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名無しさん@ピンキー
パワポケでエロパロ24

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パワポケでエロパロ24
644 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 01:54:32.47 ID:rFefffRt
エロ無しネタ書きあがったんだが構わんか?
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646 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:02:40.92 ID:rFefffRt
いや、前に投下したときに荒れたんで念の為。
ある女の不幸と同じ世界観の作品で、タイトルは『あるヒーロー達の御節風景』です。
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647 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:04:04.71 ID:rFefffRt
 日本という国において、東と西では食文化の差が大きい、というのは有名な話ですね。
ウドンの汁の濃淡や、鰻の捌き方、肉じゃがに使う肉の違い……簡単に上げただけでも、
これだけの違いがあります。
 正月の代名詞、おせち料理にいたっては地方単位で細かな差があったりします。最近で
は洋風の御節などもあるようですが……どこの家庭にも、その家を代表する『我が家のお
せち』というべきものがあるそうで。
 些細な事ですが、人間関係のいざこざの原因になったりもするので侮れませんね。特に
おせち料理は嫁姑の諍いになりやすいそうです。食生活は、その人物の個性を彩る重要な
パーツの一つと言い換えてもいいでしょう。

 ジャッジメントとの戦いを生き抜き、カタストロフを解決に導いたヒーロー達も、例外
ではありません。
 何せ、大半が伴侶持ちの上、個性的な人生を歩んできたのだから、その食習慣は千差万
別。ささいな衝突も起ころうと言うものです。
 本日は、そんな男女の些細な諍いの様子を……

「私、ブラックが司会でお送りしようと思います……」
「何してんの真央ちゃん……」







 自主トレを終え、シャワーで汗を流して自室へ帰ってきてみれば、長いモノローグを満
面の笑みで語る伴侶の姿。余りに突拍子もない状況に、文月文七は冷や汗流しつつ突込み
を入れた。言いたい事は山ほどあったが、とりあえず真っ先に聞くべきは、この部屋の有
様だろう。

「これ、俺が出かけてる間にやったの?」
「うん……お義父さんとお義母さんも手伝ってくれた……今は買い物中」
「ああ、さっき家の前であったよ」

 こたつとテレビしかなかった筈の居室が、プロジェクターと巨大スクリーンが設置され
シアタールームへと早変わり。物が少ないとはいえ、驚きのビフォーアフターである。
 唯一部屋の面影を残したこたつに潜り込み、一息つく。こうやって日本の風物詩に触れ
ていると、自分が日本にいるのだとしみじみ実感する。

 文月文七は、MLBで活躍しているプロ野球選手である。彼の立場を簡単にしてしまう
と、たったこれだけの文章で終わってしまう。
 が、ここに賛辞賞賛の言葉を付け加えると、その質量は倍以上に膨れ上がる事になる。
 MLB最多勝投手受賞ピッチャー。サムライピッチャー。守護神(Guardian)。三振製造
機。ミスター103マイル……様々な大記録打ち立て、多くのファンを魅了し続ける超一流の
野球選手なのだ。
 それだけに年俸はどえらい額に達しており、高級マンションの一室を買い取って生活し
ているのだが……これが又見事なアメリカ式の部屋であり、日本らしさなど欠片もないの
である。

パワポケでエロパロ24
648 :名無しさん@ピンキー[]:2012/01/25(水) 02:05:06.32 ID:rFefffRt
 それ故に、たまの帰省で味わえる日本らしさは、文七にとってはどんな自然にも勝る癒
し要素だった。それが、最愛の妻と一緒ともなれば倍率ドンだ。

「……それで真央ちゃん。このスクリーンは何事?」
「……文七、御節おいしそうに食べてたから……」
「ああ。あれは――アメリカにも、日本料理を出してくれる所はあるけどさ、大半はなん
ちゃって日本料理だし、本物があっても家庭の味とはいえないしね」
「うん。それはわかってる」

 返事をする真央の顔にはにこり、と自然な笑顔が浮かんでいて。
 笑った事すら誤魔化そうとした昔の真央からは考えられないような反応だ。その良質な
変化を、文七は歓迎していた。

「だから――私の仲間のおせち料理を、こっそり録画したものがあるから、一緒に見る」
「盗撮は辞めなさいって」

 ただ、いつの間にか身についたこのデバガメ趣味だけは頂けなかったが。
 どうせ御節だけに留まらず、色々とあれな光景も録画しているのだろう。ヒーローとし
て活躍していた時代も、仲間たちのあれやこれやを覗いては楽しんでいたのだという。
 真央のその手の行状は、かなり細かい所まで文七の耳に届いていた……主に、被害にあ
った連中からの苦情という形で。

「勘弁してくれよ……レッド達から文句言われるの、俺なんだよ?」
「……大丈夫。ピンクやレッドのお正月もしっかり録画してるから」
「そのどの辺が大丈夫なのか小一時間問い詰めたい」
「それじゃあ、再生開始……」
「スルーですかそうですか」

 あいも変わらずマイペースな妻の姿に、文七は嘆息する。事が露見したら、又『アンタ
ブラックにどういう教育してんのよ!?』とか『お前はブラックに甘すぎるんだよ!』と
か言われるのだろう。まぁ、桃色のヘタレに関しては聞き流しているが。
 真央は炬燵から抜け出して電気を消し、プロジェクターのスイッチを入れて炬燵にもぐ
りこむ。ただし――

「…………」
「ま、真央ちゃん??」

 元々自分が入っていた面ではなく、文七の膝の上へと、体をねじ込むようにしてだ。小
柄な体を膝の上にすっぽりと収めて、のけぞるようにして文七を見上げるその表情は、相
変わらずのポーカーフェイスだったが……文七は、そこに若干の不機嫌を見て取った。

「『一緒に』見る……」

 どうも、最初からこうしなかった事――真央と一緒の面に入らなかった事に対して拗ね
ているらしい。
 ヒーローとしての彼女を知るものなら目を見開くような行動だが、文七にとっては見慣
れたものであった。結婚して以来、文七にしたいしてこういう子供っぽい甘え方をする事
が多いのだ。

「……そうだね。そうしよう」

 膝の上の妻を抱きしめて、スクリーンへと視線を移す。
 矢張り、自分はレッドの言う通り、彼女に甘いのだろう。彼女の愛らしさに負けて、盗
撮と言う行為を『後で自分が怒られればいいや』で済ませてしまう辺りが。
 正直な話、文七にとって盗撮画像など大した価値はない。二人で一緒に過ごす事ができ
る、たったそれだけで、文七と真央は満たされる事が出来る。

「じゃあ、まずはレッドのお正月から……」

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649 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:05:28.97 ID:rFefffRt
 @赤いアイツのお正月

 スクリーンに映し出されたのは、広いリビングの一室だった。画面の端に見える窓の外
の風景から察するに、何処かの高層マンションの一室だろうか?
 中央には大きな炬燵がででんと置かれ、その上には豪華絢爛な御節が並ぶ。付き合いで
そういう食事を取ることの多い文七にはわかる。キャビア、トリュフ、フォアグラと言っ
た世界三大珍味が惜しげもなく使われ、伊勢海老松葉蟹金箔……なんというか、豪華すぎ
て引くレベルだった。多分、どこぞの高級料亭から取り寄せたものだろう。
 お金があろうと根が庶民感覚の文七には着いていけない世界である。
 そして、それを前にした人間はと言えば――

『…………』
『……どうしたの? 長月くん……』

 豪華な御節を前にして凍りつく男と、小首をかしげる女性が一人。男の方には見覚えが
ある。あのボロボロの服装は忘れもしない、レッドの人間形態だ。確か、名前は長月九郎
といったか。
 女性のほうにも見覚えが有った。直接の面識はなく、TVのニュースで何度か見た、と
いう程度に認識だが……確かNOZAKIグループの代表の、野崎維織だ。

(レッドの奴、凄い玉の輿に乗ってるなぁ……)

 彼がそういうことを気にする人間ではないと知っていても、そう思わずにはいられない。
NOZAKIといえば、ジャッジメントがなくなった後の社会では、雪白グループと肩を
並べる大企業である。
 そこの社長と一緒に暮らすとは、随分とリッチに――

『い、いやね。この御節の代金を考えたら』
『……?』
『これだけあったら10年は戦っていけると思ってさ』

 なっていなかった。
 確かに豪勢な御節だが、その代金で10年を戦い抜くのは無理だろう。今のレッドの収入
がどれほどかを文七は思い出そうとして――

「あれ? レッドって確か定職についてなかったような……?」
「うん……一応、野崎維織のボディーガードみたいな事はしてるみたいだけど……お給料
は貰ってない。だから、彼はいわゆる……ヒモ」
「うわー。無職ヒモのヒーローかよ。実態知ったら子供泣くぞ」

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650 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:05:48.46 ID:rFefffRt
『……食べないの?』
『た、食べるけどさ……いまだかつてない豪華な食事に、緊張してしまって……』
『……食べさせてあげようか?』
『自分で食べるからいいよ』
『残念……』

 無表情に、全然残念そうじゃない口調で呟く女性。対するレッドは、恐る恐るといわん
ばかりに箸を伸ばす。緊張の余り、頬に汗まで浮かんでいた。
 まず摘んだのはフォアグラのソテー。震える箸で口に運んでから一言。

『う、旨い……! これ一口に、一ヶ月の生活費が……!』
「本当にアイツはどんな生活をしていたんだ……?」

 かつてのライバルの惨憺たる有様に、文七の頬を汗が一筋流れて落ちる。高校時代のカ
ッコいいアイツは何処に行ったのやら……
 そんな文七の嘆きなど露知らず、画面の中のレッドは緊張したお面持ちで御節を食べ続
け……代わり映えのしない映像が変化したのは、レッドの口が租借ではなく会話の為に動
いた時である。

『…………』
『維織さんは食べないの?』

 レッドの言葉を聴いて、文七もようやく気がついた――レッドの向かい側にいる維織は、
箸さえ手にせず丸くなったままである。
 問われた側の維織は、眠そうな目をレッドに向けて、短く返した。

『食べさせて』
『…………』
『長月くんが食べさせて。まずは伊達巻……』
『……畏まりました。お姫様』

 苦笑と共に、レッドは炬燵を抜け出して、維織の隣にもぐりこんだ。そして、伊達巻を
箸で取って、そのまま維織の口元に運ぶ。口元に運ばれた食物を、維織は眠そうなまま租
借し始め……シチュエーションだけを見るなら、男女がいちゃついているように見えない
こともないのだが。
 何故だかスクリーンからはそんな甘さなど欠片も感じなかった。

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651 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:06:05.41 ID:rFefffRt
「……ねえ真央ちゃん……」
「何?」
「なんか、見た感じだと『二人でいちゃついてる』っていうより、『レッドが駄目な人の世
話をしている』ようにしか見えないんだけど……」
「……多分、その感想であってる……」
「…………」
「どうしたの?」
「いやぁ、どこかで見たことあると思ったんだけど……この維織って人、真央ちゃんに似
てるよね。言動と言うか、雰囲気が」
「……私はあそこまで面倒臭がりじゃない……」
「そうかな」

 頬を膨らませて拗ねる真央の頭部に、文七の顎が乗る。すっかり拗ねてしまった真央は、
リモコンを操作して映像を消してしまった。

「あれ? もういいの?」
「あの二人にこれ以上イチャイチャは期待できない……レッドは死んだ恋人を引きずって
いるし、野崎維織はそれを承知の上で養ってるから、押しが弱い……」
「……やっぱり、御節じゃなくてデバガメがメインなんだ……」
「違う……料亭の御節じゃあ、参考にならない……」
「ああ、確かに……」
「次は、カズ……」
「確か、茨木さんだっけ。あの色々と複雑な……」

 余りに複雑すぎて、ヒーロー業と文七を関わらせようとしない真央が、真顔で相談して
くるレベルである。

「最近恋人とヨリが戻ったから、多分凄い事になってる……」

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652 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:06:21.87 ID:rFefffRt

 @ダークスピアのお正月

 画面に映し出されたのは、先ほどまでうつっていたのとは正反対の、狭い空間だった。
一人暮らしのアパートだろうか? 最低限の空間に最低限の家具が並んでいる光景は、文
七が球団寮にいた頃を思い出させる。
 ワンルームの中央に置かれた炬燵に、二人の人間が座っていた。今の真央、文七と同じ
ように、大柄な方が小柄なほうを抱えるように入っているのだ。

『とーしのはーじめーのためしとてー♪』
『……なぁ、カズ……』
『体勢の事なら却下や。逆にするとすーぐセクハラしよるし』

 ただし、文七達とは違い、男女の立場が逆転していたが。
 男も小柄というわけではなかったが、女の方がそれ以上に大柄な為、サイズ的な違和感
が全くない。この男女の場合、男が女を抱えていた方が無理が生じるだろう。
 女性の方は、真央のヒーロー時代の仲間で、名前を茨木和那という。以前に一度会った
ことがあり、その体の大きさに驚かされたものだ。
 一方の抱えられている男は――

「あれ? この男って……」
「神無月十蔵……カズのいい人……」
「ああ、やっぱり彼か」
「知り合い?」
「前回のWBCで一緒にプレイしたんだよ……そうか、彼がなあ」

 初対面は、代表合宿へ向うバスの中だった。あの時は、出会い頭にサインを求められて
かなり面食らったものだ。ピッチャーとしては疑うべくもない一流であり、本人はどう思
っているかわからないが、文七はメジャーでも通用するレベルだと評価していた。
 真央から聞いた話が確かなら、この二人も中々難儀な人生を送っている事になるが、画
面の中の二人はそんな苦難など欠片も感じさせない。
 それだけ、今が幸せと言う事だろう。

 さて、そんな彼らがつついている御節はというと……お雑煮に少々豪華な重箱。そこに
敷き詰められているのはオーソドックスな正月料理である。極々普通のおせち料理と言っ
ていいだろう。
 ――重箱の一段を丸まる占領している数の子の山を除けば、だが。
 好物なのか、十蔵の箸は数の子にばかり伸びて、ぼりぼりと快音を鳴らして租借してい
る。そんな彼を、カズはニコニコと笑いながら見下ろしているのである。

『……どないや十蔵。その数の子には自身があるんや』
『ん。旨いよカズ……こっちも薄味だけどわるくないな。数の子の味が生きてる』
『関西風や……まぁ、レシピ通り作っただけやし、ウチの家の味とは胸張っていえんけど』
『これからは、これが俺達の家の味になるんだよ』

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653 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:06:48.69 ID:rFefffRt
「……痛風の人には食べさせられない御節だなぁ」
「…………」

 気がつけば、膝の上の妻は物凄くいい笑顔で画面を見ていた。

「あれ、真央ちゃんどうしたの?」
「……気付かない? あの子の名前は、茨木和那。通称カズ」
「いや、それ位は知って――あ゛」

 言われて始めて気がついた。あの数の子の山に秘められた一種の言葉遊びに。

 数の子→かずのこ→ カ ズ の 子 。

「えっと、と言う事は、あの数の子の山は……」
「子供が欲しいっていう、カズの意思表示……数の子は子宝を祈願して作られるから、間
違ったアピールじゃない……ちなみに、黒豆が健康でゴマメが豊作、栗きんとんが金運……」
「詳しいね真央ちゃん……」
「勉強した」

 誇らしげに胸を張る真央をよそに、画面の中では恋人たちがヒートアップしていく。

『なぁカズ』
『なんや?』
『これだけアピールしといて、セクハラするなってのは、拷問じゃないか?』
『……ウチが言いたいのはな。無理やり、日の高いうちから押し倒すなっちゅー事や。
 というか、何で十蔵がウチの事押し倒せるねん……ただの野球選手にねじ伏せられるほ
ど弱くない筈なんやけどな、あたし』
『――カズ。俺は、ホンフーと飲み友達なんだよ』
『それはしっとる』
『もう、3年の付き合いになるが……その中であいつにいろいろと習ってるんだよ。ルール
に抵触しない範囲の体の鍛え方とか、動体視力の鍛え方とか……
 いやー、中国武術の深遠って凄いよな。おかげで野球も大分上達した』
『……ちょい待ちぃ。まさかあんた――』
『『カズの押し倒し方教えてくれ』って言ったら、喜んで教えてくれました』
『ば、馬鹿や馬鹿やとはおもっとったが、ここまでとは……』

「……驚いた。神無月君はそんなトレーニングをしてたのか」
「……そこが気になるの……?」
「プロ野球選手としては当然ね……武術レベルの動体視力と反射神経が、あのピッチャー
返し処理の秘訣だったのか……」

 野球馬鹿の性か、いちゃついている二人よりも、十蔵の口から飛び出したトレーニング
内容の方に興味をそそられる文七だった。
 真央も彼らの話の中に何か得るものがあったらしく、頷きながら……

「……おせち料理をアピールに使う発想は、参考になった……」
「うん。アレは確かに美味しそうだな……けど、一面数の子はやめてね真央ちゃん」
「大丈夫……私の時は全部数の子」
「…………」

 頑張らなければいけないらしい。色々と。

「次は朱里……新婚夫婦だから、凄いのが見れると思う」
「真央ちゃんは内容見てないんだね」
「うん。私はカメラ仕掛けて回収してきただけだから……」

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654 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:07:12.18 ID:rFefffRt
 @サイボーグ花嫁のお正月。

 映し出されたのは、極々普通の和室だった。中央に置かれている炬燵、そこに広げられ
た御節、そこまでは今まで見てきた光景とさほど変わらない。
 大きな差は、炬燵に入って団欒している顔ぶれが違うのと……女性の側の体系に、大き
な変化があった事だった。

『…………』
『…………♪』

 ぽっこりと膨らんだ腹部を愛おし気に撫でる男と、男に全てを委ねて微笑む女性。
 子宝に恵まれた夫婦のありふれた姿がそこにはあった。
 感動的な肖像画を形作る一つのパーツ……若夫婦の顔を見た文七は思わずため息をつい
た。女性のほうは当然知り合いで、真央の昔の仲間だ。ジャッジメント製のアンドロイド
で、名前は朱里といったか。
 問題は、夫の方にも見覚えがあるという事だった。

「霜月君じゃないか……なんで、真央ちゃんのヒーロー仲間は、俺の知り合いと付き合う
確率が高いんだ?」
「……霜月とも、知り合い?」
「WBCの決勝でバッテリー組んだ仲だよ……守備とリードが上手いんだ」

『ごめんね充一……出来あいの御節になっちゃって……』
『馬鹿言うなよ。身重の朱里に無理なんてさせられるわけないだろ』
『そうだけど……あ』
『……うん? どうした朱里……』
『なんでもないわ……ただ、この子達が動いただけよ』
『うわ。本当か? ……気付かなかったな』
『ほんの少しだもの。気付かないのも無理はないわ』

 朱里の手が、膨らんだ自分のお腹をぽんぽんと叩く。それを聞いた霜月は満面の笑みを
浮かべて、朱里のお腹に耳を済ませた。

『ちょっと、充一……』
『このままでいさせてくれよ……こうしてるとさ、来年からも頑張らなきゃ、って思えるんだ』
『こうしなきゃ、頑張れないとでも言うの?』
『家族の重みを知っておきたいんだ。二人分だぜ? 二人分』

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655 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:07:29.82 ID:rFefffRt
「……へぇ。双子なのか」
「……もう名前も決まってるみたい……」

『平助、和……元気に生まれてきてね……』
『……ぷっ』
『何よ。いきなり噴出して』
『いや、この間の事思い出してさ……十蔵とカズが顔出した時……』
『ああ。馬鹿二人か』
『『朱里は絶対娘に社長の名前つけると思ってた』……二人とも口揃えて言うんだもんな』
『失礼な事言うわ全く。確かに紫杏とは親友だったけど、子供の名前につけるほどじゃな
いわよ。この子達には、この子達の人生があるんだから……』
『朱里にゃ悪いが、あの人の名前はちょっと縁起が悪いからなぁ』
『……そうね。この子達には、紫杏や私と違って、平和な人生を歩いて欲しいもの』
『お前の人生も平和だよ。これからは、俺がそうしてみせる……昔の辛い事なんて、忘れ
るほど幸せにして見せるさ』
『……うん』

「……うらやましい……」
「…………」

 画面の朱里をじっと見つめる真央が、何を想ってうらやましいと口にしたのか……文七
にはその内容が大体予想できたが――あえて触れなかった。
 夫婦でも、触れてはいけない領域というものがあるのだ。

「……やっぱり、朱里は安定してる」
「安定って、何が??」
「甘い空気に定評がある……普段ツンツンしてるから、二人きりだとでれでれ」

 真央による、本人が聞いたら真っ赤になって暴れかねない評価が下された直後、画面の
中の二人に変化があった。

『…………!』
『お、今動いたな。俺にもわかったぞ』
『……え、ええ……そうね……それと、充一……落ち着いて、聞いてね?』
『どうしたんだよ?』



『生まれそう……』



 画像の中の霜月と、文月夫婦の動きが凍りついた。




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656 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:07:48.70 ID:rFefffRt
『う、生まれそうって、今!? 今なのか!? だ、大丈夫なのか朱里!!』

 霜月選手、再起動と共に大パニック開始である。その姿に、スポーツ誌に絶賛される『冷
静沈着な守備の司令塔』としての面影は全くない。

『大丈夫……だと、思う……っ』
『きゅ、救急車を! 救急車を呼ばなきゃ!』
『ば、馬鹿……! 普通の医者じゃ、無理よ……』
『そ、そうか、そうだった! ブラック! ブラックはどこだぁーっ!!』
『この大馬鹿!! それこそ一番呼んじゃいけない相手でしょうが!』
『え!? けど、あいつなら――』
『あのムッツリなら人の出産風景喜んで録画するに決まってるわよ!』

 というか、実際こうやって録画しているわけだけれど。

『いや、幾らブラックでもそこまでは――』
『しないって言い切れる!?』
『……うん、無理だごめん……そ、それじゃあどうすれば!?』

「…………」
「真央ちゃん……あんな評価を受けるまで、どれだけあの二人に迷惑かけたんだい??」
「……私は無実……」
「いや、有罪の証拠が目の前にあるんだけれど」

 本当に、いつの間にこんな趣味がついたのやら……己の妻の事ながら、見当もつかない
文七であった。そのうち、霜月夫婦からの苦情も文七に届きそうな感じである。


『私の携帯に番号が入ってるから……黒野博士の……!
 あそこなら私の体の事も知ってるから――』
『わ、わかった! 他にする事はあるか!?』
『…………手』
『え?』
『手を、握ってて……!』

 二人の視界に移った夫婦のやり取りは、それで終わりだった。文七は油断しきっている
真央の手からリモコンを掏り取ると、すばやく停止ボタンを押す。

「あ」
「真央ちゃん。この画像は後でしっかり処分しようね。冗談じゃすまないから」
「……わかった……」
「というか……出産したのに気付かなかったの?」
「カメラ……留守中に全部済ませたから」
「直接顔をあわせはしなかった、と。今度、出産祝い持っていかないとなぁ」
「甘い空気は堪能できたけど、ここの御節は参考にならない」
「又、お店のものみたいだしなあ……今の朱里ちゃんに手作りを求めるのも酷だし」
「……次は、ピンク……」
「あいつにはなおさら期待できないんじゃないか? 一段ラッキョウとか塩抜きしてない
数の子とか漕げた伊達巻とか普通にやりそうなんだが」
「文七はピンクに厳しい……」
「俺は、あいつが真央ちゃんにした事を忘れてないからね」

 その言葉に嘘はなく、他の連中からの苦情は真剣に取り扱うが、ピンクからの苦情だけ
は全力で聞き流して相手にしていない。文月文七。最愛の妻に関しては意外と根に持つ男
であった。

「……まさかとは思うが、ピンクの奴も俺の知り合いと付き合ってる……とかないよね?」
「その心配はない……ピンクの彼氏は正真正銘ただのサラリーマン……」

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657 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:08:06.97 ID:rFefffRt
 @桃色のヘタレのお正月

 スクリーンに映し出されたのは、今までの映像と変わらない、団欒風景――
 ではなかった。

 炬燵の上に御節。ここまではいつもどおりなのだが。
 三人いた。そんでもって、なんか殺伐としていた。

『Zzzzz……』
『…………』
『…………』

 炬燵で丸まって眠りこける男をおよそに、向かい合う二人の女。一人は、桃色のパーカ
ーを着た、そばかすのついた少女……文七も良く知るピンクの人間形体である。もう一人
は、黒髪を腰まで伸ばした妙齢の女性で始めてみる顔だった。

『ねぇ浅井さん。私、貴方に言いたい事があるんだけど』
『なんですか? 桃井さん』
『帰れ』
『嫌です』

 短い掛け合いだったが、それをきっかけに二人の視線がぶつかり合う。ぎしりと、空間
が軋む音が聞こえそうだった。

『……何度も言わせてもらうけどね、十二はわ・た・し・と! 付き合ってるの! 貴方
はお邪魔虫なの!』
『お邪魔虫って……そんな事ないと思いますけどね』
『恋人同士の蜜月を邪魔しておいて、何を言うか』
『じゃあ、逆に聞きますけど……私が来なかったらおせち料理はどうするつもりだったん
ですか?』
『それは、ちゃんと手作りの奴が――』
『一段丸々ラッキョウ。もう一段は塩抜きしてない数の子。最後の一段は全部焦げた伊達巻。
 あんな物を私は御節とは認めません! 十二さんが体壊しちゃうじゃないですか!』

 文七の指摘は全部的中していた。生みの親の面目躍如である。

『け、けど十二は美味しいって!』
『無理してるんですよそれ! 見てくださいこの魘されようを!』

 女性の台詞を聞いて、文七はようやく気がついた……暢気に寝ていると思っていた男の
顔色が、猛烈に悪い事に。これだけ大騒ぎしても目覚めないと言う事は、眠っていると言
うより気絶しているのに近い。

パワポケでエロパロ24
658 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:08:34.10 ID:rFefffRt
(……ひょっとして、食べたのか? ピンクの御節)

 塩抜きしてない数の子やら焦げた伊達巻やらを。そして会話を聞く限りでは、ぶっ倒れ
るほど不味いものを美味しいと評価する気遣いまで見せて。
 全ての推測が正しいとするならば、この男は勇者である。神無月も、霜月も、レッドも
……文七でさえお呼びもつかないレベルの、偉大な勇者である。

『というか、アレは伊達巻じゃなくてもう墨ですよ墨! 大体なんですかラッキョウって。
おせち料理に入れるようなものじゃありませんよ』
『いいでしょ好きなんだから! アンタは小姑か!』
『ええそうです。十二さんの幸せのためなら、この不肖浅井漣。小姑にならせて頂きます!』

 女性の身の上などわからない。だが、一連のやり取りからこの三人の関わりが何なのか
は容易に想像がつく。
 炬燵の中で眠りこけている男を奪い合う二人の女性……既に完成した恋人同士に割り込
もうとする闖入者。この状況を言い表すのなら、一言で十分である。

「……修羅場……?」
「見ての通り……女同士の骨肉の争い……」

 思わず呟いた文七に、真央は何故かほっこりと笑って返した。

「愉しそうだね真央ちゃん……」
「最近、ホンフーの気持ちがわかってきた……人の修羅場って面白い……」
「ホンフーってあの人だよね。この間俺等の修羅場作った人。
 夫としては、ああいう危ない人との付き合いはやめてくれると嬉しいな〜なんて……」
「今度、共同で面白いイベントを企画してるから、文七にも参加してもらう」
「うわぁ、聞いちゃいねぇ」
「……それはそうと、この御節は全く参考にならない……」
「うん。料理でさえないからね。というか、参考にされたら泣くよ俺は」

 食する立場として正直な感想を述べた所、発言者の愛する妻は無表情に一言。

「……泣き顔……見たいかも」
「マジでやめてくださいお願いします」


パワポケでエロパロ24
659 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:08:59.94 ID:rFefffRt
 @黒いリーダーのお正月

 映像が消え、純白のスクリーンに青い光が照らされる。覗き見画像が終わり、見るべき
ものがなくなっても、二人は動こうとしなかった。
 暗い室内を青い光源に照らされながら、ただ互いの体温を感じている。
 言葉もなく、沈黙が続く。居心地の悪いものではなく、穏やかで居心地のいい沈黙だ。
二人で一緒に過ごす事ができる、たったそれだけで、文七と真央は満たされる事が出来る。

 沈黙の中で文七が考えるのは、真央がこんな映像を用意した理由だった。盗撮趣味が高
じたと言うのもあるだろうが、それだけとも思えない。
 文七には、真央にこういう行動に移らせた動機に心当たりがあった。

「みんなの御節よりも、うちの御節のほうが参考になると思うけど。母さんに教えてもら
えばよかったのに」
「……うん……けど、美味しいものを食べて欲しかったから……」
「俺は、真央ちゃんの料理なら何でも食べられる……いや、炭は簡便ね」
「……文七もそうだけど、お義父さんお義母さんにも……」
「…………」

 何気なく呟かれた妻の言葉に対し夫が感じたのは、ああやっぱりという納得だった。
 そんな事ではないかと思っていた。元々、真央は文七の良心に対して気を使いすぎる所
があり、今回の事も母親の手を煩わせたくないという気遣いが働いたのだろう。
 よくある嫁姑問題に見えるが――そんなものでは断じてない。もっともっと深刻で救い
ようのない理由が、真央と文七の家族の間に横たわっている。


「そんなに気を使わなくても――家族なんだからさ」
「…………」
「それとも……やっぱり、『怖い』?」

 文七の問いに帰ってきたのは言葉ではなく、行動だった。小さな体を抱きしめるたくま
しい腕を掴み、きゅっと握る。


「――私は、バケモノ」


 真央の抱いている感情が全て集約された一言だった。真央の心の奥深くに根付いてしま
っている不安の表れであり、夫としては絶対に見過ごせない、見過ごしてはならない言葉
だった。

「真央ちゃん」
「私は、人の願いが具現化した存在……人間とは違う……子供も産めない……
 年をとらず、人外の力をもっている……人の傍らにいれば、必ず別れが来る……」

 以前にも聞いた事のある言葉だった。二人が結婚する前……カタストロフと呼ばれる事
件が起きる前に、二人は一寸した事で喧嘩をしてしまった事があった。
 その時に彼女は全く同じ言葉を言い放ち、こう続けた。

 文月文七は、様々な大記録打ち立て、多くのファンを魅了し続ける超一流の野球選手で
あり、有名人である。
 そんな人間の妻として、自分は相応しくない。
 いや、文七自身がよくても周囲の人間が必ず騒ぎ立てるだろう。今は言いとして、時が
たつにつれてその声は大きくなる筈だ。文月文七の交際相手は、いつまでたっても若いが、
一体何者なのかと――

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660 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:09:16.55 ID:rFefffRt
 異なる存在であるが故のジレンマ。それが、真央と文七達の間に横たわっているものの
正体……なのだが。

「……父さんも母さんも、君を受け入れてくれたじゃないか」
「うん。わかってる……けど……」

 その問題は、既に解決しているのだ。仲違いしていた二人が結婚にまでこぎつけたのが
その証拠で、文七の両親等は真央の正体を知った上で、嫁として受け入れている。
 彼女が今更こんな状態に陥っている理由が、文七には想像がついてしまう。

(……朱里ちゃんとピンク、か)

 真央のかつての仲間であり、人ではない二人は、その存在の特異さ故に、伴侶の家族か
ら拒絶されていると聞いた。
 朱里は最初こそ受け入れられたものの、正体の露見と同時に手のひらを返され。ピンク
は最初から、子供も産めない嫁などと罵倒され――いわゆる、『嫁とは認めない』という奴
だ。人間同士の結婚でさえ問題が起こるのだから、相手が人でないとなればなお更だろう。
 彼らの現状は、真央自身のありえたかもしれない未来そのもので。当時抱いていた恐怖
心と不安を、思い出してしまったのだろう。

 小さな妻の体を抱き寄せ、頬を合わせる。

「……文七……」
「父さんも母さんも、真央ちゃんの人間じゃない所までひっくるめて受け入れたんだ。今
更手のひらを返したりしないよ。
 それに、子供が出来ないって決まったわけじゃないだろ? 真央ちゃんは俺から生まれ
たんだ……願えば叶うかもしれないじゃないか」
「……生まれた後の存在を変えることは、困難……」
「やらないよりマシだ……真央ちゃん。俺が、君との約束を破った事があるかい?」
「…………」

 文七は思う。
 確かに、自分と彼女は紆余曲折を経て結ばれ、夫婦となった。両親も彼女を受け入れて、
十分に幸せな人生と言えるだろう。客観的に見ても、文七は人生の成功者と言える。
 だがしかし。文七は、それでも満足していない。するわけがない。

 彼女と自分には、まだ多くの問題が残っている。寿命、子供……それらは解決する当て
のない問題であり、現状で満足するしかない。
 そんな事は百も承知である。承知した上で、文七はなおも思うのだ。

 まだ満足してはいけない。自分が真央を残して消えてしまうなら――その先何百年もい
き続けるのなら。その先何百年を笑顔で過ごせるような幸せをあげればいい。


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661 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:09:37.17 ID:rFefffRt
「……そろそろ母さん達も買い物から帰ってくるからさ。一緒にカレーでも作ろう」
「カレー?」
「ああ、母さんが、御節開けだから作るって言ってた」
「……私は聞いてない……」
「そりゃそうだよ。真央ちゃんへのサプライズなんだから」
「え?」
「真央ちゃんがラッキョウ好きなのを、カレー好きと勘違いしてるんだよね……真央ちゃ
んの好物作るんだって、張り切ってたよ。
 父さんも母さんも、真央ちゃんの様子がおかしい事に気付いて、心配してるんだよ。」
「……気付かれてた……?」
「……というか、俺が真央ちゃんに何かしたんじゃないかって疑われたし。
 あれはもう、実の息子より真央ちゃんを溺愛してるね……だからさ」

 ようするに、文月文七という男は――並外れて欲深い男なのだ。
 ビターエンドにまでこぎつけたのなら、さらに幸せを求めなければ気がすまない。ハッ
ピーエンドがまだ遠いなら、這いずってでも近づけばいい。
 もっと彼女を幸せに。もっと彼女に笑顔を。もっと。もっと――
 この欲望を成就させる為なら、幾らでも浅ましく足掻く事ができる。文月文七は、そう
いう人間だった。

「もっと甘えてもいいと思うよ?」
「……ん……」
「…………」
「……話してみる。お義母さんと……」
「そっか」
「……来年の御節は、楽しみにしてて……」

 そう言ったきり、真央は口を閉ざした。沈黙が場を覆うが、そこに不快感はない。
 心地のいい静寂の中、お互いの体温だけを感じられる……そんな時間が、二人は好きだった。
 復讐を司る悪霊は、かつて彼女に言った。
 『具現化されたものと人間の想いなど成就する筈がない』と。
 確かにそれは事実なのだろう。どう足掻いた所で真央と文七の別れは避けられないし、
今が充実していればいるほどその喪失は大きなものとなる。

 かつての真央は、その喪失を恐れて文七と距離をとろうとした。
 今は、違う。
 限られた時間だけの幸せならば、一分一秒でも長く、この幸せを満喫しよう。そう考え
ている。いつか訪れる別れの後でも、この幸せを思い出せるように。


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662 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:09:56.76 ID:rFefffRt
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「ただいまー。遅くなってすまーん」

 家の中にいるであろう息子夫婦に向けて言うと、父親は抱えた荷物を下ろした。
 中身は、たまねぎにんじんジャガイモ肉。一般的なカレーの材料である。

「やれやれ。寒いったら……」

 肩と髪に降りかかる雪を振り払い、母親の方はホッと一息ついた。外は生憎の大雪であ
り、ライトをつけないと視界さえ有様である。必然的に安全運転を心がける事となり、帰
宅が大分遅れてしまっていた。
 文月文七の両親が憂慮しているポイントはただ一つ。我が馬鹿息子は、可愛いお嫁さん
と和解できたのか、である。
 最近、義娘である真央の自分達への接し方が、何処となくギクシャクしている。どーせ
息子が又何か妙な事をやらかしたのだろうと、出かけに土下座して誤っとけと言い含めて
おいたのだが……どうなったのやら。

「おかえり父さん母さん」
「おかえりなさい……」
「おや」

 奥から顔を出した息子夫婦を見て、父親は思わず声を漏らした。その視線は、しっかり
とつながれた二人の手に釘付けだ。
 母親も、ほぅほぅと感心しつつ、

「……文七。真央ちゃんと仲直りできたんだねぇ」
「いや、俺は元から何もしてないからな」
「真央ちゃん。この変態に変な事されたら、いつでも私達に言ってくれ。対応するからね」
「聞けよ人の話!」
「…………」

 嫁を気遣いつつ息子をこき下ろす義父の姿に、真央は声もなく頬を綻ばせた。

 こんな時間が、いつまでも続けばいい。

 この場に集った人間とバケモノの四人が共通して抱く、切なる願いであった。




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663 :名無しさん@ピンキー[]:2012/01/25(水) 02:11:09.21 ID:rFefffRt

オマケ 霜月充一君の大混乱

朱里「〜〜〜〜〜っ!
充一「――!!
 は、博士ぇっ! い、『入り口』から! 『入り口』から頭がぁっ!
黒野「……小僧。そこは『出口』じゃからな?

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664 :名無しさん@ピンキー[]:2012/01/25(水) 02:11:24.36 ID:rFefffRt

以上で投下終了です。相変わらず、書きたい事だけ書き散らした駄文ですが……
真央ちゃんと7主にとっては避けられない問題だと思う。
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666 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 02:45:03.86 ID:rFefffRt
補足し忘れたorz
ラストのオマケ、2chのコピペが元ネタです


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