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【ドラマ】美男ですねでエロパロ7

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【ドラマ】美男ですねでエロパロ7
274 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 07:27:46.27 ID:O+0JD+qa
>>273
明けましておめでとう&GJです
時々ここを覗いて新作来ないかなーって待ってました
新年早々温かい作品が読めて嬉しいです
可愛いって言われるのが嫌いな美男、なんかわかるw
でも見た目は可愛くても心の中は男らしくて
NANAとの将来を見据えた決意にNANAちゃんも嬉しかっただろうなー

ステキなお話ありがとうございます
【ドラマ】美男ですねでエロパロ7
277 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 22:29:24.94 ID:O+0JD+qa
某テレビ番組に触発されて書き始めたものを投下します
エロ無しです
A.N.JELL全員出てきますので特にカップリングはないです
【ドラマ】美男ですねでエロパロ7
278 :一ヶ月一万円生活1[sage]:2014/01/03(金) 22:31:11.86 ID:O+0JD+qa
「「「「一ヶ月一万円生活ぅ〜?」」」」

A.J.エンタテインメントの社長室に4人の叫び声がこだました。
「おう、どーよ、お前ら、驚いたか。ダーハッハッハッ」
「おい馬淵、そりゃ何の冗談だ?」
あからさまに不機嫌な顔をした廉が、馬淵を睨みつける。
そんな廉にはおかまいなしに、勇気の顔が輝いた。
「馬淵さん、ナイスッ!俺あの番組好きなんだよねー。
やっぱここはA.N.JELLのバラエティ担当、俺の出番?楽しみだなー」
「でも勇気、俺達はタレントじゃないんだし、そういう番組はどうなのかな?」
いつもは物事に動じない柊も、さすがに顔を曇らせる。
「柊の言うとおりだ。俺達はいい音楽を作ることに全身全霊を傾けてる。
それ以外のことに労力を使う気はねえよ」
廉の言葉を困った顔で聞いていた安藤社長が、小さなため息をついた。
「まあなあ、廉の言う事も尤もなんだが、お前らも知ってるように最近は音楽番組も減ってるしなぁ。
新たなファンを獲得するためには、こういうのも有りかと思うぞ」
「そうそう、社長のおっしゃるとおり!
こういう意表を付いた番組で、お茶の間の皆さんをびっくりさせるって寸法よ!!
それにな…」
馬淵は得意げに小鼻を膨らませる。
「この番組は3組で対戦形式でやるのが普通だが、今回はA.N.JELLスペシャルっつーことで
2時間丸々A.N.JELLでお送りする特番っていうわけよ。わかるか?これがどういう事か?
どんな宣伝にも勝るプロモーションだろうが。
『ババンッ!あのA.N.JELLが一ヶ月一万円生活に挑戦!!廉が!柊が!勇気が!美男が!
前代未聞の挑戦!!果たして4人はこの苦難を乗り越えられるのか!!!』なんつってな、ダハハ!」
「断るっ!そんな事やってられるかっ!!」
吐き捨てるように言い部屋を出て行こうとした廉の背中に、馬淵が続ける。
「あれ?あれあれ?そんな事言っていいのかな〜?
美子と出会えたのは誰のおかげだったっけ?ねー、廉ちゃん」
廉が眉を吊り上げて馬淵を睨んだ。怒鳴りつけようとして口を開いた瞬間、安藤が手を上げてそれを制する。
「廉、悪いがもう決まった事だ。詳しい事が決まったらまた説明するから、今日はもう解散しろ」
【ドラマ】美男ですねでエロパロ7
279 :一ヶ月一万円生活2[sage]:2014/01/03(金) 22:32:34.63 ID:O+0JD+qa
玄関のドアが乱暴に閉じる音を聞いて、美子は廉の精神状態がわかる。
(何か嫌な事でもあったのかな?)
少し心配しながら出迎えると、案の定廉はムスッとしている。
美子は廉の方から理由を言ってくれるまで待つことにした。

晩御飯を食べてる間中、廉は怒髪天を突く勢いで怒りまくっていた。
「一ヶ月一万円?はっ、ありえねえ。一万円なんて、晩飯食いに行ったらすぐなくなるだろうが!
絶対やらねえ。俺には無理だ!」
それまで静かに廉の言葉を聞いていた美子が、箸を置いて一つ息を吐く。
「そうですよね。廉さんには、無理ですよね。
廉さん、お金持ちですもん。節約なんて出来っこありません」
廉の眉毛がピクッと上がった。
「お前、今何て言った?」
「はい?廉さんはお金持ちだって…」
「その前だ」
「えっと、廉さんには無理?」
廉がいきなり立ち上がった。
「お前、俺は出来ない男だって言いたいのか?」
「だって、さっき廉さん、自分でそう言ったじゃないですか」
「うるさい!そーかそーか、俺はそんなに出来ない男か。
あんまり見損なうなよ。俺に出来ない事はない!」
すると美子がニマッと笑った。
「そうですよね。そう言うと思ってました。廉さんには不可能はないですもん」
「おお、見てろよ。完璧に節約生活をこなしてやるっ」
言ってから(しまった!)と思ったが、美子のニコニコ笑顔を見て前言取り消しが出来なくなった。
うまいこと美子に乗せられたことに気付いた廉だが、男に二言はないと腹を括るしかない。
「それじゃあ、早速特訓しましょう!」
「え、特訓?」
「はいっ!」
美子は廉の背中を押して、キッチンへと連れて行った。
【ドラマ】美男ですねでエロパロ7
280 :一ヶ月一万円生活3[sage]:2014/01/03(金) 22:35:07.20 ID:O+0JD+qa
翌週詳しい企画の内容が明らかになった。
「まず、今回は対戦形式じゃなくリレー方式で行くことになった。
柊、廉、勇気、美男の順に一週間交代で節約部屋に泊まってもらう。
これはよ、俺もちょっと企画に参加させてもらってこの順番に決めたわけよ。
柊を最初にした方が後の奴もやりやすいと思ってな。そう思うだろ?」
馬淵の説明にメンバーは神妙な顔で頷いている。
「確かに。廉さんが最初だとバンバンお金使っちゃいそうだもんね」
「言えてる。かと言って最後だと『残金少ねー』って怒りそう」
勇気と美男が小声で話して、クククッと笑った。
「まあ等分すれば一人2500円ってことになるが、そこはバランスを考えて各自やってくれ。
普段は見られないお前らの日常や、慣れない生活に右往左往する様子を見てファンのみんなもウハウハよ!
で、節約生活の合間にはレコーディング風景とか、取材のシーンなんかもインサートしちゃうわけ。
くーーーーっ、怖いほどの宣伝効果。どーよ、恐れ入ったか?」
説明を終えてメンバーを見渡すと、目を輝かせているのは勇気と美男だけ。
廉は「わかったよ」と言って部屋を出て行った。
廉の後ろ姿を見送った後、馬淵は柊に向き直った。
「柊、頼むぞ。この企画の成功は柊にかかってると言っても過言じゃねえ。最初に生活に必要な物を揃えてくれれば
後は何とかなると思うからよ」
「はぁ、わかりました。まあ、決まったからには頑張りますけど」
馬淵から期待に満ち満ちた目で見られて、柊も仕方なく頷いた。

「う〜〜、いよいよ明日からですね、節約生活。なんか私までドキドキしてきました」
美子は拳を握りしめて武者震いをしている。
「なんでお前がドキドキしてんだよ」
「だって、廉さん大丈夫かなって」
「あんまり心配すんな。そんな事より…」
廉は美子のパジャマのボタンを外し始める。
「ダメですっ」
美子が廉の手を押さえつけた。
「何でだよ。明日から一週間会えないんだぞ。我慢できるかっ」
「ダメですったら。一週間も節約生活するんですから、体力温存しておかないと」
美子は廉の手を引きはがして、またボタンを掛け直す。
「はあ?それとこれとは関係ないだろ?」
「関係あります。もし途中で倒れちゃったらどうするんですか?」
廉はちっと舌打ちをして、美子に背を向けた。
美子はため息をついて廉の後ろ姿を見つめていたが、静かになった廉の後ろから抱きついて
「無理しないでくださいね、廉さん」と囁いた。
苦笑いを浮かべた廉は、美子の手を握りしめてゆっくり眠りに落ちて行った。
【ドラマ】美男ですねでエロパロ7
281 :一ヶ月一万円生活4[sage]:2014/01/03(金) 22:38:46.98 ID:O+0JD+qa
それからしばらく経って…。
今日はいよいよ「一ヶ月一万円生活」の放映日。
メンバーと馬淵が合宿所に集まって、放送開始を今か今かと待っていた。
テーブルには柊と美子が作ったたくさんの料理が並び、鑑賞会が始まる。

   一週目 〜柊〜
   白いツナギを来た柊が某河川敷に来ている。
   『これから食べられる野草を探そうと思います。結構身近な所にも食べられるものってあるんだよね』
   そう言って植物図鑑を持った柊が草むらを歩きまわる。
   『あっ、あった!』
   突然しゃがみこんだ柊が、手にした籠に摘み取った草を入れていく。
   『たくさんあるなー。あっ、ヨモギもある。なんか嬉しくなっちゃうな』
   籠いっぱいに草を摘んだ柊がカメラに向かって語りかける。
   『こんなに沢山取れました。でも、テレビを見た人はあまり真似しないで。
   ちゃんと専門家の人に聞いてくださいね』

   テロップ『さすが柊!植物に関してはプロ並みだ』

   部屋に戻った柊は、野草の下処理をしておひたしを作る。
   ついでに採って来たハーブも乾燥させるために小さなブーケにして換気扇の下に吊るした。
   同時に米をまとめて炊き、一食ずつ小分けにして冷凍するのも忘れない。
   全ての作業が無駄がなく流れるように進み、柊の人となりがしのばれた。

「柊さん、さすがだよね〜。ご飯冷凍しておいてくれたから、俺ちょー助かったもん」
勇気は改めて柊を尊敬の目で見つめた。
「柊さん、すごいですっ!今度私も野草取りに連れて行ってください!」
目を輝かせた美子に「いいよ、美子」と柊が言うと、廉がムッとした顔で柊を見た。
「ぷっ。大丈夫だよ、廉。二人っきりで行ったりしないから」
「おっ、俺は別に…」
廉が慌てて顔を逸らした時、CMが明けた。
「ほらほら、CM終わったよ。続き、続き!」
勇気がワクワクして画面に目を向ける。

   乾燥させたハーブでお茶を淹れ、就寝前のひと時を過ごす柊。
   テーブルにはノートが広げられ、一週間の感想を綴る。

   『一人で暮らすのは久しぶりで、楽しい反面少し寂しい気持ちもある。
   いつもメンバーと一緒だから忘れがちだけど、やっぱり俺は皆に支えられてるんだと再確認した。
   明日からはまたいつも通りの生活に戻るけど、皆への感謝を忘れないようにしようと思う』

   テロップ『A.N.JELLの良心、藤城柊。一週間お疲れ様』
【ドラマ】美男ですねでエロパロ7
282 :一ヶ月一万円生活5[sage]:2014/01/03(金) 22:43:57.94 ID:O+0JD+qa
柊の言葉に感動して目をウルウルさせる美子の横で廉が挙動不審になった。
そわそわとして落ち着かない廉に「どうした?廉」と美男が声を掛ける。
「いや、その…。あのノートに書いた文章って、テレビに出すのか?」
「は?説明聞いてなかったのかよ。勿論出すに決まってんじゃんか」
「そ、そ、そうなのか?」
廉の顔が徐々に赤くなっていった。
「ん?どした?」
「いや。べ、別に…」
そんな廉の焦り様に美男はピンときた。
(もしかして美子へのポエムでも書いちゃったとか?ありえるーw)
そうこうしてるうちに、廉のパートが始まった。

   二週目 〜廉〜
   ブスッとした廉が節約部屋に帰宅した。
   部屋着に着替えて冷蔵庫を開けて中を見回す。
   電気代の事など念頭にないのだろう、腕を組んだままいつまでも冷蔵庫の中を見る廉。
   やがて諦めたように息を吐き、買い物に出かけることにした。
   カゴを持ってスーパーの棚を鋭い目つきでチェックし、特売の牛肉と玉ねぎを購入した。

   テロップ『廉の買い物姿…シュールだ』

   黄色いエプロンを付けた廉がキッチンに立つ。
   『えっと…確か…』
   玉ねぎを前にした廉が、閃いたように目を輝かせる。
   『そうだ!手を猫みたいにするんだった!』
   そう言って指先を丸め手を切らないように、慎重に玉ねぎを切っていく。
   牛肉と玉ねぎを炒め、柊が買い揃えた調味料で味をつけると今日の夕食が出来上がった。
   『まあまあだな…』と言いつつペロリと完食。そして後片付けは完璧。
   シンクまでピカピカに磨いて満足げに頷いた時、換気扇下にぶら下がるそれに気付いた。
   『何だ、この枯葉は?』
   そう言うと柊が吊るしていたハーブを掴み、ゴミ箱にポイッと捨てた。

   テロップ『あーーーっ!』

「廉さん…」
全員の視線が廉に突き刺さる。
「しょ、しょーがねーだろっ、知らなかったんだから!」
「でもっ、いつも柊さんがハーブティー淹れてくれるじゃないですか!」と美子が声を上げる。
「それはそうだけど…」
廉はチラッと柊を見て、「悪い、柊」と謝った。
「いや、まあ、気にしなくていいよ」と柊も苦笑い。

   曇りガラスの向こうからザバーンと豪快な水音が響く。
   『あ゛ーーっ』という声に続いて廉の鼻歌が聞こえてきた。
   もはや企画の趣旨すら忘れたのか、廉はいつものように普通にお風呂に入っている。
   風呂から上がるとさっぱりとした顔で寝巻きに着替え、ノートに何か書き始めた。
   放送事故になりそうな程の沈黙が続く。

   テロップ『廉、頼むから何か喋って』
   
   ひとしきりノートに書きつけた後、廉は部屋の灯りを煌々と付けたまま布団に入った。
   そこで隣室のスタッフがスピーカーを通しておずおずと話しかける。
   『あの〜桂木さん、電気点けっぱなしですけど…』
   『あ?俺、暗いと眠れねえんだよ』
   『…そうですか』

   テロップ『・・・・・』
【ドラマ】美男ですねでエロパロ7
283 :一ヶ月一万円生活6[sage]:2014/01/03(金) 22:49:18.75 ID:O+0JD+qa
CMに切り替わった途端、勇気が廉を睨みつける。
「もおおおおっ、廉さんっ!全然節約してないじゃんか!
俺、このあと大変だったんだからねっ!残金は少ないし、美男の事考えたら食料もそうそう使えなかったんだからっ!」
自分のパートが済んだら、すっかり終わった気になってる廉は勇気の抗議もどこ吹く風。
「そうか?でも俺にしては上出来だろ?」
そう言いながら澄ました顔の廉。
柊がぷっと吹き出し、美子は呆れ顔。
苦笑いの美男に「まあまあ」と宥められ、勇気は横目で廉を睨みながらワインをぐいっと飲んだ。

   三週目 〜勇気〜
   『はあ〜、疲れた〜』
   節約部屋に帰宅した勇気は部屋の真ん中で大の字になって寝ころがる。
   キュキューグルグル、とお腹の虫が鳴って、『腹減った…』と呟いた勇気はだるそうに起き上がって冷蔵庫を開けた。
   『冷凍のご飯と、おひたしが少々。玉ねぎ一個とあとは調味料か…』
   買い物に行く元気も残金も少ない勇気は腕を組んで考える。
   『よしっ!全部一緒に煮込んじゃおう!』
   おひたしと玉ねぎを細かく刻み、ご飯と一緒に鍋に入れぐつぐつと煮込み始めた。
   それとは別にマグカップにおろししょうがを少し入れ、お湯で溶かして塩コショウで味を調えスープを作る。
   『結構いけるっ。俺ってもしかして天才かも』

   テロップ『勇気、ガンバ!』

   食後勇気は携帯でタイマーを掛けた。
   『これでよし。行くぞー、スイッチオン!』
   タイマーのスイッチを入れた瞬間、ダッシュで浴室に駆け込む。
   『うおおおおおっ、冷てーーーっ!』
   一番低い設定温度でシャワーを浴び始める勇気。
   画面ではアップになった勇気の携帯が、刻々とカウントダウンしている。
   その設定時間、三分。
   大急ぎで風呂から上がった勇気は、携帯を確認する。
   『やった!三分ジャスト!やっぱ、俺ってスゲー』

   『やっと一週間が終わった。辛かったけど俺、やり遂げたよ。
   自分の限界に挑戦!って感じ?
   何か、今なら何でも出来そうな気がする。
   ファンのみんな、これからの俺に期待しててね♡

   P.S.美男へ
   残金少なくてごめん。
   あと、食材ももうほとんどないけど、それもごめん。』

「勇気さん、頑張りましたねー」
美子は労いの気持ちを込めて勇気のグラスにワインを注ぐ。
「うん、でも食材ほとんど使い切っちゃって、美男には悪いことしたけどさ…」
申し訳なさそうに勇気がしょぼんとする。
すると美男が「へ?俺?」と言って振り返った。
「ああ〜、全然平気。俺いろんな人から一杯食料貰ったから」
「「「「えっ?」」」」
全員が一斉に美男の顔を見た。
「なんだよそれ、反則じゃねえのか?」
廉の言葉に勇気もうんうんと頷いている。
「あれ?ダメだった?スタッフさんからも何も言われなかったけど?」
きょとんとした美男が皆を見渡す。
「まあ確かに今回はA.N.JELLスペシャルだし、対戦形式ってわけでもないしな…」
そう柊が呟くと美男は「ほら見ろ」と言わんばかりにドヤ顔になった。
「だろ?残金競う訳じゃないからいいんじゃないの?」
納得がいかない勇気と、憮然とする廉。
そうしてるうちに、美男のパートが始まった。
【ドラマ】美男ですねでエロパロ7
284 :一ヶ月一万円生活7[sage]:2014/01/03(金) 22:54:14.41 ID:O+0JD+qa
   四週目 〜美男〜
   節約部屋の近所にある商店街をぶらぶらする美男。
   八百屋の店先には、キャベツや白菜の痛んだ葉っぱを捨てる箱があった。
   『おっちゃん、この葉っぱ捨てるんなら貰っていい?』
   こういう場所では馴れ馴れしい方が受けが良かったりする。
   『おお、いいよ兄ちゃん、持ってきな』
   嬉々として葉っぱを袋に詰める美男に、その店の女将さんが声を掛ける。
   『お兄ちゃん、一人暮らしかい?このトマトも持ってっていいよ。もう痛んじゃってるからね』
   すると美男はニッコリと微笑んだ。
   『ありがとう、お姉さん』
   『やだー、お姉さんだって!上手だねえ、この子は』
   女将さんは真っ赤になって美男をバシバシ叩きながら、横にあったリンゴとバナナも袋に入れる。
   『こんなに貰ってもいいの?』
   『いいの、いいの!お兄ちゃん可愛いからね、またおいでね!』
   美男はこの調子で、パン屋さんでは無料のパン耳の他、売れ残りのデニッシュを貰ったり
   肉屋では牛脂を貰うついでに肉の切り落としを貰ったりと、食材には一切困らなかったのである。
   
   テロップ『美男、恐ろしい子』

「お前…」
廉を始めメンバー全員が唖然として美男を見た。
「ん?何?」
美男はみんなの視線の意味がわからずきょとんとしている。
廉は「わあー、皆さんいい人ですね〜」「だろ〜?おかげで毎日腹いっぱい食べれたよ」などと話している兄妹を見てため息をつく。
(なんだこの兄妹は。そう言えば、美子も柊と勇気に好かれてたし…こういうのを天性の人たらしって言うのか?)
横目で柊と勇気を窺うと、どうやら二人も同じことを考えているようだった。
三人で思わず苦笑いを交わし、自分たちの人を魅了する力に全く気付いていない二人を見つめる。
(まあ確かに俺も美子に捕まったわけだしな、無理もないか)
廉は一人納得して微笑んだ。

   朝の光が差し込む部屋で、美男は夢と現の狭間を彷徨っている。
   その時、布団の中で何かがのそり、と動いた。
   『う…ん、ダメだって…。そんなとこ、触るなよ…』
   寝ぼけた声でそう言って、くすっと笑う美男。
  
   テロップ『え?まさか誰かいるのか?』

「えっ?えっ?まさかNANAちゃん?の訳ないよね?」
焦った勇気の声に全員がギョッとして顔を見合わせる。

   画面の中では寝返りを打った美男がようやく起きようとしている。
   『わかったって…起きるから』
   そう言って布団をめくると真っ白な猫が顔を出した。
   『ニャア』
   『はいはい、腹減ったのか?今ごはんやるからなー』
   美男はキッチンに行って猫の朝ごはんの準備を始めた。

   テロップ『猫かよっ!』
【ドラマ】美男ですねでエロパロ7
285 :一ヶ月一万円生活8[sage]:2014/01/03(金) 22:57:14.71 ID:O+0JD+qa
「びっくりしたー。つか焦った!女の子連れ込んでるのかと思った」
勇気が胸を押さえてソファでのけ反った。
「そんな事するわけないじゃーん、テレビなんだから」
しれっとする美男に柊が尋ねる。
「あの猫、どうしたんだ?」
「あー、あの子ね、隣んちの猫なの。帰ったら家の前で鳴いててさ、お隣に断って一晩だけお泊りさせたんだ」
もう美男のやる事なす事驚きの連続なわけだが、テレビの前のファンの子たちは心臓が止まりそうになったんじゃないだろうか?
最後に美男の日記のモノローグが始まる。

   『ずっと一人で暮らしてたから一週間の一人暮らしなんて平気だと思ってた。
   でも違った。
   やっぱり一人は寂しい。
   どうしてかな?前は平気だったのにな。
   今、メンバーと暮らして、たくさんのスタッフやファンに囲まれてそれがどんなに幸せな事かって実感してる。
   俺一人じゃないんだなって、仲間がいるんだなって。
   ありがとう、廉、柊、勇気。ありがとう、スタッフのみんな。そしてテレビを見てくれているファンのみんな、ありがとう』

   テロップ『A.N.JELL、一ヶ月一万円生活これにて終了』

「お兄ちゃん〜」
美子が涙声で美男に抱きついた。
廉と柊も目を赤くしてそんな二人を見つめる。
そして感極まった勇気が美子の上に重なるように二人に抱きついた。
「美男〜、なんか俺感動した〜。俺達仲間だもんな、うんうん」
「おい、どさくさに紛れて何してんだ!」
廉が慌てて勇気を引きはがす。
すると勇気はそのまま体の向きを替え、廉にしがみついた。
「廉さん〜、俺達ずっと仲間だよね〜。ね?ね?」
「わかった、わかったから離せっ、勇気」
鼻の頭を真っ赤にして泣きながら抱きつく勇気を見下ろしてため息をついた廉は、柊と目を合わせて苦笑いし
勇気の背中をポンポンと叩いたのだった。

こうしてA.N.JELLの一ヶ月一万円生活鑑賞会はお開きになった。
【ドラマ】美男ですねでエロパロ7
286 :一ヶ月一万円生活9[sage]:2014/01/03(金) 22:59:55.48 ID:O+0JD+qa
その後のお話

廉の家まで送ってもらって車を降りようとした美子を運転席の馬淵が引き留めた。
「美子。ちょっと待て」
「どうしたんですか、馬淵さん」
「しーっ、いいからいいから、これこれ」
馬淵は廉に見えないように鞄から取り出したある物を美子に渡した。
「これ何ですか?」
「これは節約生活の時の廉のノートだ。これお前に渡しとくから」
「あれ、そう言えば、廉さんのノート番組に出てきませんでしたね」
「まあさすがにテレビじゃ使えないだろうなあ〜」
意味深に笑う馬淵を見て美子が首を捻る。
「どうしてですか?」
「まあ中見ればわかるってことよ。いいか、絶対に人には見せるなよ。約束だぞ」
「はあ…」
その時廉が美子を呼んだ。
「美子、家に入るぞ。馬淵、気を付けて帰れよ」
「あっ、はい」
「おう!じゃあ二人ともいい夢見ろよっ!お疲れちゃ〜ん」
馬淵は親指を立ててGJポーズをとるとパパンッとクラクションを鳴らして走り去った。

   『たった一週間の事だって分かってるのに、寂しくてたまらない。
   まだ一日目だっていうのにな。
   二年間も離ればなれでいた事が今では信じられない。
   俺どうやってその二年間を過ごしていたんだろう。
   会いたい、美子』

   『今日スタジオで久しぶりにお前が歌ったaloneを聞いた。
   俺を見つめて泣きながら歌ったお前の姿を昨日の事のように思い出した。
   あの歌を作ったのは俺なのに、お前がどんな気持ちで歌っているか気付きもしなかった。
   ごめんな、美子』

   『一人で誰もいない家に帰ると、子供の頃を思い出す。
   何でもある家だったけど、俺の一番欲しい物だけなかった。
   なんかこんな泣き言いうなんて、俺って情けない奴だな。
   こんな姿お前には見せたくない。
   でもそばにいて欲しい。
   矛盾してるよな、俺』

   『今日撮影で原宿の教会の前を通った。
   女の恰好をしたお前と待ち合わせたあの場所。
   覚えてるか?
   あの時俺、お前が出て行ったと思って実は焦ってたんだ。
   本当にあの頃の俺は素直じゃなかった。
   まあ、今でもお前には「廉さんは素直じゃないですね〜」って言われるけどな』

   『あと三日でお前に会える。
   早く過ぎろ、三日。
   最近イライラしてちょっとした事で気分が不安定になる。
   お前に出会う前の俺って、こんな感じだったのかな。
   周りのみんなはさぞかし俺の言動に振り回されてたんだろうな。
   俺らしくないけど、ちょっと反省した』

   『あと二日。
   会いたくて会いたくてたまらない。
   美子…』

   『この生活も今日で終わりだ。
   明日仕事が終わったらお前の元に飛んで帰る。
   待ってろ、美子。愛してる』
【ドラマ】美男ですねでエロパロ7
287 :一ヶ月一万円生活10[sage]:2014/01/03(金) 23:05:44.72 ID:O+0JD+qa
廉の寝息を確認して静かに体を起こした美子は、枕の下からノートを取り出して読み始めた。
毎日寝る前に綴られた廉の言葉。
廉の気持ちが溢れるその短い文章は、美子の涙腺を刺激するのに充分だった。
「廉さん…こんなに私の事、思っててくれてるんですね…」
次から次へと零れる涙を拭いながら、愛しい人の筆跡を指でなぞる。
たった一週間。
だけどこんなにも寂しがるほど、美子の存在をかけがえのないものと思ってくれている。
「ん…まだ寝ないのか?」
美子の泣き声に気付いたのか、廉がうっすらと目を開けた。
「廉さん…」
徐々に意識がはっきりし、美子が胸に抱いているそれを見て廉は飛び起きた。
「お前っ、それっ…」
すると美子は突然廉の上に覆いかぶさり、思い切り抱きついた。
「廉さんっ」
「うわっ、ちょ、待てっ…」
「廉さん〜、大好きっ、大好きっ」
美子はところ構わず廉の顔中にキスをする。
「廉さんっ…っ、私絶対に廉さんを一人にしませんからっ」
「わかっ…た…っ、美子…っ、落ち着け」
泣きながらキスしてくる美子を、廉はただ受け止める。
優しく抱きしめかえしてゆらゆらと体を揺らすと、段々美子が静かになっていく。
やがてそのまま眠ってしまった美子の髪を撫でながら、腕を伸ばしてそのノートを拾い上げた。
「まさかお前にこれを読まれるなんてな」
誰にも見せるつもりのない、だからこそ正直な廉の気持ちだった。
「俺だってお前を絶対一人になんかしない。愛してる、美子」
「ん…」
美子の声が無意識に返した返事のように聞こえて廉は微笑む。
そして涙の跡の残るその頬にそっと口づけたのだった。
【ドラマ】美男ですねでエロパロ7
288 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 23:21:42.87 ID:O+0JD+qa
以上です。
やっぱり最後は廉美子になっちゃいました。
お邪魔しました。

他の職人さんも来てくれないかなー


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