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忠犬が狼になった日
名探偵コナンでエロパロ

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名探偵コナンでエロパロ
244 :忠犬が狼になった日[sage]:2014/01/07(火) 00:09:27.81 ID:/koDiBue
はじめまして


高佐で初お泊まり話です。


注意点
時系列的にはレットイットビーと高木拉致の間
高木が童貞じゃない
佐藤も然り
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245 :忠犬が狼になった日[sage]:2014/01/07(火) 00:12:58.02 ID:/koDiBue
「い、家飲みですか?」
警視庁捜査一課所属の刑事、高木渉巡査部長はたった今告げられた恋人からの要望に動揺した。
「あら、イヤなの?」
同じく捜査一課所属の佐藤美和子警部補は、運転席に座る年下の恋人に向けて首をかしげた。
そのしぐさがあまりに愛らしかったので高木は頬を赤らめ、「イヤではありませんよ」と慌てて彼女の言葉を否定した。
「ほんと?じゃあ今度の金曜日に高木君の家で飲もっか!」
にっと白い歯を見せ、彼女は満足気に笑った。
(あ、あっさり決まってしまった…。確か今度の土曜日は二人とも非番だったはずだ。なのに仕事のある金曜日を指定したってことは…)
「とっ泊まりぃ!?」
たどり着いた衝撃的な答えを、高木は思わず口にした。
「ちょ、ちょっと。張り込み中にそんな大きな声出さないでよ!」
突然あげられた大声に佐藤は驚き、高木の肩口を平手で叩いた。
「ぐあっ!すみません。きょ、今日は車の中で泊まり込みかなーって。ハハ…」
幸い、前方にある家の中にいるであろう張り込み対象の被疑者には気づかれていないようだ。
(まさか、佐藤さん。オレを誘っているんじゃ…いやいや20代後半にもなって左手薬指の指輪の意味や
ホワイトデーのことも知らなかった人なんだし、まだそういう関係になろうってサインとは限らないぞ)
お互い恋愛には奥手で、それでもゆっくりゆっくり進展してきた。
温泉には行けなかったが、二人にとっての初めてのキスもついに達成するに至った。
だが、事件の際に鋭い洞察力を発揮する彼女は色恋沙汰にはかなり疎く、
しばしば彼や彼に嫉妬心を抱く本庁捜査一課の男性刑事たちをややこしい言動や行動で混乱させている。
今回だってただ近場に行きたいところがなく、遠出する暇も体力もないから
自分の家で寛ぎながら飲もう、ということなのかもしれない。
(とりあえず、過度な期待はしないでおこう…)
さまざまな苦難や障壁を乗り越え、やっとあこがれの人と恋人同士になれたのだから絶対に手放したくない。
そう思えば思うほど、彼女に近づくことに臆病になってしまう。
これでは付き合う前よりも受け身になってしまっているではないか。
彼女に対してもっと積極的に大胆になるべきなのか、とぼんやり考えているうちに空は白みはじめ、
交代でやってきた同じ課の刑事たちにバトンタッチした。
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246 :忠犬が狼になった日[sage]:2014/01/07(火) 00:14:31.73 ID:/koDiBue
「高木君、一睡もしてないみたいだから運転、代わるわよ」
張り込み現場から少し離れた道路に出たところで佐藤が申し出た。
そういえば交代で仮眠をとろうと事前に約束していたが、隣にいる彼女のことを考えていたら眠れなかった。
「じゃあ、お願いします」といったん車を路肩に止め、外に出て伸びとあくびを同時にしてから、彼女と席を交換しシートベルトを装着する。
「あ、よかったら本庁につくまで寝てて。ちょっとの時間だけどすっきりするから」
「ありがとうございます」
高木は彼女の心遣いに感謝し、瞼を閉じようとした。
その瞬間唇に何か柔らかいものがふれた。
「ふぉっ!?」
「へっへ〜。隙あり」
驚き目を見開くと、そこには悪戯っぽい笑みを浮かべた佐藤の顔があった。
「成果はなかったけど、一晩中頑張ってくれたご褒美よ」
高木は彼女からの突然のキスに目を白黒させた。
「まっまだ仕事終わってないんですよ!それに誰かに見られたら…」
「私たち以外に誰がいるの?」
辺りは朝の静寂に包まれ、人の気配もない。
さすがに、いつも最悪のタイミングで現れてくれた恰幅の良い上司や眼鏡の少年や女子高生たちもここにはいない。
「それに、張り込み中にもかかわらず『今度のデートはどうしますか?』なんて聞いてくる刑事さんがどっかにいたんだけどなー」
「ええっと…ご褒美本当にありがとうございました」
もう何を言っても彼女には敵いそうにない。
高木は素直に礼を言い、本庁に到着するまでの間、高まった鼓動を鎮めるのに残りの体力を費やした。
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247 :忠犬が狼になった日[sage]:2014/01/07(火) 00:17:36.05 ID:/koDiBue
本庁に到着し、二人は登庁したての目暮警部に張り込み中に特に変わったことはなかったとの旨をつげ、それぞれのデスクに着席した。
大事件が起こらなければ、昼に帰宅できる。それまではデスクワークをして過ごそうと佐藤は積み重ねられた書類に手をかけた。
高木も彼女に倣って自分の机の上の書類を手に取ろうとしたが、強烈な眠気と疲労感に襲われて仕事になりそうにない。
コーヒーでも飲もうと席を立ち、自販機コーナーへと向かうと見知った顔の婦警がコーヒーをすすっていた。
「おっ、高木君じゃん。おはよー」
「おはようございます、由美さん。これからパトロールですか?」
高木は自販機に小銭を入れながら尋ねた。
「これ飲み終わったらね。それより、あんたあたしに何か報告することがあるんじゃないの?」
「はい?何のことですか?」
自販機から出てきた缶コーヒーを取り出し、由美に向かって振り向くといきなり胸ぐらをつかまれた。
「『何のことですか?』じゃないわよ!あんたの入院中に、美和子とあんたが病室でキスしたって噂が男連中の間で流れてんの!
 おかげで毎日のようにしつこく『あの噂は真実か』なんて聞かれるのよ。知ったこっちゃないっつーの」
「ええっ!そんな…あれは誰にも」
「見られてないっていうことは、したのね」
掴んでいたワイシャツから手を離し、由美はジロリと高木を睨む。
「は、はい」
実は今朝もしました(されました)なんて惚気たらぶっ飛ばされそうだ。
『噂』はおそらく、誰かが適当に言ったことがたまたま当たっていただけだろう。
子供たちには目撃されてたようだったが、あの子たちが噂を流した呼んでとも思えない。
直接自分を取調室に連行しないところを察するに、真実を知ることが怖いのだろう。
だが、もし自分が佐藤を抱いたなどという噂が流れれば何をされるか分かったものじゃない。
自分の内面の弱さと職場での圧力、どちらも彼女に近づきにくくしている大きな要因だった。
「ど、どうすればいいんですかねえ」
「どうって、美和子が好きならそのまま付き合っていればいいじゃない」
「そりゃもちろん交際は続けたいですよ。でも、なんだか最近自分に自信がなくて。僕と佐藤さんのことまだ認めてない人たちもたくさんいますし」
「怖いんだ?美和子に近づくのが」
「まあ、そんな感じです」
言い終わるが早いか、高木は由美に頬を思い切りつねられていた。
「いでっ」
「ホンッッとに腰抜けなんだから!美和子の彼氏なんてあんたくらいしか務まらないのよ。堂々としろ、高木!!」
通りすがりの職員が何事かとこちらを振り向いたが、由美は無視して高木の返事を待った。
「由美さん」
「な、何よ?」
いつもお人好しで気弱で弟のように扱ってきた彼が、覚悟を決めた男の表情になったので由美は思わず頬から手を離した。
「ありがとうございます。オレ、頑張ります」
短く答えると高木は背中を向け、小走りでその場を離れていった。
(これは…近日中に何か面白いことが起こりそうな予感♪)
瞬時にゲスな勘繰りをしたが、同時に見ているこちらがじれったく思う恋模様を繰り広げてきた彼らに対して、
由美は心の中で『頑張れよ』とエールを送り、自販機コーナーを後にした。
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248 :忠犬が狼になった日[sage]:2014/01/07(火) 00:19:59.67 ID:/koDiBue
約束していた日が、訪れた。
今日は運よく二人そろって仕事を切り上げることができた。
「狭いですけど、どうぞ」
高木は自宅であるアパートの一室のドアを開け、佐藤に先に入るよう促した。
「お邪魔しまーす」と佐藤は呟きながら初めて恋人の家に足を踏み入れた。
1DKの一人暮らしには十分なその部屋は、佐藤の想像していたよりも整理整頓されていた。
以前、事件がらみで千葉の自宅に入ったことがあったが、あの部屋はかなり散らかっていた。
しかし、独身男性の住まいなんてえてしてそんなものかと実家暮らしの佐藤は勝手に思っていた。
「結構きれいにしてるのねー」
「この日のために掃除したっていうのもありますけどね」
「あら、私にガサ入れされて困るようなものでもあったの?」
「あ、あるわけないっすよ。そんなもの」
帰りに買ってきたビールやつまみ類の入った袋をテーブルに置きながら、高木は答えた。
彼女と付き合うまでは、部屋の片づけやワイシャツの汚れなどは全くと言っていいほど気を配っていなかったが、
自分のだらしなさを彼女にいろいろと指摘されるようになってからは、できる限りの配慮をするようになった。
そしてこの日、ついに彼女をこの部屋に迎えたのだ。
(見てるか?あのころのオレ!)
刑事としても男としても彼女に一歩でも近づきたいともがいていた自分に、今の状況を伝えてやりたい。
一人感動に浸っていると、室内を興味深げに見て回っていた彼女が自分の目の前に一本のVHSを差し出した。
「高木君、これこの間言ってた『人生で一番熱狂した試合』だよね?」
「あ、覚えてたんですか」
ビデオテープのタイトルに目を落とすとそれは確かに、高木が一番好きなプロレスの試合を録画したものだった。
「あんだけ興奮して語られたんだから、忘れるわけないでしょ」
自覚はないが高木は唯一の趣味ともいえるプロレスを語りだすと、止まらなくなる。
その影響か、最近では佐藤は犯人を取り押さえる際、得意の関節技とともに豪快な投げ技を使うようになった。
(死人が出る前にプロレス技は控えるように言わなきゃなあ…)
彼女に投げられていった犯人たちの哀れな姿が思い出され、何とも言えない気分になる。
「これ、見てもいい?」
佐藤はリビングの奥にあるビデオデッキの入ったテレビ台に向かってしゃがみながら尋ねた。
「もちろん。いいですよ」
色っぽい雰囲気にはなりそうもない展開が早速訪れたのだが、彼女の頼みなら断れない。
というか、最初からこのビデオが見たかっただけなのだろうか。
(いや、チャンスは必ずある!あってほしい!)
高木はグラスを2つ取ってきてテーブルの上に置き、安物のソファに腰かけた。
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249 :忠犬が狼になった日[sage]:2014/01/07(火) 00:22:54.30 ID:/koDiBue
「いけー!そこだぁ!」
何度も繰り返し見た試合なのに、ビール片手に自然と画面の中で躍動する筋骨隆々なレスラーに声援を送ってしまう。
おかしな奴だと思われていないか時々隣に座っている彼女を見ていたが、彼女のほうも試合に夢中になっているようだった。
ただ、レスラーがジャーマン・スープレックスを繰り出した際、彼女が「あ、これ私何度かやったことある」と呟いたことは高木を戦慄させた。
「さすが、プロレス通の高木君が選んだだけのことはあったわね」
「ど、どうも」
結局、ビデオ一本じゃ飽きたらず、ほかにも数本気に入っている試合の入ったビデオを見た。
彼女が家に来てもう数時間が経っている。買ってきた缶ビールもすべて空っぽだ。
(ここはもう、自分で切り出すしかない。彼女が誘っているかどうかなんて問題じゃない!
 由美さんにも言われたじゃないか、堂々としろって!)
見終わったビデオを回収したら、彼女に今夜は朝まで家にいたいと伝えよう、と
高木はビデオデッキに向かい、片膝立ちになった。
「ねえ、高木君」
「は、はいっ」
ビデオの取り出しボタンを押したところで彼女に呼ばれ、用意していた言葉を飲み込んでしまった。
「明日、私たち非番だよね?」
「そっ、そうっすね」
「で、今日は予定通り高木君の家で二人っきり」
「ええ」
「…たいの」
「えっ、すみません。よく聞こえませんでした」
ビデオを取り出しケースに入れて振り返ると、俯き加減で言葉を絞り出そうとする彼女の姿があった。
こんなにも自信なさげな彼女は高木の記憶にない。
「だ、だから、どうしたいのってきいてるの」
(か、かわいすぎる…って結局美和子さんがオレを誘導してくれているようなものじゃないか。
今回ばかりはオレのほうから彼女に近づこうと思っていたのに…)
今すぐ自分をぶん殴りたい衝動に駆られたが、そんなことより彼女の問いに答えるのが最優先だ。
高木はソファに座る彼女の目の前まで行き、俯く彼女の視界に入るように再び片膝をついた。
「オレは残り数時間の今日も、非番の明日も、あなたと一緒にいたいです。
 いや、一緒にいるだけじゃなくあなたにもっと近づきたいと思っています」
高木が自分の正直な気持ちを伝えると、彼女は一瞬だけ視線を合わせてくれたが照れているのかすぐにそらした。
彼女のほうから不意打ちのキスやハグをされる度に、自分は狼狽し、そんな自分を見て彼女は得意げな笑みを浮かべていた。
でも、今は逆だ。
ちょっとくらい彼女を困らせるようなことを言っても、バチは当たらないだろう。
「オレの気持ちは伝えましたよ?美和子さん。
でも、無理矢理思いを遂げるようなことはしたくないので、ちゃんとイエスかノーか返事をしてください」
佐藤は珍しく意地悪なことを言う高木を非難と困惑の入り混じった目で見て、答えた。
「…断れないってわかってるくせに」
「それは、お互い様です」
高木は佐藤の肩に手をかけソファの背もたれにその体を押しやり、彼女に覆いかぶさるような体勢で唇を重ねた。
名探偵コナンでエロパロ
250 :忠犬が狼になった日[sage]:2014/01/07(火) 00:28:48.55 ID:/koDiBue
エロは次回投稿にて
読み辛かったらすみません


後半、加筆修正をしている途中なので、少し間が空くかもしれません


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