中に何かを注入しているのだ。 『これで胸から上はおしまいね・・・ふふふ、人間を作り替えるのっていいわぁ』 最初は命を救う使命感に満ちていた銀色だったが、今は仲間を増やす快楽と楽しみに溺れていた。 ぴくぴくと快楽の痙攣を繰り返す彼女の体は、もうだいぶ銀色と同じ色に染まってきていた。 『後は・・・ここね』 銀色の股間から、胸と同じように無数のチューブが作られた。 そして彼女の体を自信と同じ方向に向け、いわゆる駅弁の体位を取った。 『んっふふふふ・・・』 もはや邪悪とも取れる笑い声と共に、彼女をゆっくりと自らの股間へ下ろしていく。 声帯をも作り替えられた彼女からは声が上がらなかった。 『入った・・・入ったぁ・・・ああ・・・イイ』 チューブは自由自在にうねり、どんどん彼女の奥深くへと入り込んでいく。 その中で他のチューブと同じように液体をはき出し、または分泌していくのだ。 これも銀色にとっては快楽を感じる行為のようで、必死に声を抑えて絶頂を繰り返していた。 『んっふ! いひぃふ!!』
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216 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 21:09:05.02 ID:2KMjcb0H - どくん、どくんと二つの体、無数のチューブが同時に動く様は実に異様である。
『へ・・・あぁ・・・』 彼女の口から銀色と同じような異形の声が漏れる。 声帯の改造が終わったのだろうか。 見ると、上半身は完全に銀色と同じ色になっていた。 『あああ・・・』 それから数秒もたたずして、重なった二つの体は最高の快楽に打ち震えるのだった。 『これが・・・わたし・・・』 ベッドの上には人間だったモノ=彼女がいた。 『気分はどうかしら?』 『なんだか・・・体がとっても軽いです。さっきまでの重さが嘘のよう』 『それは良かった。あなたのお姉さんも喜んでいますよ』 喜ぶでしょう、ならばともかく・・・喜んでいますよ、とは? 『え?』 『私があなたのお姉さんだから』 『・・・あ!』 銀色の顔は、確かに彼女の姉だった。 『人間に擬態できる、というのはこういうこともできるわけ』 『お、お姉ちゃん・・・』 『お互い人間やめちゃったね。でもこれからは一緒だよ。ずっとね』 そう言うと銀色は彼女を抱きしめた。 『私たち、何になったの?』
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217 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 21:09:41.39 ID:2KMjcb0H - 『一言で言うと、無機生命体とかかな』
『それってテレビとかでやってるSFドラマに出てくるような?』 『イメージは近いかも。でもあの生物に取り込ませられるのは無機物だけじゃないわ』 『例えば?』 『車の排気ガスとか。たぶん綺麗な真っ黒い体になると思うよ』 『え? じゃあ私たちの体はなにで出来ているの?』 『この銀色は新種の液体金属なのよ。最近近所の化学研究所で発明・・・発見?されたらしいの。 液体金属といえば水銀だけれど、水銀とは全然違うみたい。ま、どっちも人間には毒なんだけどね』 『へぇ・・・』 『液体金属だからね、こんなことだって出来るのよ?』 言うと姉は体を溶解して見せた。 『えっ!?』 『こうすれば昼間に情報を盗むことだって簡単でしょ』 『なるほど・・・』 もはや彼女はそれを異常とは思わなくなっていた。 思考は既に人間ではなくなっているのだ。 『それじゃ、そろそろ行きましょうか。この生物をもっと調べないとね』 『ねぇ、取り込む物質によって色が変わるんだよね?』 『今のところは「そうらしい」としかね。排気ガスでは試したけれど』 『例えばその物質が虹色みたいなのだったら・・・』 『たぶん体も虹色になるわよ』 『えー、面白ぉい・・・ふふふ・・・』
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218 :FBX@画期的な方法 ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 21:10:15.70 ID:2KMjcb0H - 『そうね・・・ふふ・・・』
0時の見回りで大騒ぎが起きたことは言うまでもない。 444号室の患者が忽然と姿を消したのだから。 この病棟の患者は全員、死を間近に控えた者達。 つまり自力で脱出したとしてものたれ死ぬのが関の山なのだから。 完全隔離された病棟から脱走者が出たことはもみ消され、明るみに出ることはなかった。 そして時を経て、もみ消したことが大きな過ちだったと国は気づくことになる。 病院の屋上の縁に腰掛ける二つの影。 月明かりを反射する二つの体は、非常に艶めかしく美しい銀色をしていた。 『これからどうする?』 『一度帰ろう。あの生物の研究は私の部屋で秘密にやっていたの』 『そうだったの・・・ありがとう、お姉ちゃん』 言うと片方の銀色はもう片方の肩を抱く。 『たった二人だけの姉妹だもの。当たり前よ』 『うん・・・』 『さぁ行こう。人間に擬態するのを忘れないでね?』 『もちろん』 屋上に液体がぐちゃぐちゃと蠢く音がわずかに響く。 二つの異形が人間に擬態する音だった。 「行こう、お姉ちゃん」 「うん」 自分たちが人間ではない証として、爪の色だけを銀色にして。 それ以外はまっとうな人間になっていた。 そして二人は妖しい笑みを浮かべつつ、病院の屋上から飛び降りた――
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219 :FBX@ ◆4gA1RyNyf. [sage]:2014/02/24(月) 21:14:20.30 ID:2KMjcb0H - と、こんな感じで。
実はこのネタ、ESETのパッケージで思いついたんですよね。 なんであのソフトってあんなキモイんだろう? と考えていたら脳内でry 気になる方はESETのホームページを見て下さいw でコレ、1950年代という設定でやってます。 Codeシリーズじゃないので自分なりにある程度設定なんかも考えているので、 この先少しずつ続けていくことも可能だと思ってます。 ただご覧のように、昔に比べてエロ描写が物足りなくなってることを不安視してます。 ブランクのせいにはしたくないけど、どうしたもんかなぁ・・・ どうでもいいことですが、本物の水銀は人体に猛毒ですのでご注意を。 化学が未発達な時代、水銀は不老不死の薬だと勘違いされていた時代・地域もあったとか。 むろん、それを飲んだ人達は全員中毒死したことでしょうね・・・
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