- 【ドラマ】鍵のかかった部屋でエロパロ Room#2
183 :ケイノオモチャバコ 1[]:2012/06/13(水) 20:12:33.49 ID:u6N9wdh7 - いつもの地下倉庫。
径は天窓から降り注ぐ太陽の光を受けながら、独りもくもくと解錠作業にいそしんでいた。 …誰にもわかるまい。 新しい錠を手にしたときの高揚感、そして背筋がざわつくほどに湧き上がるあの興奮を。 そして解錠の手ごたえを感じた時のあの何とも言えない満足感と征服感…! そんなことを脳内で巡らせながら、径はニヤリと笑う。 …にやけながら、錠に細い針金状の器具を突っ込んでカチャカチャしている姿はまさに変態だ。 しかしもちろん、傍からどう見られているかなどは気にはしない。自分が楽しいと思えることだけに没頭する。そのためには周囲の視線はおろか些細な声や音でさえも邪魔になるため、径はいつも通りイヤホンで自分の世界を作り上げる。 流れる曲は”オートマティック”。流行りを無視し続ける径らしい選曲だ。 厳密に選んだイヤホンの性能が良すぎて、人が入ってきたことに全く気がつかなかった。 不意に、右のイヤホンが外された。 径は黒目がちな目を見開いて、姿勢を保ったままクルリと振り返る。 そこには見慣れたスーツ姿の女性が、少しだけ驚いたような顔をして立っていた。驚きは、すぐに解ける。いつもの調子で、優しい笑顔で話し出す。 「榎本さん。また新しい鍵ですか?ほんっとによく飽きませんね」 「…こんにちは、青砥さん。…今日は早いですね。」 「仕事に区切りがついたので、有給つかって帰ってきちゃいました。お昼ごはん買ってきたので一緒に食べませんか?」 言葉は質問形だったが、純子は有無を言わさぬ態度でハンバーガーショップの包み紙を径の顔の前に突きつけた。 無言でそれを両手で受け取ると、純子は満足げに鼻で笑ってお茶を入れ始めた。 純子のパンツスーツの後ろ姿を見ると、いつも通りヒップラインがだぶだぶでよくわからない。サイズが合っていないのだ。 径自身はいつも服を選ぶときはサイズ感を重視して購入するので、普段着より高額であろうスーツをこんなにもアバウトに選んで着ている純子が少々信じられなかった。 いくら弁護士というお堅い職業とはいえ、こんなゆるい感じでは逆に迫がつかないというものだ。 まあきっと、痩せすぎた体型のせいでもあるだろうが。 「今日はどういう御用向きでいらしたのですか?」 昼食を食べ終えて、マグカップのお茶をすすりながら、低い声でたずねる。まあどうせ、明確な返答が返ってこないのはわかっているのだが。 「ええと、あっ、そうだ、芹沢さんが頼んでいたクライアントの会社の、セキュリティシステムの見積もり出来たのかなって言ってました!」 …今日は割とちゃんとした理由を彼女の脳ミソははじき出したようだ。 「その件でしたら設置予定場所の見取り図と、型番の一覧表を作成して経理担当の者に渡してあります。明日には見積もりもできると思いますのでお渡しできると思います。わざわざ来ていただかなくてもこちらからご連絡するので大丈夫ですよ。」 「いえいえ!こちらからお願いしているのですから榎本さんはそんなこと気にしなくていいんですよ!仕事ですから!」 …仕事? いつもいつも時間外に(今日は早いけど)、手土産ぶら下げて約束もしていないのにフラフラやってくる癖に、よくも仕事だなんてぬけぬけと言ったものだ。 おかげで趣味の解錠作業が予定の半分も進んでいない。彼女がいると、さすがに集中力が途切れてしまう。 純子はどうやら、自分のことを気に入ったらしい… 径はそう感じていた。まあ、好きでもない男のところにこんなに足しげく通う女がいたら逆におかしいというものだが。 眼鏡をかけるようになってからは女に声をかけられることもピタリとなくなったし、それに合わせて言動もオタク風を装ったら男まで近づいてこなくなった。 元来独りでいるほうが気が楽なので、それが逆に居心地良くなっていままで独りの世界を楽しんでいたのに。 …まったく、ゲテモノ食いだな。 「榎本さん。」 テレビを見ていた純子の横顔を見ながら考えを巡らせていると、急に純子が振り返った。 「!なんですか。」 若干の後ろめたさでドキリとする。 「なに考えてるんですか。」 不意に、こすり合わせていた指を純子の手が抑え込んだ。それで、無意識のうちにいつもの癖が出ていたことに気がついた。 「なに考えてたんですか。教えてくださいよ〜」 純子がやや挑戦的な笑みをたたえて径の顔を覗き込んだ。 その、少しこちらを小馬鹿にしたような態度が径の気分のスイッチをカチリと押した。 …ちょっと、からかってみようか。 「秘密です。教えません。」 それだけ言うと、中二階への階段を一段とびで駆け上がる。そのまま、奥で息をひそめた。
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- 【ドラマ】鍵のかかった部屋でエロパロ Room#2
184 :ケイノオモチャバコ 2[]:2012/06/13(水) 20:13:24.38 ID:u6N9wdh7 -
その後ろ姿を見送ったまま、純子はテーブルに頬杖をついた格好で中二階を見上げていたが、なかなか下りてくる様子がないので立ちあがって階段をのぼりはじめた。 「榎本さーん?どうしたんですか〜?」 登ってみると、棚の上にびっしりと工具やら大型の錠やらが所狭しと並んでいる。鍵の研究員だかなんだか知らないが、仕事を名目にして日がな一日気に入った鍵を相手に引きこもっている榎本がちょっとだけ羨ましい。 ここはまるで、彼のおもちゃ箱のようだ。 ふと目の前の棚に、一階のガラスケースに置いてあった銀細工の象の置物と同じものが目に入った。 「あ、可愛…」 次の瞬間。純子の両手に、どっしりとした銀細工の手錠がはまっていた。 「ひゃあ〜!ど、どうしよぉ〜」 間抜けな声が地下に響き渡る。しかも今度は錠がしっかりと鉄製の棚に固定してあるのでびくともしない。 「…なにをしているのですか。」 やっと姿を現した径に、慌てふためいたかんじで純子がまくしたてた。 「なにって…手錠が!抜けなくなっちゃって…象さん触ろうとしただけなのに…。」 そして急にキッと睨みつけた。 「大体なんでこんなところに手錠なんて設置してるんですか!一体何なんですかこれは!」 おやおや、急に弁護士さん腰になっちゃって…まあ両手を手錠につっこんだままでは格好がつかないというものだが。 「何って、…罠です」 「罠って!一体何のためにしかけているんですかっ…!とにかく早く開けてください!」 しかし、径は突っ立ったまま、わざとらしく視線をそらしていつもの指を擦るポーズをしている。 「…!なにを考えているんですかっ」 「…困りましたね。」 「なにが」 「…鍵がありません。」 「はぁ!?」 径は考え込んでいるようなポーズはしているが、どうみても考えているようには見えない。そもそも何をかんがえることがあるというのだ。純子は思い切り眉間にしわをよせた。 「じゃあ、ピッキングで開けてください!」 「…なるほど、そうですね。」 何だろう、この感じ。 いつもの榎本なら、頼まなくても無言でさっさと解錠してくれそうなものである。なんだかいつもと違う対応に、居心地の悪さを覚え始めた、そのとき。榎本の手が、純子の顔の両脇からにゅーっと伸びてきた。 「うわぁお!」 思わず身震いする。なんと、榎本は純子の背中にぴったりとくっついて、抱き込むようなポーズでピッキングを始めたのだ。 「ななな、何してるんですか!?」 「…解錠です。」 「よ、横からすればいいじゃないですか!!なんで後ろからなんですかっ!!」 径は純子の動揺を心の中でほくそ笑みながら、表面的には無表情を装い続けた。 「…見てください。錠の鍵穴が、青砥さんの両腕の間にあるんです。横からだと角度の問題で、後ろから正面を向いた状態で解錠を行うよりもおおよそ三倍の時間を要すると思われます。ですから」 「わわ、わかりました。わかりましたから、はやく開けてください…」 綺麗にひっ詰められた純子の髪からシャンプーの香りがした。白い首筋の肌は柔らかそうで、おそらく照れと緊張によるものだろう、頬が赤く上気している。 体をこわばらせて小さくなっている純子はなかなかに可愛らしい。もっとイジメてやりたい気もするが、さすがにこれ以上はオタクを装っていたのが台無しになってしまうのでもうやめよう… などと思いをめぐらせていると。 ガチャリ。 地下倉庫のドアが開いた。
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- 【ドラマ】鍵のかかった部屋でエロパロ Room#2
185 :183[]:2012/06/13(水) 20:15:43.79 ID:u6N9wdh7 - 初めて書いてみました。
投稿するのも初めてなので、試しに投下させてもらいました。 続きをかけたらまた投下させてください。よろしくお願いします。皆さんのイメージから激しく逸脱していませんように…
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