- 【ドラマ】美男ですねでエロパロ5
328 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 01:32:01.50 ID:p9K4zp1Q - 軽い気持ちで書き始めたら、行き詰まりながらなかなか完成しなかったけど
ようやくある程度まで出来上がったので投下します。 柊×NANAで、エロなしです。
|
- 【ドラマ】美男ですねでエロパロ5
329 :笑顔の行方1[sage]:2012/01/25(水) 01:33:08.70 ID:p9K4zp1Q - A.N.JELL宿舎の広い庭での、バーベキューパーティ。
夏の間、4、5回は勇気や馬淵が張り切って開催するのがここ数年の恒例だった。 今夏、初めてそれを経験する美男が「ヤローばっかじゃつまんねぇじゃん」と言い放って、 今まで紅一点だったRINAに一発殴られた。 「あ、そうだ。あいつ呼ぼうぜ」 そう言うなり、美男が電話をかけたのはNANAだった。 「あいつ、明日ちょうどオフだからトオルも連れて来るってさ」 春に番組での共演以来、2人が思いのほか仲良くなっているのは他のメンバーも知っていたが、 3人が意見する間も与えずに、美男は軽く言ってのけた。 その後も、仕事も暇ではないだろうに誘えば毎回、NANAはやって来る。 "みんなの妖精"を演じずに、自分らしく居られるこの場はNANAにとってかなり居心地の良い場所になっていた。 そのうち元々人懐こい勇気はもちろん、廉でさえ、嘘つき妖精でもなければ特に悪女でもないNANAに対して メンバーやRINAと同じように接するようになっている。 しかしただ一人、柊だけはNANAが自分に対して明らかに距離を保ったままでいると感じていた。
|
- 【ドラマ】美男ですねでエロパロ5
330 :笑顔の行方2[sage]:2012/01/25(水) 01:33:46.25 ID:p9K4zp1Q - 「何これ?うっそ、手作りなのぉ?!」
いつものように一通りバーベキューも花火も終わった頃、RINAが大きな声で驚いた。 「シュークリーム?美味そう〜食っていい?」 「NANAの手作り?すげーじゃん」 その声に反応して、勇気と美男もその近くに寄っていく。 「中は、バニラのアイスクリームよ。一応、これも手作りで」 「へぇ〜お前にも、妖精演じる以外に特技があったんだな」 自信作をちょっと得意気に言いながら配るNANAに、廉が意外そうに言って受け取った。 「ちょっと廉!そんなこと言うならあげないから!返しなさいよっ」 「うるせーな。一応、特技だって認めてやったんだよ」 そんな中へ美男や勇気、馬淵も加わって「美味い!」だの「天才!」だのとワイワイ盛り上がっているところへ、柊は苦笑しながら近づいた。 「あっ、どうぞ・・・」 柊に気付き、NANAが慌ててシューアイスを1つ手渡す。 「ありがとう。いただきます」 大きく1口齧ると、サクサクの皮と優しい甘さのバニラアイスが良く合っていて、有名店で買ったと言っても信じそうな出来栄えだった。 しかし先ほどまでの自信はどこへ行ったのか、NANAは不安そうに柊の反応を窺っている。 「うん、すごく美味いよ。甘さもちょうどいいし」 「良かった…」 柊がそう言うとNANAは、はにかんで花がこぼれる様な笑顔を見せた。 口に広がる甘さや香りと相まって、柊はその笑顔で幸せな気分になる。 さすが、みんなの妖精。本人が演じなくても、元々はそういう素質を持った子なんだな…。 そう思って柊が微笑み返すと、なぜかNANAはすぐさま美男のところへ走り去った。 「柊〜美味そうに食ってるな!柊が、シューアイスを愛する?なんっつってー!だはははは!」 NANAにまるで避けられてしまったような寂しさには、馬淵の寒いダジャレですら多少は救いになる。 しかし、なぜいつまで経っても俺にはああいう態度なんだろう?何かしたか…? いつだって、さっきみたいに俺の前でも笑えばいいのに。 納得いかない柊はシューアイスの残りを2口で頬張り、ぬるくなったお茶で流し込んだ。
|
- 【ドラマ】美男ですねでエロパロ5
331 :笑顔の行方3[sage]:2012/01/25(水) 01:34:20.08 ID:p9K4zp1Q - 「ねぇ、今の…どうだった?!」
NANAは柊の前から美男のところへ駆け寄って聞いた。 「まぁ、笑顔はいい感じだったけど…もう少しさり気なく立ち去れよ」 「だって!柊さんがすっごい優しく笑ってくれて…ドキドキしちゃって普通に立ってられなかったんだもん!」 そう言ってNANAは、少し赤く染まる自分の頬を両手で押さえる。 「ハイハイ。せっかく俺が演技指導してやったのに…あ。でも、効果あったみたいだね」 「え…?」 振り返ると、柊がじっとNANAと美男を見ていた。 美男はNANAの肩を抱いて、耳元で囁く。 「あとは思い切って今夜、色仕掛けしちゃえば?」 「もうっ!出来るわけないでしょ!」 「あいつ、多分ムッツリだからイケると思うんだけどな〜」 「ちょっと。そんな人じゃないわよ、やめてよ!」 NANAは真っ赤になって、ニヤニヤしている美男の頭を叩いた。 「NANA〜。今、柊さんがすっごい切なそう〜な顔でそっち見てたよ?」 そう言いながらトオルがRINAと共に近づいて来た。 「やっぱりあんたのこと、意識してるのかも。今日ここに泊まってさ、押し倒せばイケるかも…」 「RINAさんまで、何言うんですか!今よりもっと嫌われちゃう…」 そしてNANAが振り向いた時には、既に柊の姿は無くどうやら部屋に戻ったようだった。
|
- 【ドラマ】美男ですねでエロパロ5
332 :笑顔の行方4[sage]:2012/01/25(水) 01:35:35.20 ID:p9K4zp1Q - しばらく姿の見えない柊を不審に思い、馬淵が勇気に声をかけた。
「ん?柊はどこ行ったんだ?」 「さっき、悪いけど先に部屋に戻ってる〜ってさ。なんか暗い顔してたけど、どうしちゃったんだろ」 いつもなら、最後まで一緒に片付けてくれるのになぁ…と勇気がボヤく。 「もしかして、誰かが作ったモン食って、腹壊してるかもな」 NANAのほうを見ながらニヤニヤして廉がわざとらしく言った。 「そんなはずないじゃない!バカ言わないで!」 「そうよ、廉。NANAに失礼でしょうが」 廉の失礼な物言いにNANAが憤慨し、RINAも廉を咎める。 ただ一人、その失言の裏を鋭く読み取った美男は廉と同じくニヤリと笑った。 「今頃、部屋で腹痛と闘ってるかもな〜かわいそうな柊。誰か薬でも持っていってあげたら?」 「あぁ〜、だったらやっぱり…原因作った人だよねぇ?NANA〜」 美男の言葉で察したトオルも、いつもの甘えた声で言う。 「えっ?ちょっと待って…あの…」 「俺の部屋に、薬箱あるよ!ほら、早く来て!」 戸惑うNANAの肩を後ろから押して勇気は宿舎の2階へと連れて行った。 勇気が部屋の奥にある薬箱を取り出し、NANAに差し出す。 「はい、これ。思い切って気持ちを外に出さないと何も変わらないよ?」 「勇気…。私に、できるかな」 「嘘つくよりも、本心言うほうが勇気要るからね。頑張れよっ」 明るく励まして、勇気はまた皆のいる庭へと勢いよく階段を駆け降りた。
|
- 【ドラマ】美男ですねでエロパロ5
333 :笑顔の行方5[sage]:2012/01/25(水) 01:36:39.96 ID:p9K4zp1Q - NANAが意を決して、柊の部屋のドアを2回ノックする。
「勇気か…入れよ、片付けだったら後で俺も…、え、NANAちゃん…?」 「ごめんなさい、私です」 てっきり勇気だと勘違いしていた柊は、NANAの姿に目を見開いた。 「あの、具合が悪いのかなって…それで…薬を」 「えっ?別に、大丈夫だけど…」 「そう、ですか…」 会話の続かない2人の間に、気まずい空気が流れ、NANAは俯いてしまう。 「他に、なにかある?」 柊の表情を見ないままのNANAには、その言葉が異様に冷たく聞こえた。 涙腺が膨らんで、目の前が少し滲む。 「柊さんは、私をまだ許してない…ですよね」 「許してない…?って、何を?」 「私にずっとよそよそしいし…他の皆みたいに話しかけてくれないし」 NANAの声が震えているのを聞いて柊は焦った。 「何のことを言ってるんだ…?」 「去年、私が廉と美子にしたことも…あなたにしたことも、まだ許してくれないんでしょう?当然だけど、だから…」 1年前、廉と美子を別れさせようとして無理やりに柊をけしかけた…あの日のことだった。 「ちょっと待って。その…いつまでも打ち解けてくれないのは、俺じゃなくてNANAちゃんだろ?!」 思いがけないNANAの言葉に、柊は語気を強めた。 「私は…!ずっと…」 NANAは大きな瞳を潤ませ、顔を上げてそのまま高ぶる感情を言葉にした。 「ずっと、皆みたいに仲良くしたかったの…。いつの間にか、好きになってたから」 ついに思いを伝え、祈るような気持ちで柊の反応を待つが、しばしの沈黙が落ちる。 「ごめんなさい、迷惑でしたよね…」 そう言ってNANAが耐え切れずにドアを開けて部屋の外へ出ようとすると、柊がその腕を掴んだ。
|
- 【ドラマ】美男ですねでエロパロ5
334 :笑顔の行方6[sage]:2012/01/25(水) 01:37:39.53 ID:p9K4zp1Q - 「離して…」
「俺たち、お互いになんか誤解してたんだな」 ふ・・・と肩の力を抜いて柊は言葉を続けた。 「こう見えて、俺ってけっこう根に持つタイプでさ。イヤなこともなかなか忘れられないんだけど」 NANAは、なぜか穏やかな声で言う柊の意図がわからずに掴まれた手を離そうとした。 しかし、更に強く握られて動けなくなる。 「でも、NANAちゃんにされたことは…正直すっかり忘れてた。普通なら、今でも許せてなかったかもしれない」 「それじゃ、どうして…」 「廉や勇気みたいに寛大じゃない俺が許せた理由に…ようやく気付いたよ」 柊は掴んでいたNANAの腕を、一気に自分のほうへと引き寄せて抱きとめた。 爽やかな香水の匂いが柊の鼻をくすぐる。 「柊さん…」 「俺も、NANAちゃんのことが好きだからだ」 柊の速い鼓動がNANAにも伝わり、互いの触れている部分が異様に熱く感じられた。 「ほ…んとに?」 「アイドルとか妖精とかじゃなくて、ここで素直に笑ってるNANAちゃんが好きだ」 柊の腕の中にいるNANAは、そのまま柊の顔を見上げた。 「それに、俺にはなかなか笑ってくれないからてっきり、美男のことが好きなのかと…」 「美男はイイ人だけど、同性の友達みたいな感じで…なんだか姉妹って感じもするかも」 ふふっと軽く笑うNANAに、柊は微笑み返した。 「私も、そうやって笑ってる柊さんが好き」 カワイイことを言ってくれるNANAがたまらなく愛おしくて、柊は少し背を屈めて同じ高さに目線を合わせた。 NANAは急に至近距離に顔が近づいて、びくりと身じろぎする。 「…もっと近づいてもいい?」 その柊の声の艶やかさに圧倒されて、NANAは赤くなった顔を一度、こくりと動かすことしかできなかった。
|
- 【ドラマ】美男ですねでエロパロ5
335 :笑顔の行方7[sage]:2012/01/25(水) 01:38:07.39 ID:p9K4zp1Q - そっと触れ合うだけのキス。音も立てずに、2人は数秒で唇を離した。
「ちょっと照れる、ね…」 「うん、すごく」 顔を見合わせ苦笑いする。 そしてどちらからとも無く、庭で待っているメンバーの元へ歩き出した。 「でも案外、柊さんってニブいのね」 「え?そうかな…」 そう思われる覚えがなく、柊は首を捻る。 「私が柊さんを好きだってこと、言わなくても皆にバレてたのに。結構私ってわかりやすいみたいよ?」 「え?じゃあ気づいてなかったのは俺だけだったのか…なんか情けないな、俺」 階段を降りて並んで歩くと互いの手が触れ合い、2人はそのまま手を繋いだ。 「あ!2人ともこっちに来てるわよ」 階段を降りている姿を、RINAが目ざとく見つけた。 「手まで繋いでるぅ〜!NANA、やったね〜☆」 「おぉ〜上手くいったみたいだな!」 トオルも勇気もニンマリして、2人に向かって手を振った。 「よーし、また乾杯だ!!今日はいい夢見られそうだぜ〜」 馬淵は張り切って、残っているビールをコップに注ぎ始める。 「お前は、大丈夫か?」 馬淵からビールを受け取った廉が、美男に声をかけた。 「は?何がだよ」 「こういう時はイイ人ってのも、しんどいモンだろうからな」 大きな目を見開いて廉を見るが、美男は一つため息をつく。 「それじゃあ、改めて〜「「「カンパーイ」」」」 柊とNANAが合流してまた盛り上がり始めた。 「俺はこれでいいんだよ、ほっとけ」 「…乾杯」 美男と廉は、コップを少し上に掲げて一気に飲み干した。
|
- 【ドラマ】美男ですねでエロパロ5
336 :名無しさん@ピンキー[sage]:2012/01/25(水) 01:41:02.24 ID:p9K4zp1Q - 以上です。なんか、2人をカップルにするための序章みたいになってしまった。
今度はエロで、この2人の続編を書けるといいなと思ってますが難しい…。 お粗末さまでした。
|