- 女の子が露出する/させられる小説 その8
78 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 01:52:00.48 ID:ASgcl6BV - 投稿します。
タイトル:『花梨』 旅行先での露出ものです。3部構成(予定)で、今回は1部を投稿します。
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- 女の子が露出する/させられる小説 その8
79 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 01:52:55.64 ID:ASgcl6BV - 「ねー、旅行行かない?」
いつものコーヒーショップで、花梨が唐突にそんな話を持ち出す。 「旅行?どうしたよ、いきなり」 「いやさー、あたし達も仲良くなってけっこう経つのにさ、旅行のひとつも行ってないのはどうかと思って。 しかも夏だよ夏。大学生の夏休みに引きこもってる手はないでしょ」 「はぁ。ま、確かに夏休みだし、外に出るべきってのは間違っちゃいないけど。またえらく急な話だな」 「いいじゃーん、どうせ暇でしょ?」 し、失礼な。 俺にだって予定は…………まぁ、そんなに無いな。 「まぁまぁ恭一、花梨はいつもこうじゃん」 翔太がいつものように軽い調子で返す。 「でも旅行ってもさ、どこ行くつもり?もう有名どこはほとんど満員だと思うよ?」 「ふふーん。それについては良い案があるのよねー」 自信あり、といった感じで翔太に答える花梨。 「どんな案なんだ?」 「あのね、夏休みの課題で、古くから日本に伝わる伝承や行事について調べてくるっていうレポートあったでしょ?」 「ああ……植草教授の課題ね。通年授業だからってまさかの夏休みレポート出すっていう。やってくれるわー」 言いながら翔太はおかわりのコーヒーを頼む。 おかわり自由なのに美味いコーヒーがこの店のウリだ。 ……採算が取れているのか、たまに心配にはなるが。 「みんな大体文献とか調べて書くみたいだけど、やっぱ民俗学専攻の人間としては、 直接行って調べてくるべきだと思うわけよ。でね、色々調べてたら白滝村っていう村に、 外の人間にはほとんど知られてない行事があるってことが分かったんだー」 「……それ、どこ情報?」 「ネット」 「眉唾もんだな……」 「ま、あたしもそう思ったんだけど。でも、本題はそこからでさ。その村へのバスが出てる町、三咲町っていうんだけど、 そこの海がすごく綺麗みたいなんだよね。他の自然もすごい綺麗らしくてさ。しかも、温泉もあるんだって。 ま、だから本命はそっちって感じ?」
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80 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 01:53:50.84 ID:ASgcl6BV - 綺麗な自然、か。
生まれてこの方ずっと都会から出たことがない身としては、興味が無いわけではない。 「まぁ確かに、そこなら既に宿がいっぱいなんてことはないだろね、聞いたことないし。 それに……その村の話、まったく興味がないわけでもないし。」 翔太も、割と乗り気な反応を示している。 「でしょ?そういうことが気になるから、あたしたち民俗学を選んだわけじゃん。 こういうのはやっぱ、気になったら足使って確かめるべきだと思うわけよ」 そうも熱く語られると、確かにそうかも、なんて思い始める。 「恭一はどう思うよ?」 翔太がこっちに話を振る。 「ん……そうだなぁ。でもま、花梨のいうことも一理あるかもな。それに俺、都会から出たこと ないからさ。田舎の綺麗な自然ってのにはちょっと興味あるかも」 「はい、じゃあ決まりね。バスと宿の手配は言いだしっぺのあたしがやっとくから、二人とも日空けといてよね」 「待てって。日空けとくのはいいけど、日程決めてないだろ」 相変わらず花梨はせっかちだな……。 「来週くらいで良いんじゃねー?」 「そんな急に取れるもんか?」 「まぁ、ほとんど聞いたこともない場所だしさ。ひとまず花梨にはその辺で手配してもらおうぜ」 確かにそんな場所は聞いたことがない。 そもそも、若い観光者が俺たち以外にいるのかも怪しいところだ。 「……分かった。じゃあ花梨、そういう感じで頼む」 「はーい、任せといて!」 ……にしても。 勢いでなんとなく決まったけど、旅行……か。 翔太と花梨とは大学のクラスの友達として出会った。 翔太はもちろんのこと、花梨ともなんやかんやウマが合い急激に仲良くなった。 教室で喋ったり講義後にその辺に遊びに行ったりはしたけど、遠出するのは初めてだな。 それに……。 ま、花梨も一応女だからなぁ……。 普段は女として意識せずに話してるけど。 でも、泊まりとなるとさすがにな……。 「…………」 いや、こういう風に考えるからいけないんだ。 いつも通り接するだけでいい。 別に、何が変わるわけでもないんだしな……。
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81 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 01:54:41.28 ID:ASgcl6BV - 「いやー、なんかわくわくするね。早く着かないかなー。恭一もそう思うでしょ?」
「ん?あ、ああ……」 三咲町行きのバスの中、わくわくした様子の花梨が話しかけてくる。 「んー?どしたの?なんか調子出てないみたいじゃん。あ、もしかして酔った?」 「い、いやまぁ……そんなとこかな」 「変なの。翔太ぁ、なんか今日の恭一、おとなしいよね」 「ん?あ、ああ、そうだねぇ」 「翔太も……どしたの二人とも」 ダメだ、妙に調子が出ない。 どうしてもいつもと違う花梨が気になってしまう。 花梨は、めずらしくふわっとしたワンピースを着ている。 普段がほとんどボーイッシュなパンツスタイルだからか、いつもより花梨の性別を意識してしまう。 それに、無防備すぎるんだよ……。 おそらく気づいていないんだろうが、少し屈むたびに胸元がチラチラと見えてしまっている。 けっこう、大きいんだな……。 胸元から覗く谷間に、目線が吸い寄せられる。 しかも、3人がけにしてはこの席は狭い。 そのせいか、さっきからずっと花梨の太ももの柔らかさが伝わってくる。 「……ふぅ」 「どしたの?大丈夫?もしホントに気持ち悪いなら停めてもらうけど」 花梨に下からスッと覗きこまれる。 と、そのせいでさっきよりもハッキリと胸元が露に――― 「い、いやいい。大丈夫。問題ない」 だ、ダメだダメだ。 相手はあの花梨だぞ。 いちいち反応してどうするんだ。 でも、俺を心配して覗き込んできた花梨、ちょっと可愛かったな……。 いつもは後ろで縛っている髪を、旅行だからと今日は下ろしている。 茶色くてふわふわの髪は、ところどころが外に撥ねていて少し犬の耳を連想させる。 花梨の髪、なんかすごい良い匂いがするしな……。 ……って違う、そうじゃないだろ。 ふと横を見ると、翔太もどこか落ちつかなそうな表情をしている。 もしかして、あいつも同じようなことを考えてるのか? 同じ男だ、十分あり得るな。 でも、もしあいつがただの車酔いだったとしたら、俺相当ダサいな……。
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82 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 01:55:21.32 ID:ASgcl6BV - 『お疲れ様でした。三咲町前でございます。お忘れ物のないようご注意ください』
もやもやと考えているうちに、バスが三咲町に到着したようだ。 少ないなりに、ぽつぽつと客が降りていく。 「さて、俺らも降りますか」 荷物を持ち、バスを降りる。 と。 「ほら、足元気をつけなきゃ。そんな慣れないもの履いてんだし」 翔太が花梨の手をとる。 確かに、花梨は普段は履かないヒールを履いていた。 「えっ……?あ、ありがと……。どしたの、翔太があたしにそんな風に気をつかってくれるなんて」 「ん……いや、まぁ花梨も一応女の子だしなって」 「一応で悪かったですねーっ。ま、でも、ありがとっ」 照れ隠しをしながらも、満更ではなさそうな花梨。 もしかして。 自分だけでなく翔太も、なんとなく花梨を女として意識してしまっているんじゃないだろうか。 ふと、対抗意識が湧いた。 「花梨」 バスから降りた花梨の方へ手を差し出す。 「ん?何?」 「……荷物、持ってやるよ。けっこう重いんだろ?」 手に持っていた荷物をさっと奪い、肩にかける。 「えっ、えっ?ちょ、どうしたの恭一まで」 「別に。ま、翔太と似たようなもんだ」 照れもあってか、あまり素直には言うことができない。 「……ありがとう。やだな、急にこんな風に扱われると、調子出ないじゃん」 花梨も花梨で、急に女の子として扱われたことに少し戸惑っているようだ。 「……でも、悪い気はしないかなっ。ありがとね、二人とも」 にこっと笑顔を見せる花梨。 その笑顔が、とても眩しく感じた。
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83 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 01:56:06.75 ID:ASgcl6BV - 「おおー、綺麗な町じゃん!なんか、海沿いの街って感じで」
翔太が歓声を上げる。 バス降り場から歩いて数分、三咲町の町並みが見えてきた。 「白滝村にバスが出てるって言うからどんな田舎かと思いきや、意外と栄えてるみたいだな」 三咲町は想像していたよりもずっと活気を感じる町だった。 「そうね、街並み自体はそんなでもないみたいだけど……。やっぱ、海の町ってのが活気を感じさせるのかもねー」 海から吹く風に、ふわりと花梨のスカートが舞う。 ……っ。 舞い上がったスカートについドキっとしてしまう。 本人は特に気にしてないようだが……。 「さて、それじゃ観光に行きますか。俺もちょろっと調べてみたんだけど、今日昼から 祭りっぽいのやってるらしいよ。出店みたいなんもあるっぽいぜ」 翔太のやつ、なんやかんや楽しみにしてたんだな。 クスリと笑いがこみ上げる。 「おおー、いいじゃん!じゃあさっそく行こーよ」 花梨が男二人の手を取る。 「お、おい……」 「っとと……」 「せっかく初めての旅行なんだしさ、どんどん行かなきゃ!」 「分かったよ、行こうぜ」 ま、楽しみにしてたのは俺も同じだしな。 にしても花梨のやつ、いきなり二人の手を取るなんて。 あいつも初めての旅行で、けっこう舞い上がってるのかもな。 ま、いいよな。 楽しいのはいいことだ。
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84 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 01:56:47.85 ID:ASgcl6BV - 「あーっ、また外れちゃった。あたしこういうのダメなのかなぁ。
や、もう一回。もう一回だけチャレンジ!」 店のおじさんに100円を渡す花梨。 もうこれで何回目だ……? 「よく狙って……とりゃっ!」 花梨の発射した輪ゴムはまた的の横をすり抜ける。 「ええいもう、ちょっと貸してみ」 「あ……」 花梨の手から射的用の銃を取り上げ、おじさんに100円を渡す。 「花梨が当てたいのはあれ?」 8番と記された的を指差す。 「え?う、うん」 あまりにもヘタクソすぎてこれ以上は見ていられない。 「どれ……っと」 的をしっかりと狙って引き金を引く。 輪ゴムはまっすぐ的に向かって飛び、的を棚の下へと落とした。 「おおーっ。恭一すごいっ。あたし何回撃ってもダメだったのに……」 「よっ、名射撃手っ」 「花梨が下手すぎるんだよ……。ほら、これ」 景品のぬいぐるみを花梨に手渡す。 「……ありがとう。なんか恭一、ちょっとカッコ良いじゃん」 このこのっと肘で突いてくる花梨。 「……そりゃどうも」 旅行の開放感からか、場の雰囲気は普段より柔らかい。 普段なら言えないようなことも素直に口に出せている。 いつもより女の子らしい花梨に影響されてか、自分も翔太も花梨に優しく接している。 花梨も珍しく優しい扱いを受けて嬉しいのか、終始ご機嫌だ。 「恭一、アレやろうぜアレ」 翔太が誘ってきたのは『ハンバーグくじ』だ。 串にハンバーグが刺してあり、串に印がついてあればもう一つ食べられる。 「いいな、バスの中で何も食べずに腹減ってたし。どっちが多く食えるか勝負だな」 「そんな簡単に当たるー?」 どーせ一個でしょ、と笑う花梨。 よく見てやがれと向かう男二人。 ――結局、二人とも仲良く一つずつハンバーグを食べるに至った。
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85 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 01:57:18.95 ID:ASgcl6BV - 「ふうっ。露天風呂、思ってたよかずっと良かったな」
「やー、これは上出来でしょ。おじさん大満足よ」 「何言ってんだお前。……っと、飯来てたのか。時間過ぎちまってたしなぁ」 「おおー、これまた美味そうですなぁ」 風呂から上がり、翔太といつものようなやり取りを交わす。 花梨のやつは……まだ戻ってないのか。 ……。 普段だったら、花梨が戻ってくる前に飯食っといてやるか、なんて冗談も飛ばすところだが。 今花梨の話題を出すとなんとなくぎこちない雰囲気になりそうな気がした。 「はーっ、良いお湯だったねーっ!」 と、タイミングのいいことに花梨が帰って―― 「……ん?どしたの二人とも。口あけて黙っちゃって」 翔太と二人で少しの間固まる。 風呂上り、髪を濡らした花梨はそれほどまでに色っぽかった。 「いや……。……よ、よし。花梨も来たことだし飯にしようぜ」 翔太がわざとらしく話題を変える。 「おー!ご飯来てるじゃん!美味しそー」 目の前のご馳走に目を輝かせる花梨。 ナイスだ翔太。 やや強引なもっていき方だったが、花梨は特に気にならなかったようだ。 「それにな花梨、驚くことなかれ。風呂前、お前らが部屋でグダグダしてる間に、下で酒を買ってきといてやったぞ」 ここぞとばかりに自分も盛り上げにいく。 「おお、やるじゃん恭一」 「あたしお酒って普段あんま飲まないのよねーっ。なんか盛り上がってきた!」 実は俺も翔太もそこまで酒を本格的に飲んだことはない。 ワクワクしているのは自分も同じだった。 予想外の出来だった露天風呂から始まり、旅先の宿は想像以上の盛り上がりを見せている。
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86 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 01:57:51.25 ID:ASgcl6BV - 「それでーーっ。問題は今日の恭一と翔太よぉっ」
顔を赤くした花梨にぺちっと頬を叩かれる。 酒盛りをはじめてから随分と時間が経った。 俺も……やばいな、かなり酔ってる。 普段そんなに飲まないから、加減が良くわからん……。 「おいー、恭一だけずるいぞ。花梨、俺も俺も」 翔太に至っては俺以上に酔っているように見える。 「なによー、あんたも好きねーっ。うりゃっ」 今度は翔太の頬をぺちっと叩く。 「くはっ、ナイスビンタ」 花梨から嬉々としてビンタを受ける翔太。 あの様子じゃしばらく冷静になるのは無理だろうな。 「じゃなくてーっ。恭一と翔太の話よぉ」 じりっと花梨に攻め寄られる。 う、うわ……。 前屈みになったせいで、胸元からちらりと柔らかそうな谷間が覗く。 「う……」 思わず腰を引いてしまう。 「し、刺激が強すぎるっての……」 花梨に聞こえない声の大きさで呟く。 今まで花梨と接してきて平気だったのは、女として意識してこなかったからだ。 なのに、これは……。 「ねぇーっ。何で今日、そんなに優しいのよぉ。そんなに優しくされたら、 いくらあたしだって嬉しくなっちゃうじゃん」 ち、近い。 花梨の顔が、少し顔を近づければ触れそうなところにある。 花梨の唇、綺麗だな……。 艶々としていて、見ていて触れたくなってしまう。 それに……。 またチラと視線を下に戻す。 「……反則だろ」 白く透き通った肌、柔らかそうに揺れる胸は、花梨が女であることをより一層意識させる。 股間にムズムズと甘い疼きが走る。 あー……、頭、くらくらしてきた。
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87 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 01:58:36.77 ID:ASgcl6BV - 「もー、恭一ぃ、酔ってるの?だめだめじゃーん」
うるせぇ……酔ってるのはお前も同じだろ……。 「じゃあ、翔太ぁ。ねー、なんでー?」 酔いがどんどん回っているのか、俺たちの反応が面白いのか、花梨の行動がだんだん大胆になっていく。 「え?ちょ、花梨……う、うわ」 ぼーっとしていたのか、翔太が慌てた声を上げる。 それもそのはずだ。 花梨は、翔太の肩に両手をつき、あぐらをかいた翔太に自分の右膝を乗せてしまっている。 「あ…………」 両手を宙に彷徨わせたまま、前を向いて動かなくなる翔太。 あまりのことにさすがに少し酔いが覚めたようだ。 「か、花梨こそ……なんで今日はそんな……女っぽいんだよ」 反撃とばかりに翔太が返す。 「そ、そう……?」 言われて予想外だったのか、翔太から身を引き、ぺたっと座り込む花梨。 「そうだよ……。いつも男みたいな感じのくせにさ」 「ちょ……翔太、あたしのこと普段男だと思ってたの?」 「そうじゃないけどさ……。なあ、恭一」 「ああ……花梨が悪い」 こんな女らしい一面を見せられて、俺達にどうしろってんだ。 「なによー、あたしが女らしい格好しちゃ悪いっていうのー?」 翔太から身を離し、とん、と肩を当ててくる花梨。 少し顔を回せば触れそうな距離に、花梨の頬がある。 くう……。 ドクドクと早鐘を打つ心臓の音に、必死で気づかないフリをする。
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88 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 01:59:19.99 ID:ASgcl6BV - 「だって花梨……普段あんな女らしい格好しないじゃんかよ」
「それはだって……旅行なんだしさ。悪かったですねーっ」 「……悪くないから、困るんだよ」 「え……?」 「そうだね。花梨は悪くないけど、悪いよ」 「どういうことよー……」 「どうもこうも、あんな格好されたら、こっちだって花梨を……」 ……何を、言おうとしてるんだ俺は。 「……花梨を?」 ……言うべきではない。 それは分かっているのだが、正直な気持ちが自然と口をつく。 「……女なんだって、意識しちまうだろ」 ………………。 部屋に一瞬訪れる沈黙の間。 ……触れ合った肩と肩は離れない。 右肩に伝わる花梨の熱。 気が付けば触れ合っている指先に、鼓動が少し速くなる。 「そ、そうなんだ……」 「……そうなんだよ」 「…………でも、なんか嬉しかったかも。こんなに女の子っぽい扱いされたことなかったし……。 あたし、ちょっとドキドキしちゃったじゃん」 花梨の口からそんな言葉を聴くのは初めてだった。 普段の花梨なら、こんなこと絶対に言わないだろう。 「……お世辞言ったってだめだぜー、花梨。俺たち、大学入ってからこっち、そういう話いっさい無いんだから」 酔っているせいか、翔太の軽い口が一層軽くなっている。 「そ、そうなんだ。ふーん、ふーん……」 なぜだか少し嬉しそうにする花梨。 「何でそんな嬉しそうなんだよ、こら」 頭を押さえつけぐりぐりといじる。 「あ、ちょ、こら……あははっ」 「そうだぞー。俺たちがモテないのがそんな嬉しいか」 「そんなこと言ってないでしょーっ。……あ、でも、よくわかんないけどやっぱちょっとイイかも」 「どういう意味だ、このやろうっ」 「あは、あははっ……あは、ちょ、イタ、イタター!わー!ごーめーんー!すみませんでしたごめんなさいーっ!」 「ええい許さん、お前は俺達の純粋な心を何だと思ってる」 「べ、別に馬鹿にしてるわけじゃないってばーっ!」
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89 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:01:33.68 ID:ASgcl6BV - 支援
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- 女の子が露出する/させられる小説 その8
90 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:02:30.39 ID:ASgcl6BV - ん……、朝か……。
窓から差し込む朝日と心地よい鳥の声。 いつもと違う景色に、旅行中の身であることを思い出す。 見れば、隣では翔太が気持ち良さそうに寝息を立てている。 翔太のやつ、意外と寝相良いんだな……。 「さて、じゃあ今日の準備をしますか」 自分の部屋でのことのように、独り言とともに立ち上がる。 あ……。 立ち上がると、ズボンに大きくテントが張っているのが分かった。 瞬間、昨日のことが思い出される。 昨日は、三人で軽口を叩き合った後、急に眠くなってそれぞれの部屋で寝てしまった。 でも、その前……。 柔らかそうな花梨の胸元、肩や指が触れ合う感覚……。 ……ダメだダメだ。 朝からこんな調子でどうすんだよ。 今日これからまた花梨と一日過ごすんだぞ……。 こんなことじゃ、この旅行中やっていけないっての! 『よし!』と気合を入れなおし翔太を起こす。 「おーい、翔太。朝だぞ。朝飯……はもう過ぎてんのか。とにかく、起きて準備だ準備」 ――――――― 「あー、だんだん目ぇ覚めてきたよ」 翔太が首を回しながら呟く。 「こんだけ寝たのにまだ眠かったのか?」 「そんなに寝たっけ?昨日寝たのは……。……っ」 ぴたりと翔太の言葉が止まる。 おそらく、昨日の出来事を思い出してしまったのだろう。 「や、まぁそうだね。結構寝たっちゃ寝たかも」 しかし、そこには触れないようにしたようだ。 「まぁ酒の影響で眠いのかもしれないけどな。じゃ、居間に行こう」 翔太と二人、準備した荷物をおいて一度居間に出ようとする。 瞬間、言葉を失った。 「お、おはよう二人とも……」 か、花梨……? そこには、顔を真っ赤にして立っている花梨の姿。 しかし、ある一部だけがいつもと違う。 「うわ、ちょ……」 隣の翔太が、驚いたように呟く。 …………。 言葉が出ない。 目の前の花梨は、少し動けば下着が見えるんじゃないか、と思えるようなミニスカートを履いている。 ふわっとした可愛らしいスカートからは、花梨の脚がすらりと伸びている。 ストッキングなどは履いておらず、誘うように白い太ももがむき出しになっている。 花梨の生脚は、そこらのモデルに劣らない曲線美を保っていた。 ムクリ、と。 自分のモノが勃ち上がっていくのを感じる。
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91 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:17:13.39 ID:ASgcl6BV - 「い、いやね?あたしって普段、あんまり女の子っぽい格好しないじゃん?だ、だから一度女の子っぽい
格好をしてみたかったっていうかっ。ほ、ほら旅行先だし!……普段あたしがこんな格好したら恭一と翔太に 笑われちゃうじゃん。でも、旅行中二人ともなんか優しいし、良いかなって」 すごい勢いでまくし立てる花梨。 顔の赤みはますます増していく。 花梨としても、ちょっとした冒険だったのだろう。 でも……。 女の子らしい格好っていうにしては、ちょっといきなり大胆すぎないか。 正直な話、スカートから伸びる脚がエロすぎて何といっていいか分からない。 「あ、あはは……。だよね、やっぱあたしには似合わないかな」 男二人の沈黙を否定と取ったのか、花梨は少し伏目がちになる。 うっ……。 しおらしい花梨の姿に、心臓の鼓動が大きくなる。 それに応じて、股間もますます反応してしまう。 花梨は、伏目のまま顔を赤くしてスカートの裾を抑えている。 抑えきれない本音が、口をついて出てくる。 「……良いんじゃないか?似合ってるし」 「え……?」 ほんと?という表情でこっちを見つめられる。 「ちょっと大胆だけど……良いんじゃねえの。着こなせてるよ」 「……だね。なんか攻めすぎな気もするけど、女の子らしい服も悪くないんじゃない?」 翔太とともに、花梨を褒める。 「や……、やだなもう。困ったからって褒めすぎでしょっ」 途端、顔をぱぁっと明るくする花梨。 「で、でも、お世辞でも嬉しいかな」 テレテレと下を向いて嬉しそうにする。 「いやー、正直お世辞じゃないよ。今日初めてマジマジ見たけど、花梨美脚すぎでしょ。 これは、ちょっと予想外だったわ」 花梨をべた褒めする翔太。
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92 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:21:23.49 ID:ASgcl6BV - 旅行の開放感、昨日の祭りでのやりとり、昨晩の酒盛り、大胆さを増していく花梨。
様々な要因が、二重三重に自分たちから照れを奪っていく。 普段言えないようなことも、簡単に言えてしまう。 「……恭一も、ホントに良いって思う?」 「……ああ。正直すげぇ似合ってるよ。可愛いじゃん」 うおお……勢いとはいえ言っちまったよ俺。 言った瞬間恥ずかしくなるが、何でもないといった風を装う。 「か、可愛い……?恭一が、あたしに……?」 「なんだよ、悪いか」 「……ううん。ありがと。えへっ、なんか着てみてよかったかも。ありがとね、二人とも」 よっぽど嬉しかったのか、にこにこと笑顔になる。 ……旅行中の花梨は、本当に女の子らしい。 正直なところ、女としての魅力を感じてしまっているのは間違いなかった。 「よしっ。じゃあ今日もさっそく行こっか!今日はこの街全体を見てまわるんだし、早く行かなきゃ間に合わないよー!」 はしゃぐ花梨を横目に、翔太とやれやれと顔を見合わせる。 …………でも。 観光にでかけるのは良いけど、今日は一日この格好の花梨と一緒か。 少しはしゃげばすぐにでも見えそうな……。 …………。 いけないとは思いつつも、ムラムラとした気持ちが湧きあがるのを抑えることはできなかった。
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93 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:23:37.14 ID:ASgcl6BV - 「ほら、手」
「うん、ありがと恭一」 「飲み物いる?花梨の分も買ってきてあげるよ」 「ほんとに?助かるよ翔太」 観光を始めてからというもの、ずっとこんな調子だ。 チラと花梨の脚を覗く。 やっぱり、これはエロすぎるって……。 ミニスカートから伸びるむき出しの太ももは、下着が見えるギリギリまで眺めることができる。 歩き始めてからというもの、花梨はずっと周囲の男の視線を集めている。 花梨は気づいてないようだが、あからさまにじっと眺めていく人も居るくらいだ。 実際のところ、花梨の容姿は元から整っている。 それがきちんと女の子らしい格好をすれば、男の目を惹いてしまうのは当たり前なのかもしれない。 しかも、この旅行中に性格でまで女の子らしさを見せはじめている。 ……ここに至って花梨に気に入られたい、花梨の喜ぶところが見たいと思う気持ちが芽生えてきている。 それと……。これは認めていい感情なのかどうかは微妙だが……。 可愛くなった花梨を他の男に好きに見られているということにも、背徳的な興奮を覚えている。 …………。 いや、まぁ女の子らしい花梨に優しくしたいってのが一番の気持ちなのだけれど。 ……翔太はどんな気持ちなのだろうか。 「……はあ。もう、あたしダメだ」 突然自分の腕に何かが触れる感触。 見ると、花梨の手がそっと俺と翔太の腕に添えられている。 「ほんと、ダメ」 何を考えているのかは分からないが、目尻はとろんと垂れ下がっている。 「花梨……?」 「二人とも……やっぱおかしいよ。急に優しくなりすぎだもん。すごく嬉しいけどさ、 二人がそんな感じだと、あたしまで変になっちゃうじゃん。調子、くるっちゃうよ……」 花梨の手が、ぎゅっと腕を掴んでくる。
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94 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:25:24.50 ID:ASgcl6BV - 「……そんなこと言われても。なぁ恭一」
「……そうだな」 「ちょっと、ねぇ……もう勘弁してよぉ……」 「さっき買った荷物重いだろ?無理すんな、持ってやるよ」 「あ、ちょ……。あ、ありがと……。……もぉ、なんなのよぉ……」 こちらを見上げる花梨に対し、『ん?』と不思議そうな顔を返す。 「…………」 見上げる花梨の目尻はさっきよりも落ちてきている。 顔も赤くなり、少し涙を溜めたような目でこっちを見つめられる。 ……ヤバイ。 本気半分冗談半分でからかってみたのは良いけど、花梨が可愛すぎる。 誘うような視線に、劣情が湧き上がってくる。 と、腕にさっきよりも柔らかい感触。 見ると、花梨が俺の腕をさっきよりも強く体に抱き寄せていた。 「…………!」 その柔らかさに、体が固まる。 「か、かり……」 咄嗟に声を出そうとする。 その瞬間、何事もなかったかのように腕から離れる花梨。 「…………」 離れた後も残る柔らかい感触に、心臓はドクドクと脈打っていた。
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95 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:27:34.18 ID:ASgcl6BV - 「……ねぇ。さっきから、すごい視線を感じるんだけど……」
歩き始めてからかなり経ったころ、花梨がそんなことを言い出す。 周りからの視線が気になるのか、スカートの端をぎゅっと抑えている。 しかし、そこは元々ギリギリのミニスカート。 手を添えたところで丈はほとんど変わらない。 「ちょっと恥ずかしいな。あそこの人とか、ずっとこっち見てるし……」 「……今さら何言ってんの。だいたい、花梨みたいな子がこんなギリギリの履いてたら見られるのが普通でしょ」 今さら何を、と翔太が返す。 「そ、そういうもんなの……?」 「……お前そんなことも想像せずに履いたのか。そりゃ見られるにきまってんだろ」 翔太と同じく正直に答える。 「そう……なんだ。……恭一と翔太でも見ちゃう?」 恥ずかしいのか、俯いたまま答える花梨。 「……そりゃ見るでしょ」 「……ああ、まぁ、見るな」 翔太と二人、じっと花梨の足を見つめる。 「あ……」 こちらの視線を感じたのか、花梨は顔を赤くしている。 恥ずかしがって隠そうとするが、ギリギリまで露出した白い脚はどうやっても隠すことができない。 隠そうとして裾や脚をなぞる手が余計にいやらしく感じられる。 「花梨……それ、逆にエロいぞ……」 「……確かに。というか旅館からずっと思ってたけどさ、その格好大胆すぎだって……」 「そ、そんなこと……」 男勢の攻めに女らしい反応を見せる花梨。 自然と気持ちが大きくなってくる。
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96 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:37:11.44 ID:ASgcl6BV - 「てかさ……。花梨が自分でギリギリの履いてるんだから、恥ずかしがるのはおかしいんじゃない?」
「だって……こんなに見られるなんて思ってなかったし」 「いいんじゃねーの別に。誰も知ってる人なんていないんだし。逆に、見せ付けるぐらいの勢いでいっちゃえよ」 「え、ええ……?」 「ここで何をしようと、帰っちまえば何も関係ないんだし。少しくらいハジけたところで問題ないだろ」 ……何てことを言ってるんだ俺は。 「…………そう……かな。まぁ確かに、知ってる人なんて誰もいないけど……」 「まぁ旅行中くらいさ、ちょっと開放的になってもね」 「恭一も翔太も、そうなの?」 「……そうじゃなきゃ、花梨の脚がエロいなんて言えるわけないだろ」 「……ばか」 鼓動が速くなる。 格好つけて冷静ぶってはいるが、心臓はバクバクと脈うっている。 「それに……花梨が他の男から注目されてると……なんつーのかな。ちょっと嬉しいってのはあるかも」 「……そうなの?」 「なんていうか、花梨が注目されてると、ちょっと優越感っていうか」 ……大丈夫か?我ながらもうかなりまずい部分まで攻めてしまっている気がする。 「あー……それは、うん、何となく分かるかもしんない」 かろうじて翔太もノってくれた。 今のは少し危なかったかもしれない。 「優越感?それってつまり、あたしと親しくしてることに対して……ってこと?」 「あ、いや別に深い意味は……」 「他の人は見てるだけなのに、俺達はこんなに仲良いんだぜ、みたいな……?」 「すまん何でもない忘れてくれ」 ダメだダメだ。 なんかもう発言のラインが分からない。 「あ、あたしは別に大丈夫だけどね……?」 「え……?」 「二人とも旅行中すっごく優しいし?なんか、別にそういうノリでも良いかなって。……あ。い、言っとくけど旅行中の話だからねっ?」 花梨はわたわたと話し続ける。
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- 女の子が露出する/させられる小説 その8
97 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:41:28.26 ID:ASgcl6BV - 「恭一と翔太は、あたしが注目されてると嬉しいの?……その、優越感?」
「……うん、まぁ」 「そっか、ならスカート履いてみてよかったかも」 花梨は照れながら答える。 「花梨はどうなんだ?」 「え、あたし……?」 「見られるの、嫌なのか?」 「それは……恥ずかしいよ」 「じゃ、嫌なんだ?」 「別に、……嫌ってわけじゃないけど」 ……心に、悪い滴が落ちる。 「花梨。さっき言ったけど、もう本音で話しちゃっていいんだぜ?」 「……本音。…………。……恭一もこれから全部本音で話す?」 「いいよ、話す」 「翔太も?」 「ん……そうだね、いいよ」 「ほんとのほんとーに、全部の全部だよ?あたしだけ恥ずかしいとか嫌だからね?」 「分かった……全部、本音で話すよ」 「で……?実際はどうなのよ」 「………………悪くは、ないかな」 「………………」 「…………てか、ちょっとだけ……良い」 心臓がドクンと脈打つ。 花梨の返答に、股間がいきり勃つのを感じた。 「……見られるのが?」 「…………そうよ、悪い?」 顔を真っ赤にして開き直る花梨。
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- 女の子が露出する/させられる小説 その8
98 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:44:26.23 ID:ASgcl6BV - 「……」
翔太と二人、少しの間言葉を失う。 『…………ちょっとだけ……良い』 花梨のその言葉に、興奮が湧き上がる。 今まで感じたことのない種類の感情。 底の方から湧きあがってくるような、少し後ろめたい衝動。 俺は……。 「……何よ、引かないって言ったくせに」 花梨は赤い顔のまま、少し涙目になっている。 相当恥ずかしかったんだろう。 「ち、違う。引いてたんじゃなくて。むしろ、なんていうか?……なぁ恭一」 予想以上の答えに翔太も驚いたのか、適当な返事で俺に投げてくる。 「あ、ああ。何て言っていいか、良く分かんないけど。でも……俺はその方が良いかな、なんて」 「……え?」 「あ、いや。見られるのが好きってのも、別にダメなことじゃないだろ。そういうときの花梨、すごい女っぽいし」 「う、うん。まぁ要するに、俺たちはその方が良いってこと」 少し強引目にフォローを入れる翔太。 「そっか、分かった……ありがと」 何に対してお礼を言われているのかも分からないが、ひとまず受け取ることにする。 大体、『男に見られるのがちょっとだけ気持ち良い』なんていう話題に対してどうやってオチをつければいいかなんて、 自分たちにもおそらく花梨にも分かるはずがなかった。
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- 女の子が露出する/させられる小説 その8
99 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:45:55.41 ID:ASgcl6BV - 「はぁ〜……頭重い〜……」
花梨がこてんと頭を預けてくる。 今日の夜も、飲み会は当然のように開かれている。 「か、花梨……」 ち、近い……。 髪から香ってくる匂いに頭がくらくらする。 「ふえー……楽ちん」 俺の胸に頭をもたれかけたままリラックスしているようだ。 一方その脚は、あぐらをかいた翔太の膝に乗せ掛けている。 「お、おい花梨?なんかちょっと、気を抜きすぎじゃ……」 「何よー、悪いー?」 花梨はそのままのけ反るようにこちらを見つめてくる。 「い、いや悪くはないけど。なんか急に恥じらいがなくなったような……」 「……良いのっ」 「ん?」 「恭一と翔太だから……良いの」 …………! だ、ダメだ、可愛すぎる……。 思わず鼻血が出てないか確認してしまう。 「俺は、ただ脚置かれてるだけなんですけど?」 翔太がほんの少し不満そうに漏らす。 「もう、妬かない妬かない。……ほら、翔太も」 俺の胸から体を起こし、トンと翔太の胸に頭を預ける。 「あ……」 翔太はというと、自分で言ったにも関わらずどうして良いのか分からないといった様子だ。 「ほら〜、どうですか?花梨さんにもたれ掛かられた感想は〜?」 花梨はふざけてさらににじり寄る。
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- 女の子が露出する/させられる小説 その8
100 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:49:42.83 ID:ASgcl6BV - 「……や、まぁ……うん」
「……もう、自分で言っといてどうしたのよ」 翔太は目を横に逸らして固まっている。 しかし、その気持ちは十分に理解することができる。 いつもの花梨の扱いには慣れているが、今の花梨となると話は別なのだ。 一日目はまだ、花梨をからかったりできてたんだけどな……。 あのときはまだなんとか平気だった。 今は……正直少し緊張してしまう。 にしても花梨の脚、ほんとに綺麗だな……。 代わって自分のあぐらの上に乗せられた足を眺める。 その肌は透き通るように白く、きめ細かい。 あぐらの上でもぞと動くたびに、男心を刺激される。 ふくらはぎから上に視線を上げていくと、思わず触りたくなるような太ももが――。 「あー……、恭一あたしの脚ずっと見てる」 ……っ! 「わ、悪いか?」 突然図星を突かれて、精一杯強がって見せる。 「あははっ、そんなムキにならないでよ。……全然。恭一なら、見ていいよ」 翔太にもたれ掛かったまま、スルリと脚を立てる花梨。 脚を立てたことで出来た浴衣の切れ目から、誘うように内ももが露出される。 …………もし。もしこれで花梨と二人きりだったなら、俺は今どうしていただろうか。 必要以上に色っぽい花梨に、股間はもう何度目か分からない主張をし続けている。 旅館の一室で酔っ払った男二人と女一人。 一日目と同じく酔っ払った花梨の胸元は軽くはだけ、柔らかそうな胸の谷間が見えてしまっている。 その花梨が、猫のようにごろごろと俺たち二人に甘えている。 こんな状況で興奮しない方がおかしいというものだ。 胸に湧き上がった興奮が、口を軽くする。
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102 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:56:31.58 ID:ASgcl6BV - 「それにしても、今日の花梨の格好はすごかったよな……」
「……そ、そう?えー……、そんなにだったかなぁ」 「いやいや、あれはちょっとエロすぎだって……。脚、ほとんど見えてたじゃん」 「そ、そんなことないでしょっ。ねぇ、翔太?」 「い、いや〜。あれはちょっとエロすぎかな。正直俺も……」 危うくその先も言いそうになってしまったのか、慌てて口を手で押さえる。 「……ふ、ふーん。…………でもそれってさぁ」 花梨がすっと立ち上がり、こちらを振り返る。 ……なんだ? と、花梨の手が浴衣の足元に伸びる。 そして一瞬真っ赤な顔でこちらを見たかと思うと……ゆっくりと、その前を開き始めた。 「……っ!?」 ちょ、え、おい……っ。 少しずつ花梨の脚が露になっていく。 「……」 翔太も固まったまま花梨を見つめている。 「……だいたい、こんなもんでしょ?」 脚をおよそ膝上くらいまで露にして、花梨が尋ねてくる。 「…………」 「…………」 変な空気が部屋にただよい始める。 花梨は顔を赤く染めてこっちをじっと見つめている。 ……興奮が頭を満たしていく。 普段は言えない軽口が口をついて出てくる。
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103 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:57:19.16 ID:ASgcl6BV - 「……いや、そんなもんじゃなかったな。なぁ、翔太」
「…………ああ。こんなもんじゃ……」 漂う雰囲気に押されているのか、翔太は俺の言葉をオウム返しにしてくる。 「……ふーん?」 花梨の脚がもじもじとこすり合わされる。 心なしか花梨の口もとは緩んでいるように見える。 「……じゃあ、このくらい?」 真っ赤な顔で花梨はさらに上まで浴衣を開いていく。 膝上を過ぎ、太ももが見え始める。 「…………」 男二人はその脚に釘付けになったまま、しかし言葉は返さない。 「…………」 ……さらにゆっくりと時間をかけて太ももの半分が露になる。 しかし、花梨の手は止まらない。 さらにそのまま……太ももの真ん中を通り過ぎ……もう、下着が見えそうなほどというところまで……。 「……っ。か、かり……」 「……これくらい?」 花梨、と声をかけようとして、その艶めいた声に遮られる。 「あ……」 「う……」 ほとんど丸見えになった花梨の下半身。 おそらく、後少しでも手を動かせば下着が見えてしまうだろう。 自ら浴衣を広げている手。 頬を染めながらじっとこちらを見つめる目。 聞いたことがないほど艶っぽい声。 その全てにあてられて、動くことも声を発することもできず。 ただ、股間を膨れさせることしかできない。
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104 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 02:58:05.07 ID:ASgcl6BV - 「……」
「……」 部屋に一瞬の沈黙が流れる。 「……なんちゃってねっ。あはは、恭一と翔太固まりすぎっ」 その沈黙を崩すように、赤い顔のままぱっと明るい声を出す花梨。 その声に、我に返ったように体の自由が取り戻される。 「ば、馬鹿。……お、おい恭一、もう寝ようぜ」 「あ、ああ。そうだな、今日はもう寝よう」 これ以上は本当にまずい。 いつ、自分の理性が失われても不思議ではない。 「ごーめーんー。ちょっとからかい過ぎちゃった?」 「う、うるせ」 目の前で勃起してしまったことが今さらながらに恥ずかしくなる。 「……どうしよう。なんか、二人とも可愛い……」 「カッコいいと言ってほしいねー」 捨てセリフを吐きつつそそくさと寝室に戻る準備をする翔太。 「カッコいいよ。カッコいいんだけど……。でも……今の二人は、なんかすごい可愛い」 花梨は翔太の捨てセリフに馬鹿正直に答える。 花梨のやつ、ストレートすぎるだろ。 なんか吹っ切れちまったのか……? と、昼間の自分たちのセリフを思い出す。 『旅行中くらいさ、ちょっと開放的になってもいいじゃんね』 『恭一も翔太も、そうなの?』 ……。 『……本音。…………。……恭一もこれから全部本音で話す?』 『いいよ、話す』 『ほんとのほんとーに、全部の全部だよ?あたしだけ恥ずかしいとか嫌だからね?』 『分かった……全部、本音で話す』 ……まさか、あれで花梨の中の何かが変わったのか? まぁ、今日は考えるのはよそう。 「変なこと言ってないで、寝ようぜ」 「……そうだね」 「あ、あたしも一緒に寝る……っ」 「は、はぁ?」 な……、次は何を言い出すんだこいつ……。 「な、何言ってんだお前」 「だって。せっかくの旅行なんだよ?一人で寝るのって、さびしいじゃん」 こ、これが花梨の本音なのか……? それとも酒で大胆になり過ぎてるだけか? なんにしても、ふっきれすぎだ。 このままじゃ、こっちの理性が……。
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105 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 03:00:05.85 ID:ASgcl6BV - 結局、花梨の頼みを断ることはできなかった。
今の花梨に甘えるようにねだられると、どうしても嫌とは言えない自分たちがいる。 それに、正直言って自分だって嫌なわけじゃない。 ただ、嫌というよりは困るわけだけど……。 「なんか、不思議な感じだね。ふわふわしてるっていうか。別の世界にきちゃったみたい」 横から花梨の呟きが聞こえる。 この部屋に布団は3つ敷いてあり、男二人が花梨を挟むようにして横になっている。 「確かに、現実感はほとんど無いかもな。田舎町だからなのかね」 「田舎ってそういうとこあるよね。生活も雰囲気も変わることで、現実感を失うというか……」 「そうなんだ。なんか不思議だね……」 …………。 話は耳に流れ込んでくるものの、しっかり聞けているかというと良く分からない。 右側から伝わってくる花梨の存在に、自意識のほとんどを奪われてしまっている。 ……正直言って、襲ってしまっても文句は言われないような状況なんじゃないか? ちらと右の花梨を見つめる。 花梨は上を向いているため、その表情は読み取れない。 ……とは言ってもな。 そもそも翔太がいるのに何考えてんだ俺は。 ……俺が変な気を起こして、もし花梨が気分を損ねてしまったら。 この旅行を通して花梨との親密さはさらに急激に高まっている。 今の花梨との関係性が崩れてしまったらと考えると、うかつなことはできない。 「…………」 一日目の夜が思い返される。 あの時のはだけた胸元から見えた花梨の谷間……。 白くて大きくて、本当に綺麗だった。 花梨のやつ、体が女らし過ぎるんだよ……。 と、右側で花梨がごそりと動く。 その動きで、思考が現実へと戻される。 そうだ、変なことは考えなくて良い。 これならまだ、今日の観光のことでも考えてたほうが……。 脳裏にまた花梨のミニスカ姿が浮かぶ。 …………。
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- 女の子が露出する/させられる小説 その8
106 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/01/03(金) 03:03:21.38 ID:ASgcl6BV - 会話が途切れてしばらく経つ。
部屋の端からは翔太の寝息が聞こえてくる。 …………。 脳裏からはいつまでたっても花梨の姿が離れない。 ワンピースではしゃぐ姿。 俺を心配そうに覗き込む視線。 恥ずかしそうにスカートの裾を抑える手。 恭一なら良いよ、と告げたその声。 …………良いか。 本音で話しちまっても良いんだもんな。 花梨だって恥ずかしい本音を話したんだ。 正直な褒め言葉を言うくらい、どうってことないはずだ。 「……なぁ花梨」 「ん……?」 「お前、あんなに脚綺麗だったんだな」 「……どうしたの、突然」 花梨にだけ聞こえるような小さな声で話しかけると、花梨もこちらに顔を傾け同様の小さな声で返してきた。 「いや、今ホントにそう思って」 考えなしに、思うままに言葉をつなぐ。 「ほんとに?……ありがと」 はぁっ、と耳に熱い息がかかるくらいの耳元でささやかれる。 …………ッ。 「正直……すげえ可愛かったよ。今までにないくらいドキドキした」 「…………っ」 花梨が息を呑むのが分かった。 「ずっと寝ようとしてたんだけどさ……なんかずっと花梨のことばっか頭に浮かんできちまって。 それで、何となく話しかけちまった。……すまん、いきなりこんなこと言われても困るよな」 「……ううん。そんなことない…………嬉しい」 ごそりと花梨の体がこちらに寄せられる。 花梨……っ。 湧き上がる気持ちが抑えきれなくなる。 ふと右手に当たった花梨の手の感触。 そのまま反射的に、花梨の腕を握った。
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