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家族の写真?
実況パワフルプロ野球のSS Part14

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実況パワフルプロ野球のSS Part14
388 :835[sage]:2014/01/21(火) 22:08:44.37 ID:62/Vhlkc
保守がてらに何系でもない小ネタやでー

※2013準拠?
※特に何高校という縛りは無いしエロも無い
実況パワフルプロ野球のSS Part14
389 :家族の写真?[sage]:2014/01/21(火) 22:09:54.25 ID:62/Vhlkc
「んもー、超かわいー……ぐふふふ」
「……頭大丈夫か?」
「あら、何よいきなり。失礼しちゃうわ」
「いきなりそんな下品な笑い声を上げられたら、気が触れでもしたのかと思うじゃないか」

部活が終わって、男子諸君が着替え終わった後、二人でゆっくり部室を使っている時の事。
不審者を目撃したかのような面持ちの私に、相棒が突き出して来たのは、1枚の写真だった。

「これは……友沢先輩と、妹さん達か」
「超可愛くない?天使じゃない?やばくない?」
「可愛いのは大いに認めるが、何でそんなものをみずきが持っているのだ?この前来た時に撮った物でもなさそうだし」
「今日拾った」
「拾ったって……おい、それ明らかに友沢先輩の私物だろう。返した方が良いぞ」
「それは勿論。でも明日ね。今日帰ったら焼き増ししなくちゃ……むふふ」

どうやら持ち帰る気満々らしい。悪びれる素振りなど微塵も無かった。漏れた笑いは完全に危険人物のそれである。

「友沢先輩が探していたらどうするつもりだ?」
「大丈夫でしょ、写真の一枚くらい勝手に借りたって……」
実況パワフルプロ野球のSS Part14
390 :家族の写真?[sage]:2014/01/21(火) 22:10:35.42 ID:62/Vhlkc
と、その時。コンコンと、部室の扉がノックされる。揃って固まった私達。取りあえずみずきが返事をしてみる。

「……入ってまーす?」
『橘?あぁ、そうか、まだ残ってたのか』

噂をすれば何とやら、友沢先輩本人の御登場である。

『部室、今入って良いか?』
「別に構わ……むぐ」
「ちょっ、ちょっと待って下さーい!?まだ着替えてる途中なんですぅ!」
『あっ、す、すまん!』

いきなり口を塞がれたことに視線で抗議する。そもそも、私達はとっくの昔に着替え終わっているのだが。

「なんのつもりだ?」
「黙って!……せ、せんぱーい?何か部室に用事ですかー?」
『探してるものがあるんだ。校舎もグラウンドも探したけど見つからなくて……』
「……肝心のお探しの物は何でしょうか?」
『ん、六道もいたのか……まぁ、その、あれだ……家族の写真、というか』
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391 :家族の写真?[sage]:2014/01/21(火) 22:11:46.83 ID:62/Vhlkc
少し恥ずかしそうな、或いは情けないといった感じの先輩の弱々しい声を聞いて、私はさっきとは違う意味での批判的な視線を相棒に向けた。
私でさえ先輩の憔悴した様子をありありと想像できるのだから、みずきにそれが出来ない筈も無い。息を詰まらせたように固くなっている。

『あれが無くなると、なんだか家族に悪い事でも起きるんじゃないかって不安でさ……ゆっくりしてた所に悪いけど、ちょっと部室の中、探させてくれないか』
「ぬぬ……わ、分かりましたー、ちょこっと、ちょこっと待って下さいね、今着替え終わりますから……」

この期に及んでまだ写真を手放そうとしないみずき。それどころか、愛用のスポーツバッグに仕舞いこもうとしているではないか。
さすがにこれは見過ごすわけにはいかない。先輩の心の平穏の為、私は一芝居うつことにした。
一応悪い事をしている意識が有るのだろう、もたついている彼女の手から素早く、かつ写真が破れたりしないように細心の注意を払いながら、それをひったくる。

「あっ!?ちょっと、なにすんの……」
「……あーっ!これは!なんと!友沢先輩と!御家族の!仲睦まじい様子が映った!写真ではないかぁー!」
『!ほ、ほんとか?そこにあるのか?!』
「はい!正に今ここに!」
「聖、こら、あんた」
「観念しろみずき、悪いことはしてはいけないのだぞ」
「それは、そうだけど……」

結局すぐにドアを開けて、友沢先輩に写真を引き渡してあげた。写真を見た時の、完全に力の抜けきった先輩の姿は、普段のそつの無い姿とは対照的で滑稽なほどだった。
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392 :家族の写真?[sage]:2014/01/21(火) 22:13:36.36 ID:62/Vhlkc
――
「あーあ、折角のチャンスだったのにぃ……」
「なんのチャンスだ全く……」

帰り道、まだみずきは文句を垂れている。まぁ、先日突然先輩を探して二人がやって来た時の、みずきの甘やかし加減を見ていれば、この反応も無理からぬように思えた。

「そんなに写真が欲しかったなら、携帯で撮影でもすれば良かったじゃないか」
「あんな素敵な写真を携帯のちゃちいカメラで撮り直す?有り得ないわ……むむむ、でも最悪それでも良かったのかしら。引き延ばしとか……却下、品質が落ちちゃう」
「はぁ……いっそ貸して貰えないか頼んでみたらどうだ?」
「あの感じだと絶対貸してくれないって。下手したら仲良しエピソードとか披露されちゃって、余計に悶々としないといけなくなっちゃうわよ」
「お前のその、友沢先輩の妹さん弟さんに対する過剰な入れ込み具合はなんなんだ……確かに非常に可愛らしい二人ではあるが」
「一人っ子だと逆に分かんないのかなぁ」
「何が」
「この……姉もしくは兄はいるけれど、妹弟はいないという私の……重大な喪失感というか、耐え難い苦痛というか……」
「そういうものなのか……?」
「……んあー?!もーう!もーう!私もあんな風にあの子たちを抱きしめたーいー!『お姉ちゃん』って言われたーいー!お持ち帰りしーたーいー!」

夜道でそんな危ないことを喚き始めた相棒に頭痛を覚えつつも、ふと閃いた『ある考え』を教えてやる辺り、私は人間が出来ているのではないかと思う。
少なくとも、目の前の駄々っ子よりまともなのは確実だ。

「……そんなに言うなら、お姉ちゃんになってしまえばいいじゃないか」
「はぁ?一体どうやって……はっ!?お金に物を言わせて攫う……あ、アリかもしれない……」
「馬鹿。そんな犯罪に手を染めなくても、手っ取り早い方法があるだろうが」
「マジで!?」


そもそも、友沢先輩とは旧知の仲、腐れ縁であることは本人同士認めているのだから、どうしてその方法に思い至らないのか、私には不思議でならなかった。
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393 :835[sage]:2014/01/21(火) 22:20:10.60 ID:62/Vhlkc
おわりやで

聖「先輩と結婚すれば全て解決するぞ」
という話

やっぱり友みずがナンバーワン!(錯乱)
多分こんな感じの写真なんでしょう→http://i.imgur.com/EIgL5Pu.png

今更ですが2013の友沢は畜生度や苦労人感が薄く、本来同期であるみずきとの絡みも無くて残念
神高とのホモ展開くらいしか期待出来ないなんておかしい、こんなことは許されない


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