- 【ドラマ】鍵のかかった部屋でエロパロ Room#3
217 :194[sage]:2012/07/07(土) 13:16:49.97 ID:3f5AMw8t - コメントくださった皆様、ありがとうございます。
ブラック榎本監禁編、完結させましたので投下します。 ブラック榎本のはずが完璧にただのへたれになってしまい申し訳ありません。 次は榎青の明るい話考えます。
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218 :すれちがい。そして、わたしのもの 1/7[sage]:2012/07/07(土) 13:18:14.16 ID:3f5AMw8t - 弁護士という仕事は、思考放棄してはおしまいだ……と、尊敬する上司に教えられた。
残念ながら、弁護士は純粋なる正義の味方とは言えない。依頼人を助けるのが弁護士の仕事ではあるが、依頼人は必ずしも善人ばかりとは限らないのだ。 依頼人が全員冤罪であり、その無罪を証明するのが仕事の全てならば、それは誇れる仕事となるだろうが。生憎、現実にはその逆で。そして、その犯罪に巻き込まれた人達から見れば、弁護士は悪の手先となるだろう。 それでも、弁護士は社会に必要な存在だ。自分達がいなければ、誰も加害者の訴えを聞くものはいなくなり、その犯罪の裏にどのような思惑が、事実が潜んでいたのか、知る者は誰もいなくなる。 だから。 例え被害者が自分という状況下でも。単純に加害者を憎んで終わるわけには、いかないのだ。 榎本がいない間。マンションに一人取り残されている間。暇つぶしに掃除をしたり本を読んだりしながら、純子は、必死に考えていた。 榎本が何を望んでいるのか。何が目的なのか。何度も何度も問いかけて、断片的に得た情報から、自分なりに納得いくストーリーを組み立てようとした。 そのストーリーがあっているか間違っているかは、この際どうでもいい。自分自身が納得できればそれでいい。 納得できないまま状況に流されるよりは。例え自意識過剰でご都合主義なストーリーであっても、納得して身を任せる方が余程マシだ。 (榎本さん) わたし、あなたを信じたいんです。あなたを嫌ったり憎んだりはしたくないんです。 だって、わたし達は…… 監禁二日目。その日も、榎本は昨日と同じ時間に帰宅し、同じように夕食を用意してくれた。 思いついて自分がやると申し出てみたが、「結構です」と突っぱねられてしまった。 それが、純子に申し訳ないと思っているからか、あるいは料理の腕を信頼されていないのか。その反応から図ることはできなかった。 今日はちゃんと昼食を頂きました、と伝えると、相変わらず「そうですか」と素っ気ない返事がとんできたが。「美味しかったです」と続けると、昨日と同じく、照れたように顔を伏せられてしまった。 思った通りだ。状況を除けば、その反応は普段の榎本と何ら変わるところはない。榎本の本質は、何も変わっていない。 だったら。 「――榎本さん」 「はい」 夕食と風呂の後、寝室に引っ張り込まれたのは、昨日と同じ。 無表情に自分にのしかかってくるのも、昨日と同じ。そして、恐らく。このまま黙ってされるがままになっていれば、やはり結果も同じになるのだろう。 榎本は自分を抱かず、指と舌で満足させられて、それで終わり。そして、明日も、明後日も、きっと同じことの繰り返し。 「榎本さん……」 覆いかぶさる榎本の首に両腕をまわして、そのまますがりついた。純子の反応に、榎本は一瞬驚いたようだが、行為はすぐに再開された。 パジャマをはだけられ、風呂上がりの、下着もつけていない素肌をその目の前にさらす。最初のうちこそたまらなく恥ずかしかったが、三回目ともなればいい加減慣れてくる。 繊細な愛撫に耐えながら、純子は、必死に冷静さを保とうとした。欲情に押し流されてはいけないと、唇をかみしめて、必死に耐えた。 目の前の胸板に指をはわせ、お返しとばかりに、パジャマのボタンを外した。意外なまでに筋肉質なその身体に思わず目を見張る――視線をあげれば、積極的な純子に、榎本も驚いているようだった。 「榎本さん」 ぐいっ、と上半身を持ち上げ、初めて、純子の方から唇を重ねた。 一瞬の硬直。純子が待ち望んでいた、榎本の隙―― 「!!」 「……榎本さん」 おそるおそる手を引いた。柔らかいパジャマの生地の上からでは、間違えようもない。生々しい感触に手が震えたが、それを汚いものとは思わなかった。 「やっぱり……」 「青砥、さん」
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219 :すれちがい。そして、わたしのもの 2/7[sage]:2012/07/07(土) 13:19:21.84 ID:3f5AMw8t - 「やっぱりそうなんですね。あなたは……」
わたしを抱かなかったんじゃなくて、抱けなかったんですね。 そうつぶやくと、榎本の表情から、一切の感情が消えた。 それは男性にとっては相当に屈辱的な指摘だったのではないか、と思うが、構ってはいられない。純子だって必死だった。この状況から逃れるために必死に考えた。 拘束され、監禁された。自由を奪われ、身体を弄ばれた。 そう聞けば、誰だって、純子は榎本に強姦されたのだと――監禁もそれが目的だったのだと、思うことだろう。実際、純子も最初はそう思った。 けれど、違った。それはきっと、大きな勘違いだった。 初めて触れた榎本の下半身は、純子の裸を前にして、好き勝手に弄びながら、男としての反応を何一つ見せていなかった。 「――榎本さん」 「…………」 「手で、してあげましょうか」 「……は?」 「それとも、口の方がいいですか」 「何を言っているんですか、あなたは」 「何を? まさか、30にもなって意味がわからないとか言わないでください」 「意味はわかります。わからないのは、あなたが何故そんなことを言いだしたのかです」 震える手で、肩を捕まれた。痛みに顔をしかめる。榎本の顔は相変わらずの無表情だが、その中に微かな揺らぎ……「怒り」が見え隠れしていると。そんな風に思うのは、きっと勘違いではないだろう。 「あなたは」 「馬鹿にしてるわけじゃないです」 ぴしゃり、と榎本の言葉を封じて。純子は、まっすぐに榎本を見つめた。 「馬鹿にしてはいません――まあ、わたしの身体って、そんなに魅力ないかなあって、ちょっとショックだったりはしますけど」 「…………」 「わたしを抱きたいんじゃないんですか。それが目的なんじゃないんですか」 「……青砥さん」 「だったら、そう言って下さい。手でも口でもしてあげます。そうして、できるようになったら、どうぞわたしを抱いて下さい。どうせ逃げられないんだから、榎本さんの好きにして下さって結構です。 その代わり、目的を果たしたらちゃんと家に帰して下さい。仕事もたまってるでしょうし、芹沢さんも心配してるでしょうし」 「…………」 「ほら、さっさとしましょう。ズボン脱いでもらえますか。それともわたしが脱がしましょうか!」 バンッ! と、大きな音に身がすくんだ。 一瞬、自分が殴られたのかと思ったが――違う。榎本の拳は、壁に叩きつけられていた。 「違います。そんなことがしたかったわけじゃない」 「…………」 「僕は――」 「――そうですよね」 その反応が、見たかった。 「そうですよね。榎本さんは、そんな人じゃないですよね――あなたは……」 自意識過剰と笑われても構わない。どうせ、ここには自分と榎本しかいないのだから。 「わたしのことが、好きなんでしょう」 「…………」 「榎本さんは、今まで、人を好きになったことがありますか」 何気なくつぶやいた問いに、「ありません、多分」という頼りない返事が来た。
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220 :すれちがい。そして、わたしのもの 3/7[sage]:2012/07/07(土) 13:20:57.00 ID:3f5AMw8t - きっとそうだろうと思う。初恋というのは厄介なものなのだ。自分の感情が理解できなくて、どう対処すればいいのかがわからなくなる。年齢を重ねれば重ねるほどに。
自分の感情よりも、理性と倫理が優先されるようになればなるほどに。 「だから、あなたのコレクションですか。わたし、鍵と同じ扱いですか。鍵に対する『好き』とわたしに対する『好き』を同じものだと勘違いされたんですか」 「…………」 「――わたしを、手に入れたかったんですか? あなただけのものにしたかった。そういうことですか?」 純子の言葉に、榎本はぎこちなく頷いた。 初めて、主導権を握れた。これまでずっと、榎本にされるがまま振り回されて来た純子が、初めて反撃に回れた。 それが嬉しいと言ったら、笑われるだろうか? 「榎本さん」 「……何ですか」 「何であなたがわたしを抱けなかったのか、教えてあげましょうか」 抱くことそのものが目的だったのではない。抱くことで、純子を自分のものにしたかった。きっと、そういうことなのだろう。 だったら。 「――嫌われるのが怖かったからですよ」 「…………」 「無理やり抱いて、身体だけ手に入れても、心はきっと離れてしまう。榎本さんは頭のいい人ですから。意識していなくても、きっとそれをわかっていたんです。だから抱けなかったんですよ」 「青砥さん」 「不器用な人ですね、榎本さんて。手先はあんなに器用なのに……おかしい」 笑みを零す純子を、榎本は、呆然とした顔で見つめていた。 ×××××××× それは、いつかの話。長野で起きた旧家の殺人事件に巻き込まれた直後の話。 「聞いてよー里奈ちゃん。わたし、そんなに魅力ないかなあ?」 「どうしたんですか、青砥先生」 「榎本さんとね」 「あ、この間、長野で二人でお泊りだったんですよね? どうでした? どうでした?」 「……何にもなかった」 「ええっ!?」 「ふすま一枚しか挟んでない部屋で寝たんだけど……なーんにもなかった」 「そ、それは……ええと、榎本さんが紳士だってことですよ! そうに違いありません!」 「頑張ったんだけどなあ。怖い怖いっていっぱいアピールして、そっちに行ってもいいですか、とか、色々言ってみたんだけど。きっぱり断られちゃった。『幽霊なんていません』って」 「ああー……」 「諦めた方がいいのかな、やっぱり」 「……榎本さんですもんね。すいません、申し訳ないんですけど……あの方、女性に興味なさそうですし……」 「ですよねー。わかってますよ、そんなことっ」 わかっていたのだ。無謀だろうな、ということは。 初めて会ったときから惹かれていたのだ。あの小柄な体躯で、「無理に決まっているから帰れ」という銀行員を一顧だにせず、わずか十数分で大金庫の錠を開錠してみせたあのときから。 芹沢に冷たくあしらわれ、自殺に決まっている、と言われた案件の話を聞いて。「それが人間の作った密室なら、破れない密室はない」と言い切られたあのときから。 自分の仕事にプライドを持ち、自分の能力に自信を持ち。それでいて、対人関係にはひどく不器用なそのアンバランスさに、ずっと惹かれていた。 けれど、どれだけ頑張ってアピールしても、榎本が自分に振り向いてくれることはない。そのことが、この長野の旅行でよくわかった。
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221 :すれちがい。そして、わたしのもの 4/7[sage]:2012/07/07(土) 13:23:53.52 ID:3f5AMw8t - 「諦めるしかないよね」
「ええ、諦めちゃうんですか!?」 「だって、見込みのない恋なんて引きずっても辛いだけだし……下手なこと言って、気まずくなりたくはないし。それならきっぱり諦める。榎本さんの迷惑にはなりたくないし」 「青砥先生……」 「しょうがないよね。榎本さんにとって、わたしはアウトオブ眼中だった、ってことなんだもん。しょうがない。ごめんね里奈ちゃん。もう言わない! 頑張って、新しい恋を探すことにする。 榎本さんとはただの友人。そう思って、忘れることにする」 「応援します、わたし。青砥先生って、やっぱり素敵な女性だと思います! きっとすぐにいい人が見つかりますよ!」 「ありがとう、里奈ちゃん。わたし、頑張るね!」 惹かれていたのは、きっと初対面のときからだろうと思う。自分の話を真面目に聞いて「わからない」と答えてくれたあのときから。自分の開錠の腕に、不気味がるよりも素直に感心してくれて。そして自分を頼ってくれたときから。 けれど、最初は、その思いは胸に秘めておくつもりだった。いくら何でも立場が違いすぎる。 それは、彼女の上司の家に忍び込んでよくわかった。彼女の傍に常に立つ男。それが気になり、後をつけ、家に忍び込み――そのあまりにもレベルの違う暮らしぶりに目を見張った。 さすがにまだ若輩の彼女はここまでではないだろうが、そう遠くない将来、彼女もこのような豪勢な暮らしをすることになるのだろう。 何だか悔しくなって、思わず時計を失敬してしまった。まあ、きっと彼の経済力ならいくらでも取り戻せるだろうと思えば、あまり胸も痛まない。 それよりは、「悔しい」と思ったことの方が意外だった。自分は嫉妬しているのか。誰に? ……年齢さえ考慮しなければ、十分に彼女と釣り合いが取れるであろう、そして彼女の信頼を得ているであろう、彼女の上司に、か? わからなかった。自分の心もわからなかったが、彼女の本音もよくわからなかった。 それから、加速度的に彼女が訪れる頻度は高くなった。最初のうちこそ、事件に協力してほしい――という名目で、上司を伴って現れていたが。すぐに、彼女一人で、雑談のために現れるようになった。 何をしに来たんですか、と問うても、「別に用はない」とあっけらかんと言う彼女の本心が全くわからなかった。 自分のようなつまらない人間と話をして、何が面白いのか。何が目的なのか? 決定的だったのは、いつかの長野の事件のときだろう。 容疑者の友人である遠藤宅に一泊することになり、ふすま一枚隔てただけの部屋で寝る羽目になった。 それだけでも十分に理性を揺さぶられたが、あろうことか、彼女は「幽霊が」「狐火が」と言い出した挙句に、同じ部屋で寝たいなどと訴えてきた。 さすがに無理だと思った。彼女がどう思っているかは知らないが、自分は相応に男としての欲望を持ち合わせている。けれど、それ以上に、本心もわからないまま関係を変えることを恐れる程度には、臆病な人間だ。 必死の思いで断った。彼女は残念そうな顔をしていたが、最後には納得して、ふすまの向こうに戻ってくれた。 安堵の息をつきながら、同時に疑問を感じていた――彼女は、いささか天然で抜けているところはあるが、若くして弁護士になったくらいだから、頭は悪くない。 自分などよりよほど世間慣れをしていて、若い女性が、男の布団に潜り込もうとする危険性を認知していなかったとは、とても思えなかった。 まさか、覚悟の上だったのか? それとも、自分にそんな度胸はないと思われていたのか? わからなかった。けれど、どうしても知りたかった――そのときには、きっと、自分の心は彼女に囚われていたのだろうと思う。 長野から戻った後、すぐに彼女の家に侵入し、いくつかの盗聴器を仕掛けた。罪悪感はあったが、彼女の本音を知るためだ、と自分に言い聞かせた。 そして、結果に失望した。無防備な彼女は、電話で自分の本音を吐露していることが多い。 その相手は学生時代の友人だったり、あるいは水城だったり芹沢だったりしたが。その会話の中に色恋絡みで自分の名前があがることなどついぞなく、むしろ、合コンなどで積極的に恋人探しをしているような節すらあった。 やはり、彼女にとって、自分は男の範疇にすら入っていなかったのだ。長野の一件も、ようするに自分に手を出す度胸などないと見抜かれていたか――もしくは、自分には性欲など存在しないとでも思われていたのだろう。 納得すると同時に腹立たしくなった。当初は、本音を知ったら盗聴器は回収するつもりだったが。彼女の恋人探しの結果が気になることもあり、そのままにしておくことにした。 そして、そのまま、やめることができなくなった。
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222 :すれちがい。そして、わたしのもの 5/7[sage]:2012/07/07(土) 13:25:26.23 ID:3f5AMw8t - 「してあげますよ」
「青砥さん……」 「逃げるためじゃありません。してあげたいんですよ、わたしが」 うろたえる榎本を押しのけるように身を起こす。パジャマと下着に手をかけ、いまだ萎えたままのそれを、両手で包み込んだ。 はっきり言って大して経験など無いのだが……まあ、何とかなるだろう。 爪を立てないように、力を入れ過ぎないように気を付けながら、ゆっくりとしごいていく。 びくり、と榎本の身体が震えた。肩をつかれ、突き放そうとしてきたが。首を振ると、すぐにその抵抗も止まった。 「榎本さんは、勘違いしてます」 「……勘違い?」 「女は、そんなに都合のいい生き物じゃありません。いくら脅されたって、力づくで征服されたって、相手のことが嫌いだったら、絶対に相手のものになったりはしないんですよ。世の中、お金のためとかでそうなっちゃう人もいますけど……わたしは、そんな女に見えますか?」 きっ、とにらみつけると、すぐに首を振られた。 そうだろう。以前、蜘蛛の事件のとき、榎本は言ってくれたのだ。金目当てに夫を殺害したあの女性と純子は違う、と。 「何で、言ってくれなかったんですか。こんなことになる前に。こんなに、追い詰められる前に」 言いながら、大きく口を開けて、ソレを含んだ。 根本からなめあげる。歯を立てないようにじゅぶじゅぶと口内で舌を這わせていると、徐々に、硬度が増してくるのがわかった。 「っ……あ、青砥さん……」 「……信じてくれる気に、なりましたか」 一度ソレを解放し、そっと口づける。ちろちろと舌先で弄んでいると、頭上で、荒い吐息が漏れた。 上目づかいに見上げる。潤んだような目が、じっと純子を見下ろしていた。 笑顔を返す。これは決して、嫌々やっている行為ではないと……自分が望んでやっているのだ、と。万感の思いをこめて、見つめた。 「ねえ、知っていましたか、榎本さん。わたしはずっと、あなたが好きだったんですよ」 「…………」 「見込みがないと思って、諦めようとして、色々と頑張ってみたんですけど。それでも諦めきれないくらいに…… こんなことされて、いきなり監禁されて怖い思いもいっぱいして、それでもあなたを嫌えない、憎めないくらいに、ずっと、ずっと、あなたが好きでした……好きです。好きなんです、榎本さんのことがっ!」 言いながら身を起こす。抱きついて、強引に口づけると、遠慮がちに回ってきた両腕で、力いっぱい抱きしめられた。 自らの意思で舌を絡めると、ぎこちない反応が返ってきた。 自分が無理やりしてきたときとは随分違うじゃないですか、と笑いたくなったが。後が怖いので、その言葉は呑みこんで、代わりに積極的に攻めた。息苦しくなるほどにキスを繰り返し、そのまま、首筋に強烈な痕を残してやった。 押し倒される。手錠で拘束されて無理やりされたときとも、恐怖に支配されながら身を任せたときとも違う。純子を見下ろす榎本の顔は、どこか穏やかで。満足げにすら、見えた。 はだけていたパジャマはそのままに、中途半端なところで止められていた愛撫が再開される。この三日で、嫌というほど榎本に開発されてきた身体は、すぐさま素直な反応を返し、自然と吐息が荒くなっていくのがわかった。 「もう……指とか舌だけじゃ、嫌ですよ?」 「わかってます」 「ちゃんと、榎本さん自身で満足させて下さいね?」 「わかってます」
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223 :すれちがい。そして、わたしのもの 6/7[sage]:2012/07/07(土) 13:26:29.26 ID:3f5AMw8t - 同じ言葉を繰り返すときの榎本は、大抵動揺しているときなのだが、大丈夫だろうか。
そんな心配は杞憂に終わり。首筋に顔を埋めて来る榎本の手つきに、よどみのようなものはなかった。 自然と脚を開く。差し入れられた指が、純子の内部をくすぐり、そのまま、手際よくほぐしていった。 溢れる滴が腿を伝う。響く淫らな音が恥ずかしくてぎゅっと身を縮めていると、「ふっ」という、小さな笑い声が聞こえた……ような気がした。 「榎本さん?」 顔を上げる。唇を奪われる。反射的に目を閉じた瞬間―― 貫かれたときの衝撃は、思ったよりもあっさりとしていた。濡れそぼったそこは、榎本をやすやすと受け入れ、そのまま、奥深くまで呑みこんだ。 「あっ……うっ……」 「……痛いですか」 「全然……ひっ!」 ぐじゅぐじゅと、結合部から響く大きな音。羞恥に目をそらそうとしても、榎本はそれを許してはくれない。 そのまま、高みまで上り詰めた。絶頂というものを、この数日でどれだけ体験したか、覚えてはいないが。初めて榎本を受け入れて迎えた絶頂は、それまでのどの経験とも違った。 幸せだ、と。 そう思えたのだから。 「今日は泊めてください。もう遅いですから。明日帰ります」 「……わかりました」 「帰りますけど、また来ます。あの備品倉庫にも、ここにも」 「…………」 「いけませんかっ」 「……いえ、別に……」 ベッドの中で身を寄せ合っているという状況下。純子の言葉に、榎本はいつものぶっきらぼうな様子で答えていたが。 見下ろせば、にらみつける純子の視線が予想以上に鋭くて、慌てて前言を撤回した。 「嬉しいです」 「よろしい」 何故だろう。すっかり立場が逆転している。こんなはずではなかったのだが。 「後、携帯返してください。芹沢さんにすぐに連絡を取ります」 「……わかりました」 「両親、元気になりました、って。嘘はつきたくないですけど、この場合は嘘も方便ですよね」 「…………」 これは皮肉だろうか。自分は謝罪すべきなのだろうか。いや、謝罪は必要だろう、当然。けれど、何をどう言えばいいのか。 「後……」 「まだ、何か」 「質問なんですけど。この着替え……下着なんですけど。一体どうやって手に入れたんですか」 「……通販です」 「サイズもぴったりなんですけど。どうやって知ったんですか」 「…………」
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224 :すれちがい。そして、わたしのもの 7/7[sage]:2012/07/07(土) 13:27:10.12 ID:3f5AMw8t - あなたが水城さんに無防備に電話で暴露していたでしょう、とは言い辛い雰囲気だった。盗聴のことは、恐らく知られない方がいいだろう。多分。いや絶対に。
「見ればわかります」 「はいっ!?」 「目測でサイズを測るのは慣れていますので」 「なっ……もう何ですかそれっ! 信じられない!」 信じられないのはこちらの方だった。世の女性とはあんなにもあっけらかんと下着のサイズなど話し合うのかと、初めて聞かされたときはカルチャーショックを受けたものだ。 「……質問は、以上でしょうか」 「以上ですよっ」 そう言って、純子は、ぎゅっと榎本の身体にすがりついた。 「……この三日間、怖かったです」 「すいません」 「榎本さんが何を考えているかがわからなくて、本当に怖かったです」 「…………」 「よかったです、知ることができて」 すいません、とつぶやくと、許しません、と囁かれた。 「これからいっぱい償ってもらいます。いっぱいデートしてもらいます。いっぱい恋人らしいこと要求しちゃいます。きっと、榎本さんにはかなり恥ずかしいことも含まれると思いますけど、嫌とは言わせません」 「…………」 「返事は?」 「……わかりました」 「よろしい」 笑顔の純子を見て。それが彼女の本心なのだとわかって――小さく、息が漏れた。 女性を好きになるというのは、何と大変なことなのだろうか。物言わぬ鍵とは全く違う。その心を開くのに、これほど苦労させられるとは思わなかった。 とりあえず、悟ったことは―― 「あ、あの食事に誘ってくれた男性。ちゃんとお断りのメールしておかないと」 「…………随分、あっさりと言うんですね」 「いい人でしたけど。いい人だから好きになれるとは限りませんよね」 「…………」 あなた、その男性のことを随分褒めちぎっていませんでしたか。素の自分を褒めてくれたって喜んでいませんでしたか。食事に誘われたって浮かれていませんでしたか。 やはり、盗聴器の回収はやめておこう。純子の言葉を信じないわけではないが、この思い切りの良さがいつ自分に返ってくるかわからない。 きっと、彼女のことだから。自分が何か失礼なふるまいをしたら、それを水城や芹沢に遠慮なく愚痴るだろう。その動向は把握しておかねば、いつ何時、自分が捨てられる立場に回るかわかったものではない。 彼女を失いたくはないから。 そう決意して。榎本は、純子の身体を、そっと抱き寄せた。 〜〜END〜〜
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225 :194[sage]:2012/07/07(土) 13:28:11.63 ID:3f5AMw8t - 終わり。本当に長々と失礼しました。
明るい榎青か、あるいは本気でBADEND迎えるくらい真っ黒な榎本ネタでも思いつくまで 読み手に戻ります。
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