- ニューハーフ・シーメールでエロパロ 7
34 :150[sage]:2014/01/28(火) 00:06:03.77 ID:1G+2Oj7B - 投下します。
――――――――― くっ……上手じゃない……」 少し反応が良い。もしかしたら、あまり愛撫されたことが無いのかも。だから、思い切って私は膣の中に舌を差し込んでみた。 「えぁっ……やあっ……ふあっ……そこ……ダメぇ……」 すごい感じている。もう愛液がどろどろと垂れてきて顔に掛かる。拭ってる余裕なんてない。 そのままの勢いで、舌を抜き、一気にクリトリスを下から押し上げるように舐めると、 「やぁあああ!!!」 大きな悲鳴を上げると同時に何かが噴出してきた。潮じゃない、おしっこだ。こんなに快感に弱いなんて驚くばかり。 さすがにおしっこそのものを浴びたのは初めてだけど、意外に冷静。サンドイッチでセックスとかしたことあるから、こんなのも大したことに思えなくなってきた。 少し危ないな。 部屋にはシャワーもついているので、私は申し訳ないけれど、一度掛かってしまったおしっこを洗い流した。 「出てくると、愛里さんはボンテージのままベッドで体育座りをしている。少し顔はいじけている」 「……バカみたいでしょう……Sなのは本当なの。だけど、感じやすいの…… 本当は、あのまま、騎乗位になっておこうと思ったけど、ちょっとだけ舐めさせてあげようとしたら……あなた、上手すぎるのよ……」 「ごめんなさい……」 すると少し睨むような目で私を見つめてくる。 「謝らないで、惨めだから」 どうやったら機嫌を直してくれるかと思っていたら、 「私さ、清純派なんて言われてるけど、実際はこうやって上手くいかないといじけるし、エッチな気持ちになると相手を責めたくなっちゃうのに感じやすいの。 イメージ通りに生きるのは楽に見えるけど、押しつぶしてると逆の意識が産まれるのよ……」 訥々と話している彼女は、どこにでもいる気弱な女の子だった。 「……女子高暮らし長かったから、そこで責める方に興奮するようになっちゃって、ちょっと間違えてSM趣味まで来ちゃった。バカでしょ」 この話を聞いていると、誰かを思い出させる。 「そんなことないよ」 思わず手を取った。 「私も、昔、男だったことを嫌がって、それを押し隠していることが辛かったの。 でも、今は好きな人もいて、女の子であることに不満なんてないの。あなたのこと、憧れてたよ。清純ってイメージ、それはあなたの一面でしょう? それは嫌い?」 「嫌いじゃない……」 「さっき、あなたが私を責めようとしたけれど、あれはあなただよね?」 「そう……だよ……」 「なら良いの。私は、どちらのあなたも好きって言える。みんなが知っているあなたは、私の憧れだし、私を責めようとしたあなたも隠していたけれど、本当の気持ちでしょう」 すると体育座りを解いて、私に抱き付いてくる。 「……私、少し甘えん坊だったりもする」 「……私を抱たい? それとも抱かれたい?」 「……抱いて、甘えさせて」
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36 :150[sage]:2014/01/28(火) 00:07:22.04 ID:1G+2Oj7B - ゆっくりとクリトリスをおまんこに差し込む。ああ、女の人の感触だ。いつぶりかの温かさに少し腰が震えた。
思い出す射精感。優のおまんこと彼女のおまんこの中。温かくて懐かしい。 「ううっ……動いて……」 もどかしそうな顔で問いかけられた。可愛い。細い身体の汗ばむ肌。ああ、クリトリスが反応している。私はゆっくりと動き出した。 「うあっ……やあっ!! はぁっ!!」 困惑気味な声で愛理さんは喘ぐ。私は腰から背中にかけてジワッとした快感が少しずつ意識させられる。 「乳首勃ってるよ……」 少しずつ浅い挿入に切り替えて、ピンっと勃起している乳首を摘んでみただけで、ガクガクと腰が震える。 「ああっ!!! あうっ!!」 乳首で感じで、反動で浅く入ったクリトリスが深く入って。愛撫するだけでも大変だ。 不思議だな。ファッション誌で爽やかなイメージを感じさせていた、少し憧れていた女の人を私が抱いているなんて。 だけど、身体を重ねて少し話してみたら分かる。自分ではないものを演じる不確かな不安。何か、少しだけ分かる気がした。 女の子になろうとしていたばかりの私もそうだった。男から女になる境界線にいたときほど危うかったものがなかった。 優がいてくれたから、私は女の子になれた。優が愛してがくれたから。 私の下で喘いでる女の人。少しだけ分かってきた。どこか不安定なところが少しだけ似ている。そう思うだけで、腰の動きが勝手に速くなる。 まるで自分とセックスしている気分になってきた。劣情が勝手に強くなってきた。イカせてあげたい。私をイカせてあげたい! 「やぁっ!! もう、ダメ、ああっ!! なんか、来る……やあっ!!」 「ああ、愛理さん、私もイッちゃう! 一緒に! 一緒に!」 腰をもっと押し込むように、クリトリスを彼女の子宮に届かせるくらいに。 「ああっ!! イクーッ!! ああああぁぁぁ!!!!」 「イッちゃう! あああっ!!!」 激しい疲労感と同時に私から漏れ出した愛液がクリトリスを濡らす。 愛理さんは少し白目を向いて「おちんちん凄い……熱い……」とうわごとのように何かを呟いていた。 少し落ち着いてコンドームの処理を終えてから、愛理さんの頭を撫でる。 「ごめんなさい……少し……腰抜けたみたいになって、ちょっと立てない……」 「良いよ。私も、普通の女の子とセックスするの久しぶりだったから、少し新鮮」 「優子さんって……同じお店で働いている人が好きなの?」 キリヤさんだな。きっと優のことを教えているのかもしれない。 「……由香っていうの。私が好きな人。私が世界で一番好きな女の子」 「愛しているんだね……」 少しトロンとした顔と声で私に微笑みかけてくれる。 「私ね、キリヤさんに教えてもらってこの店に来たの。業界人で私みたいなバイセクシュアルは多いけど、ドラマの打ち上げの流れでキリヤさんに抱かれちゃったの。 私、男の人と何度か寝たことはあったけど……あ、枕営業とかじゃないから。共演したイケメンの子とか……あんまり満足できなかった。 むしろ支配するくらい責めたかった。だから、キリヤさんとベッドに押しとされたときは、少し、またかぁなんて思ってた。 だけど、あの年齢で性欲も強くて、私は何度もイカされちゃった。あの人、最後に『愛してる』って言わせたのよ。 奥さんも子供もいるのに悪趣味よね……だけど、やられちゃった……未婚の母になりたければ早めに声掛けろよ、なんて言ってきて……悪党、ってあの人のためにある言葉ね」 悪口のはずなのに愛理さんは嬉しそうだ。本当にキリヤさんって人は。 「それで……お前が好きな形で女が抱ける場所を教えてやるって、ここに連れられてきたけど……だからってニューハーフ? なんて思ってた。でも、最初のショーできれいな人が出てて、モデル上がりの女優が霞んで見えたわ……あれには参ってた所に、あなたがやってきた。 ほっそりとしてるくせに巨乳で、だけど折れそうな印象を持っていて、少しいじめがいがありそうだったけど……結局、経験の差かな?」 そう言いながら心地よさげに目を閉じる。確かに今夜の瑠璃さんはきれいだったな。 「今度指名できたら、あなたのおまんこペニバンで犯しちゃうから楽しみにしてねって……本当は今日がそのつもりだったんだけど……」 思わず笑ってしまった。その後は愛理さんが眠るまで感じない部分を触りながら、いたわるような後戯を続けた。
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37 :150[sage]:2014/01/28(火) 00:08:20.39 ID:1G+2Oj7B - ある程度、出勤を繰り返すと、私の指名客がある程度、固定されるようになってきた。
キリヤさんに抱かれる機会が増えたり、愛理さんやビアンだって噂の女優までやってきたりした。私は不思議と女性の指名がお店では一番多かった。 そういう状況だと陰口も言われる。「どうやって取り入った」とか「キリヤさんのお気に入りだからって……」というような話が。 いじめが起こらないのが奇跡みたいだった。優の風当たりも心配したけど、そんなことはないと安心させてくれた。 冬になり、クリスマスが終わるまでは私も特別出勤でショーに出た勢いのまま、男の人に抱かれたりするといった割とハードなスケジュールを過ごした。 さすがに優も休みのときはセックスなんてする気になれなくて、私たちの年末のコミュニケーションは同衾して抱き合って眠るくらいしかできなかった。 優と由香子さんに静さんの四人で年越しを迎えて、初詣にも出かけた。静さんお手製のお節とお雑煮はさすがだった。お正月、平和だけど食い気に走るのが悩みどころ。 そして、一年が経過する。私は二十歳になった。 春に長い休学から復帰した優と二年生という形で一緒にキャンパスを歩く。私たちのことを知っている人はいるけど、知らない人も多い。 奇異の目では見られない。普通に友達同士で歩いているとしか思われない。実際は恋人なんだけど。 由香子さんは優を私に任せて先に卒業。ライター活動を本格化させている。最近はラジオの放送作家やエッチなエッセイみたいな文章までこなしている。 静さんが忙しすぎ、と少し怒っていた。冗談気味に大っきなマンション借りて四人で暮らさない? とまで言ってきた。
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38 :150[sage]:2014/01/28(火) 00:08:53.23 ID:1G+2Oj7B - どうやら静さんも割と寂しがりやみたいだ。もちろん約束は果たしているからできる軽口。
由香子さんは泊まり込むことがなければ、私たちとご飯を食べ、月に少なくとも二回は静さんのお店でご飯を食べる。 そして、定休日の前日には静さんの部屋に泊まり込むことも多い。そうして、そういう日は許しを得たかのように、優と私は激しいセックスをしていた。 授業が休講になってしまって、バイトや仕事が無いときは決まって貪るように疲れて眠るまでお互いの身体を味わった。 身体の変化に関してはもう治まっている。優はとても肌つやが良く、服装や髪型をいじれば美少年って印象だけど、 女の子らしい服装と髪型をさせればボーイッシュで可愛らしくなる。23歳が目前とは思わせない幼い印章がギャップを感じさせる。 正直言えば、私はDカップで充分だったのに、Eカップまで成長した。少し太ったというのも原因かもしれない。もちろん気にするレベルじゃないのは分かってる。 だけど、優も言っていたけどあまり気に入ったブラが見つからないのが悩みだった。 そして、髪の毛はあえて長めのショートカットにした。どうせすぐにセミロングまで伸びるし。これは愛理さんの真似をしている。 なぜなら、愛理さんは最近は舞台で男装をする女の子の役をやることになって、ロングの髪の毛を思い切って切ったらしい。 ある日、指名を受けて訪れたら、ショートカットになった彼女がボンテージ姿で待っていたから。 そして、男言葉でペニスバンドをフェラさせられたり、おまんこに挿入されたりと、最近は私の方がほとんど受け身になっている。 だから、どこか似ている部分を持つ彼女の無くしたものを真似してもバチは当たらない。まねっこって言われたら、そうだよって笑い返すんだから。 勉強は順調。単位を落とすことはまず無い。それに貯金も驚くほどある。お金は掛かってもエステとかでのレーザー脱毛くらい。 優も私も体毛は薄いけど、私の場合は髭を残してほとんどの脱毛が終わってしまった。 牧村先生も知り合いの人にやっていて由香子さんも利用しているから特に問題は無い。 私たちのようなお客さんも対応するお店だから、私みたいにすぐに脱毛が充分な量を行える例は皆無らしい。髭もすぐに生えてこなくなるとか。 生えるとしても、少しホルモンバランスを崩した女性が生やす程度の量だから、女性としての髭の量としては適正な量に後一歩らしい。 優も脱毛とかはとっくに終わらせていて、フェイシャルエステをたまにやっている。優の場合は顔のスキンケアに熱心だから、いつも健康的。 後は、資格を取得してちゃんと働けるようになったら、完全に性別適合手術を一緒に受けるという約束を優とした。 優は迷っていた気持ちはあったけれど、女の子でいるのが自分は自然だって受け入れた。由香子も認めてくれた。 それでもボクって口癖は止められないみたいだけど。 私はその覚悟はとっくにできている。ただ、優が本当に女の子だったらなぁ、と最近、思うこともあったりする。
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39 :150[sage]:2014/01/28(火) 00:14:39.40 ID:1G+2Oj7B - 今、東京駅の中を私は歩いている。待ち合わせをしているから。それにしても銀の鈴で待ち合わせなんてベタベタで苦笑した。
ふたりとも相変わらず、馬鹿正直なんだから。そんなことを考えて、広場には体格の良い二人組がきょろきょろと周囲を見回している。 まだ五分前なのに気になってしょうがないみたい。だけど、そう思うのも無理は無いよね。今の私は整形でもしたのかってくらい見た目が違う。 お化粧に関しては今日はナチュラルメイク出限りなくすっぴんに近いけど、やっぱり昔の私じゃない。 そうして、ふたりの前で立ち止まる。 「……久しぶり。陸兄さん、海兄さん」 「「……翼、なのか……」」 「うん……」 ふたりは私の姿を見て少しだけ絶句した。困惑というのが強い。話だけは聞いていたけど、一年以上会わない間に、弟が女の子の姿で現れたら驚きよりも混乱の方が近い。 「……声、変ったから分からないかもしれないけど……肘のここ……」 私の肘には木の枝が引っかかって少し深い傷ができている。 もちろん目立つものじゃなくて、肘を曲げない限りは気づけないものだし、肘を伸ばしても意識しない限りは分からない。 ノースリーブのワンピースを着ていたのはこれをすぐに見せて納得させるためだった。 陸兄さんと海兄さんは一卵性の双子で、正確も勉強の成績も殆ど似ていて、同じ大学でラグビーまでやるといったくらい同じだった。 さすがに会社は違うけれど、片や銀行員で片や証券マン。分野が金融で被っている。そしておまけに働いている場所が丸の内という。 そしてお気に入りのお店が同じだっていうくらい気の合うふたり。家の家族の共通した、しっかりと生きていく感覚を字で表しているくらい真面目で常識人。 そして、今は銀座の洋食屋さんに来ている。積もる話はあるけれど、今はどうしているかということ。私は掻い摘んで、優と由香子さんと一緒に暮らしている。 姉はふたりも知っているくらいの雑誌でも記事を書いているライターで、妹は私と同じ立場の人間だということまでは説明した。 「……それってゲイってことなのか……」 陸兄さんの言葉に私は否定の意味で首を左右に小さく振る。 「……私に彼女がいたことは覚えている? そう。彼女のことは本当に好きだった。だけど、私は彼女が好きでいても、自分が男であることに耐えられない気持ちの方が強かった。 だから、今、こうして女の子になっているの。高校生くらいの頃から、ずっと女装していたくらい……私は自分が男だったってことが嫌だったの……」 「正直言えば、兄貴も言ってたけど、俺は兄弟にしては小柄だし俺たちみたいに体力で押し切るタイプじゃないから、ただ単に母さん似だって思っていた。 だけど、母さんの若い頃の写真を見せてもらったら、今のお前にそっくりだ。しかも……お前の方がどうしてもきれいに見える……」 海兄さんは困ったような顔をしている。どう考えても女の子にしか見えないことに困っているのかもしれない。 「それで……お前は……その姉妹と一緒に暮らしていくけれども……姉と付き合っているのか?」 「ううん……私は妹の、優って子と付き合っている。えっと……この子」 スマホの待ち受け画面は優と私が一緒に写っている写真。ふたりで由香子さんが撮影したカメラではにかんでいる写真。 優のスマホにも同じ写真が待ち受け画像に使われている。 「……やっぱり女にしかみえない」 「本当に……」
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40 :150[sage]:2014/01/28(火) 00:15:17.85 ID:1G+2Oj7B - 兄たちの困惑はギリギリのところで止まっている。
「誤解されることは分かっていて言うけど、私は優のことを女の子として思っている。もちろん彼女も私のことを女の子として好きでいてくれる。 ただ、下半身はまだ男の人と同じなんだけど……だからってお尻を使って……なんてことはしていないの。裸で抱き合ったりするだけでも満足できたりするから……」 嘘も混ぜて説明をしなくちゃいけない。 由香子さんが取材したゲイの人によれば、テレビに出ている人みたいに開放的じゃないし、 ゲイはアナルセックスをするものだっていう間違った偏見を持たれるのが困るという意見の人もいるんだって強調していたらしい。 ただ、今の説明だけでも兄たちにとっては男同士で愛し合っているということしか思わない。 そしてしばらく食事を黙々と続けた。ハヤシライスは東京に住んでから何度も食べている。 やっぱり銀座だけあって、本当においしいんだけど静さんの作るものと若干、負ける気がする。ひいき目かな? 「……海にも俺にも付き合っている女がいる。まだ、お互いに突っ込んだ話はしていないが、結婚したいとは思っている。ただ、お前のことは教えていなかった。 弟がいると言えば良いのか、妹がいると言えば良いのか……ただ、今日、お前を見た限りでは、どう考えても妹として紹介するしかない。 それの確認をしたくて今日、ここに呼び出した。来てくれてありがとう……」 一応、家族とは完全に切れてはいないことが私のひとつの未練だった。そして、これは断ち切ってはいけないと自覚した。 ふたりとも27歳で結婚を意識する年齢が近い。話を聞けば、ふたりとも順調に出世をしていて平均的な家庭を築いていけそうに見えた。 女の子のなって二年目。兄と会ったことは良かったと思える。お互いに10代じゃないことを自覚している。自分の人生は自分で決めていかないといけないって。 春、夏、秋、と勉強をしてお店に出たり、バイトをしたり優とデートをしたりセックスをしたり私としては順調な日々だった。 そうして冬になり大変なクリスマスを終えて、平和な年末年始を過ごして、私は成人式に出ることになった。 実は住民票を私はまだ移していない。地元に戻るつもりでいる、なんて嘘をついて進学したものだから。 それで、地元の成人式の案内状が届いていた。母は大事な郵便物とかはわざわざ転送してくれている。 私は、少し怖かったけど今の姿で成人式を迎えられれば、もうひとりの女の子としての人生が始まるんだっていう良い機会に思えた。 長い電車の時間を過ごして、地元の駅に戻ってきた。約束通りロータリーで母が車に乗って待っていた。 私が車に近づいて、窓から確認するように見つめてくる。少し悲しそうなのは女装では済まない形で女性の姿になっている私の姿のせいかもしれない。 「さすがに……家には帰れないわ……それで……翼、あなた……振り袖を着てみたいって思ったりしてたかしら?」 お母さんの問いかけはちょっと悩んだところだった。振り袖を買うくらいのお金はあった。 だけど、そんなものを着てお母さんに会うわけにはいかなかった。一度だけ、顔を見せてってお願いされたから。 礼服のつもりで仕立てたレディースのスーツ。パンツスタイルのものでも良かったけど、今日はタイトスカートを履いている。 もうハイヒールを履くのなんてとっくに抵抗なんて感じない。装いは成人式を前にした女子大生って感じ。 「うん……ちょっと高いから遠慮したし、レンタルでここまで来るのも難しかったし」 嘘をつく罪悪感が少し苦しい。私が身体を売ってお金を得ていることだけは知られたくない。きっと泣いてしまうだけじゃ済まない気がするから。
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41 :150[sage]:2014/01/28(火) 00:21:17.47 ID:1G+2Oj7B - 隣町の見知らぬ美容院に連れて行かれた。
知り合いの美容師さんで、お店では着付けとかもやってくれているようで、私は着る予定ではなかった振り袖を着ることになった。 レンタルだけど見せてものはよりどりみどりだった。 「ちょうど良いサイズがあって良かった。最近は振り袖着ない子も増えているから、着てくれる人がいて嬉しいわ」 年齢はお母さんと同じくらいの人。町の美容師さん、というのはたくさんいるけれど、私の知っている限りではこういう細かなサービスをやってくれる人がいるのは知らなかった。 そして、言うまでもなくヘアメイクもきれいに整えてもらった。 一応、スカートを履くときはサポーターみたいなものでおちんちんが隠れるようにはしているけど、そういうとこで怪しまれないか怖かった。 念のためインナーを着込んできたからすぐに分かるものじゃない。寒がりで良かった。 「……良く似合ってるわ……ありがとうございます。それじゃあ、娘を送っていきますので」 お母さん。 「あの人、私のこと知っているの?」 成人式が行われる市内のホールまで車で送ってもらう途中、思わず訪ねてみた。 「違うわよ。あなたは、友達や知り合いに家族構成までベラベラと話す?」 「うーん……よっぽど親しくないと話さない」 「そういうことよ。よくよく井戸端会議で他人のことを話をする人はいるけれど、あの人は別。 旦那さんが堅い仕事をしているみたいだから、そういう話が好きじゃないの。 それから、彼女とは個人的につきあっているから彼女の周辺の人のことは私のことは知らないのよ」 少し勉強になる。お互いに知り合っていても、知らないことはある。それでも親しみをもって交流できることが大人の付き合いだ。 20歳になったのに、知らないことが私には多すぎる。自分らしく生きるために、こうやっているのだかっら、少しでも着実に。 「ところで……翼は、気持ちの方も今は女の子になっているのね……声も話し方も変って……」 「……お父さんはどうしている?」 「心配はしていたわ。陸と海みたいにひとりでもやっていけそうなタイプだとは思っていなかったみたいで。 もちろん、まだあなたがそういう姿でいるとは知らないけれど。私は今日はパートに出ていると嘘はついているし」 随分と会っていない。兄さんたちは拒絶しないで受け入れてくれている。 長い知り合いに説明するのはすぐには無理だけど、付き合いの短い人なら妹がいるという話くらいはできるかもしれない。 「それで……やっぱり、あなたは男に戻ろうという気持ちは無いのね」 「……うん……それだけは無い……」 「あなたは昔の彼女……カホちゃんだったかしら……あの子のこと随分、嬉しそうに話していたけれど……あなたは男の人じゃなくて女の人が好きなの?」 「そう……だから、自分の気持ちはただの勘違いだって思ってた。 だけど、彼女と付き合ってから自覚したんだけど、自分が男だということには耐えられなかった。 今だから話すけど……私、高校生の頃から女装をしていて、外を歩いてたりしたの。それくらい……男であるのが嫌だった……」 そう言った途端、すぐ側のコンビニの駐車場に入ってく。 「どうしたの? なにか買うの?」 そして車を駐車場で停車させ、サイドブレーキを引いてレバーをパーキングに合わせる。そして顔を伏せて、 「ごめんね……女の子に産んであげられなくて……」 そう良いながら静かに泣き出した。、 「五分だけ待って……ちょっと、我慢できなかっただけだから……」 私は悪い娘だ。お母さんに、色々なものを与えてもらったのに、今慰めることもできない。 今の私が将来、何をすることで恩返しをすることができるか。そんなことすらひとつも考えることができなかった。 ――――――――――――――――――――――――― 長くなったあげくエロくなくて申し訳ないです…… たぶん、同じことの繰り返しになっちゃうので変化少ない状況の時はカットしちゃってます。 というか、マンネリっぽくなると筆が止まるので……。
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