- 実況パワフルプロ野球のSS Part14
400 :835[]:2014/01/31(金) 19:31:08.83 ID:CFuWVdFa - また小ネタやで
こんな感じだったら良いなっていう妄想なんでお手柔らかに ※やっぱりエロは無いよ
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401 :【悲報】聖ちゃん、ちょろい[sage]:2014/01/31(金) 19:32:44.75 ID:CFuWVdFa - 「聖さぁ」
「……何だ」 「もしかしなくても不機嫌よね」 「……ふん」 「猪狩君!サイン下さい!」 「私も!」 「もう一枚お願いッス!さっきのは保存用で次は観賞用にするッス!」 「み、みなさん、落ち着いて下さい……あぁ、そんな押さないで……」 年頃のミーハーな女性野球ファンにとって、猪狩兄弟というのはアイドルみたいなものである。 その証拠に、聖ジャスミンとの練習試合の後、真っ先にサインを希望した川星選手などから猪狩は取り囲まれていた。 兄が過度なファンサービスをしないのとは対照的に、彼はその持ち前の人の良さから、サービスしすぎる傾向があるのだ。 「進君取られちゃって悔しいんだ?」 「はっ……違う。あんな鼻の下伸ばしてる奴から、スタメンマスクを奪えなかった自分にイライラしているのだ」 「別に鼻の下は伸ばしてないでしょ。単純に困ってる顔よあれは」
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402 :【悲報】聖ちゃん、ちょろい[sage]:2014/01/31(金) 19:34:10.64 ID:CFuWVdFa - 黄色い声援に囲まれ、さぞ気分が良い事だろう。何だか『あいつ』を見ているようで、反吐が出そうだった。
と、猪狩と目が合う。あぁ、それだ、そのいかにも好まれそうなはにかみ方。やっぱり『あいつ』を思い出してしまう。 とてもじゃないが見ていられなくて、顔を逸らす。一連の様子を見て、みずきがため息をついた。 「全く……そんなんじゃ嫌われちゃうわよ?」 「嫌われてもいいさ……ああいう手合いは、人を嫌おうが表面には出さないものだ」 「経験者は語るって奴?気取っちゃって……」 そんなやり取りをしていると、ようやく解放されたらしい猪狩がこちらに近付いて来た。 「猪狩君お疲れー。人気者は辛いわね」 「よして下さいよ、橘さん」 「……ふん」 「聖さん?」 「何だ」 「えぇっと……もしかして、機嫌が悪い……?」 「あーあー、進君、気にしなくていいよ。はしかみたいなもんだから」 「……?よく分かりませんけれど……とりあえず、御礼を言わせて下さい」 「は?」 「8回のあのプレー、聖さんが相手じゃないと成立しなかったでしょう。ありがとうございます」 「あぁ、あれ凄かったね!変則だったけどばっちり決まってたし」
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403 :【悲報】聖ちゃん、ちょろい[sage]:2014/01/31(金) 19:35:25.45 ID:CFuWVdFa - 8回表、ジャスミンの攻撃だった。先頭の2番、美藤選手がヒットで出塁すると、3番川星選手がまさかの外野への痛打。
それまで貧弱な内野フライと送りバントしかこなしていなかった伏兵の一打は、当たりが良すぎた為に結果単打だったものの、 1点差を覆すには十分なチャンスメイクとなっていた。迎える4番の大空選手は、おっとりとした雰囲気からは想像出来ない飛ばし屋。 投手戦の様相を呈していた試合は、この終盤になって大きく動こうとしていた。少なくとも同点は覚悟しなければならない、そんな場面。 ここで機転を利かしたのが猪狩である。初球でストライクを取った矢先、ファーストに入っていた私に座ったまま矢のような送球。 自らの殊勲の一打に浮き足立っていた川星選手はこれに対応できず塁上死。気が逸って大きくリードを取っていた美藤選手が唖然としている間に、 私がセカンドへ間髪入れず送球し、一気にツーアウトをもぎ取ったのだ。その後は猪狩先輩がしっかり持ち直し、無失点で切り抜けることが出来た。 川星選手の身体能力的限界と、美藤選手の焦りに付け込んだ、乾坤一擲のプレーであった。 「失敗する不安とかは無かったの?」 「信じてましたから、聖さんの事。きっと僕と同じ考えに行き着いてくれるだろうって」 「む……」 あの場面での選択肢としては、一番見返りが大きいのがあのプレーだった。しかし、私がキャッチャーだったらあれは成立しなかっただろう。 相手の虚を突くには、最低限のモーションで送球をしなければならない。地肩が弱い私では、アウトに出来る確率は五分以下。 この手のプレーは、一発で決めなければ意味が無いというのに、その成功率の低さは致命的だ。勿論ファーストも重要。 キャッチャーの意図を汲める人間でなければ、とっさのカバーなど出来るはずも無い。だから、普通はあんな博打のようなプレーはしないのである。 一見無謀なそれが、詳しい打ち合わせも無しに成功したのは、同じ境地に立って試合全体を見渡すことの出来る、私と猪狩だからこそであった。 「二人の絆が勝った、って感じ?」 「絆、ですか……そう言われるとちょっと恥ずかしい気もしますけど、嬉しいです」 「ま、まぁ私も、猪狩ならばあそこで仕掛けるだろうと、その、信用は、していたぞ。うむ」
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404 :【悲報】聖ちゃん、ちょろい[sage]:2014/01/31(金) 19:37:47.02 ID:CFuWVdFa - ――
「あれ、みずきちゃん、どうしたの、そんな疲れた顔して」 「紺野先輩……見て下さいよ、あれ」 「……あぁ、また二人で盛り上がってるんだ」 「聖ったら、さっきまで拗ねてたくせして、なんとまぁ生き生きと……」 「あのカウントで外角攻めは、ちょっと消極的なのではないか?」 「少し迷いましたけど、なんとなく苦手そうな感じだったので、試す意味も含めてあのコースに」 「ふむ……それは実際に座らないと分からないか……まぁ、君がそう判断したなら、多分そうだったのだろうな」 「他に気になる所ってありましたか?」 「そうだな……5回のランナー1塁、確か4球目だ。あそこは……」 入部したての頃の聖は、猪狩君の事を倒すべきライバルだと認識していたはずだった。 しかし今では大分打ち解けて、なんだかんだで良い感じのコンビになっている。聖の方は、まだ何か葛藤があるようだけど。 天才肌なのに無茶なトレーニングを好んだり、贔屓球団が泥沼の低迷期だったり、共通する話題が何かと多いのも原因だろう。 因みに、最近猪狩君は外野の練習をしている。二人で試合に参加出来るように、とのこと。猪狩先輩もびっくりである。 チーム事情的には嬉しい事ではあるのだけれど、ちょくちょく二人の世界に入ってしまうのは勘弁して欲しい所だった。 「私は見てて面白いから構わないけど、みずきちゃんや守君的には面白くないのかな?」 「別に私は大丈夫ですよ。私も先輩側ですから。猪狩先輩は知りませんけども」 「……よし、これで課題は明確になった。早速練習しなければ……付き合ってもらえるだろうか?」 「はい!喜んで!」 「っ……!う、うん、では行こう」 「あーあー、聖ったらちょろすぎでしょ」 「進君って可愛いから、笑顔で大抵はイチコロよね。自覚が無いのがまた何とも……」 まぁ、確かに外野から眺める分には興味深いから、このまま見守るのが一番良いのかもしれなかった。
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405 :835[sage]:2014/01/31(金) 19:48:28.02 ID:CFuWVdFa - 終わりやで
守「ぐぬぬ……六道、不埒な泥棒猫め……」という話 守はブラコン、はっきりわかんだね 書き込んでから呼称のミスに気づくとかやめたくなりますよー >>404『入部したての〜とのこと』の中の猪狩君=進ってことで、はい、ヨロシクゥ! 文中のプレーは昔読んだ漫画か何かからうろ覚えで引っ張ってきた奴なので、ルール上のとんでもないミスがあるかもしれない すまんな 最近ちょろいヒロインをちょろインとかいうそうですね。聖ちゃんは鈴本に引っかかってしまうからちょろいんじゃないでしょうか 進君はニコニコ優男だからどうしても無自覚女たらしなイメージを持ってしまう 好きなキャラなんだけどね
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