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スクール・パンデミック
不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part17

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不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part17
271 :スクール・パンデミック[sage]:2012/07/25(水) 00:46:26.58 ID:GQ21fnLz
「あー、もう!集中できないじゃんか!!」

別に何が悪いというわけではない。強いて言うのなら文香が悪いのだが、それを否定するかの如く大きな声を出す。

「なーんか、今日変よ?」

腰かけてた場所からすっと立ち上がり、ちょっと短めのスカートの後ろの部分を両手ではたくと、
件の場所へスタスタと歩み寄ると、しゃがみこんでその辺りをじーっと観察してみる。
特に何もない。いつもと変わらない屋上の床がある。
しかし雰囲気が少しばかり違う。そう、普段からここを使っている文香でなければわからないような。

「普段から観察することを心がけていれば、ちょっとした変化にも気付くものさ…」

まるで、昔のイギリスの名探偵がいいそうなセリフを呟きながら、その辺りを撫でてみたり、コツコツと叩いてみる。
隣に髭の中肉中背の紳士がいれば、絵になるやもしれなかったが、これではただの不審者、いや残念な美少女である。

「…うっさい」

自分の脳内妄想にツッコミをいれながら、コツコツと叩き続ける。
と、

カンカン

明らかに先ほどとは違うがらんどうな音がした。

「見つけたよ!ワトソン君!」

思わずガッツポーズをしてから、慌てて辺りを見回してほっと溜息。

「こういう音がする時は下に何か空間があるって、ホームズ先生も言ってた!」

どうやら、彼女はドイルも愛読しているらしい。はて?ドイルは古典だったかな…

文香は嬉々として、その辺りを念入りにまさぐってみる。と、
ビンゴ。
直径わずか4センチくらいのくぼみがあった。上手い具合に指もひっかけられそうだ。

「よいしょ…っと!!」

腰を入れ、両手で思い切り引っ張りあげる。
が、湿気をすった古い木独特の感触で中々動かない。

「まさかスライド式?」

なんて考えてるうちに抵抗がすっと軽くなる。
まずいと思った時には後の祭り。思い切り尻もちをついてしまった。

「あいたたた…」

お尻をさすりながら、ぽっかりと空いた空間を見てみる。
縦横がそれぞれ50センチくらいの大きさで、覗いてみるとちょうどいい具合の場所に階段があった。



不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part17
276 :スクール・パンデミック[sage]:2012/07/25(水) 23:20:35.35 ID:GQ21fnLz
こんばんはー。

今回も書きながらの投稿となります。期待に応えられるかはわかりませんが、
よろしくお願いします。

このシーンが終わるといよいよエロエロ?になる予定です。
それではどうぞ。
不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part17
277 :スクール・パンデミック[sage]:2012/07/25(水) 23:21:53.79 ID:GQ21fnLz
「何というご都合主義!何というテンプレ展開!」

如何にも隠し部屋ですと言わんばかりの階段。
そして狭いながらも下に降りて行けるスペースを見て文香は一人ごちる。

「でもこういうのってワクワクするよねー」

埃がちょっと多いのが気になったが、好奇心の方が優に勝ったのは言わずもがな。
頭をぶつけないように慎重に降りていくと、12畳くらいのスペースがあった。
案の定、埃くさい。

「こんな部屋あったんだー。知らなかったな…」

左手で鼻口を押さえながら、右手を顔の前でパタパタさせる。
所謂、うわーっ、埃くっさーというモーションだ。
それにしても、旧校舎内は隈なく散策したはずだが、こんな部屋があったとは意外だった。

「上以外に出口ないのかな?」

辺りをきょろきょろしてみると、割としっかりしてそうな扉があった。
近寄ってみると、どうやらこちらか押すタイプのようだ。

「よっと!…あれれ??」

ノブに手をかけて押したが、ピクリともしない。
さては自分の勘違いかと引いてもみたが、こちらもダメ。

「あーあ、扉の向こうに何か置いてあるのかなぁ」

推測すると場所的には隣は理科室か何かだったような気がする。
ならば物があっても仕方ないと、自分を納得させると、文香は改めてこの隠し部屋を眺めてみる。
入ってきた時は気づかなかったが、棚がたくさん置いてあり、物置として使われていた雰囲気を醸し出している。
最も今は埃だらけであったが。
そして部屋を見回していてあるものに気がつく。
不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part17
278 :スクール・パンデミック[sage]:2012/07/25(水) 23:22:31.01 ID:GQ21fnLz
「本?」

古そうな装丁の本が何冊も平積みにされてるのが見えた。ちょっと背を伸ばせば届きそうなところにある。
手にとってみて、文香は愕然とした。


「え?枕草子?」

慌ててページを開いてみて、更に驚愕する。
今時の本ではなく、江戸時代以前に作られたような、紐でしばって製本されたものだ。
当然中の文字も印刷ではなく、手書きの筆のようだ。しかも驚くほど状態がよい。

「これは読めるかも…?」

興奮した文香は枕草子があった近辺を探す。

「うわ、隣は土佐日記?新古今和歌集?」

有名どころと言われる作品がいくつもあった。しかも全部枕草子と同じような状態。

「これすごいよ!」

中には当然読んだこともあるものも見つかったが、それでも文香の興奮は醒めない。
再度見渡してみると、結構な量があるようだ。
学校の図書館にある古典文学はあらかた読み尽くしかけていた文香にとって、
これは僥倖と言えた。

「毎日通うしかない!」

しかし、生憎本を読める環境ではなさそうだ。

「借りてもいいよね?この埃の積もり具合だとかなりの年月読まれた形跡がないし」

本も埃積もるよりは、読まれた方が本望、なんちって、てへぺろと付け足す。

「でも何でこんなにたくさんあるんだろう?昔のお偉いさんにマニアがいたとかかな?」

首をかしげて考えるが、すぐやめる。

「まぁ、それはいいか。とりあえずその人には感謝しないとね!」

そして文香は棚に向き直り、パンっと顔の前で手を合わせる。

「では借りていきまーすっ」

鼻歌を歌いながら、スキップしそうな足取りで、数冊の本を抱えて文香は外に出た。






床に自分以外の足跡があったことに気付かずに…


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