- 【獣人】亜人の少年少女の絡み12【獣化】
45 :虎娘VS馬息子(前編) ◆V/vWNPC6do [sage]:2014/01/05(日) 01:39:03.22 ID:EZz5VUsF - ※軽いリョナ注意
≪虎娘と馬息子≫ 虎娘は、とにかく腹が減っていた。 こんな衰弱した状態で、この炎天下を歩き回るのは自殺行為だ。 そう考えた虎娘は、手ごろな草むらの中に丸くなり、じっと日暮れを待っていた。 水浴びだけは欠かさない虎娘の毛並みは、旅立つ前と変わらぬ綺麗さを保っている。 オレンジの地色に黒い縞。首元からお腹にかけてはオレンジの代わりに雲のような白だ。 母元を旅立ってから、もう三日が過ぎていた。 その間に口にしたものと言えば、川の水と、わずかな干し肉のみ。 虎娘は限界を感じていた。もう二本足で立ち上がるのも辛く感じられるほどである。 しかし、当然ながら母元に戻ることはできない。 母元を離れるということは、すなわち『戻れば母に殺される覚悟をする』ということだ。 それが、獣の世界における絶対の掟であった。 母を悲しませることだけはすまい。虎娘はそう思っていた。 母譲りの見事な模様、亡き父譲りのすらりと長い尻尾。 兄弟姉妹の誰よりも美しいと言われて育ってきた。 しかし、そんな虎娘には、大きく欠けているものがあった。 それは、狩りに必要な判断力と、気丈さである。 兄弟姉妹の誰よりも気弱で、喧嘩にも勝ったことがなかった。 もちろん、一虎(ひとり)立ちの前に、母からは狩りのコツを何度も叩き込まれていた。 されど、ついに虎娘は自力で獲物をとらえることは叶わなかった。 そして旅立ちの朝を迎えてしまったのだ。 虎娘が、その馬を視界に捉えたのは、日が暮れてまもなくであった。 見るからに非力で、母元を離れてすぐであることがわかる。 運の良いことに、馬は、虎娘の隠れる草むらの風上を通り過ぎていこうとしていた。 虎娘のにおいには全く気付いていないようだ。 虎娘は逸る気持ちを押さえて、獲物が近づくのを待った。 じっと獲物を観察する。 二本足で歩く馬は、焦げ茶色の毛皮を纏った男の子であった。 虎娘と同じく、両手には五本の指があるのが見える。 しかし、二本の足先には指がなく、馬の蹄となっていた。 体格は虎娘よりもずっと小さい。身長も虎娘の胸くらいしかないようだった。 風に漂う体臭は、馬少年が健康そのものだということを虎娘に伝えてくれる。 音もなく、虎娘は唇をなめた。後から後からヨダレが湧いてきて、止まらない。 虎娘の隠れる草むらに馬少年が最接近した瞬間、ついに虎娘は飛び出した。 両手両足のばねを使い、一瞬で最速に到達した虎娘の身体が、呆気にとられた表情の馬少年に迫る。 次の瞬間、虎娘の鋭い牙が馬少年の首筋に沈み込み、吹き出した鮮血が毛皮を赤く染め上げる……はずだった。
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46 :虎娘VS馬息子(中編) ◆V/vWNPC6do [sage]:2014/01/05(日) 01:42:43.21 ID:EZz5VUsF - 瞬間、世界が反転した。
虎娘は全身に走る思わぬ衝撃に、情けない悲鳴をあげてしまう。 どういうわけか、虎娘の身体は、馬少年に飛びかかった勢いそのままに地面へと叩き伏せられていたのである。 「ふぅ。危ない危ない」 それが、馬少年の声だと気付くまで、少し時間がかかった。 「お姉さん、相手が悪かったね」 虎娘は、その意味を分かりかねた。身体が平衡感覚を失い、起きあがることもままならない。 「僕は昔から身体が小さいのが悩みの種だったんだ。だから、身体の大きい肉食獣と戦える ような技術を、独学で編み出した。どう? 驚いた?」 虎娘は呻くような声しか返せなかった。 「僕と良く似て身体が小さかった母さんは、僕が幼い頃にいなくなっちゃった。 父さんは、頑なに帰りを待っているみたいだったけど、僕は母さんがまだ生きているとは思ってないよ。 だってこんな危ない世の中だもん。きっと、とっくに誰かのお腹の中に入っちゃっているさ」 ゆっくりと近づいてくる馬少年の声に、ふいに怒りの感情が混じりだす。 「そうだよねぇ? お姉さん?」 虎娘は答えられなかった。馬少年の口調に、純粋な恐怖を覚えた。 「もしかしたら、その誰かは、お姉さんの家族かもしれない……ね!」 馬少年が叫んだ。虎娘は、急に胃袋を襲った圧迫感に、目を見開く。視界には、虎娘の腹の上に立つ馬少年の姿。 「ねぇ、何か答えてよ」 馬少年がその場で勢いよくしゃがむ。 声にならない声が、虎娘の喉の奥からもれた。 「アハハハ! ねぇ、どう? 苦しい? 重いかな?」 馬少年が笑う。胃液がこみあげてきて、口の中に嫌な酸味が広がる。 虎娘の視界が、涙でぼやけた。 「このままだと、お姉さん死んじゃうかも」 「そう……ね!」 虎娘は、かろうじて動くようになった右手を振るう。 馬少年の長く突き出した顔面を狙う一撃だ。 完全に不意を突けた。虎娘は、形勢逆転を確信する。 「おっ!」 だが、その攻撃は馬少年に届くことはなかった。 軽く上体を仰け反らせることで必殺の爪を避けた馬少年は、その顔に不敵な笑みを浮かべる。 「へぇ……まだやる気なんだ」 直後に虎娘を待ちうけていたのは、右肩への激痛だった。続いて、左肩。 「グャァッ!! ゥアッ!!」 馬少年の足が、虎娘の肩を踏み抜いていた。悔しいが、格が違いすぎる。その事が今更になって感じられた。 「これでしばらく腕はあがらないでしょ」 馬少年は安心した様子で、虎娘の胸の上に腰を下ろすと、凄絶な笑みを浮かべた。 「ねぇ、お姉さん。そろそろ降参しない? 今なら見逃してあげるよ」 虎娘は黙って涙した。 虎の誇りとして、こんなことを提案されて頷くことはできない。 それを馬少年も分かっていて言っているのだ。 「この世界は弱肉強食の原理が支配しているんだ。いくらお姉さんが虎だからって、 弱ければ生きていくことはできない。それくらい分かるよね? ねぇ?」 虎娘は、自身の首元に手がかけられるのを感じた。 「お姉さんの綺麗さに免じて、せめて少しでも苦しまないように殺してあげる」 上乗りになった馬少年が、首を絞めてきている。こんなこと普通では考えられない。 馬は虎を見たら逃げるものだと教わってきたのだ。虎を殺そうとする馬がいるなど、虎娘には信じられなかった。 ふいに込み上げてくる恐怖。そして、生への執着心。虎娘は震えた。 涙が次から次へとこぼしつつ、虎娘は締まりゆく喉の奥から、かすかな声を絞り出す。 それは、他ならぬ命乞いの言葉であった。 虎娘の名誉のために、その言葉をここで語ることは控えたいと思う。 ただし、その後の顛末に関しては、求むる者が現れれば語らせていただきたい。 それでは皆の衆、今日の夜会はここまでとする。各自、寄り道をせず家へと帰られよ。 【アンコールがなければ、これで完】
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47 :虎娘VS馬息子 後書き ◆V/vWNPC6do [sage]:2014/01/05(日) 01:50:57.63 ID:EZz5VUsF - 以上で投下終わります。某所でヒントをいただき、勢いだけで書きあげた初のリョナ物です。(新年早々に何やってんだ)
思いつきで書き始めたら止まらなくなったので、こちらに投棄させていただきました。 肝心のHなシーンに突入する前に力尽きたので、テキトーにまとめてみました。 続きはいつになるやらですが、虎娘のお腹がいっぱい(性的な意味で)になるようなENDを目指したいとです。
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