- 【ドラマ】鍵のかかった部屋でエロパロ Room#2
58 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/06/09(土) 08:08:37.65 ID:1QWMy2YY - すごい!投下祭りが開催されてる〜
エロなしもエロありも原作榎青もどれも好きです! 職人さんたちGJ!文章もうまい。 また読みたいです。ぜひ書いてください。
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- 【ドラマ】鍵のかかった部屋でエロパロ Room#2
69 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/06/09(土) 20:30:15.56 ID:1QWMy2YY - 需要ないかもしれませんが、以前お見舞いネタ書いた者です
榎本サイドが見たいとおっしゃってくれた方がいたので、投下します 会話もエロも端折ってるので、興味ない方はすっ飛ばしてください
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- 【ドラマ】鍵のかかった部屋でエロパロ Room#2
70 :Side E @[sage]:2012/06/09(土) 20:32:21.85 ID:1QWMy2YY - 榎本は朝からデスクに向かい、開錠作業に勤しんでいた。
今回はかなり手こずっている。 それほど難易な錠ではないのに、どうしたことなのか。 それがさっきから続いている前頭部に重くのしかかる痛みのせいだということはわかっていた。 何となく視点も定まらない。 榎本は工具を持つ手を休め、小さなため息をついた。 時計をちらりと見る。 お昼を少し過ぎたところだ。 今日はこの後何の予定も入っていない。 悪化しないうちに帰って休んだ方がいいだろう。 榎本は内線電話の受話器を上げると、ボタンを押した。 「榎本です。申し訳ないのですが、本日は早退させていただいてもよろしいでしょうか。どうやら体調を崩したようで。はい。すみません。」 早退の了解を得られると、静かに受話器を置く。 そして、いつもの鞄を掴むと、エレベーターに乗り込んた。 ロビーを抜け、外へ出ると、初夏の熱気がむっと立ち込めている。 にもかかわらず、背中にゾクゾクとした冷感を感じる。 …これから熱が上がってくるかもしれない。 そう予測しながら、榎本は駅に向かった。 電車に乗り込むと、車内は思いのほか空いていた。 座席に腰を下ろし、悪寒がさらに強くなってきていることを感じる。 窓の外を眺めながら、もう一度先ほどの錠のことを思い浮かべ、頭の中で開錠のシミュレーションを始めた。 カチャ、カチャ… …だめだ。うまくできない。 榎本は錠を開けることをあきらめ、視線を向かいの席の女性に移す。長い髪を後ろで束ねたスーツ姿の若い女性が文庫本を読んでいた。 ぼんやりと眺めていると、その女性の姿が純子と重なる。 青砥さん。 そういえば、早退することを伝えていなかった。今日もあそこにやってくるだろうか。 榎本はポケットの中にある携帯を触るが、自嘲気味に口角を片方だけ上げて微笑んだあと、すぐに手を引っ込める。 …バカバカしい。青砥さんは僕が早退するという下らない連絡など、きっと求めてはいないだろう。
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- 【ドラマ】鍵のかかった部屋でエロパロ Room#2
71 :Side E A[sage]:2012/06/09(土) 20:34:49.37 ID:1QWMy2YY - 頭の中心がズキズキと痛む。頭痛は確実に先程よりひどくなっていた。
電車がホームに滑り込むと、榎本はよろけながら立ち上がる。 駅から自宅までの道はこんなに遠かっただろうか。重い足取りで熱気が漂うアスファルトを一歩一歩踏みしめる。 いつもより時間をかけてマンションにたどり着いた頃には榎本の疲労は極限に達していた。 おぼつかない手つきで鍵を開ける。ドアを開け、玄関に倒れ込みようにして中に入ると、後ろ手で鍵を閉めた。…つもりだった。 おぼろげな意識の中で服を脱ぎ、パジャマに着替えたことは覚えている。 寝室に向かう途中、体がよろけ、嫌というほど体を床に打ち付けた。 …そのあとは記憶がない。 「榎本さんっ!…すごい熱…」 聞き覚えのある声がして、榎本は目を開けた。 心配そうに見つめる純子の顔がある。 これは夢なのか?そんなに僕は青砥さんに会いたかったのだろうか。 「…青砥さん…」そう声を絞り出すのがやっとだった。 純子が何かわめきながら、自分のことを引きずっている。少なくとも榎本にはそう思えた。 そしてベッドに寝かされ、純子から手渡された薬と水が喉を伝う。その冷たい刺激のおかげで榎本の思考が少しだけ正常に戻された。 同時にこれは現実なんだと気付く。 「すみません。」 「いえ、気にしないでください。会社に行ったら、榎本さんが早退したっていうんで、心配になってきてみたんです。」 そういうことだったのか。きっとおせっかいなあの受付嬢が純子に住所を教えたのだろう。 「よかった。大事にならなくて。あ、鍵開いてましたよ。榎本さんらしくないですね。」 「…掛け忘れてしまったんですね。」 それならば急いで掛けなければ。自分としたことが。 起き上がろうとするところを純子に制止された。 「大丈夫です。私がしーっかり、掛けときましたから。榎本さんは気にしないで、ゆっくり寝ててください。」 なんだか少しバツが悪くて、榎本は黙ったまま横になる。 純子は安堵したような微笑みを浮かべ、冷たいタオルを額に乗せてきた。 心地よい感触に思わず目を閉じる。 「これ、読んでみてもいいですか?」という声が聞こえ、目を開けると純子が本棚の前に立ち、本を指さしている。 「どうぞ。」 そんな本など読んで面白いですか?と思わず尋ねたくなったがやめた。 …青砥さんは不思議だ。 防犯や密室殺人に首を突っ込みたがる女性なんてそうはいないだろう。いや、それ以上に、自分にここまで関わりたがる女性がいたなんて驚きだ。 僕に対する興味だろうか?それとも違う何か…たとえば恋愛感情… まさか。今日の僕はなんだかおかしい。 もう早く寝てしまった方がいい。
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72 :Side E B[sage]:2012/06/09(土) 20:37:35.40 ID:1QWMy2YY - 純子が椅子を持ってきて、傍らに座るのを視界の端で捉えると、榎本は徐々に眠りに落ちて行った。
どのくらい眠っただろうか。 「…さん。起こしちゃってごめんなさい。これに着替えてくれませんか。」 再び純子に呼びかけられた時には、悪寒は治まり、頭は幾分すっきりしていた。 パジャマが汗でぐっしょりと濡れ、体にまとわりついてくるので、何となく気持ち悪い。 純子に促されるままにパジャマを脱ぐ。 タオルで背中を拭かれる時に、純子のヒンヤリとした指先が自分に触れ、榎本は思わずピクリと体を震わせた。 肩越しに純子を見る。 純子は気づかず、一生懸命背中を拭いている。 その真剣な顔を見ながら、自分が上半身裸にいるくせに、純子はかっちりとしたスーツに身を包んでいる。 そのギャップに違和感を覚え、ふと、このスーツの中はどんな体をしているのかと一瞬考えた。 「青砥さん。」もう拭かなくて結構ですよと告げようとしたが、純子は突然動きをとめ、はっとしたように榎本を潤んだ瞳で見た。 二人の視線がしばし絡み合う。榎本は軽いめまいを覚えた。 どうしてこの女性はこんなにも僕の心を混乱させるのか。 「す、すみません!自分でできますよね!わ、わ、私、帰ります。」 嫌だ。帰したくない。 考えるより先に、榎本の手は帰ろうとする純子の手首をつかんでいた。 「帰らないでください。今夜はここにいてください。」 思わず口をついて出た言葉は自分でも信じられないものだった。 確かに純子にいてほしい。それは本心だったが、いつもの自分であれば、そんなことはおくびにも出さなかっただろう。 純子が驚いた顔で自分を見る。 そこからは自分でも止められなかった。 純子を強く引き寄せ、自分の腕の中に収めた。 あたふたしている純子に「嫌ですか。」と問う。しかし、どんな答えが返ってこようとも榎本は止める気はさらさらなかった。 「嫌とかじゃなくて!う、嬉しいっていうか…。」 嫌がっていないことを知って榎本は安堵する。 戸惑っている初心な純子を心の底から可愛いと思った。 自分の腕の中にリスのように縮こまり、何やらわめいている純子の口を封じる。 唇の柔らかい感触は榎本をさらに高揚させた。舌を入れ、純子の口内を堪能する。 それに併せるかのようにおずおずと純子の舌が絡んできた。 その行為が頭の中に残っていた僅かばかりの理性を吹き飛ばす。 とうとう純子をベッドに押し倒してしまった。
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73 :Side E C[sage]:2012/06/09(土) 20:39:45.06 ID:1QWMy2YY - 「え!?ちょ、ちょっと…」
戸惑う純子の声に、吹き飛んだ理性が戻ってくる。 しまった。やり過ぎた。 「やはり嫌ですか?」 「い、い、い、嫌っていうわけじゃないんですけど!私のことを特に好きでもないのに、そういうことは…」 好きでもない?どう思ったらそんな言葉が出てくるのか。 もう自分の心は完全に純子に支配されているというのに。 「――僕は青砥さんのことが好きです。ですから、青砥さんを欲することは、男として至極真っ当な欲求と思われます。やはり、嫌、ですか?」 自分の気持ちを理解してほしくて、思いの丈をぶつける。 「…嫌、では…ない…です…」 やっと返ってきた“嫌ではない”という言葉に再び理性が奥へ引っ込み、同時に、荒れ狂う欲望が顔を出した。 純子にキスをし、待ちきれないといった様子でブラウスを脱がると、後は己の欲望を心行くまま貪るだけであった… 目覚まし時計が鳴る前に目が覚める。 いつもと変わらない朝だ。傍らに純子がいることを除いては。 榎本の左腕を枕にし、しがみつくように密着して眠っていた。 無邪気な寝顔に自然と顔がほころぶ。昨夜のことが夢のようだった。 実を言えば、榎本にも経験はある。社会人になりたての時、先輩に5歳年上の女性を宛がわれ、流れで一夜を共にしたことがある。 『なっ!よかっただろぉ〜?』興奮しながら話す先輩に『はぁ…』と気のない返事をしながら、榎本にはセックスのどこがそんなにいいのかわからなかった。 錠を破ることの方がよっぽどスリリングでエキサイティングだ。 …それが、あんなにいいものだとは… 眠る純子の頬にかかる一束の髪を指でそっと払ってやる。 起きる様子はなく、気持ちよさそうに眠っている。 ふと、いたずら心が沸き起こり、寝息が漏れる唇に手で触れてみた。 昨夜は数えきれないほどこの唇にキスをした。それでもまだ触れ足りない。 少しだけなら…と榎本は考え、軽く唇同士を触れ合わせた。 さすがに起きるだろうか。少し焦ったものの、純子が起きる気配は全くなかった。 ずっとこのまま寝顔を見ていたいと思うが、容赦なく時間は過ぎていく。 さすがにそろそろ起きなければ。しかし、いったいどうしたらいいのだろう。 榎本は純子が枕にしている左腕を見る。 この腕を抜けば純子は起きてしまうだろうか。 榎本は息をひそめながら、ゆっくりゆっくり腕を抜いていく。 「ん…」 純子が寝返りを打つ。榎本はドキリとして、動きを止めた。 起きてないよな… 寝顔をのぞき込み、もう一度キスをしたい衝動を抑えながら、なんとか腕を最後まで引き抜き、ベッドを後にした。
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- 【ドラマ】鍵のかかった部屋でエロパロ Room#2
74 :Side E D[sage]:2012/06/09(土) 20:42:47.29 ID:1QWMy2YY - 顔を洗い、服を着替え、適当に朝ご飯を作っていると、純子が起きてくる気配がした。
緊張が走る。 情事を交えた朝、男女はどんな顔をして、どんな会話を交わすのか、榎本には見当がつかなかった。 …とりあえず、いつも通りで居るのが一番いいだろう。 動悸を押さえながら、必死で平静を務めることにした。 軽い挨拶を交わした後、席に着き、朝食を食べ始めるが、長い沈黙が続く。 地下室にいる時も沈黙が続くことは幾度となくあった。しかし、今回は比べ物にならないほど気まずい。 青砥さんはさっきから目を合わせようとしないし、何も話そうとしない。 昨夜のことを怒っているのだろうか。 あれこれ考えを巡らせていると、沈黙を破るように純子が悲鳴をあげた。 「きゃああ!遅刻しちゃう!榎本さん!すみません。私もう行きます!本当にすみません!」 そう言いながら純子は慌てて出て行った。 バタンとドアが閉まる音が聞こえ、榎本を強烈な寂しさが襲う。 昨夜はあんなに濃密な夜を過ごしたというのに、つい先ほどまで目の前に座っていたというのに、会いたい、抱きしめたいという欲望が榎本の頭の中を占領していた。 長いため息をつき、純子が座っていた椅子をいつまでも見つめる。 歯痒いことに今の榎本にはそうすることしかできなかった。 榎本は出社後、昨日は開錠できなかった錠に再び挑み始める。 しかし、結果は昨日と同じ。 構造から考えると、普段の榎本であればものの数分で破れてしまうようなものなのに。 昨日の頭痛とは異なるその原因。 今度は胸の奥が疼く。頭から離れない昨夜の出来事。 喘ぐ淫らな純子の声、陶器のように滑らかで白い肌、しなやかな肢体、大きくうるんだ瞳。純子のすべてが榎本をひきつけてやまなかった。 これが人を愛するということなのか。 初めて経験する感情。 切なくて、胸が締め付けられるように苦しいのに、どこか幸せな満ち足りた気分になる。 どんなに難解な錠を破ったとしたとしても得られないこの感覚。 純子とこういう風にならなければこんな思いもしなかっただろうか。だが、もう遅い。 情欲の迷路に迷い込んだ榎本には、もうどんなにあがいても出口を見つけることはできなかった。 その時、榎本の携帯が鳴る。 見ると芹沢からだ。そういえば、この前の密室事件を解いた礼をするから、今夜飲みに行かないかと誘われていたのだった。 「…はい。」 『あ、もしもし?榎本?俺。芹沢だけど。悪いんだけど、今夜の飲みはキャンセルさせてくれないか。 青砥のヤツがさぁ、体調崩しやがって…残業になりそうなんだよ。』 「青砥さんがですか?」 『うん。そう、青砥だよ、あ・お・と。』芹沢はご丁寧にも純子の名前を2回繰り返す。 「…」 榎本は話の途中にもかかわらず、携帯から耳を離し、電話を切った。 足早に出口を目指す。そのままビルを出ようとすると、受付嬢が呼びとめた。 「あっ、榎本さん!昨日、青砥さんが来られて…」 「申し訳ありませんが、本日も早退させていただきます。」 榎本はそう告げると踵を返して、ビルを出て行った。 「早退って、あと10分で終業時刻なんだけど…」受付嬢は首をひねるばかりだった。
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75 :Side E E[sage]:2012/06/09(土) 20:46:08.19 ID:1QWMy2YY - 逸る気持ちを抑えながら、純子のマンションを目指す。
以前訪れたことがあるから、道は分かっている。 エントランスに着くと407号のインターホンを押した。 ピンポーン。 間があって、「はい。」と純子の声が聞こえた。 「青砥さん。僕です。榎本です。」 「え、榎本さんっ!?今、開けますねっ!」 純子の驚く声の後、ロビーの扉が開いた。 中に入り、エレベーターに乗り込む。 ――そもそも、来てしまってよかったのだろうか。 青砥さんは嫌ではないといったが、本心を僕は知らない。 もし、僕の独りよがりだったら? 考えているうちにエレベーターのドアが開く。 次の瞬間、榎本のそういった考えはすぐに杞憂に終わる。 部屋のドアをすでに開け、待ち構えている純子がいた。満面の笑みをたたえながら。 「すみません。来てしまいました。」 謝る榎本に純子は返す。 「…実は、ずっと待っていたんです。」 その言葉を聞いた榎本は純子を思い切り抱きしめた。 以上です。 ご期待に副えていない内容でしたら本当にすみません 貴重な時間を割いて読んでくださった方、ありがとうございました。
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