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【ひぐらし】07th総合part24【うみねこ】

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【ひぐらし】07th総合part24【うみねこ】
504 :417[sage]:2012/04/14(土) 09:55:03.73 ID:T7GF7fxO
続きを投下します。
【ひぐらし】07th総合part24【うみねこ】
505 :417[sage]:2012/04/14(土) 09:55:43.74 ID:T7GF7fxO
ページ10
1983年9月28日(昭和58年) 午後1時05分
北条沙都子 12歳
アサシン教団訓練生(訓練92日目)
日本国 野永県 鹿骨市興宮町
興宮駅 2番ホーム 列車内

〈2番ホームから、鹿骨駅行きが、発車します。ご注意ください〉
プーッという警告音と共に、列車のドアが閉まる。
ごとんと軽い衝撃が走り、列車はゆっくりと動き出した。
ゆっくりと流れ始める興宮の街並み。
私は自分の身なりを見る。
かつて私が秋にお出かけする時に着ていた長袖の服。下は伸縮性の高いズボンだ。
衣料店の特売で買ったものだが、動きやすく激しい運動にも向いている。
山奥ということも考えて、念の為カーディガンも持ってきた。
足元にはリュック。
車内には私以外誰もいない。
私はほんの少しファスナーを開け、中身を確認する。
USP.45一丁。ナイフ一本。予備の弾倉。サプレッサー。
ガンホルダーとナイフホルダー。暗視スコープ。改造済みのかんしゃく玉。
服は雛見沢に行った時に、武器・装備に関しては、アサシンの訓練場から。お金はセーフハウスから。
アサシンの訓練場にある武器はほとんどが本物。
アサシンの装備は充実している――つまり、多すぎて一つや二つ無くなっても誰も気づかない。
取るのは楽だ。難しかったのは持ち出し。
・・・まあ、どうしたかはここは書かずにおく。

移動中の車内、私は頭の中でかつての雛見沢での毎日を思い出していた。
辛いときもあったけど、それでも楽しかった。毎日が輝いていた。
特に、最後の一ヶ月は。
平穏で刺激的な日常。
貴重なものは、失うまでその貴重さに気づかないものだ。
心の中で、今はもういない親友に語りかける。
「・・・梨花。どうか見ていてくださいましね。私、絶対にあなたの仇をとってみせますから」
1時間半後、鹿骨駅に到着。
言うまでもなく興宮駅よりずっと広い。だから少し迷った。
40分後、目当てのホームを発見。発車寸前だった。
駆け込み乗車。マナー違反だが、大目に見てもらおう。
急行で可能な限り近づき、そこから鈍行に乗り換えて行く。
乗り換え駅は興宮駅に少し毛が生えた程度の大きさ。それほど迷わなかった。

【ひぐらし】07th総合part24【うみねこ】
506 :417[sage]:2012/04/14(土) 09:56:57.62 ID:T7GF7fxO
午後5時ジャスト。
ついた駅は、どこか雛見沢に似た村にあった。
無人のホームを通り抜けると、そこは閑散とした駅前広場。
シャッターの降りたいくつかの商店、おばあさんが居眠りしているタバコ屋。
やたらと風が強い。周囲の山々の稜線が揺れている。
体を包むサワサワとした音。西に傾きつつある太陽。
駅前のさびた村内地図を見ながら、頭の住所と照らし合わせる。
「・・・これは・・・」
そこは、村のかなり外れ。
錆び付いた家のシルエットの上には、消えかけた『高野』の文字。
鷹野と高野。偶然だろうか?
――ひょっとしたら、『東京』が幽閉用に確保した家かもしれない。
ここは交通アクセスもかなり悪い。そう簡単には逃走できないだろう。

雰囲気以上に、地理的な意味でもこの村は雛見沢に似ていた。
どこからでも徒歩3分以内で山に入れるような地形。
だから、私は山から近づくことにした。
これだけ木々が生い茂っていればそう簡単に姿を見つけるのは無理だし、強い風が揺らす木々や葉の音が
私の足音を消してくれるだろう。
・・・暗視スコープを使うほどではないが、やはり森の中は薄暗い。
山を40分も歩くと、方角が合っているかも少し心配になってきた。
一度戻るか?そう思った時。
木々の下に、三角屋根と思しきシルエットを見つけた。
こちらの方にはこの家以外人家はない。
つまり、ここだ。
目的地が見つからないという不安が消えたからか、急に緊張が体を支配する。
深く息をして、震え始める体を沈める。
リュックから銃を取り出し、サプレッサーを装着。
ガンホルダー(弾倉も携行できるタイプ)を腰に巻きつけ、銃と弾倉を入れる。
少しスカートをたくし上げ、ナイフホルダーは太ももへ。ナイフを入れて、再び着衣を整える。
暗視スコープを頭に巻き付け、動作チェック。
ピキュイーンという電子音。視界が機械的な黄緑色に眩しくなる。
即座に切る。始める前から目が潰されてはかなわない。
・・・さて、どう行こうか。
「・・・あの『力』、今使えませんかしら・・・?」
私は一人小さくつぶやく。
やってみるか。
「すー・・・はー・・・すー・・・はー・・・んぐっ!」
いつもよりずっと強く力を込める。
・・・ィィィィィン。
間違いなく、耳鳴りは大きい。
「・・・やってらんねえよな」
!!
山狗の会話が聞こえてきた。
【ひぐらし】07th総合part24【うみねこ】
507 :417[sage]:2012/04/14(土) 09:59:48.06 ID:T7GF7fxO
「何だって上はここをこんなに厳重に守るんだ?山狗5人に番犬3人だぞ?」
「閉じ込めてる奴が閉じ込めてる奴だしなあ」
「何だ、お前ここにいる奴知ってるのか?」
「ああ・・・噂でな」
「どんな奴なんだよ?」
「・・・『滅菌作戦』、ってあっただろ?」
「ああ・・・あれか。おれ今でも夢に見るんだよな」
「悪夢くらいならまだましだろ?なんせあの後、山狗の大半は精神病んじまったんだから。・・・大体は
 カウンセリングで済んだけど、今も入院してる奴もいるって話だぜ。・・・で話戻すけど、あの時現場で指揮執ってた
 鷹野三佐って覚えてるか?」
「ああ。今はどっかの精神病院に入院してるっていう・・・」
「それは表向き」
一瞬もったいぶってから、
「実際は・・・ここ」
「はあ!?てことは何だ?今おれ達は昔の上司を軟禁してるってことかよ!?」
「声がでけえよ!」
「あ・・・わりい。・・・でも、何で」
「知らねえよ。あの後、なんかやらかしたんじゃねえの?それにこれだって『噂』だしな」
山狗にとっては与太話だが、私にとっては値千金の情報だ。
決まりだ。鷹野は、ほぼ確実にここにいる。
木の影で考える。
――あとは、敵の位置さえわかれば・・・!
私は少し目を開ける。
・・・ヒュウウウウウウウウウ。
「!くっ・・・」
慌てて力を込め直す。だがなしのつぶてだ。
完全に『力』が終わってしまった。
もう会話も聞こえない。
「・・・もうっ。あの時はあんなに・・・!」
歯がゆさと、焦りと、怒りと、憎悪。
負の感情がブレンドされ、頭の中に溢れ出し――
キュオッ。
聞いたことのない音がした。
次の瞬間、視界が暗緑に薄く染まった。
あまりに急なことに何がなんだか分からず一瞬固まるが、すぐに気を取り直す。
――偶然のラッキーは最大限に活用すべし。
それに、使えているとは言ってもあの夜よりは大分弱い。
存在も感じるには感じるが、輪郭までは分からない。
でも、蛍の光のように弱いが、人の形をした光はちゃんと見える。
物越しには見えず、一部は部分日食のように木々と建物に隠されてしまっているが。
「・・・手前の窓の前に二つ。建物の影に一つ・・・」
先程の話では警備は8人。これで3人だ。
もう少しよく調べようと家に一歩踏み出した時、突如後ろから鋭く声をかけられた。
「おい!そこで何して・・・」
動揺するより先に体が動いた。
一瞬軽く左足を曲げて回れ左。
敵影確認。山狗と思しき男一名。短機関銃(サブマシンガン)所持。銃口は私に。
前傾姿勢をとって山狗から45度方向に(山狗を90度と見て)ダッシュ。
多分ただの地元の子供だと思ったのだろう。
フォームこそ異端だが、動きは訓練を受けた者。
油断していたところにそんな動きをされ、山狗の行動が驚きに一瞬凍る。
そこを突き、私は一気に方向転換。そのまま駆け寄り、銃口を左手で虚空に押しやる。
そして側頭部に手をやり、強く引きつけると同時に思い切りこめかみに右膝蹴り。
「ぐあっ!」
クリーンヒット。一撃で男は沈んだ。
「はぁっ、ふうっ・・・」
この息切れは、突然声をかけられた驚きと敵を倒した興奮から。体は何ともない。
今日が強風で本当に助かった。
我ながらワンパターンな倒し方だとは思うが、そんなのはどうだって良い。
教えられたことを忠実になぞるのが今の私の限界だ。
【ひぐらし】07th総合part24【うみねこ】
508 :417[sage]:2012/04/14(土) 10:01:38.39 ID:T7GF7fxO
仰向けに横たわる男を見ながら、真和さんの言葉を思い出す。
『状況が許すなら敵は殺せ。半端に情けかけると後が面倒だ』
『・・・ただ、最初の一人は大変だぞ』
最初の一人は、言うまでもなく決めていた。
「・・・私の最初の一人はあなたじゃない」
私は呟き、家へと接近を開始した。

先程の『力』は、さっきの戦闘の時に止まってしまった。
一人はやったが、いずれにせよ警備が固すぎる。
まずは警備を分散させなければ。
リュックからかんしゃく玉を取り出し、足元に叩きつける。
改造して音が20倍は大きくなっている。
迫撃砲でも撃たれたかのような、とは行かないまでも凄まじい轟音だ。風の中でも聞こえるだろう。
「!?」
声は聞こえない。だが相手の様子はわかる。
私は体を屈めて、その場から移動。
これで、手前二人――うまくすれば奥にいる者たちもここに来るかもしれない。
そうすれば、警備の手も緩むだろう。
思い通り、男が四人ほどこちらに歩いてきた。
私は手早く、静かに家へと近づく。
下り坂も手伝い、15秒とかからず下まで降りられた。
目の前には裏口の扉。
周囲を確認。山狗や先程の『番犬』と呼ばれた者の姿はない。
――そういえば、『番犬』って何なんだろう。帰ったら吾郎さんに聞いてみよう。

午後6時18分。
入ったそこには、暗い西洋風の廊下があった。
どくん、どくん。
心臓の音が家中に響き、私の存在を鷹野に教えているのではなかろうか。
そう思うほど、心臓の音がうるさい。
手にわずかな汗。これではナイフが滑ってしまう。
気分を落ち着かせる意味も含めて、ゆっくりと深呼吸する。
・・・ヒュウウウウウウ。ィィィン。
――耳鳴りが弱い・・・あの風みたいな音も聞こえてきた・・・
風の音は脳からの警告。そろそろヤバイぞという合図。
この『力』は、神経に多大な負担をかける。
だから使いどきを考えずにパカパカ使っていると、勝手に脳の安全装置が強制遮断してしまう。
おまけに使っている間は、集中するために目を瞑っている。つまり視界はゼロだ。
だから、探す時はまず目で。次に耳で。
銃を構えながら、一部屋一部屋くまなく探す。
台所、トイレ、クローゼットはしっかり探した。だが居ない。
次は居間だ。
私はゆっくり居間に入る。
ここに限らず、全ての部屋の窓にはカーテンがかけられている。
もともと日が傾いていたこともあって、部屋にはほとんど光が入らない。
白い絨毯。木製のテーブル。一人がけのソファが四つ。
そして、壁際にずらりと並んだ本棚。
棚板が抜けるのではないかと思うほど本がギッチリと詰められている。
洋書、古書、辞典などなど。
人間、文字があれば読んでしまうものだ。
英語は全く読めないが、どうやらここに揃っているのは医学書――それも、感染症に関するものばかり。
――ここは、あの女の実家か何かなのですかしら?確か独身だったはずだけど・・・
本棚周辺は全てチェック完了。
ソファの裏にも、テーブルの下にもいない。
確実な焦りを感じる。
この部屋ではないならば、一体どこに?
まさか、ここにはいないとか?
家の見取り図を調べておくべきだったと少し後悔。だが今更遅い。
こうなったら、一つ一つ確実に潰すしかないか――と、思っていた矢先。
【ひぐらし】07th総合part24【うみねこ】
509 :417[sage]:2012/04/14(土) 10:03:56.85 ID:T7GF7fxO
・・・コトン。
何かが落ちる音。
丁度、私の3m手前当たり。
ばっ、と振り向き、銃を向ける。
・・・?
しかし、そこには空白のみ。
おかしい。確かに、物音が――
その時、私はようやく思い出した。
真和さんに教えられたこと。
訓練ではなく、日々の雑談で。
『物音がしたら、相手の頭を想像して対処しろ。相手がバカならただのヘマだが、それ以上なら――』
そして、やっと気づいた。
首筋をチリチリと焼く感触。
「しまっ――」
慌てて振り向くが、もう遅い。
右首筋に小さな痛み。
冷たいものが、血管の中を這ってくる感触。
「よく気づいたわねぇ、沙都子ちゃん。・・・少しだけ、遅かったようだけど・・・」
間近で見る鷹野の顔は。
狂人そのものだったけど、なぜかとても澄んだ瞳をしていた。
「く・・・う・・・」
震える手から、銃を取り落としてしまう。
ブルブルとナイフに手を伸ばすが、それは優しい感触に阻まれた。
するりと鷹野の手が私の太ももを這い、ナイフを奪われる。
「あらあら、こんなもの持って・・・い・け・な・い・子♥」
ナイフの身が、私の頬を撫でる。
――だめだ、足が、もう・・・
膝をつく。もう、頭を上げることもできない。
上目遣いに鷹野を睨む。何も意味がないことを知りながら。
「さて・・・沙都子ちゃん。こんな所で寝てたら風邪を引いてしまうわ。≪ベッドルーム≫へご案内するわね?」
そして、鷹野の肩に担がれる感触を最後に、私は意識を失った。
【ひぐらし】07th総合part24【うみねこ】
510 :417[sage]:2012/04/14(土) 10:04:46.20 ID:T7GF7fxO
今回はここまで。



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