- 【朝ドラ】ごちそうさんでエロパロ
603 :名無しさん@ピンキー[sage]:2013/12/18(水) 20:01:53.81 ID:Y33UXKjd - 東京→大阪実家前に京都に着いて
め「あのー、大阪の実家にすぐ行かなくていいんですかぁ?」 悠太郎「京都のご飯、食べてみたいと思いませんか?」 め「うれしぃ♪悠太郎さん、なんで私のしたいことさせてくれるんですか? 私のことが、その、す、好」 悠「ええ、ホンマに好きですよ」 め「あ、あのっ、そうハッキリ言われると、嬉しいんですけど、 でもでも、私そういうの慣れてなくて、なんか落ち着かないっていうか。 嫌味な西門さんでいてくれた方がなんか私は」 悠「素直な僕には魅力を感じない、と言いたいんですか?」 め「だってでも、いつもの西門さんとなんか違うし」 悠「あの、あなたももう西門やから、僕を苗字で呼ぶのはもう辞めてもらえませんか」 京都の町を人力車に乗って移動しながら、二人は口ゲンカをする。 悠「ここ、僕の大学の同級生がやってる料亭なんです」 めい子は、豪壮な門構えの建物に目を見張る。車よせから玄関まで、着物の女達が並び頭をさげる。 年老いた、貫禄のある女性が、悠太郎に近づいて「西門さん、よう来てくれはりました」と挨拶をする。 悠「今日はお世話になります」女将「離れを用意して置きましたさかえ、どうそごゆっくり」 長い廊下を歩き通された離れの障子の向こうには、池と築山の贅を尽くした庭園が見えた。 美しい京料理が次々と運ばれ、感嘆しながらそれを食べ終えた子は、悠太郎が一言も発しないのにやっと気付いた。 め「すみません、はしゃいじゃって。もう食べ終わったから、駅に向いましょう」 悠「なんでです?」 め「なんで、って、大阪には汽車に乗らないと悠太郎さんの家には」 悠「今日はここに泊まります」庭を見たまま悠太郎は言った。 め「えええっ。じゃあ私一人で行けってことですか?」 悠「アホなんか!」今日はあなたは僕とここに泊まるんです」 床の間を背にした悠太郎の視線にめい子はたじろぎ、二人の間に、息苦しい沈黙が降りた。
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604 :名無しさん@ピンキー[sage]:2013/12/18(水) 20:28:49.49 ID:Y33UXKjd - 鳩が豆鉄砲、の表情でめい子が聞く「どうしてですか?」
悠「どうして、って・・・」嘆息混じりに悠太郎がつぶやく。 め「わ、私、こんな凄いところで食事したことなくて、ご飯おいしくて それだけでもう、本当にもう、ありがたくって、 なのに、こんな凄いところに泊まったりしたら、それこそバチあたりそうだし それに、床の間に立派な掛け軸かかった部屋で糠床かき回すのも気がひけるっていうか 糠臭くしちゃうと申し訳もないっていうか、それで」 悠「僕と一緒に泊まる、のがそんな言い訳並べなあかん程、嫌、なんですか?」 さっと立ち上がると、悠太郎は「庭を散歩してきます」と言って、障子を空け広い庭に出て行った。 鮮やかな緑の中を歩く白いシャツをきた大きな背中にはイラだちと、寂しさが滲んでいて、 皮肉屋で頭が良くて誠実で冷静な大人、だった西門悠太郎に内在する傷つきやすさ、に めい子が気付いたのは、この時だった。慌てて座敷を出て、悠太郎を追う。 め「西門さん!」めい子の声が聞こえる距離なのに、悠太郎は足を止めない。 め「悠太郎さん、待って!」悠太郎は歩みを止めたが、振り返らないので白い背中に向けてめい子は小走りに走った。 きゃ、という軽い悲鳴に振り返ると、転んだめい子が半身を起こそうとしていた。 悠「堪忍や、怪我してないか?」め「えへへ、振り向いてくれましたね」 悠「え?」め「転んでなんかいませ〜んよ〜」そう言うめい子は足袋裸足なのに悠太郎は気付いた。 悠「あなたはアホなんか、強がりなんか、どんくさいんか、たぶんその全部、ですね」 め「そぉーですよー、おまけに怠惰で何の魅力もなくて」 悠「僕、そこまで言うてへん」 め「言いましたよぉ。私、あれですっごい傷ついたんですから」 悠「停戦ラッパを吹きませんか?」め「はい」。 悠「素直なあなたにもう1つ」め「なーんでしょ」 悠「足袋がそれ以上汚れへんように、僕の背中におんぶされてください。」 め「さっき食べたばっかりで重い、ですけど」悠「知ってます」 父ではない男性におんぶされるの初めてだ。 悠「僕の首に手をまわしてください。そやないと背中から落ちそうや」 め「私を子泣き爺いみたいだって思ってるんですか?」 悠「あなたは、ほんまは物凄い負けず嫌いでしょう」 悠太郎の首に回しためい子の腕は、急に熱を帯びた。ひんやりとした絹の着物もその熱をとどめてはくれない。 さっきまで遠かった、彼の白いシャツは、清潔な糊の香りがした。 卯野家を出てから下宿した先で、誰が悠太郎のシャツをキレイにあらってアイロンをかけたんだろう。 帽子を被った、美しいあの人だろうか、めい子の脳裏に、亜希子の顔が浮かんだ。 でもこれからは、私がこの人のシャツを洗い糊づけしてアイロンをかけるのだ。 シャツ越しに伝わる、男の肉体の生々しさに戸惑いながら、めい子は思った。
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605 :名無しさん@ピンキー[sage]:2013/12/18(水) 20:43:29.78 ID:Y33UXKjd - 靴脱ぎ石から廊下に腰掛け、背中のめい子を悠太郎は注意深くおろした。
め「ありがとうございました、本当に私重くて」 悠「足袋、脱いだほうがええですよ、座敷汚したらあかんから」 め「そうですね、そうでした」 素直に足袋のこはぜを外して足袋を脱ぐとき、裾から覗いた脛の思わぬ白さに悠太郎はたじろいだ。 悠「僕、ここの築山から見る東山連峰、好きなんです。そやし、見に行ってええですか?」 じゃあ、私も一緒に、と言いかけためい子は、衣紋掛けにかかっていた悠太郎の上着を取り 「日が落ちると寒いですから、来て行ってください」と言った。 悠太郎は、はにかむように笑い「なんや、僕の奥さんみたいですね」 め「だって、奥さんですから」悠「そうでした」。 一人になっためい子は、長机から食器がきれいに取り除かれ、部屋にはお香が焚かれていた。 襖で区切られた次の間には、布団が二つ並べられて敷かれているのは見なくてもわかった。 (覚悟、決めなきゃ。悠太郎さんだって、たぶん怖いんだもの) 下げてきた旅行鞄から、まずは悠太郎の寝巻きを、と思ったが 衣紋掛けの下の漆の衣装箱に、二人分の浴衣が置いてあるのに気付き、悠太郎が戻ってきたらそれを渡そうとめい子は思った。
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606 :名無しさん@ピンキー[sage]:2013/12/18(水) 21:05:10.66 ID:Y33UXKjd - どうしたもんか・・・、東山が夕日に染まるのを見ながら、悠太郎の思考は停滞したままだ。
西門の姉はは手紙の結婚報告を無視し続け、卯野家の両親の快諾は得たのに祝言は未定、 戸籍上はまだ卯野めい子と西門悠太郎のまま、だ。 (でも、僕とあの人は、夫婦なんや)、姉と義母と妹の同居するあの家に戻る前に 自分とめい子は、名実ともに夫婦になっておく必要がある、と判断し、 友人の実家であるこの料理旅館で一泊することに決めたのだが、 事前にめい子に告げなかったのは、卒論と、就職の準備で忙しかった、のは言い訳、だと自分でも思う。 あの姉が素直に祝言を認めるとは思えないし、何より父でさえ逃げ出したあの家にめい子が耐えられないかもしれない、 いつまでも娘の立場があやふやなら、卯野家の両親の寛容も限界があるだろう。 周囲の軋轢が夫婦の絆を破った時、めい子をできるだけ無傷に解放してやる唯一の方法は 彼女を独身時代のままにしておいてやることじゃないか 自分から逃げないように、少女というより子供の彼女を妻にしてしまうのは、自分勝手じゃないか、 逡巡する思いを抱えた悠太郎は、竹刀と面と自己鍛錬だけがそこにある道場に今一度戻りたくなった。 ゆっくりと落ちる西日を全身に浴びながら、人より早く大人になったつもりでいた自分もまた子供でいることに しぶしぶではあったが、悠太郎は認めた。 部屋に戻ると、めい子の姿はなく、一瞬焦ったが、衣紋掛けに彼女の羽織がかかったまなので安心して 持ってきた本を読んでいると、廊下を走る足音がして、襖がスパーンと開いた。 悠「いきなり襖をあけるのは」と悠太郎がいつもの皮肉を言いかけたが め「すみません、先にお風呂、行っちゃいました」急いで戻ったんだろう、洗い髪は水で濡れ 湯気で浴衣が張り付いてる妻の姿に、悠太郎の動悸が激しくなる。 悠「湯冷めせえへんように、ちゃんと髪拭いてください」 め「あ、は〜いはい、っと」悠「あなたは、ほんまに、なんでそう」 め「悠太郎さんもお風呂、言ってきてください。湯船広くて気持いいですよ」 悠「どのくらい広いんですか?」め「大阪城のお堀くらい?」悠「まだ、見てへんでしょう」 め「明日、見るんですよね」悠「ええ」 めい子の差し出した、浴衣と手拭を受け取り、悠太郎は湯殿へと廊下を歩いた。
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