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「泡沫〜うたかた〜」第一話
名無しさん@ピンキー
女装SS総合スレ 第9話

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女装SS総合スレ 第9話
375 :「泡沫〜うたかた〜」第一話[sage]:2014/01/09(木) 00:45:11.10 ID:QyLWGGd1
 山間の集落の日暮れは早い。
 辺り一帯の山の中でも一番高い通称『御山』の中腹に鎮座する神社の本堂。その軒下に並んで
腰掛け、静かに暮れてゆく茜色の空を手を重ね合って見つめる二つの影。
 「なぁ、やっぱり受けてみないか? 行くかどうか決めるのは後でも良いからさ?」
 真っ赤な空に目を向けたまま口を開いた少年、真人の横顔を上目遣いの申し訳なさそうな顔で
見つめながら、ごめんねと唇を動かす巫女装束の明日華。
 「真人と離れ離れになるの、本当に寂しいけど私には御山を守るお役目があるし……村の外は
やっぱり恐いよ……」
 現在、この村の小中併設校に通う児童は全部で五十人足らず。
 その中で来年に卒業を迎える真人と同い年なのは明日華一人だけ。
 物心がついた頃には二人は一緒だった。一緒に野山を駆けまわって川で泳いで勉強して気付いた
時には互いを唯一の存在と認め、そろそろ幼馴染みという曖昧な距離感を卒業しようと真人が村の
外への進学に誘った時、二人の時間は終わってしまったのだ。

 この村は御山の白大蛇様の御力に守られている。

 それが村の大人達、その中でも特に絶大な発言力を持つ年配層の口癖である。
 曰く、この神社の更に奥にある村唯一の水源には古くから白い大蛇が住み水を通して村全体に
神通力をもたらしている。故に村の水を飲んでいる村人は病気とは無縁だし田畑は毎年のように
豊作だし、川の魚が尽きることも無いというのが彼らの言い分である。
 そして明日華は村の地主神である白大蛇を祭り崇める神社の次女。蛇神としては風変わりな
白大蛇は御山を男子禁制と定めていると古くから伝えられているため、母や姉と共に明日華は
村中の期待を背負い、幼い頃から祭事にも積極的に関わっている。
  「俺と一緒でも……恐いのか……」
 だからこそ、真人は明日華の手を引いて村の外へ出たかった。大人達の勝手な期待で明日華を
押し潰されたくなかった。広い世界で色々な物に触れて、もっと輝いて欲しかった。巫女としての
微笑みじゃなくて、幼い頃と同じ元気いっぱいの笑顔が見たかった。
 「真人じゃないよ。私が……臆病なだけだから……」
 そして明日華は外の世界で全てを失ってしまう未来が恐かった。田舎娘の自分が都会に出て、
他の女の子達と張り合えるわけがない。真人の事が好きで、信じているからこそ万が一にでも
他の少女の洗練された輝きに目を奪われたり心が揺れてしまったりする瞬間を目の当たりに
してしまったら、とても耐えられそうにない。
 なら、いっそのこと離れ離れになることを自ら選び、手が届かないから仕方ないと自分に
言い訳しながら白大蛇様に尽くすことで忘れた振りをして一生片思いのままの方が良い。

 そんな真人と明日華の姿を、木の枝に巻き付いた白い蛇が見つめていた。
女装SS総合スレ 第9話
376 :「泡沫〜うたかた〜」第一話[sage]:2014/01/09(木) 00:47:39.32 ID:QyLWGGd1
 「決めたぞ、おぬしじゃ!!」
 そんな幻聴に驚き、机に向かったまま寝てしまっていた真人は椅子から転げ落ちそうに
なりながら目を覚ました。
 「って夢かよ……」
 あれから何度か誘っても明日華は首を縦に振ってはくれないが、だからと言って簡単に
は諦められない。幼い頃から時間をかけて温めてきた初恋は、もう切り離すことの出来ない
真人の心の一部。
 「……やっぱり明日華以外なんて考えらないって!」
 それを再確認した真人の受験への意気込みは少し変わった。
 もちろん明日華への説得はギリギリで続けるつもりだが、もし最後まで折れてくれなかった
としても真人は一人ででも都会の学校に合格して村を出る決意を固めた。
 そして高校でも一生懸命に勉強して立派な社会人を目指して、明日華を幸せに出来るだけの
生活力を手に入れてから迎えに戻ってプロポーズする。
 それを村を離れる時に伝え、待っていて欲しいと頼むつもりなのだ。
 「って、その為に気合い入れて寝落ちとか本末転倒だよなぁ」
 少し根を詰めすぎたか、などと考えながら側で充電しているスマートフォンで時間を確認
しようと伸ばした右腕の肘が何かに当たり、重そうな音と共に机から落としてしまった。
 「………………蛇?」
 寝ぼけ眼のまま拾い上げてみると、それは見覚えの無い置物だった。長さというか高さは
30センチ弱くらい、太さは真人自身の親指と同じくらいの木製の蛇の彫り物。鎌首を
持ち上げているというかコブラが威嚇している時のようなポーズで直立しているが形自体は
普通の蛇。手に持ってみると、先程の落下音ほどの重さは感じないが。
 「誰のイタズラだよ、これ?」
 というより、この村で蛇の置物と言うことは受験への縁起担ぎだろうか? だとすると
両親か祖母がこっそり差し入れてくれたのかも知れない。
 そんな事を暢気に考えながら明くる朝も普段通りに学校に向かい、真面目に授業を受け
放課後のスケジュールを組み立てながら帰宅した真人を待ち受けていたのは悲痛な顔の
父と母と祖母と、明日華の姉と、


 『人身御供』


 という時代錯誤な迷信だった。
女装SS総合スレ 第9話
377 :「泡沫〜うたかた〜」第一話[sage]:2014/01/09(木) 00:50:16.88 ID:QyLWGGd1
 「どうしてっ! ねぇどうしてなのっ!?」
 制服のまま半狂乱で駆け込んできた明日華は、当事者である真人が驚いて言葉を失って
しまうほど憤り大人達に食って掛かっていった。
 「お、落ち着いて明日華ちゃん」
 そう真人の母が宥めようとしても、
 「おばさん達こそ、なんでそんな簡単に認めちゃってるの! 真人だよ、真人がいなく
なっちゃうのなんて嫌でしょ! 絶対におかしいもん!!」
 怒りの余り、明日華の口調が幼い頃と同じ強気な物に戻っている。
 「いい加減にしなさい明日華!」
 「それにお姉ちゃんはお姉ちゃんで何なの、その格好! 祭事の時しか着ない千早まで
引っ張り出して威圧して、真人を苛めて心は痛まないの? 真人が可愛くないの? もう、
みんな信じられないよっ!!」
 「お、おい明日華……」
 「絶対に認めないっ、認めないんだからっ!!」
 幼馴染みの怒りが激しい余り、なんだか怒るに怒れず冷静さを取り戻してしまった真人の
頭を胸に抱きしめ、普段は恥ずかしがって見せない八重歯を犬歯のように尖らせて大人達を
威嚇する明日華。
 「もう誰にも、真人には指一本触れさせ……」
 「我が儘も大概にしなさい、明日華!!」
 「っ!?」
 まさに鶴の一声。
 村内の序列最高位に位置する一人。男子禁制の御山を守る神社の現宮司である自分の
母が玄関から飛ばした一喝には、流石に明日華も言い返せない。悔しそうに目で訴えながら
渋々真人の頭を解放し、代わりに手を握りながら大人しく口を噤み真人の横に正座する。
 「娘の粗相、代わってお詫び申し上げます」
 挨拶代わりに頭を下げた明日華の母を恭しく迎え、上座を勧める真人の両親と祖母。
 宮司の参上により、ようやく場が落ち着きを取り戻した。


 「先ず真人君に確認したいのだけれど、これは昨日まで無かった物なのですね?」
 煎れ直したお茶が揃い、一同が話を聞ける状態にまで戻った事を確認した明日華の母が
宮司の顔で巫女装束の懐から件の木彫りの蛇を取り出す。
 「は、はい……」
 「そして今朝、目が覚めると枕元に置いてあった?」
 正確には机の上だが、机に向かったまま寝ていたわけだから枕元と言っても良いだろうと
考え素直に頷く真人。
 「いつ、誰が置いていったのか見ましたか? あるいは誰かが部屋に入って、これを
置いて去る音を聞きましたか?」
女装SS総合スレ 第9話
378 :「泡沫〜うたかた〜」第一話[sage]:2014/01/09(木) 00:52:08.79 ID:QyLWGGd1
 「いえ、誰も見ていませんし音も聞いていないと思います。けど……」
 「けど?」
 「たぶん夢だと思うんですけど、子供っぽい声で『決めたぞ』みたいな言葉を聞いたような
聞かなかったような……」
 真人の言葉に両親と祖母は顔を見合わせ、宮司は眉を曇らせ、明日華は握る手に力を込め
ながら悲しそうに瞳を揺らす。
 「そうなると、もう疑う余地はなさそうですね」辛そうに溜息をつく宮司「もう陽菜から
聞いているとは思いますが、宮司として改めて断言します」
 「うぅ……」情けない声を漏らす明日華。
 「この蛇は白大蛇様からの賜り物で、白大蛇様が真人君をご所望なさっているという白羽の矢
に間違いない……と私は考えます」
 反論も疑問もなく、明日華が駆け込んでくる前と同じ重苦しい空気が一同の背中に多い被さり
口を封じてしまう。
 「しょ、所望って……」
 「真人君のご家族ではないことは確認済みですし、この村で蛇の置物を悪戯に使うような
不信心者などありえません。その上で誰も姿を見てなく音も聞いておらずとなると、夢の中の
御言葉が白大蛇様のお告げと考える他にないでしょう」
 そんな非科学的な! と真人が反射的に言い返さなかったのは幼い頃から白大蛇の伝承を
繰り返し聞かされ、大人達は聞く耳を持たないだろうという確信があったからだ。
 また、明日華の親や姉に悪う印象を持たれたくないという思いも少なからず存在したのかも
知れない。
 「別に真人君を縛って沈めるとか、そういうことをする訳じゃないのよ?」そんな真人の
顔色を見て胸の内を悟ったのか誤解したのか。慌てて言い添える明日華の姉、陽菜「まだ
詳しくは教えてあげられないけど、真人君には自分の足で歩いて一人で白大蛇様の泉まで行って
もらうだけだから」
 「俺が? 自分で歩いて、ですか?」
 予想外の内容に、思わず真顔で聞き返してしまう真人。
 「神社の奥から川に沿って道があるので、それを遡って行けば辿り着けます」
 「そうなんですか。それで、白大蛇様の泉に着いた後は……?」
 「嫌だったら断っても良いんだよ真人!」
 村の水源である白大蛇の泉は神域とされ、普段は立ち入ることを禁じられている。
 人身御供という言葉に不吉な物を感じていた真人が拍子抜けするほど簡単っぽい儀式の
内容と、村の水源に興味を示した途端に明日華が割り込んできた。
 「あ、明日華……?」
 「私だって調べたもん! 白大蛇様の賜り物を頂いた後でも、それを無効にする方法が
あるんだよね、お姉ちゃん? お母さん!?」
 「え、ええ……」
 「あることは、あるけど……」
 「あるんですか?」
 これまた意外な事実を知って身を乗り出してしまう真人。
女装SS総合スレ 第9話
379 :「泡沫〜うたかた〜」第一話[sage]:2014/01/09(木) 00:53:58.65 ID:QyLWGGd1
 「白大蛇様の賜り物を頂戴したとしても、村を捨て全ての縁を切ってしまうと決めれば
生涯村と関わりを持たない代わりに儀式を辞退できます」
 そう説明する宮司の声色には、僅かながら不満そうな色が漏れ出している。
 「それ以外の方法はないんですか?」
 村との関わりを一切合切絶つと言うことは、村に戻れなくなるどころか村人と交わ
ることも出来なくなる。明日華を迎えに戻る未来も消失してしまうのだ。
 それだけは絶対に選べない。
 「あと一つだけ、白大蛇様は清い者以外を御身に近づけないとされています。です
から誰かと契りを結んでしまうと資格を失ってしまうとされています……が……」
 「ちち、契りって……!」
 ありたいていに言ってしまうとセックスの事である。
 「白大蛇様から賜り物を頂いたって事は、真人君はまだ誰とも経験してないんだと思うの。
だけど将来一緒になるって約束してる子がいるんだったら今からでも間に合うよ?」
 妹の様子をチラチラ横目で伺いながら真人の顔を見つめてくる陽菜。
 そうやら真人の片想いはお見通しらしい。
 「真人! あのね、真人の為だったら私……」
 「どっちも無理です!」
 心臓に杭を打ち込まれたような痛みを覚えながらも幼馴染みの少女を遮る真人。真人が
人身御供から逃れるためなら明日華は全てを許してくれそうな気がするが、それで明日華と
繋がることが出来たとしても、それは真人の本意とは少し違う。
 きちんと想いを伝えて受け止めてもらい、明日華を一生涯守り切れる男として全ての人が
認めてくれた上で、体を重ねたその先も覚悟して抱きたいのだ。
 二人で絆を育む前に、祭事を言い訳にして初めてを奪ってしまうなんて言語道断だ。
 「……真人……」
 「ごめん」
 そして誰も口に出さない最終手段。
 駆け落ちという名の逃避行は考えるのに値しないとさえ真人は決めている。
 明日華の為にも、堂々と娶る以外の選択肢は初めから存在していのだ。
 「俺、白大蛇様の泉に行きます。そして戻って来ます!」

 だが、まだ真人は何も知らなかった。
 明日華が身を張ってまで思いとどまらせようとする理由。
 大人達が言葉を濁し、全てを語ろうとしない訳。
 男子禁制である自分の神域に、白大蛇自らが真人という少年を招く真意。
 そして一同が囲むテーブルの上に鎮座して真人を見つめる木彫りの蛇の本当の意味も。

 こうして五十余年の時を経て古の儀式が再び幕を上げた。
女装SS総合スレ 第9話
380 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/09(木) 00:59:52.35 ID:QyLWGGd1
田舎、風習、伝承……
いかにも! な感じでプロローグです。

もちろん女装もありますけど、最終的には○○とか○○○○とか○○○○なんかの特殊性癖連発を予定してます。
いやな予感がしたら速攻でスルーした方が良い人もいるかも?w


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