トップページ > エロパロ > 2012年05月14日 > QqH5xrQB

書き込み順位&時間帯一覧

3 位/557 ID中時間01234567891011121314151617181920212223Total
書き込み数000000000000000000000100010



使用した名前一覧書き込んだスレッド一覧
名無しさん@ピンキー
リトルプリンセス(1/8) ◆RAN/ur62O.
リトルプリンセス(2/8) ◆RAN/ur62O.
リトルプリンセス(3/8) ◆RAN/ur62O.
リトルプリンセス(4/8) ◆RAN/ur62O.
リトルプリンセス(5/8) ◆RAN/ur62O.
リトルプリンセス(6/8) ◆RAN/ur62O.
リトルプリンセス(7/8) ◆RAN/ur62O.
リトルプリンセス(8/8) ◆RAN/ur62O.
◆RAN/ur62O.
男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2

書き込みレス一覧

男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2
386 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/05/14(月) 21:34:59.72 ID:QqH5xrQB
>>380
( ゚∀゚)o彡レイプ!レイプ!ヤンデレイプ!
楽しみにまってる。

と、380を待ちながら場つなぎ投下。
「リトルプリンセス」のタイトルで8レスです。
>>360-366で投下したサーシャとグウェン話の過去編です。
エロもなしヤンデレもなしな割りに長くてごめん。
一度キリのいい所で終わらせました。

NGはタイトルか◆RAN/ur62O.でお願いします。
男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2
387 :リトルプリンセス(1/8) ◆RAN/ur62O. [sage]:2012/05/14(月) 21:35:56.83 ID:QqH5xrQB
年よりも幼く無知だったわたしは、自分がどんな意味をもって
ここへ遣わされたのかも知らず、乳母やを泣いて恋しがる時期を過ぎると
またたく間に新しい環境に順応した。

見る物は全て目新しく新鮮で、わたしは懐かしいが退屈だった故郷よりも、
この新しい城の魅力に夢中であった。
馬や草原しかなかった故郷に比べ、ここは華やかだったからだ。

色とりどりの糸で刺繍されたドレス。レースのついたリボン。
えもいわれぬ声で歌う詩人に、美しく装った貴婦人たち。
それがその頃のわたしの世界のすべてだった。

――彼らに出会うまでは。

* * *

「グウェンフイヴァルさま、グウェンフイヴァルさまぁ」
侍女のマリアンが呼ぶ声が聞こえる。
だがグウェンは隠れ探しの要領で庭の茂みにもぐりこみ息をひそめていた。
小さな体を更に小さくしてグウェンはマリアンをやり過ごす。
我慢しなければと思うのに、ついくすくす笑いが出てしまった。

マリアンは詩作のための勉強をしなくてはならないというが、
グウェンとしては今日は探検がしたい気分なのだ。
マリアンがすっかり通りすぎてしまうのを見届けると、グウェンは
茂みからぴょいと飛び出して、そのまま軽やかな足取りで回廊を渡った。
中庭の隅に生えている丈の長い草をぶちりとむしり、グウェンは
それをぶんぶんと振り回しながら歩いていた。
昨日覚えたバラッドを口ずさみながら。

「ごきげんですねぇ、グウェンさま」
衛兵や女中たちがそう声をかけてくる。皆グウェンの『仲良し』なのだ。
『仲良し』がいっぱいなのはいいけれど、こんなに人の多いところを
歩いていたらマリアンに告げ口されるのも時間の問題のようだった。

なのでグウェンは人に見つからないところ、誰もいないようなところを
求めてうろうろとさまよった。すると今まで出たことのない所に出て
グウェンは初めて見る風景に興奮した。木が沢山ある。
まるでグウェンがこの国に来るときに通った森のようだ。
風が吹くたびざわざわ音を立てる木立を見上げていたグウェンは
ふと先を見ると、ひときわ大きな木の根元に誰かしゃがみこんでいる子が
いることに気がついた。

(知らない男の子だ……)
多分、年上の。着ている物といい使用人というわけでもなさそうで
グウェンは友達になれるのではないかと思い少年の傍へ小走りに近づいた。

「ねぇ、なにしてるの?」
声をかけると少年はびくぅっと身を震わせて振り返った。
わずかにひきつっているその顔はやはりグウェンには
見覚えのない、知らない顔だった。少年はグウェンを上から下まで
眺めると、急にとりすました顔になりすくっと立ち上がった。
すると彼の背は、グウェンよりも頭ひとつ分くらい高かった。

「お前、見ない顔だな。新しく行儀見習いで来た娘か?」
少年はつん、と顎をしゃくってそう言った。

「違うわ、わたしはグウェンフイヴァル。レオナルドの娘、グウェンフイヴァルよ」
ギョーギミナライの娘ではない。だってわたしはお父さまの娘だ。
胸を張ってそう答えたが、少年は感じ入った様子もなく怪訝そうに片方の眉をあげた。
男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2
388 :リトルプリンセス(2/8) ◆RAN/ur62O. [sage]:2012/05/14(月) 21:36:28.71 ID:QqH5xrQB
「ぐうぇんういばるー?」
「グウェン、フイヴァル!」
グウェンはムキになって正確な発音で彼が自分の名前を正確に言えるまで繰り返した。
だが途中で少年は肩をすくめてしまう。

「変な名前。……もうお前、グウェンでいいだろ。
そうだな、グウェンって呼ぼう」
確かに親しい人たちは皆グウェンのことをそう呼ぶ。
だがこんな小生意気な少年に同じように呼ばれたくないとグウェンは思った。

「変な名前じゃないもん、ばかばか! あ……ええと、あなた誰?」
すると少年は小馬鹿にするように目を細め、くすっと笑った。
「僕の名はサーシャリオンだ」
「あなただって変わった名前じゃない」
本当にそう思ったわけではないが、同じことを言い返してやりたくて
グウェンはそう言って唇をとがらせた。
だが少年は先ほどのグウェンのようには怒りもせず、きょとんとしていた。

「……お前、僕を知らないのか?」
「だってわたしたち、会ったばかりじゃない」
「ふーん……」
すると少年はふいっと後ろを向いてしまった。
「お前、今日の無礼は許してやるからもう行け。
侍従がいればお前など僕の傍になんか近付けないんだからな」
そして背を向けたまま、またしゃがみこんで木の根元あたりで
がさごそと何かをし始める。グウェンはしばらく黙ったままじっと見ていたが、
どうしても気になってたまらず声をかけた。

「……ねぇ、あなたいったいなにしてるの? 教えてくれたっていいじゃない」
「まだいたのか!? ……うるさいな、あっちいけよ」
犬の仔でも追い払うように、しっしっと手で払われてグウェンは少しむっとした。
少年の横から強引にわって入り、彼の前に顔を出す。そして彼の手元を
のぞきこむと、どうやら木の根元にあいている穴に手を入れようと
しているのだった。穴の中からはかすかにきゅー、きゅー、と
か細い鳴き声がした。

「なにこれ!?」
隣にいる少年の顔を見上げると彼は渋い顔をした。

「……ウサギだよ。ウサギの巣穴。こいつ、城の庭に放してる犬にかまれたから
怪我してるんだ。だから僕がどうにかしてやろうってのに、馬鹿だから
巣穴にもぐって出てこないんだ」
それを聞いてグウェンは小さなウサギが穴の中で痛がって泣いている
様子を思い描いた。
「かわいそう」
「馬鹿なんだよ」
サーシャはそう言いながらまた巣穴に手をいれる。
だが、小さい兎の作った穴なので入り口が小さく少年の手では
奥まで入らないようだった。見かねてグウェンは少年に言った。
「わたしがやるわ」
「お前には関係ないだろ」
「見てしまったもの。助けたいわ」
すると少年は面白がるような顔をしてグウェンに話しかける。

「女はドレスが何より大事なものなんじゃないのか? 汚れるぞ」
「なにいってるの? それよりウサギを助けるのが大事でしょ?」

ひるんだ少年を押しのけてグウェンはしゃがみこむと、
ウサギの巣穴に手をいれた。グウェンの細い腕ならば奥まで入り、
その手は温かくてやわらかいものにぶつかった。
男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2
389 :リトルプリンセス(3/8) ◆RAN/ur62O. [sage]:2012/05/14(月) 21:36:54.29 ID:QqH5xrQB
グウェンはそれを掴んで巣穴の外に出す。グウェンに掴まれて
茶色の毛皮のウサギがぶるぶると震えていた。
その足が赤く血に染まっている。

「痛そう。……かわいそう」
「貸して」
少年は上着を脱ぐと、怪我したウサギをグウェンから受け取った。
ウサギをぐるぐると包んで胸に抱く。つま先立ちでグウェンは少年の
腕の中のウサギを覗き込んだ。
「治るかな?」
「きっと安静にさせとけば平気だよ」
「ふぅん……」
すると少年はおずおずといった感じで口を開いた。
「あのな……」
そう言ったきり口ごもったものの、顔を赤らめてグウェンに顔を向ける。
「……一応礼は言っておく……ありがとう。ええと、グウェンフイヴァル」
「グウェンでいいわ。ねぇ、またあなたと会えないかしら。
わたし友達になりたいなぁ。この子とも、あなたとも」

グウェンの言葉に少年は、はにかむように笑った。
すると意外なほどかわいらしい顔になる。
「変なやつ。……僕のこともサーシャでいいよ」
グウェンは彼の瞳がきれいな緑色なのに気が付いて、不意にうらやましくなった。
自分の瞳の色は暗いブルーグレーだから。

彼の瞳は深い緑の中にきらきらと金の虹彩が散っている。
それにみとれていると、遠くからマリアンの泣きそうな声が聞こえた。

「……グウェンフイヴァルさまぁぁ、一体どこにいらっしゃるんですかぁぁ」



「いいですかグウェン、そんな風にマリアンを困らせてはいけませんよ」
反省しているふりのグウェンを前に、椅子にこしかけた美しい貴婦人がゆったりと言った。

「ごめんなさい、アンブローシアさま」
しおらしくそう言うと、アンブローシアは黒い巻き毛を揺らしながら
優しそうに笑う。グウェンは、美しく優しく、どこか遠い記憶の中にある
『お母さま』を思わせる匂いのするこの女性が大好きだった。
アンブローシアはグウェンがこの国にやって来た時からなにくれとなく
面倒を見てくれる女性で、この国でのグウェンの母親のようなものだった。
少なくともグウェンはそう思っていた。

「反省しているのならいいのよ。でもね、よいことグウェン。
素敵な貴婦人になるためには詩作と音楽には良く親しみ、嗜みとして
身につけなくてはね」
「はい、アンブローシアさま。……ねぇねぇ、アンブローシアさま。
わたしね、今日あたらしいお友達ができたの」

調子のよい返事だけするとグウェンは、アンブローシアのスカートに
まとわりついた。グウェンの変わり身の早さにアンブローシアは苦笑したが、
仕方のない子ね、と呟くとグウェンの頭をやわらかく撫でた。
撫でられて猫のように目を細め、グウェンはアンブローシアに言った。

「サーシャっていうの、男の子よ。中庭のはしっこの方にいたの」
「サーシャ?」
「うん、そう。黒い髪で目がきらきらの緑色の男の子!
あのね、また会う約束したんだけど、よく考えたらわたし、どこでとか
いつとか何も決めなかったの。あの子、宮廷の中にいるかしら。
アンブローシアさま、なにかご存知?」
男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2
390 :リトルプリンセス(4/8) ◆RAN/ur62O. [sage]:2012/05/14(月) 21:37:33.73 ID:QqH5xrQB
するとアンブローシアは急に上品な笑い声をあげた。
「知っていますとも。グウェン、あなたサーシャにもう会ったのね。
……そうね、そうしたら三日後くらいがいいかしら。
あなたもわたくしのサロンにいらっしゃい、グウェン。
きっとそこでその子にあえるわ」



アンブローシアのサロンには色々な人がやって来る。
男の人のように凛々しい女の人や、女の人のように美しい男の人。
そういった人たちが竪琴で音楽を奏でたり、妙なる声で歌をうたったりする。
それについてアンブローシアや、同じように着飾った貴婦人たちは
感想を言い合ったり、語り合ったりするのだ。他にも刺繍のことや、
詩を書くときのカリグラフについてなど話し合う。

その部屋の中には男の人たちもいて、彼らはアンブローシアや貴婦人たちに
何か言うのだが、そちらの事柄はグウェンには難しくてよく分からないことが
多かった。グウェンはその場に居ていいときと悪いときがあるらしく、
いつもアンブローシアのサロンに行けるわけではないのだが、
綺麗なものが沢山見られるので、できればいつも行きたいとそう思っていた。

今日は来ていいと言われたのでグウェンは堂々とアンブローシアの隣に
座っていた。いつもより人はずっと少なく、その上やって来る人がいても
扉の所で帰されてしまう事もあった。
グウェンがオレンジを食べていると、侍従の一人がやってきて、
アンブローシアに何事か耳打ちした。するとアンブローシアは稚気を
含んだ笑い方をして、グウェンに自分の背中に隠れるよう促したのだった。

何故なのかはすぐに分かった。

「叔母上、急なお呼びだそうですが僕になんの御用ですか」

聞き覚えのある声がして、こっそりアンブローシアの背中から
のぞくと黒髪の少年が部屋に来たのが見えた。思わずあっと小さな声を
出してしまう。それはあのサーシャだった。彼はアンブローシアに対して
叔母上、と呼びかけていた。彼はアンブローシアにとって知り合いどころか
親戚だったのだ。

アンブローシアはグウェンも彼も驚かそうと思ったのだろう。
その茶目っ気にグウェンはますます彼女が好きになる。

サーシャは艶のある青い上着を着ており、すました顔を
しているせいか、この間会った時よりも大人っぽく見えた。

すると彼の来訪で部屋の中がざわざわと騒がしくなった。
来客のうちの数人がこんな事を言うのがグウェンの耳に入る。

「あれはどちらの殿下です……?」
「さあ、見た目からでは我々にはどうにも分かりませんからね」
そう言ってくすくすと笑う。

サーシャにも聞こえたのか、彼はぴくりと顔をあげて不機嫌そうな顔をすると、
そう言った人物たちをすごい目で睨み付けた。その視線の激しさに、
当の彼らはひるんだように息を飲む。

グウェンは驚いてしまい、サーシャに声をかける機会を逸してしまった。

男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2
391 :リトルプリンセス(5/8) ◆RAN/ur62O. [sage]:2012/05/14(月) 21:38:04.68 ID:QqH5xrQB
「で、殿下……さあこちらに」
取り成すように扉の近くにいた男性が声をかけるがサーシャは
厳しい表情のままそちらを見もせずに言った。

「黙れ」

張り詰めた空気がその場に立ち込める中、アンブローシアの
やわらかい声がその場の雰囲気をがらりと変えた。

「いらっしゃい、サーシャリオン。あなたがわたくしのサロンに
来るのは久しぶりね。ただでさえあなた達に東の宮に行かれてしまって
寂しいのに、来てくれないなんてひどいわ」

するとサーシャの表情からわずかに硬さが抜けた。
彼はアンブローシアを見て唇を緩めた。笑ったのかもしれない。
「叔母上には信奉者が大勢いらっしゃる。
ならば僕がおらずとも構わないでしょう」
「あら、ちっとも構わなくなんかないわ。いつだってわたくしは
あなた達に会いたいもの。……聞いたわよ、サーシャ。
あなた、あの癇の強かった栗毛馬をしつけ直したんですって?
すごいじゃない」

するとアンブローシアの取り巻きの貴婦人たちも同じような声音で
サーシャを褒めた。誰もあの馬は乗りこなせなかったのに、さすが
陛下の御子、と。だが、サーシャはつまらなそうな顔をしただけで
特に何の反応も返さなかった。ただ、これだけを言う。
「……厩舎に通っていたら乗れるようになったというだけです。
それをお聞きになりたかったのですか?」

「違うわ。もっと素敵なことのために呼んだのよ。
……こちらにいらっしゃい」

サーシャは怪訝な顔をした。だが、微笑したまま手招きする
アンブローシアには逆らえないようで、仕方なくといった様子で
渋々と彼女の傍へと近づいてきた。

「で、本当にいったい何のごよ……」
そう言ったサーシャの口が、ぱかりと大きく開いた。
アンブローシアのすぐ傍にいるグウェンに気がついたからだ。グウェンと
アンブローシアの間で視線をいったりきたりさせて、かすれた声で言った。

男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2
392 :リトルプリンセス(6/8) ◆RAN/ur62O. [sage]:2012/05/14(月) 21:38:47.48 ID:QqH5xrQB
「叔母上……彼女…」
アンブローシアはころころと笑うと顔の前で優雅に手を組み合わせた。

「驚いたでしょうサーシャ。可愛い女の子に会ってまたあいたいなーと思ってたのに、
名前しか知らなくてどうしようかと思ってたでしょう。うふふ、わたくしにはお見通しなのよ。
だから会わせてあげようと思ったの」
「僕は別に……」

そう口ごもるサーシャに構わずアンブローシアはグウェンの手を
取って彼の前にと導いた。

「もう名前は知っているわね、グウェンフイヴァルはわたくしが預かっている
カルメリアの姫君よ。あなたの話をしていて会いたいと言っていたのだけど、
この子は東の宮へは行けないものね。だからあなたに来てもらったというわけ。
……女の身というのはとかく不自由なものだわ」

「カルメリアの、姫君?」
驚いたようにサーシャは言った。そしてグウェンに向き直る。
「驚いたな。良い服を着ていたから貴族なのかとは思ったけれど」
「なによう、わたしはお父さまの娘だっていったじゃない」
ぷりぷりと怒るグウェンにサーシャは一瞬だけ困ったような顔をした。
言葉を探すようにわずかに宙に視線を動かす。

「いや……カルメリアの……というのは知らなかったから。
叔母上は、その……ご存知でしょう? なぜカルメリアの姫君が
うちの宮廷にいるのか」
部屋の中では様々人がいる。アンブローシアたちの傍ではなく、
少し離れたところで談笑している人たちもいる。グウェンは
その人たちが自分たちを見てひそひそと話をしていることが少し気になった。
だが、アンブローシアのサーシャへの言葉ではっと我に返る。

「ねぇサーシャ。この子は“わたくしが”預かっているのよ。
誰にも何も言わせないわ」

するとサーシャは黙ったままうなずいた。グウェンはそれよりもずっと
気になっていたことを聞こうとサーシャの腕の裾を引いた。

「……ねえねえサーシャ、ウサギはどうしたの?」
「ウサギ?」
アンブローシアの瞳が好奇心で輝いた。サーシャはしまったという顔を
していたが、グウェンは構わず自分の知りたいことをひたすらサーシャに尋ねた。
「ねぇウサっ……むぐぐ」

だが、彼に口を手でふさがれてしまい最後まで聞くことができなかった。
「ウサギがどうしたんですって?」
「……なんでもありません」
「うひゃぎ……」
それでも続けているとこっそりとサーシャが囁いた。
「後で教えてやるから黙ってろ」



サーシャはウサギにチロルと名前をつけて西側にある、離宮の庭で
こっそりと飼っていた。なぜおおっぴらに飼わないのかグウェンは
不思議だったがこの庭のたたずまいが気に入ったので黙っていた。

ここ――西の離宮は今は使っている人がいないらしく無人だそうだった。
庭もあまり人の手が入っておらず、雑草がまばらに生えている。
だがその分、可愛らしい小さな花がいっぱいに咲いていた。
整えられている庭では全て切られたり抜かれたりしてしまうものだ。
男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2
393 :リトルプリンセス(7/8) ◆RAN/ur62O. [sage]:2012/05/14(月) 21:39:12.58 ID:QqH5xrQB
グウェンは三つ葉の草をちぎって、サーシャが作った囲いの中にいる
ウサギのチロルへと食べさせた。チロルはグウェンの手からせっせと
青い草を食べていく。それが可愛くてグウェンは目をきらきらさせながら
チロルの姿を見つめていた。

「元気に食べるねぇ。ね、サーシャ。もっと怪我の具合が良くなったら
チロルはおうちに帰すの?」
傍らでチロルに草を食べさせるグウェンを見ていたサーシャは
少し渋い顔をした。

「そうだな……。そのつもりだったけど、なんだかこいつ
跳ね方がおかしいんだ。もしかしたら駄目かもしれない。このままじゃ
帰してもすぐまたやられるだろう。だったらこの囲いの中にいる方が安全だから」

「おうち帰れないの? もう仲間にも会えないし、そんなの可哀想じゃない?」
するとサーシャはむっとしたように眉をあげた。
「仕方ないじゃないか。せっかく助けてやったのに、巣に帰してしばらくしたら
また死にましたじゃ気分が良くないだろ。……こいつだって死ぬよかここで
僕に飼われてる方がマシだろ」
「そっかぁ……」

グウェンはチロルの頭をなでた。やわらかな毛皮が気持ちいい。
この子がまた犬に咬まれて次は死んでしまうとしたら。
それを想像したらすごく悲しかった。サーシャがここでチロルを
飼ってくれていればこうやってすぐに会えるし、そう考えれば
サーシャの言うとおりかもしれないという気がしてきた。

「ねぇ、今日はなにしてあそぶ?」
「僕は遊ばない。……お前の面倒みてやってるだけだからな。
叔母上が言うから仕方なくな」

そうは言うが、サーシャはグウェンが無理やり遊びに引きずり込めば
きちんと相手をしてくれた。女中たちのようにグウェンが走り回ることに
お小言を言ったりはしないし、下仕えの子たちのように必要以上にグウェンに
かしこまったりはしないので、グウェンとしても遊びやすい相手なのだ。

グウェンは庭に咲いている花を摘み、輪をつくる。それを渡すと
サーシャはしばらく眺めて、ぽつりと言った。
「紐を組むようにして繋げてるのか。……どうなってるんだ?」
「じゃあわたしが教えてあげる!」

最初はただのぐちゃぐちゃの固まりしか作れなかったサーシャも
こつを掴むとグウェンより綺麗な花冠を作れるようになった。
グウェンはそれをアンブローシアへのお土産にすることを決めた。

明日は何をしよう。明後日は何をしよう。グウェンは楽しみだった。
この庭が二人の遊び場であり、約束の場所だった。

サーシャは来られるときは、なるべくここに来ると言い、
来られないときは人を寄こして伝えるからと約束してくれたのだから。

男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2
394 :リトルプリンセス(8/8) ◆RAN/ur62O. [sage]:2012/05/14(月) 21:39:37.79 ID:QqH5xrQB


いつものようにグウェンが西の離宮へ行こうとすると、その途中で
サーシャが回廊の所で、白い石でできた椅子に腰掛けて
本を読んでいるのを見かけた。彼が本を読んでいるのは珍しい。

「なによんでるのー!?」

グウェンはサーシャの傍に身をすりよせて座った。
するとサーシャは驚いたような顔をして、わずかに身を引いた。
少し傷ついてグウェンは更に近づいた。
「ねえってば」
「君……いや、あなたは」
サーシャに怪訝そうに眉をひそめられ、グウェンは戸惑った。
その緑の目に、馴れ馴れしい他人をみるような困惑の色がある。

「殿下」
すると唐突にわらわらと沢山の男の人たちが出てきて二人を取り囲んだ。
「え……なに……なんなの」
グウェンの困惑をよそにサーシャは冷静な表情で立ち上がり、
男たちに向かって手をあげた。
「平気だ。大したことじゃない、奥に控えていろ」
その指示に男たちは二人の傍から散っていった。グウェンは目をしばたかせた。
訳が分からない。どうしてサーシャは自分をまったく知らない人のように見るのか。
どうしてあの人たちは急に出てきて、自分がサーシャを傷つける人のように
警戒した様子を見せたのか。

「姫君、あなたは人違いをなさってるのではないでしょうか」
「サーシャ……」
人違いというが彼はどこからどう見ても、サーシャにしか見えない。
その目も髪も顔立ちも。だが、少年はグウェンの呟きを聞いて苦笑した。
「……ああ、やっぱり。わたしをサーシャリオンと
間違われているのでしょう。……彼はわたしの弟です」

「おとうと……?」
ということは、この方はサーシャのお兄さま? いくら兄弟でも
こんなに瓜二つに似ているものかしら。そう思いながら
目を白黒させていると、彼はグウェンの前で優雅に礼をとった。

「わたしの名はアレクシウス。……あなたがサーシャリオンと
わたしを間違われたのも仕方がない。わたし達は双子の兄弟だから」

そしてアレクシウスと名乗った少年はにっこりと笑った。

「どうぞお見知りおきを、カルメリアのグウェンフイヴァル姫」

(終わり)
男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2
395 : ◆RAN/ur62O. [sage]:2012/05/14(月) 21:45:43.87 ID:QqH5xrQB
以上です。読んでくれた人はありがとう!

多分、弟の方はそのうちウサギの身の安全をたてに女に迫るような
ヤンデレになり、兄貴の方はウサギシチューを作って反応を見る
タイプのヤンデレになると思います。




※このページは、『2ちゃんねる』の書き込みを基に自動生成したものです。オリジナルはリンク先の2ちゃんねるの書き込みです。
※このサイトでオリジナルの書き込みについては対応できません。
※何か問題のある場合はメールをしてください。対応します。