- キモ姉&キモウトの小説を書こう!part43
544 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/11/17(土) 17:08:59.05 ID:WccxAaRO - 投下します。
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545 :水面下の戦い3[sage]:2012/11/17(土) 17:10:34.88 ID:WccxAaRO - 飛び出した妹の後を追う。
誤解を解くのもあるが、もう暖かい季節ではないためほおっておくと風邪をひくかもしれない…。 ―――見つけるのにそれほど苦労はしなかった。 その昔、よく遊んだ公園のブランコに座っていた。錆びてボロボロのやつだ。 公園内は土曜日だというのに妹以外に誰もいなかった…。 それが余計に寂しさを感じさせた。 「はぁ…。聞いてくれ、あれはただのマッサージだ。何もしちゃいないよ」 「………」 「…昨日のすき焼きの一件で根に持ってるだけだと思う。姉さんにしてみればただの軽い冗談なんだろうけど」 「………」 「何も俺だって好き好んでやったわけじゃないぞ」 「……正直言って、あんな光景を見せられれば不快になります」 「あぁ、それは悪かったよ。きっぱり断るべきだった」 「兄さんにまともな倫理観があるのか疑いました。―――まさか姉さんの身体に興奮していませんでしたよね?」 ―――!!さすがに鋭いな…。 思い返してみれば、確かにまともじゃない。 妹に対して自分が酷く情けない存在に思えた。 「どうも兄さんは女性というものをよく分かってないようですね」 「あ、あぁ…。付き合いがあまりないからな…」 ゼミ仲間でいないこともないが… 「恋人をつくろうとは思わないんですか?」 「これでも頑張ったことはあるさ…でもな……」 高校の頃は、合コンとかにも参加して頑張った時期はあった。 だが、メアドがいつのまにか消えたり、次に会ったときには避けられてたりと不可解なことが続いて結局今の状況にいたるわけだ。
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546 :水面下の戦い3[sage]:2012/11/17(土) 17:11:25.55 ID:WccxAaRO - 「―――――――――まぁ、雌犬どもには触れさせませんが…」
「ん?なんか言ったか?」 「いえ、ともかく今回は姉さんだったものの、もし詐欺目的で近づいてきた相手だったらどうなっていたか…想像したくありませんね」 「!!」 確かにそうだ。色仕掛けと口八丁に乗せられて、どんどん悪い方向へ…。 妹はここまで考えていてのか…。 「そこで兄さんには訓練が必要です」 「訓練?」 「女性が普段からどういう風に考えているか、それに対してどう対応するか、などを交流を通じて学ぶのです」 「しかしどうやって…」 「早速明日から始めましょう。お相手は不服ですが私がします」 「え!?いや、それは…」 「―――何ですか?兄さんの為なんですよ。大事な家族が自己破産しないように心配しているのに」 「ま、まだそうなるって決まったわけじゃないだろ…」 「そうなると私や姉さん、今はいない両親にも顔向けできないでしょう?」 「妹とデートまがいのことをするのもどうかと思うぞ」 「そもそも、兄さんに相手がいればこんなことしなくて済むんですよ。少しは反省してください!」 日曜日、今日は妹の付添で街に買い物に来ている。 結局、半ば強引に話を決められてしまった。 ちなみに馬鹿姉については… 「姉さんには私から言っておきます。今日一日は任せてください」 などと言われてはどうしようもない。 仕方なく部屋に閉じこもっていたが、リビングからは姉妹が喧嘩しているのが聞こえた。 内容まではわからなかったが…
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547 :水面下の戦い3[sage]:2012/11/17(土) 17:12:30.70 ID:WccxAaRO - 「兄さん、これはどうですか?」
と、買い物中だったな…。 「う〜ん…なんか高校生の着る服にしては大人びてないか?」 「もうちょっと、気の利いたこと言ったらどうですか?」 「―――でもまぁ似合うよ、うん」 「兄さんにファッションについて聞いた私が馬鹿でした…」 「悪かったな、オイ」 買い物と言っても、金はないのでほとんどがウィンドウショッピングになったが。 いくつかの店舗を周りつつ大通りを歩く。 「…なぁ?」 「はい?」 「…手をつなぐ必要があるか?」 「これも勉強です。女性をエスコート出来るようになれば、好感度もあがりますし、何より舐められなくなります。」 とはいえ、相手が妹なのでやはり複雑だ…。 ふと、疑問に思ったが妹はデートの経験があるのだろうか? ―――昼になり、オシャレなイタ飯屋で昼食を摂ることにした。 「ここのカルボナーラは美味しいんですよ」 「ほぅ…どれどれ」 「この、パニーニもなかなか…」 「ここにはよく来るのか?」 「ええ…、たまに友達と…」 「ふーん」 ―――今気付いたが、まわりはカップルだらけだ…。 落ち込む俺とは対照的に妹は上機嫌だった。
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548 :水面下の戦い3[sage]:2012/11/17(土) 17:13:16.28 ID:WccxAaRO - 「友達って男友達か?」
「…気になります?」 「そうだな…、妹の彼氏の顔ぐらいは知っておきたいかな」 「ッ!彼氏なんていません!!」 「お、おいどうしたんだよ?急に…」 「別に…」 どうもタブーだったようだ…。 メニューを注文して、あとは待つだけになったが―――。 「……」 「……」 さっきので一気に気まずい感じになったな…。 「………私は―――」 「あれぇ?!ここでどうしたの?」 驚いて声のほうへ振り向くと、同じゼミの顔馴染みがいた。 「大声でいきなりびっくりさせんな」 「それはこっちよ、こんな可愛い娘と二人で何してるのよ。デート?」 「こいつは妹だ、顔は似てないが…」 「へー、妹ちゃんがいたなんてね〜。あ、どうもお兄さんと同じゼミで勉強してます」 「――――――どうも…」 「たしかにぜんぜん似てないわね、あんただけ川沿いで拾われてきたんじゃないの?」 「歩くスピーカーは粗大ゴミで捨てられるべきだな…。で、なんでお前はここにいるの?」 「私もよくここに来るのよ。…ね、一人じゃ寂しいから席、一緒でいいかな?」 「え?―――それは…」 妹を見ると明らかに不機嫌だった―――。 断るべきか…。
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549 :水面下の戦い3[sage]:2012/11/17(土) 17:14:09.86 ID:WccxAaRO - 「あぁ…俺ら―――」
「いえ、構いませんよ」 「えっ?」 「大学で兄さんが迷惑掛けていないかも気になりますしね」 「ふふ、ありがと。でも君のお兄さんはチャランポランに見えて意外にしっかりしてるのよ」 早くも二人してガールズトークに華を咲かせている。女性同士はこうも打ち解けやすいものなのか? 食事を楽しみつつ適当に相槌を打つ内に時間は夕方近くなっていた。 話すだけ話すとあいつは帰って行った。―――正直、長話はシンドかった……。 「“イイヒト”そうですね、兄さん」 「多少、KYだがな」 「数少ない女性の“トモダチ”は大事にしないとダメデスヨ?」 「痛いところをつくな…」 まぁ事実なんだが…。 「とりあえず要マークですね…。ふふ…私も人のこと言えませんね、兄さん?」
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550 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/11/17(土) 17:14:46.59 ID:WccxAaRO - 投下終了です。
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