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名無しさん@ピンキー
第六章 夜陰嫋々のダブルムーン(1)
シュタインズゲートのエロパロ 4

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シュタインズゲートのエロパロ 4
440 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/11/12(月) 23:10:14.81 ID:nmFtx7Zz
こんばんはー
今宵も更新に来ましたー
シュタインズゲートのエロパロ 4
441 :第六章 夜陰嫋々のダブルムーン(1)[sage]:2012/11/12(月) 23:13:52.44 ID:nmFtx7Zz
6−2:2011/02/12 10:08 ブラウン管工房

2月12日、土曜日、早朝。
ブラウン管工房の店番をしている桐生萌郁の前に、岡部倫太郎がいた。

「よそ行きの……スーツ?」
「ああ。お前が仕事しているあの編集プロダクションからコネをつけられないか?」

現在店内には店員たる桐生萌郁が一人だけ。
彼女が真面目に仕事している事をいいことに、この店の店長にしてビルのオーナーでもあるミスターブラウンこと天王寺裕吾は、最近娘の綯とよく出かけてゆく。
遊園地に行ったり、映画を見に行ったり……凡そ店長を自認する者にあるまじき行為である。
だがアナログ放送の終了を半年後に控えたこの時期に今更ブラウン管を購おうとする者は皆無といってよく、結果この店は常に閑散としていた。
だからこそ岡部倫太郎も気軽にこうして立ち話ができるわけだ。

「できると思う……けど」
「けど……なんだ」

すぐには返事をせずに、携帯電話を取り出す桐生萌郁。
そしてその指先を高速で動かすと、瞬く間に文面を打ち込んでゆく。
一瞬の間を置いて岡部倫太郎の携帯が鳴った。
いつものように取り出してみると、やはりというか彼女からのメールであった。

『そんな服着て岡部君どこに行くの! 誰と行くの!
 すっごい気になる〜!
 ね、教えて! ><』

「別にいいではないかそんな事は。誰にでもプライベートというものがある。無論この狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真にもな!」

岡部倫太郎が名づけた彼女の二つ名……『閃光の指圧師』の異名に相応しく、瞬く間に返信を打ち込んでゆく桐生萌郁。
この世界線の彼女は昔ほどには携帯依存症ではなくなっていた。だがそれでも長い台詞を喋るのはまだ苦手なようで、そうした時は未だこうして携帯に頼っている。
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442 :第六章 夜陰嫋々のダブルムーン(1)[sage]:2012/11/12(月) 23:16:25.28 ID:nmFtx7Zz
『だってだって気になるんだも〜ん! ><
 椎名さん? 牧瀬さん? フェイリスさん? それとも漆原君?
 あ、もしかしてもしかすると桐生さん?
 つまり……私!?
 きゃ〜! 岡部君ったら岡部君ったら!////
 年上のおねーさんをたぶらかして何しようっていうの〜? コノコノー(*^^*)>』

「……待て、色々ツッコミどころはあるがその前になぜルカ子が入っている」

 やや声を引きつらせて岡部倫太郎が突っ込むと、それ以上の速度で彼女の返信が届く。

『私の口からそれを言わせたいの?!
 んも〜、岡部君ったらお・ま・せ・さ・ん!
 今はまだお昼だよー! そういうアブナイお話は夜に二人っきりで……ね☆
 やだーもう、こんなこと女の口から言わせるだなんて岡部君のたらしー! 天然ドSー! ><』

「ダメだこいつ……早く何とかしないと……」

『きゃー! きゃー! なんとかするだって!
 岡部君になんとかされちゃう〜!
 岡部君のえっち! ><』

 一見するとなんとも和やかな会話を交わしているように聞こえるが、実際言葉を発しているのは岡部倫太郎ただ一人。
 桐生萌郁は彼の前で無表情に携帯電話を構えているのみだ。

「ええい、馬鹿なことを言ってないで、どうなんだ、できるのか、できないのか!」

『うう……ひどい
 岡部君に馬鹿って言われた……(T_T)
 それにいきなり怒鳴るなんて……』

「あ、ああ、すまなかった。怖がらせるつもりはなかったのだ。それで……どうなのだ?」
シュタインズゲートのエロパロ 4
443 :第六章 夜陰嫋々のダブルムーン(1)[sage]:2012/11/12(月) 23:17:50.18 ID:nmFtx7Zz
『ううん、大丈夫。からかった私も悪かったんだし。ゴメンネ☆
 服の件はたぶんなんとかなると思う。
 でも……岡部君も知り合いだよね? 自分で頼めばいいのに』

「俺は知り合いと言っても単なる顔見知りだからな。今ではお前の方が親しいし付き合いも長いだろう」

岡部倫太郎の言葉に納得したのかしないのか、桐生萌郁は暫しの間無言のまま動きを止めた後、再び高速でメールで返信をする。

『それはそうだけどー……
 そうだ、それじゃあ岡部君のお願い聞くかわりに、私の方からもいいかな?』

「むむ、交換条件というわけか。なかなかやるな指圧師。いいだろう、話を聞こうではないか」

『あのねあのね、私が実はケータイ小説書いてるって話は前にしたよね?
 それで今ちょっぴり困ったことになってるの。』

「困ったこと……? どうした、スランプか何かか」

『スランプっていうか……う〜ん、そうなのかな?
 あのね、ヒロインが男の人に告白されるシーンなんだけど、男の人の告白セリフがなかなか出てこないのー! ><
 なんか考えても考えても陳腐な台詞しか浮かんでこなくて……
 岡部君も何か考えてくれない?』
シュタインズゲートのエロパロ 4
444 :第六章 夜陰嫋々のダブルムーン(1)[sage]:2012/11/12(月) 23:19:08.65 ID:nmFtx7Zz
「こ、告白のセリフだと?! そんなものこの狂気のマッドサイエンティストたる鳳凰院凶真にとって専門外だぞ?!」

あからさまにうろたえる岡部倫太郎。
それはそうだろう。むしろ女性の心を動かす言葉なら今の彼の方が教えを請いたいくらいだろうから。

『でもでも、二人で考えれば何かいいアイデアが出るかもしれないしー
 ね、告白なんて全然されたことない寂しい私を助けると思って……手伝って! お願い! ><』

むむう、と考え込む素振りをする鳳凰院凶真。
だが……彼の答えはとうに決まっていた。

「……仕方ない。最初に頼みごとをしたのは俺の方だしな。わかった、手伝おう。だが期待はするなよ。天才科学者たるこの俺はそういった事は正直不向きなのだ」

両手を挙げてやれやれ、といった風情の岡部倫太郎。
桐生萌郁は……携帯に目を遣りつつ、だがやがて彼に向き直ってぼそり、と己の唇で呟いた。


「……ありがとう」


ようやく彼女の口から出た言葉に、岡部倫太郎は苦笑しつつも肩をすくめる。

「なに、ラボメンの悩みは俺の悩みだ。確か締め切りはもう少し先だったな。今からは無理だが数日中に時間を作る、それでいいか?」
「わかった……」
「よし、契約成立だ。なあに、たとえ専門外のことだろうこの鳳凰院凶真に任せておくがいい! 必ずや全読者感涙のセリフを考えてやろう! フゥーハハハハハ!」
「……お願い」

店内に響き渡るような大声で笑い出す岡部倫太郎。
彼を見つめる桐生萌郁の顔は……無表情ながら、どこか嬉しげに見えた。
シュタインズゲートのエロパロ 4
445 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/11/12(月) 23:21:39.02 ID:nmFtx7Zz
というわけで今宵はここまでー
ラボメンwithついった
いいよね
実はルカ子ルートと萌郁さんルートはフェイリスルートの舞台裏でもあったりします
それではまた次回〜 ノノ


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