- なな板TRP系・準TRP系スレ総合エロパロ
132 :魏永琳 ◆vbeE6DkMGw [sage]:2012/07/25(水) 21:29:18.39 ID:zF0UA1Xs - 気炎を吐いて渾身の突き!
風を切り裂く槍突撃は、まさに会心の一撃に見えた。 でも……破壊力抜群の刺突は、アボガードの丸っこい胴体を貫かない! 槍の先端が胸先に達する寸前で、アボガードが素早く楯を動かす。 「戦いとは、力だけでは無い事をお見せしよう!」 「弾かれたっ!?」 槍の穂先を横から叩かれて、攻撃の軌道を外側に逸らされた! 饕餮を弾いたのは相手の構えた茶色の楯。装飾と外観からして木製。 まさか、そんなもので百斤もの槍を弾くなんて! 確かに百斤の槍と言っても、先端部分は軽い。 それなりの質量と速度があれば、弾いて角度を変える事くらいはできる。 理屈ではそうだけど、互いに高速突進してる中でやってみせるなんて! 一瞬以下しかない機会を窺って、精密に楯を動かしたんだから、凄い胆力としか言いようがない。 「隙だらけだぞ、乙女御よ!」 アボガードの根棒が水平に振り抜かれた。 うぅ……これはまずい。 長槍は接近されれば為す術が無いのだ。 「んぐっ」 即座にお腹に打撃が来た。 突進の速度が加わってるから、棍棒の攻撃もかなりの威力のはず。 普通なら骨が折れてもおかしくない。 だけど、あたしが着ている服はリキッドアーマーって種類の防護服! この服は強い衝撃を受けると、瞬間的に硬くなってダメージを軽減してくれる。 お腹のダメージは思いっきりビンタされた程度で、骨は折れてないみたいだった。 打撃を受ける瞬間に両足に力を込めていたので、赤兎からの落下も何とか免れている。 両者ともに踵を返すと二合目の攻撃。 突進する最中、急にふらふらと赤兎の走行が揺れ始めて、すぐに濛々と土煙が立ち込めた。 なになにっ、何が起こったの! また魔法? それとも地震!? えーい、こうなったら! 「赤兎、跳ねて!」 あたしは騎獣を高く跳躍させる。土煙の煙幕が届かない場所まで。 ここなら畑の全景が見渡せるのだろうけど、あたしが見るのは目前の敵のみ! 緑のライオンに乗るアボカド向けて放物線の降下。 急下降しながら、槍の角度を変化させて軸を合わせる。 アボガードは煙の煙幕で、あたしが頭上から迫ってることには……気付いてない。 「上だよ!」 不意討ちではなくて、正々堂々と戦って倒したい。 だから、あたしは相手が聞こえるように声を張り上げた。
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