- 【ドラマ】リーガル・ハイでエロパロ★2
181 :不倫ごっこ1/6[sage]:2014/02/03(月) 14:53:13.98 ID:b+MhRLJf - 2期5話くらいの時期です。
夜の古美門邸。 服部さんはとっくに帰ったが、黛はソファで頭を抱え、時折髪を掻きむしっている。 古美門はデスクでカタログに目を落とし、見て見ぬ振りをしていた。 黛がわざとらしく「うぅ〜」などと唸っているのは、古美門に助け舟を出してほしいからだ。わかっている。 (面倒くさい。しかし、このまま粘られても迷惑だから、仕方ない) 「まだ帰らないのか」 「…だって…行き詰まってしまって…」 「離婚調停などという汚物を拾ってくるからそういうことになるのだ。君が勝手に引き受けた案件だろう。自分で何とかしたまえ」 「はい…。でも、明日、双方で話し合いなんですけど、どうしても依頼人の気持ちが理解できないんです。 旦那さんは浮気を許すって仰っているのに、頑なに離婚を希望していて…」 「そんなの、浮気相手の方がいい男だからに決まっているだろう。馬鹿馬鹿しい」 「そんなことはありません! 非の打ち所のない素敵な旦那さんです。 笑顔が爽やかで、スポーツマンで皆に好かれてて。 それに引き替え、浮気相手は依頼人の職場の上司なんですけど、ひとまわりも年上で、偏屈で敵だらけ…」 「…ほぉ。それで?」 古美門は興味を持ったらしく、カタログを閉じて置いた。 「徹底した成果主義で、利益の為なら手段を選ばない強引さだけど、仕事は必ず成功させるから、一部の取締役に寵愛されて、それで図に乗ってて、とにかく最低…だそうです。もう、意味わかんないっ!」 話しながら興奮して立ち上がり、デスクまで歩いていく。 「はははは。それは愉快だ」 黛がバン!と机を叩いた。 「ちっとも愉快じゃありません!旦那さんが気の毒です」 「まさかとは思うが、夫側の代理人は」 「羽生くんです」 「あーっはっはっは!傑作だ!もはや本人と代理人の見分けがつかないんじゃないかぁ?」 古美門は楽しそうに腹を押さえ、両足をバタバタさせて笑っている。 (まったく、この人は…) 軽蔑の眼差しで見下ろす。 (古美門先生なんかに相談するんじゃなかった。家で1人で考えよ) 帰り支度をしようとソファに向き直る。
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182 :不倫ごっこ2/6[sage]:2014/02/03(月) 14:55:46.11 ID:b+MhRLJf - しかし、古美門は急に立ち上がって間合いを詰めてきた。
「君ほどその依頼人を理解できる者はいないと思うがね」 「…はあ?」 「嘘臭い笑顔で中身が空っぽの若造より、経験豊富な大人の男のほうが魅力的だとは思わないか?」 えっへん、とばかりに胸を張る。 「そりゃあ、優しい年上の男性なら素敵かもしれないですけどねぇ」 「嫌われ者になることもいとわない厳しい男の懐の深さと、その奥のぬくもりを知ったら、うわべの優しさになんて興味が無くなる。 君だって本当は気づいているんじゃないのか?」 首をかしげて顔を覗き込んでくる。 (っ近い!) 微かに古美門の香りがする。 香水なのか何なのかわからないが、黛はこの香りを嗅がないように日ごろ気をつけていた。 ふわっとした清潔な香りの後にすごく甘い余韻がある。カラダをくすぐられるようで、じんわりと熱くなるようで、落ち着かない気分になるからだ。 「…まぁ、好みは人それぞれですから…でも!結婚してるのに。彼女、真面目な人なんですよ?出来心って感じじゃない」 「積もり積もった想いがちょっとしたきっかけで溢れ出したんだろう。…例えばこんな風に、2人きりで残業している時に」 わざとらしく肩を抱いてくる。手を払おうとしたけど、こんな事で動揺していると思われるのは嫌なので、何でも無いふりをする。 「私が闘い続けられるのは、君が支えてくれるおかげだよ。君は私の大切なパートナーで、かけがえのない女性だ」 低い声で直接耳に吹き込む。 (この声…) たまに古美門が使うやけに低い声。心とカラダが震えるその響きを意識してしまうのを避けるために、普段黛はなるべく聞き流すように努めていた。 今はその声に優しい色をのせている。間近で感じる男の息と体温。官能的な香り。 カラダが痺れて、頭がクラクラしてくる。 「じょ、冗談でそういうこと言うの、やめてくださいっ」 「私がどんな想いで君を見ていたか!」 ガシッと両肩を掴まれた。 「ぇ、えぇ?」 ジッと真正面から見据えてくる。
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183 :不倫ごっこ3/6[sage]:2014/02/03(月) 14:59:05.01 ID:b+MhRLJf - 「君は気づいていなかったのか?毎日朝から晩までこんなに近くにいて、一日中、君の可愛い姿が視界の中を動き回る。だが、君にとって、私は所詮ただの上司だ。……気が狂いそうだ」
「せんせぇ?」 右手を黛の顎に添えて、角度をつける。 「私は狡い大人の男だからね、秘密を持つことなんて何でもないんだよ。……二人だけの秘密を作ってみないか?」 瞳を伏せた古美門の顔が近付いてくる。 (こっこれは…この展開は…キス?されるの?されちゃうの?いいのかな?先生とキスしちゃったら、どうなるの?どうしよう) 数センチのところまできた古美門の顔を見た。 (あんまり見ないようにしてたのに…) この人は、極度の横分けでさえなければ、実はすごくかっこいい。分かってた。整った顔立ちに美しい肌。詳しく眺めていて、もし目が合ったりしたら息が止まっちゃいそうだから、見ないようにしていた。 (先生…私、先生のこと、ただの上司だなんて思ってません…) 黛も長いまつげを伏せた。 まさに唇が触れ合うその瞬間…古美門はフッと離れる。 …はずだった。 不倫ごっこを演じて惑わせ、からかって楽しもうと思っていただけなのに…。 黛が口づけを待つ顔を見せた。 緊張からなのか、少し困ったような眉の形。赤い果実のような唇が、今、古美門の唇を受け入れる決意とともに向けられた。 その瞬間、よぎったのはなぜかミスターウィンウィンの笑顔だった。 黛もいつか結婚するのだろうか。例えば、羽生のような人当たりの良い若い男と。そして、こんな風に唇を許すのだろうか。…気が狂いそうだ。 演じていたはずの嫉妬深い男に心をのっとられ、気づいた時には目の前の唇を自分のものにしていた。 唇の柔らかさを味わうように何度も食むうちに、自分を取り戻す。 (何をやっているんだ私は) 動揺を悟られないように、極力ゆっくりと離れ、捨て台詞を吐いた。 「良かったな。少しは依頼人の気持ちが理解できそうじゃないか」
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184 :不倫ごっこ4/6[sage]:2014/02/03(月) 15:03:49.94 ID:b+MhRLJf - 翌日。
昨夜は、妙な成り行きで古美門とキスをしてしまい、動揺しまくったまま帰宅して、結局ろくに準備もできなかった。 古美門と顔を合わせる勇気は無かったので、絶対に彼が起きていない朝のうちに事務所に顔を出し、NEXUSでの話し合いに向かうと服部さんに伝えた。 そして、NEXUSで黛を待ち受けていたのは、思いもよらない展開だった。 大混乱の頭を抱えて、重い足取りで昼過ぎに古美門事務所に帰る。 「只今戻りましたー…」 服部さんが出迎えてくれる。 「お疲れさまです。いかがでしたか?」 「こちらの希望通り、離婚に応じるそうです…」 「それはおめでとうございます」 「君にしてはよくやったじゃないか〜」 ソファに寝転がっているらしい。肘掛けに足が乗っかっているのが見えた。 (私、昨日あの人と、あんなことしちゃったんだ…。でも、今はそれどころじゃない!) 「先生ですね?」 「んー?」 「先生が、あの上司がNEXUSに来るように仕向けたんでしょう!?」 「何の話しだぁ?」 「とぼけないてくださいっ!!奥さんの浮気相手が乗り込んで来て、一人で喋りまくったんですよ!奥さんとの肉体関係の詳細を!」 「それで、幻滅した旦那が離婚に同意したわけか」 「違います。……旦那さんは、ゲイだったんです」 「はああ!?」 古美門が飛び起きた。眼を丸くして、パチパチとまばたきする。 「奥さんも気づいていなかったみたいです」 「ちょ、ちょっと待て。いくら私でもそこまでは想定していなかった。どういうことか説明しなさい」 「嫌です」 「却下する。君は私の部下であり、業務内容を報告する義務がある。さあ、話したまえ」 観念して、かばんから内容を記したノートを取り出す。恥ずかしいので、ノートで顔を隠して一気に報告した。
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185 :不倫ごっこ5/6[sage]:2014/02/03(月) 15:05:33.32 ID:b+MhRLJf - ――浮気相手は、奥さんと初めて関係を持った時から、違和感を感じていた。
前戯を知らず、挿入も後背位しか知らない。聞けば夫とはいつもそうで、正直苦痛だが、子どもは欲しいので我慢していると言う。 結婚するまで男性経験が無かったため、男女の営みとはこういうものかと思っていた、と。 ところが、禁断の上司との関係において普通のセックスを経験し、これ以上結婚生活を続けるのは無理だと考えるようになった―― そして、「あなたが離婚をけしかけたのか」と詰め寄る夫にこう返した。 「そうではありません。 私はただ、たっぷりと前戯をして、トロトロに濡れさせてから、しっかりと見つめ合い、無い胸を弄りながら正常位で愛しただけです。 彼女は何回もイった後、私の腕の中で満ち足りた心と身体で離婚を決めたようです。 彼女はただ、あなたより一足先に自分に正直になっただけだ。 あなたは死ぬまで自分を偽り続けるつもりですか?」 ――夫は泣き崩れ、自分はゲイだと告白した。だからそんな風に女を愛することは出来ない。でも、家族が欲しかった、と。 そして、妻に謝罪し、離婚を了承した――
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186 :不倫ごっこ6/6[sage]:2014/02/03(月) 15:11:15.03 ID:b+MhRLJf - 「以上です」
「…。君達は、ゆとりのメルヘンランドでとんでもない破廉恥なやり取りをしてきたんだねぇ。さすがは変態の女神様だ」 「もう最悪ですよ。でも、双方納得して、円満離婚になったから、まあ良かったのかな」 「ご苦労だった」 黛はノートをかばんにしまい、ソファの定位置に座った。 まだ隣には古美門がいたが、特に気にしなかった。 (香りさえ意識しなければ、多分、大丈夫…) 古美門はふと何かを考えてから、服部さんが温室へ向かったのを見届けて口を開いた。 「…ときに黛くん、君は正常位と後背位どちらがいい?」 「は?え、えーと、せーじょーい?」 「おまえ、意味分かってるか?」 「わ、分かってますよ!馬鹿にしないでください!」 「じゃあ、どんな前戯が好きなんだ?」 「えーと…ぜんぎらしいぜんぎ、かな」 ぷーっと古美門が吹き出した。 「ちっとも分かっていないじゃないか!」 「…ほっといてください!」 古美門は一つ咳払いをした。 「では、君にいいことを教えてあげよう。男にベッドでどうされたいかと問われ答えられないときは、おまかせします、と言うんだ」 黛の頭にポンと手を置いてから立ち上がった。ふわり、と香りを残していく。 「もし、そんな日が来たら、の話しだがね」 デスクの椅子に座って葉巻を持つ。 古美門の残り香は、黛に昨夜の出来事を思い起こさせた。 自分の指で唇をなぞる。 「…先生に、おまかせします…」 「…え?」 「あっ、いえ、何でもありませんっ」 「……黛。今夜は、昨日の続きをしよう」
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