- 仮面ライダー総合エロパロスレ16
399 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/03/03(土) 00:54:25.67 ID:07h9b0NL - 昨年は雛まつり→雛飾り→カザリ×比奈を密かに期待していたのが懐かしい
フォーゼ投下待ちのつなぎ、苦手な人は何も言わずスルーお願いいたします 「信吾の日記」設定のアンクと信吾です
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400 :アンクと信吾の比奈祭り 1[sage]:2012/03/03(土) 00:56:57.06 ID:07h9b0NL - 小さな人形を手に取りながら「これも比奈が家を出るまでかなあ」と信吾が呟く。
リビングの写真立ての隣のほんのわずかなスペースに可愛らしくそれは収まった。 「お雛さまってヤツだよ。アンク、女の子のお祭りさ」 浮遊している右腕は「知ってる」と言うと二つ並んだ人形の姿形を眺め回した。 つるんとした顔の人形は優しげな表情でちょこんと仲良く座っている。 「あいつももう19歳だな…」 うるうると感慨にふける信吾を尻目に「早く、アイス食わせろ」といつものアンク。 「まったく、君は情緒というものを感じないのか、ぶつぶつぶつ」 と信吾はいつものように右腕を差し出した。 すると、ひゅるん、と信吾に憑依して彼に代わるアンク。 いつものように棒アイスを咥えながら信吾の部屋でアイフォンをいじりだす。 「信吾、今日も日記書いたのか…ふーん。そういやデジタル化する前の日記って読み返すこと無いなあ」 と、思い出したように振り返り、本棚の奥深くから一冊のノートを取り出す。 何気に続いている信吾の日記だ。 「199x年…」 パラパラとページをめくる。 「3月…×日。ホワイトデーのお返しは幾ら位のものを買えばいいか母に尋ねたら、『三倍返しよ』と言われた。 お金が無いので500円分ずつにすることにした。今月はピンチだ。全くサイテーな風習だ」 「△日。今日は授業中の早弁を見つかって先生にめちゃくちゃ怒られた。ソバは音でばれるから明日はやっぱりパンにしよう」 中学生時代からコイツ面白かったんだな、と本棚に戻す。 200x年と表紙に記してある別のノートを手に取り、アンクはぺらぺらとページをめくって眺める。 「3月×日。ホワイトデーのお返しは何にすればいいかと友人に尋ねたら 『本命はキャンディー、義理はクッキー、友人はマシュマロ』と言われた。全く面倒な風習だ」 ―― 毎年同じネタで悩んでいるのかよ。今年も同じ事を日記に書きそうだなこいつ。 …さらに読み進んでいくと、ふと怪しげなページに行き着く。 なぜかそのページのみサインペンで色濃くはっきりと書かれている。 読め!といわんばかりの迫力が滲み出ていた。 さらに、そのページの何箇所かの文字は水で滲んだような痕が残っている。 アンクはアイスを舐めつつ文字を読み取る。
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401 :アンクと信吾の比奈祭り 2[sage]:2012/03/03(土) 01:00:18.73 ID:07h9b0NL - 「記憶があいまいになる前に日記にも記しておこうと思う。
忘れなくては、いや、忘れてはいけないと何度も考え直しつつ月日が経ってしまった。 あれは俺が幼稚園に行っていた頃のことだ。親父がある夜、一人の女の赤ちゃんを抱いて帰ってきた。 犯罪に巻き込まれ両親を失った乳飲み子。親父が『信吾、この子は今日からお前の妹だ』と笑いながら言った。 それが比奈だった。」 …信吾が滂沱の涙を流しながら書き記したであろう衝撃の告白に完全に動きが止まるアンク。 アイスを食べ終わるや否や、右腕に分離して信吾を覚醒させる。 「オイっ!こりゃどういうことだっ!お前、これ!」 信吾の胸倉を掴んで揺さぶる。 「…ああ?な、何、寝ようとしてたのに…?」 「比奈はお前の妹じゃなかったのかよ!」 「??い、妹だけど…」 「じゃあ、これは何だよ!」 ビシッと日記のページを指差して右腕が叫ぶ。 信吾はページを見るとああ、とうなずいた。 「忘れてた…」 「忘れてたじゃない!これ一番重要なトコ!比奈と血が繋がってないってコレもの凄く重要!」 信吾は首をかしげる。 「比奈と血が繋がってなくても別に関係ないじゃん(君と比奈の血の繋がりないのは当然だろ)」 「関係あるっ!…いや、ない…いや、あるんだよ!!」 ちょっと待て、とアンクは悩みはじめる。 このシスコン兄貴がこの事実をどう捉えているか見当つかないが、オレは嬉しく思って良いのだろうか!? 嬉しい?!いや、断じてそんな事は無い。 嬉しいどころか、強敵出現とでもいうような新たな緊張感…! ヤバイぞ映司!比奈は、比奈は割とブラコンだしなああ!
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402 :アンクと信吾の比奈祭り 3[sage]:2012/03/03(土) 01:02:30.25 ID:07h9b0NL -
「お兄ちゃん、寝たのー?」 唐突に比奈の声が聞こえる。 「「今寝るところー」」 ハモッって答えてから、アンクが再び切り出す。 「お前比奈が好きだろ?」 「当然だろうが!」 「…じゃあ、その…あの…」 しどろもどろになりながらアンクが言葉を探す。 バタン! 「お兄ちゃん!誰かいるのっ??」 突如、部屋に乱入して来る比奈に驚く二人。 アンクはぴゅっとその姿を隠す。(まあ、幽体だから見えないけれど。) 「だ、誰もいないよ!」 作り笑いをして信吾が言う。 比奈が不思議そうに辺りを見回した後、ふと机の上の日記帳に目を留めた。 すると比奈はくすりと笑った。 「ああ、お兄ちゃん、これ」 「ん、そうそう。お前号泣するんだもんな。びっくりしたよ」 笑い声に包まれる比奈と信吾の姿に?マークのアンク。 「わざわざ机の上にこうやって広げて置いてあったんだっけ」 「まさか読んでくれるとは思わなかったよ」 比奈が懐かしそうにノートを取り上げる。 「私、本当に本気にしたんだから!」 「ははは、怒るな。あの時散々謝っただろ?!」 アンクは気を落ち着かせながら日記帳の日付を見る。 …四月一日。 「エイプリルフールのジョークとしては傑作だったな」 *** その後、一瞬でも映司と信吾のどちらに加勢すべきか迷った自分に激しく後悔するアンクの姿があった。 (おしまい) 元ネタは懐かしの某ジャンプ系マンガより。
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