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名無しさん@ピンキー
【友達≦】幼馴染み萌えスレ24章【<恋人】

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【友達≦】幼馴染み萌えスレ24章【<恋人】
558 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/06(月) 00:35:26.98 ID:0CDxOeDH
投下してみます


 高嶺の花、という言葉がある。ただ眺めているだけで、決して手に届かないもの。
 俺の幼馴染みは、案外その言葉がぴったりなのかもしれない。


「やっぱ超かわいいよなー、若菜ちゃん」
 グラウンドの片隅で準備運動をしている陸上部の女子部員を見て、先輩がため息交じりにそう言った。
「まあ、外面だけは、そうですね」
 夏の風になびく束ねられた長い黒髪、まるで子犬を愛でるのが趣味というような穏やかで整った顔立ち、
運動部に所属しているだけあってよく絞られたスレンダーな体型、だけど出ているところはしっかりと出ているボディ。
 一見なら清楚で健康的な美少女だと誰もが思うかもしれない。けど中身はただのお転婆だ。
 高校、いや思春期に入ってからはその本性を友人以外には隠しているから、あいつをよく知らない人はすぐその容姿に騙される。
 それで、可哀想な男たちが次々と若菜へアタックする。それでまた、見事に玉砕する。
「でも、中身はひどいんですから」
 俺は若菜に騙される犠牲者をこれ以上増やさないためにも、警告の意味を込めてこう言った。
「おうおう、昔からの友達は何でも知っているってか。羨ましいねぇ」
 先輩は恨めしそうに俺を見た。俺と若菜が保育園からの腐れ縁であることは、いつの間にか周知のこととなっていたのだ。
「そんなわけないですよ。ガキの頃からあいつにどんだけ振り回されて――」
 その時、突然俺の顔に至近距離からサッカーボールが飛んできた。当然よけられるはずもなく、痛みで思わず顔を押さえる。
「ちょっ、何するんですか!」
 ボールを投げた張本人は、悪びれる様子もなくにやにやと笑っている。でも目は笑っていない。
「おいおい、そんな反射神経でキーパーが務まるのか?」
「今のはどんな名キーパーでも防げませんよ」
「うるせえバカ。お前なんか、今日の夕飯で魚の骨がのどに刺さればいいんだ!」
 そう言って先輩はボールも拾わずにスタスタと俺から離れて行った。
「せ、先輩、シュート練習は!?」
「休憩だ!」
 そんな勝手なことしていいのか、と思いつつ、俺はその指示に従うしかなかった。


 夏にもかかわらず日が落ちてしまった時間帯に、サッカー部の練習はようやく終わった。
 うちの高校は強豪というわけでもないのに、いやむしろ弱小といっていいくらいなのに、練習はそれなりにハードだ。
 今年のインターハイには当然出られなかったし、もちろん選手権出場だって誰もが諦めている。実際、ほとんどの3年生は夏と同時に引退した。
 俺たち一年生も、きっと二年後の夏には同じようにしているだろう。
 サッカー部だけじゃない、俺の通う高校はどの部も大した成績を残していない。野球部も、剣道部も、吹奏楽部も、美術部も。
 まあ、つまりは至って普通の高校なのだ。
 そんな普通の学校に通う、これまた普通の学生である俺だが、ただ一つだけ普通じゃないとすれば、それは――。
「おーい、雄二」
 たった今出てきた校門から、一人の女子が俺の名を呼び、大きく手を振りながら走ってくる。
 それは、今日の部活中、ある先輩がかわいいと見とれていた陸上部の女子、若菜であった。
 そう、普通じゃないとすれば、誰もが羨むほどの美少女が幼馴染みであることかもしれない。
 だいたい、異性の幼馴染みなんてものは年をとれば自然と疎遠にあるものだ。
 だけど、どういうわけか俺には今も平気でつるむ女の幼馴染みは健在だった。
「ちょっと、何で待っててくれないわけぇ?」
 さすがに陸上部なことだけあって、結構な距離を走ってきたにもかかわらず若菜の息は全く乱れていない。
「何でって、別にそんな約束してないし」
 こんなセリフをウチの学校の男どもの前でいったなら、俺はおそらく袋叩きにされるだろう。
 だが幼馴染みとは不思議なもので、若菜がいくら美少女とはいえ、俺にとっては単なる昔からの友達でしかない。
 年頃の男女のように仲睦まじく帰りたいという願望など、こいつ相手には持てなかった。
 多分、向こうだって同じ思いなはずだ。
【友達≦】幼馴染み萌えスレ24章【<恋人】
559 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/06(月) 00:37:03.77 ID:0CDxOeDH
「部活終わるのはほとんど一緒の時間じゃん。友だち甲斐がないなー」
 若菜はこう言うものの、当然本気で責めているわけではない。
「お前だって、一人でさっさと帰る時あるだろ」
 とはいえ、俺も何か反論しないと気が済まなかった。
「えー、だって観たいテレビとかあるし」
「俺もそうだとは考えんのか」
 ここで沈黙が流れる。どうやら相手は返事に窮しているようだった。が、
「ふーん、雄二って、暗い夜道を女の子一人で歩かせられるほど冷酷な人なんだねー」
 自分は勝手に一人で帰ることもあるくせに、そのことは棚に上げて、にやにやしながら俺を非難し始めた。
「はっ、誰が出てきても、逃げ足の速いお前なら平気だろ」
 真面目に取り合うのも馬鹿らしいので、俺は適当にあしらう。
「ふふん、まあね」
 自慢の足を褒められて嬉しいのか、若菜は急に上機嫌になり、なぜかその場で一回転した。謎の行動に俺は思わずドン引きする。
 ただ回転した時に、若菜の肩の下辺りまで伸びている長い黒髪の先っぽが、俺の鼻に当たっていた。
 そして、その甘くいい匂いを嗅げたのは、まあ、ラッキーであったかもしれない。
 部活の時と違って髪を縛り上げてはいないため、今の若菜は深窓なお嬢様といった雰囲気がより強く出ていた。
 男どもが狙うのも無理はない、と幼馴染みのひいき目なしでも思ってしまう。
 こいつは本当に、その見かけ通りおしとやかな女であったなら――。
「とうっ!」
 そんなことを考えていたら、いきなり若菜が俺の太ももを蹴りだした。
「痛……何すんだよ!」
「いま、『こいつは口を開かなければ最高の女なんだけどなー、ぐへへー』とか思ってたでしょ」
「か、考えてねえよ。つーか、自分で最高の女なんてよく言えるな」
 こいつに告白して玉砕した男たちは何て幸せなんだと思った。こんなナルシスト、彼女としては最低だろう。
 まあ、それにしたって、よく俺の考えていることが分かったな。俺ってそんなに顔に出るタイプだったのか。
 とはいえ、
「仮に考えていたとしても、何でいきなり暴力なんか――」
「あーーもうこんな時間、早く帰らないとママに叱られちゃう」
 わざとらしい口調で俺の抗議をさえぎった若菜は、急に俺の手をつかむと、そのまま引っ張るようにして歩き出した。
「ほら、早く早く」
「わ、分かったら、手ぇ放せよ、痛いって」
「あ、ごめん」
 俺は解放された手をいたわるようにしてさする。すると、若菜が心配そうにこっちを見つめていた。
 どうせなら手だけではなく、さっき自身が蹴った太もものほうも気にかけてほしかったが、あえて突っ込まないことにした。
「大丈夫だよ」
「そっか……悪い悪い」
「でもなんでいきなりつかんだんだよ。お前が歩けば俺も歩くって」
「うーん、昔の習性かな」
「だったら、すぐ直すことをおすすめするね」
 そういえば、中学のときも同じことがあった。しかもその時は、運悪くその現場をクラスメイトに見られてしまっていた。
 誤解はすぐに解けたのだが、それでもすでに広まっていた噂は完全に鎮めることなどできず、何人かは最後まで俺と若菜が付き合っていると勘違いしたままであった。
 俺も、そして若菜も、お互いをそんなふうに見たことなどないというのに。
「そうだね、また前みたいに勘違いされたら困るし」
 どうやら若菜も同じことを思っていたらしい。
「そうそう、ただでさえお前は、な・ぜ・か、男からモテるからな。誤解された日には、俺の身が危ないよ」
 俺は冗談交じりにこう言った。しかし、若菜は押し黙ったままであった。
「おい、若菜……」
「えっ、あ、そう、そうだね」
 明らかに俺の話を聞いていなかったらしく、若菜は適当に会話を流した。
 どことなしか、さっきよりも沈んだ顔つきになった気がする。
「あっ、そうそう、それよりさ――」
 若菜は笑顔で雑談を開始した。さっきの表情が見間違いであったとこちらが思うくらい、明るかった。
「じゃ、また明日」
 家の前に着くなり、若菜はこう言って自宅に入っていった。
 一人になった俺は、ここからわずか数分もかからない自宅に向かって、健康のために走ることにした。
 何だかんだと言っても、やはり昔からの友達はいいものだ。 


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