トップページ > エロパロ > 2011年02月03日 > o+8sYHV7

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名無しさん@ピンキー
浩瀚×祥瓊 雪
空の中 高巳×光稀 背中
エロパロ板の愚痴を吐け!【十二言目】
煩悩の十二国記*十四冊目
【ラブコメ】有川浩総合3【図書館戦争】

書き込みレス一覧

エロパロ板の愚痴を吐け!【十二言目】
235 :名無しさん@ピンキー[sage]:2011/02/03(木) 07:04:43 ID:o+8sYHV7
節分ネタは…思い付かんな
煩悩の十二国記*十四冊目
11 :名無しさん@ピンキー[sage]:2011/02/03(木) 07:11:59 ID:o+8sYHV7

煩悩の十二国記*十四冊目
12 :名無しさん@ピンキー[sage]:2011/02/03(木) 07:22:09 ID:o+8sYHV7
朝ご飯の時間です

書き込めるのか…

浩瀚×祥瓊

やや、浩瀚が、鬼畜?
でも、愛はたんまり

10落とします
煩悩の十二国記*十四冊目
13 :浩瀚×祥瓊 雪[sage]:2011/02/03(木) 07:23:39 ID:o+8sYHV7
避けられている。浩瀚は小さく溜め息を吐いた。自室の寝台の上でゆっくりと目を閉じる。祥瓊は夏以来…この寝室に来る事はなかった。
暦では秋に入る。身体を触れ合わす事が許されなくなって…約二か月たっていた。
直接的な原因と言えば…祥瓊が主上と台輔の寝間を覗いてしまった事だろう…。ひどく怯えた様子で、震えていた。刺激が過ぎたかと…あの時は苦笑いしたが…。
なにか…間違えたのだろうか…。手が勝手に寝台の枕元を探っているのに気がつき、下ろした。煙管は範の件があってから止めた。
嫌われたか?…そう考えてみる。政務の合間に主上の傍らでなにかを話したり、笑ったりして…視線が合うと、ふっと逸らされる。…だが…その頬に走るのは…決して嫌悪の表情ではない…と思う…。どこを見たらいいのか、わからない…そんな表情だ。
主上の寝間を見て怯えたのが恥ずかしかったのだろうと、始めの頃は微笑ましく見ていたのだが…。
気がつかないうちに、唇を撫でていた。…口付けすら…していない。煙管もない、口付けもない…口寂しいな…そう小さく笑った。
ゆっくりと眠りに身体を委ねながら瞼の裏にあの青い髪を思い浮かべる。
いろんな表情を見た。泣いたり、笑ったり…驚いたり…そして、華がこぼれるように微笑む。
…蕾に戻りたがってるのかもしれない。
浩瀚が華を散らして、腕の中で新たに咲いた。無垢な華から艶やかな華になろうとしていた。…いや…私がそうしようとしていた。
寝台の上で艶やかに舞う色香漂う華に…。
…蕾に戻るか…。
深く息を吐く。四十年…咲く事を知らなかった華だ。なにかのきっかけで…また蕾に戻る事もあるのだろう…。
焦ったつもりでは、無かったが…祥瓊の辛い時期に付け込んだとの思いもある。
…蕾に戻りたがるなら…戻らせてやらねばなるまい…。
結局は…惚れた者の弱味なのだと…苦く笑った。

「しばらく、寂しいな。浩瀚」
陽子がお茶を口にしながらそう言った。浩瀚が頷く。
「すぐ戻って参りますよ」
秋の収穫が始まり、年貢の納める時期が来た。今年はなにも天候被害がなかったとは聞いている。だが…収穫高を低く見積もり、私欲を肥やそうとする役人は未だに多い。
苦しむのは下々だということを、陽子が嫌った。
そこで、浩瀚が現場視察という名目で、抜き打ちにあちらこちらの州を見て回ることになっていた。

煩悩の十二国記*十四冊目
14 :浩瀚×祥瓊 雪[sage]:2011/02/03(木) 07:24:42 ID:o+8sYHV7
「冢宰自ら…」
景麒が困惑したように呟く。陽子が肩を竦めた。
「本気だと分からせるためだ。」
不正は許さん…だが、悔しい事にその裏をかく役人は必ずいるのだ。だから、見張る。あらゆる所に目をやるために。だが…陽子の指が湯飲みの縁をなぞる。
「…なかなか、人がいないな…」
信頼できる官…。その思いは皆同じなので、無言になった。

今日はもう上がれと言い残し、陽子と景麒は部屋を出て行った。頭を下げてそれを見送り…浩瀚は、部屋で茶器を下げている祥瓊の後ろ姿を見た。
…気を使われたのか…そんな気もしたが…知らないはずだと首を振る。
「…祥瓊…」
名を読んで、ああ名を呼ぶ事すら久しぶりだと思った。祥瓊の肩が一瞬揺れ、何事もないように、なんでしょうと声がする。…振り返る事もしなくなったか…。
「…こちらを向いてくれ」
浩瀚の声に、ようやく祥瓊が身体を向けた。視線が彷徨う。
「…ずいぶん、話をしていない気がする」
祥瓊は俯いたままなにも口にしなかった。
「…なにかあったか?」
しばらくして祥瓊の首が横に振られる。
「…なら…私がなにかしたか?」
祥瓊がなにも言えないまま…俯いた。
「…黙ったままでは、わからない」
浩瀚の言葉に叱られた様に肩を竦める。その姿を見て…浩瀚は溜め息を吐いた。
「…明日、発つ。もし、なにか言いたい事があれば私の部屋においで」
浩瀚はそれだけ伝えると部屋を出た。

そして…その夜、祥瓊は姿を現さなかった。

夏、自分の友達であり主上である陽子の寝間を聞いてしまった。あまりの悲鳴と乱暴な音に折檻なのかと怯え、浩瀚の元に走って震えた。
だが…次の日、景麒が困ったように祥瓊を呼びに来て、主上を頼むと言って消えた。恐る恐る寝室に入り…籠った生々しい寝間の香りに顔がほてった。
慌てて、空気を入れ替えている最中に目を覚ました陽子が祥瓊を見て、照れたように笑って見せた。
「…好き勝手やられた」
手首に付いた紐の跡を見て、青くなった。足首にも…。一瞬、再び夕べの恐怖感が蘇りかけたが…陽子が大きく笑ったのを見て呆気に取られた。
「あー悔しい…くそ…あの馬鹿…噛む所変えやがった…」
肩にくっきり残る歯形。
「…怖くなかったの…?」
あの悲鳴と括られた手足…そして身体のあちこちにある噛んだ跡…。

煩悩の十二国記*十四冊目
15 :浩瀚×祥瓊 雪[sage]:2011/02/03(木) 07:27:46 ID:o+8sYHV7
そう聞いた祥瓊に陽子はきょとんとし、そして今までに見た事のない艶やかな顔をして笑った。
「…好きな奴のすることだ。なんでもかまわないさ…」
いろんな仲直りの仕方がある。浩瀚はそう言い方を変えたけど…祥瓊はようやく分かった。
いろんな愛し方があるのだと。
そう思ったら…もう駄目だった。いろんな愛し方がある。浩瀚は?いつも優しいだけの愛撫をくれるあの人も…あんな…激しい愛し方をすることがあるのだろうか…。
そう思ったら、顔を見れなくなった。声を聞くだけで、身体が逃げてしまう。なんで逃げるのか自分でもわからないまま、浩瀚が視察に行ってしまう事になった。…部屋においでと言われて…いけなかった。
自分がなにを言いたいのか…わからなかったから。

そして…浩瀚が金波宮を出て半月の事だった。朝議が終わり、陽子と景麒にお茶を淹れていた時。転ぶようにして下官が駆け込んで来た。表情を険しくした陽子が立ち上がる。その下官が叫んだ。
‐冢宰襲撃‐
陽子が部屋を飛び出し、景麒が後を追う。祥瓊は自分が茶器を床に落としたことも…気がつかなかった。
陽子達が飛び出して行った後、知らせを受けた桓碓が飛び込んで来る。
部屋を見回し、赤い髪がいないと見て取り、入れ違ったかと舌打ちした。再び部屋を飛び出ようとして…部屋の片隅で震える祥瓊を視界が捉えた。
「祥瓊っ!…祥瓊っ」
肩を揺さぶる。桓碓が揺さぶるまま祥瓊の身体ががくがくと揺れる。
「しっかりしろっ!おいっ!」
怒鳴られて、祥瓊の唇が震えながら開いた。
「…浩…瀚は…死ぬの…?」
祥瓊の言葉に桓碓が舌打ちする。
「死ぬかっ!馬鹿っ!」
血の気を無くした祥瓊の指が縋るように桓碓の手にかかる。爪の先からも血の気が失せて細かく震えている。
「…浩…瀚…」
桓碓の手が祥瓊の顔を無理矢理挟み自分に向ける。
「祥瓊っ!俺を見ろっ!祥瓊っ!」
視線を合わそうとしても祥瓊の青い瞳は焦点を無くしたように桓碓の顔をただ走るだけで…桓碓は、手の平を翻した。
「…っ…」
頬を張られ、ようやく祥瓊が我を取り戻す。自分の前にいるのが桓碓だということにもようやく気がついた。
「…俺がわかるな?」
震える顎で頷く。祥瓊の指が桓碓の袖にかかった。
「…浩…瀚は…」
「死ぬかっ!」
祥瓊の言葉をぶったぎるように怒鳴る。死んでたまるかっ!あの人がっ…!

煩悩の十二国記*十四冊目
16 :浩瀚×祥瓊 雪[sage]:2011/02/03(木) 07:29:24 ID:o+8sYHV7
「麦州侯だぞ…冢宰だぞっ…あの人が死んでたまるかっ!」
桓碓の怒鳴り声のような悲鳴を聞いて…祥瓊の瞳から初めて涙が零れた。

油断があった。次々飛び込んで来る知らせに陽子は苦い思いをしていた。景麒も使令を走らせより詳しい現場を見ては知らせて来る。
…抜き打ちという形が、逆手に取られた。最少人数で移動していたのを尾行けられ襲われた。襲ったのは盗賊。だが…役人と結託していなかったとも言えない。
なぜなら、襲撃した盗賊たちが、逃げた先で矢に射ぬかれて死んでいるのが見つかっている。
…陽子は表情を無くしたまま指を組んで次々入って来る知らせを聞いていた。その横でやはり顔色を無くした景麒が使令の言葉を聞いている。
「主上…」
景麒が陽子に声をかけた。陽子が目線だけで促す。
「…冢宰は目を覚ましたようです」
「怪我は」
再び、景麒が影に聞く。
「…肩を貫かれたようですが…衝撃で意識を無くされただけだと…」
陽子が静かに息を吐いた。
「命には別状はないんだな」
確認するように景麒に聞く。景麒が頷いた。
「ご無事です。青将軍が到着なされました」
ゆっくりと身体に入っていた力を抜く。
「徹底的に調べさせろ。なにもかもひっくり返して調べて来いと伝えろ」
陽子の言葉に影がゆらりと揺れた。

浩瀚が金波宮に戻ったのはそれからさらに半月たってからだった。肩を貫いた矢に毒が塗ってあったらしい。しばし、寝台から起き上がれなかった。毒抜きがうまくいき、肩の傷が塞がりかけてようやく移動する許可が出た。
初めて浩瀚の住む建物に足を踏み入れて、陽子が目を丸くした。なんだこの書籍の山は…。祥瓊が初めて訪れた時と同じ感想を持ったのだろう。軽く頭を振った。
「…このような所に…」
やつれた風の浩瀚が、寝台から身体を起こそうとする。それを慌てて陽子が止めた。
「構わん。気にするな。」
そして、苦い顔をして詫びる。
「…すまなかった。わたしが出した案だったな…」
抜き打ちの視察。浩瀚も苦く笑った。
「ですが、私が乗りました…確かに手っ取り早かったと思いましたし」
ただ…いまだ、ここまでして利権を守ろうとする役人がいることを軽んじた。だが…移動する人間を増やすと抜き打ちの意味が無くなる。
「…難しい所だな…」
そう呟いて、陽子は立ち上がった。
「ここには人がいないのか…」

煩悩の十二国記*十四冊目
17 :浩瀚×祥瓊 雪[sage]:2011/02/03(木) 07:31:10 ID:o+8sYHV7
人気が無い事を驚いたように回りを見回す。
「祥瓊を置いて行くから」
そのつもりで祥瓊と共にここに来ていた。陽子の言葉にほっとした顔をした祥瓊は、首を横に振った浩瀚を見て再び表情を曇らせた。
「女史の手間はいりません」
浩瀚が陽子に話す。
「先程、虎嘯が見舞いに来てくれました。桂桂をよこすよう頼んでます。…女史は主上のおそばに」
はっきりとした言葉にそうか…と頷くしかできなかった。なにか…違和感…陽子が眉を潜める。
祥瓊と共に建物を出て…気がついた。
浩瀚は一度も祥瓊を見なかった。

季節が変わる。浩瀚がたまに顔をしかめながらも朝議にでれるようになったのは、風が冷たくなるころだった。
冢宰襲撃はそれなりに全土に衝撃を走らせた。さらに、禁軍の青将軍が動いた。緊張させるのには充分で、つつがなく年貢は納められた。
怪我のなんたらだったなとからかわれ、浩瀚は苦笑いした。
何事もなかったかのようにまた日々が動き出す。浩瀚は自分の居るべき場所…そこに戻れた事をさすがに天に感謝した。

風が冷たくなった。窓が風で震える。浩瀚はゆっくりと窓に寄った。そして…木の影に立つ影を見つめる。
気がついたのは、何日か前だった。夜更けふと手洗いに起きた時、外にいるのに気がついた。
いつから立っていたのか…いつまで立っているのか…。
秋から冬に向かう樹々の間で、青い髪はとても寒々しく心細そうに見えた。
「戻りなさい」
扉からそう言った。ただ一言だけ告げて、部屋に戻った。建物に入れる気は無かった。しばらくうなだれて、樹々の間に消えていく。
それが、毎夜続いた。窓から祥瓊を見つめる。…蕾に戻るなら…戻ればいい…。そう思っていた。…なにも知らないことにはできないが…あの華なら、蕾に戻ってもまた、美しい華を咲かすだろう。自分の手じゃなくても。
そう思い、苦いものが上がる。あの華を手折ったのは自分で、しかもいまだ、ひどく魅かれていることを自覚しているのだ。
なにか話す事があったら来いと伝えた。でも、その夜来なかった。…避けられて…話す事もできず…そして離れた。
ふと…思った。もし、自分が死んでいたら…あの娘はどうしただろうか…。外に立つ事もせず…ただ蕾にもどったのだろうか…。そう考えて自虐的に笑った。悲しんだり泣いたりして欲しいのかと…ひどく自分が浅ましく感じられた。

煩悩の十二国記*十四冊目
18 :浩瀚×祥瓊 雪[sage]:2011/02/03(木) 07:32:50 ID:o+8sYHV7
なにを思って立っているのだろう。そうぼんやりと外を眺めていた浩瀚の視界に白い物がかすめた。

雪?

小さく細かい雪がゆっくりと舞い出した。…もう、初雪が来る時期だったのか…。時の流れの早さに軽く頭を振る。浩瀚は架けておいた上着を手に取ると、外に向かうために寝室を出た。

扉が開く。
祥瓊はゆっくりと顔を上げた。扉に凭れるようにして浩瀚が立っている。毎夜の事だ。戻りなさいと言われて…扉に消える。
わたしは…なんでここにいるんだろう…気がつけばここにいた。始めは立っている場所がどこかもわからなかった。
浩瀚がこの建物に戻り、祥瓊をいらないと陽子に言った。それから…気がつけば、部屋の灯が消えるまでここにいた。
灯が消えるのを待って…ああ、あそこにいるんだと安心して自分の部屋に戻った。
そんな夜が続いて…部屋の灯が消えた後だった。扉を開けた浩瀚が、戻りなさいと一言だけ言った。…入れてもらえないんだと…わかった。でも…またここにいる。
わたしは…なにをしているの…。
扉に凭れて祥瓊を見ていた浩瀚が深い溜め息を吐いた。一歩前に出て来る。いつもと違う…ただそう思った。
ゆっくりと祥瓊の前に立ち、手にしていた上着を渡す。
「…戻りなさい」
ようやく…手の届く場所まで来てくれたのに…。祥瓊に上着を渡すと浩瀚はゆっくりと建物に向かって歩き出した。
気がつけば…その背中を追っていた。浩瀚の歩く歩幅に合わせて歩いた。建物の入口で…浩瀚が振り返った。
「戻るんだ。祥瓊」
聞いた事のない声だった。冷たくて…もう…なにもかも…自分に対する感情もなくしたような…。足が竦んだ。
浩瀚が扉を開け…中に入る。その後を…祥瓊は扉を開けて入った。
「…祥瓊。戻るんだ」
柱に寄り掛かり、浩瀚が扉を開けた祥瓊を睨んでいた。
蕾に返してやろうとしているのに…。
祥瓊が一歩、足を踏み入れる。
「…祥瓊、ここは男の部屋だ。帰りなさい」
わかっている。指で触って確かめた。女と違う身体。その背中の広さ。…自分を貫く物…。
また一歩、祥瓊が浩瀚に近付く。
「話があるのなら、来いと言った時、来なかったのは祥瓊だろう!」
これ以上近寄るな…覚悟が崩れる。
苦い表情しか浮かばない。早く出て行ってくれ。私が手を伸ばさないうちに!
祥瓊がゆっくりと浩瀚の前に立った。

煩悩の十二国記*十四冊目
19 :浩瀚×祥瓊 雪[sage]:2011/02/03(木) 07:34:23 ID:o+8sYHV7
「…私は怪我をして、気が立ってる。なにをするか…わからんぞ…」
浩瀚の瞳が見た事のない光を帯びた。いつもの穏やかさが消え、ただの男だと…。祥瓊の指が浩瀚の胸に伸ばされた。
思わず、祥瓊の手首を絡めとり睨み付けていた。祥瓊の身体が大きく揺れ、留めていた髪が解けて空を舞う。
「いいかげんにしろっ!祥瓊っ!」
私に構うな!私にお前を傷つけるような事をさせるなっ!
祥瓊が顔を振り仰いだ。
「あなたになら、なにをされても構わないからよっ!」
青い瞳が揺れる。その瞳が浩瀚を睨んで放さなかった。
「…あなたが…いろんな、仲直りがあると…言ったじゃない…。」
いろんな愛し方があると…。浩瀚の顔に驚いて…そして、苦渋の表情が浮かぶ。
「…なにを言っているのか…わかっているのか…」
「わかったから…ここに来たのよ…」
そう…ようやく分かった。なにが伝えたかったのか…ずっと考えていた。
浩瀚の指がためらうように祥瓊の手首を放す。…ほら…こんな時でも…やっぱり優しい…祥瓊の手が、浩瀚の胸に添えられた。
「…あなたが…好きにしていい…」
浩瀚が祥瓊から目を逸す。…ねぇ…逃げないで…
「…逃がしてやろうと思ったのに」
絞り出される言葉に笑う。やっぱり…優しい。
「…手加減…できるか知らんぞ…」
また笑う。手加減なんていらない…だから…。
「いろんな愛し方を…教えて…」
あぁ…やっと伝えられた。嬉しくて…涙が頬を伝った。

まるで嵐のような口付けだった。顎を捉えられ、肩で固定される。息ができず苦しかった。だけど、浩瀚の方が苦しそうだった。
浩瀚の喉が低く唸る。啄む口付けもなく…ただ口のなかを蹂躙された。大きく喘ぐように口を開いたまま…塞がれる。浩瀚の舌が絡み、祥瓊の舌を吸い上げる。祥瓊の喉が混ざった唾液を堪え切れず嚥下した。
胸元に手が差し込まれる。強く目を閉じた。指先が突起に当たる。
「んっ…」
爪先で摘まれ、捩じり上げられた。鈍い痛みが熱いものに変わる。
「…立ってられないのか…」
そう言われ、膝が震えている事に気がついた。指だけで浩瀚の身体にすがりついてる。そして…思い出した。
「…誰かが来たら…見られてしまうな…」
浩瀚の言葉が耳を犯す。

煩悩の十二国記*十四冊目
20 :浩瀚×祥瓊 雪[sage]:2011/02/03(木) 07:37:29 ID:o+8sYHV7
いや…だめよ…うわ言のように呟いたのを咎めるように再び、突起を捩じられた。
「…っあん…っ」
浩瀚が祥瓊を柱に押しつける。ようやく背中に安定したものを感じ、祥瓊はほっと息を吐いた。
「…立って…」
言われて頷く。足の間が辛い。既に興奮し、雫が太股を伝っている。知られたくない…そう思い、身体を捩った。
「ちゃんと…立つ」
小さく頷く。浩瀚が唇を首に這わす。あぁと甘い息が漏れた。気持ちいい…。襟足に顔が潜り込み、甘噛みした。
「…もっと…」
景麒のように…歯跡をつけて…。
「ひっ?!」
服の上から、乳首を両方捩じり上げられた。思わず悲鳴が上がる。
「…なにを考えた…」
なんで分かるの…この人は…。浩瀚の瞳が鋭く光る。
「言わないと…」
指先に力が込められ、乳首の形が潰れる。思わず叫んだ。
「噛んでっ…お願いっ…噛んでっ…」
首筋に当たる浩瀚の唇と熱い息と…そして、固い…歯…。
強く噛まれた所から、我慢できないほどの快感が走り抜け、祥瓊は浩瀚の頭を抱いたまま、大きくのけ反った。
浩瀚が祥瓊の身体を支え、祥瓊の息が落ち着くまで抱き締めていた。
祥瓊の片足が浩瀚の足に回され、擦り付ける動きをする。その足を叩いた。
「立って」
青い髪が揺れる。震える足をもとに戻し、大きく息を吐いた。
ふと、目線を上げたら…先程開けた扉が見えた。わたし…こんな所で…。
顔が羞恥に染まる。浩瀚は気がつかぬように乱暴な手つきで袷をはいでいく。前だけはだけた格好は…とても祥瓊を心細くさせた。
「…あなたも…」
浩瀚がなにも言わず、身体を屈めて行く。あぁ…本当に…こんなところで…?
浩瀚の手の平が祥瓊の柔らかい乳房を揉み、先程いじめた乳首を口に含む。形が変わるほど揉まれ、口のなかで遊ばれた。
「…浩…瀚…」
頭を掻き抱くようにして名前を呼ぶ。浩瀚の唇が離れ、可愛らしい臍に舌を入れる。祥瓊の身体が揺れる。
お願い…見ないで…知らぬ間に身体が前屈みになっていた。浩瀚の肩に手をかけ自分から放そうとしている。浩瀚が祥瓊の顔を見た。
「…なんで邪魔をする…」
祥瓊の唇が震えた。
「…だめ…見ないで…」
太股に幾筋の涙が零れてる。浩瀚がそこに指を這わせながら、祥瓊の顔から視線を放さなかった。
「…なにを見て欲しくない?」


煩悩の十二国記*十四冊目
21 :浩瀚×祥瓊 雪[sage]:2011/02/03(木) 07:39:10 ID:o+8sYHV7
あぁと祥瓊が身体を捩った。ひどいわ…言わないで…
浩瀚の指が、祥瓊の秘部をまさぐり濡れた指先で、祥瓊の唇を押さえた。
「…言うんだ…祥瓊…」
いや…と首を振ると、また浩瀚の指が秘部をまさぐる。そして今度は雫を掬うようにして、祥瓊の唇を濡らした。
「…こんなに…なってる」
霞みがかった瞳をした祥瓊が、舌先を伸ばした。ちろ…と浩瀚の指を舐める。猫の様な舌の動きに魅入られるように浩瀚は祥瓊を見つめた。
祥瓊を支えていた腕を放す。ずるずると祥瓊は自分の着物の上に座り込んだ。ぼんやりと浩瀚を見る。浩瀚はゆっくりと身体を祥瓊から起こし自分で着ているものを脱いだ。
ぼんやりと見ているうちに、祥瓊の前に浩瀚が立っていた。
「祥瓊…」
浩瀚の手が今夜初めて優しく祥瓊に触れた。その優しさに涙がでそうになる。
「…やれるか?」
少し迷うような言葉に逆に突き動かされるように…祥瓊は目の前にそそりたつものに、舌先を伸ばした。
浩瀚はゆっくりと祥瓊の頭を撫でていた。指を添える事も知らないのだろう。床に手をついたまま、舌先だけ固くして浩瀚の肉茎をなぞっている。拙い舌技だった。それでも、愛しかった。
祥瓊の身体が少し伸び上がった。肉茎の先端に舌先を伸ばして、つつく。
さすがに、響いた。思わず、祥瓊の頭を押さえてしまう。だが、逆に祥瓊はそこが良いらしいと本能的に察した。一度、祥瓊の舌が唇の中に戻る。小さく唇を舐めて…桜貝の様な唇を開いた。
「…っく…」
唇が、先端に吸い付く。浩瀚が呻いた。唇が軽く動き、チロチロと舌が動く。
「駄目だっ!祥瓊っ」
思わず叫んだのと、頭を引き離したのと同時だった。
「きゃっ…?」
突き飛ばされ、尻餅をつく。何かと目を開けようとした瞬間、なにかが熱く顔にかかった。
「…すまないっ…」
やや呆然としている祥瓊が、自分の顔にかかったものを指で掬う。白濁した…もの…。
「やめっ…」
浩瀚が驚いたように、祥瓊の手を取る前に…舐めてた。
「…ん?」
変な顔をして、祥瓊が浩瀚を見る。しばしして、祥瓊が顔をしかめた。
「…なんか…へん…」
慌てて浩瀚が、自分の着ていた寝間着で祥瓊の顔を拭った。
「…すまない…」
丁寧に拭かれて…ようやく…浩瀚が、身体の力を抜いて祥瓊の前に座り込んだ。
「…浩…瀚?」
浩瀚の腕が祥瓊を引き寄せられる。

煩悩の十二国記*十四冊目
22 :浩瀚×祥瓊 雪[sage]:2011/02/03(木) 07:40:18 ID:o+8sYHV7
もう…荒れてないのかと、恐る恐る祥瓊も浩瀚の背中に腕を回した。
「…なにを言って…いいんだか…」
深く溜め息を吐かれ、浩瀚の身体が祥瓊に凭れかかる。温かい…。その温もりと重さが嬉しかった。
浩瀚の手が無心に祥瓊の髪を撫でる。手の平の大きさに安心する。
「…おかえり…なさい」
ようやく…自分の所に戻って来た…そう感じて嬉しかった。祥瓊の閉じられた瞼から涙が零れる。
浩瀚の背中を撫でていた祥瓊の指が、引きつれたような痕に触れた。
「…ここ?」
「ああ…もう、わかりにくいな…」
白く引きつれたような傷。刺し貫かれた矢の痕。祥瓊の唇がそこに当てられ軽く吸い上げた。浩瀚の顔がしかめられる。
「…なにをしている…」
なにをと言えば…わからないんだけど…。
「…早く良くなれば良いと思って…」
なんとなく視線が絡んで…浩瀚の口元にようやくいつもの笑みが浮かんだ。祥瓊も小さく笑う。
やれやれと、浩瀚が立ち上がった。祥瓊を立たして寝室に向かう。
「着物が…」
「明日、取りに来ればいい」
扉の前に二人の着物が散らばっている。なにをしてたかなんて、一目瞭然で。
祥瓊の顔が赤くなった。浩瀚が、それとも…と足を止める。
「…あの場所で…してみるか?」
祥瓊は慌てて寝室に飛び込んで行った。

おわる
煩悩の十二国記*十四冊目
23 :浩瀚×祥瓊 雪[sage]:2011/02/03(木) 07:42:59 ID:o+8sYHV7
初の…お口ででしたな…
新しいスレでの初投下
お目汚ししつれい

この話の陽子のエロは前のスレにあります
【ラブコメ】有川浩総合3【図書館戦争】
415 :名無しさん@ピンキー[sage]:2011/02/03(木) 20:45:20 ID:o+8sYHV7
空の中 高巳×光稀落とします

5です。

お目汚し、失礼

【ラブコメ】有川浩総合3【図書館戦争】
416 :空の中 高巳×光稀 背中[sage]:2011/02/03(木) 20:47:17 ID:o+8sYHV7
「わかった!取りあえず!ストップ!」
高巳の声にベッドのマットレスの上で暴れていた光稀が肩で息をしながら振り返る。
…あーもう…
乱れた髪の間から光る目が、一瞬にして怒りから驚き、そして哀しみに変わる。
そんな泣きそうな顔をするなら、暴れなきゃいいのに…。高巳は両手を降参というふうに上げ、深く溜め息を吐いた。
「…かわいい下着だねと褒めて、すいませんでした」
再び光稀の瞳に怒りが走る。なんでそこで、怒るかな?俺のためじゃないのか?首を傾げたくなるが、光稀の機嫌を執り成す方が先決と判断し、両手を上げたままさらに、光稀から少し離れた。
光稀がそろそろと上半身を起こす。ある程度まで身を縮めた所で、高巳を睨む。
「…エロじじい…」
ガックンと頭が落ちそうになる。いや、落ちかけて片手で額を押さえた。
…俺は、ただ、そういう雰囲気になった恋人同士が、こう、甘ったるい状態で、…今まで見た事のない可愛らしいブラジャーだったからなぁ…。褒めたらいけなかったのか…。
わけの分からんところで感心しそうになって、光稀の瞳が恥ずかしげに逸らされるのを見て、納得した。
…照れてるだけか…
甘い雰囲気に慣れてない彼女は、甘い雰囲気を取りあえず、ぶんなげて踏み付ける癖がある。
ある程度まで雰囲気に流されたら抵抗は小さいが…今日は、まだ流されてなかったらしい。みごとに、ぶん投げられる所だった。
「…どうしたもんかね」
ふうっと、ベッドの上で胡座をかき、まるで猫の様に逆毛立つ光稀を見てもう一度溜め息を吐いた。
たまにしか会えない彼女とここまで来て、はい、さようならとできるほど、大人ではない。
…またきっと、そう言ったらこの彼女は泣きながら帰るのだ。自分のせいだと後悔しながら。そうさせるのは、可哀相だという気もした。
…だが…さっきのエロじじいの件は…納得がいかない。
恋人同士で彼女にエロで何が悪い。
高巳はもう一度、両手を上げた。
「光稀さん、ならこうしよう。俺は今日光稀さんの背中しか触らない」
妙な事を言い出した高巳に光稀の瞳が訝しげにひかった。
「…背中?」
大仰に頷く。
「背中、揉んだげる。だから、光稀さんはベッドの上に寝てるだけでいい。」
「なんだそれはっ?」
逆に驚いた声を上げた光稀に高巳が苦笑いする。


【ラブコメ】有川浩総合3【図書館戦争】
417 :空の中 高巳×光稀 背中[sage]:2011/02/03(木) 20:48:51 ID:o+8sYHV7
「俺は今日はそれでいい。…ここで、触れられないで帰るって言われる方が辛い」
高巳の言葉に、光稀の目が違うと彷徨う。だが、構わずに高巳は続けた。
「…下着の件もごめん。触られるのがいやみたいだから、自分で脱いで。そんで、ライトも自分で加減して。」
譲歩されているのか、注文されているのかわからず、光稀はやや唖然と高巳を見た。
「俺からのお願いは、三つ。まず、ここに触らせて」
高巳の指が自分の鎖骨の部位を指す。
「なんで」
聞き返した光稀に丁寧に説明する。
「リンパの出口なんだ。まずそこを軽くほぐしてから、マッサージするのがお約束。テレビとか…見てないね…」
小さく笑われて、睨む。そういうのには興味はない。
「本当だから、誰か詳しい人に聞いてもいいよ」
そう言われ、取りあえず頷く。もう一つ、と高巳が指を立てた。
「このベッドで片側からマッサージだと安定しないから、光稀さんの背中、跨がらせて」
ぎょっとした顔をした光稀に言い含める。
「光稀さんに、もし俺が背中揉んでって頼んだら光稀さんなら、多分そうすると思う姿勢だけど、想像できる?」
背中というより、臀部に近い腰に跨がって自分が高巳の背中を揉む姿は想像できたが…段々視線が上目遣いになる。
「なに考えてる…」
「別に、なんも」
高巳はこう言って首を竦めた。
「三つ目。俯せになったら身体起こさないでね。さすがに、俺、理性きかない」
それだけ伝えると、くるりと光稀に背中を向けた。
「準備ができるまで、見ない。だから、安心して」
光稀はしばらくその背中を不信感たっぷりに眺めていたが…ゆっくりとサイドボードのライトの摘みを高巳が思うよりぎりぎりまで絞った。

「…いいぞ」
しばらくゴソゴソしていた光稀が、結局約束どうり一度も振り返らなかった高巳に声をかけた。
「長いよ…」
待ちくたびれたと言う口調にカッとなりかけて、…自分でも…そう思ったので堪えた。
ベッドに身体を横たえ、白い背中だけ暗闇に浮かぶ。なにに手間取ったかと言えば…念のため、自分の回りにシーツで土手を作っていたからだ。腰から下は布団の中だ。
なるべく隙間がないように。丁寧な仕事に高巳は思わず吹き出しそうになる。逆を言えば…光稀はこのシーツの人型から出られないという事だ。
顔もわざと高巳から逸らして壁を向いてる。
【ラブコメ】有川浩総合3【図書館戦争】
418 :空の中 高巳×光稀 背中[sage]:2011/02/03(木) 20:50:26 ID:o+8sYHV7
「じゃ、よろしくお願いします」
そう光稀に声をかけて…高巳は人の悪そうな笑いを浮かべた。

ギシッとベッドが軋む。自分の腰の当たりのスプリングが沈んだ感覚に身体に力を入れた。
「鎖骨、触るからね」
静かな声が背中から降りて来る。言われていた事なので小さく頷いた。肩越しに指が下りて来る。指で窪みを探り、二、三度ほぐすように動いた。離れる。本当にほぐすだけの動きにちょっと力が抜けた。
「じゃあ、ゆっくりと指圧していくから、力の加減教えて」
肩甲骨の当たりを押さえ込まれていく。くぅ、という小さな呻きが光稀の口から上がり、高巳が指の力を抜く。
「強い?」
光稀が首を横に振る。
「いや…なんか、痛気持ちいい…」
素直な言葉に高巳が笑った。加減は分かった。
「じゃ、本格的に行くよ。」
光稀の背中の上で軽く高巳が両手の指を鳴らす音が聞えた。

「…結構…凝ってる?」
高巳の言葉に首を傾げる。
「わからん…こういう事はされたことがない」
「…ここ…ゴリッて分かる?」
肩の内側が高巳の指でゴリッと動く。
「…なんだそれは…」
「いや…肩凝りの凝りだと思うけど…」
そうか…凝りってそれの事なのか…。
「…詳しいな」
適格につぼを押していく指に、気持ちがよくなり目を閉じた。
「まあね…俺、肩凝り常連さんだから」
肩甲骨の窪みを押されていく。
「ここにもあるよ…」
確かに今、高巳の指の下でゴリとなにかが動いた。
「偏頭痛とか、ない?」
「…ない…」
頭痛など…空の青さですぐに消える。空の中の美しさ…ここに自分しか…いない。
「…高巳…うまい…」
思わず呟いた。気持ちがいい…。その気持ち良さに…白状したくなった。
「…さっき…すまない…」
「どの事?」
そう聞かれ、声を出さずに笑った。
「…下着…」
あぁと、一瞬指がとまりまた動き出す。
「…店員に…からかわれたんだ…」
それなら彼氏もきっと喜びますわ…思わず余計なお世話だと怒鳴りそうだった。彼氏がいないと、こういう可愛い下着を買ったらいけないのかと…。
だがしかし…そこで躓く事自体が、そういう目的の為で…あると…ぐるぐるしていた所で、可愛いと言われ、変なスイッチが入った。気がついたら恥ずかしさで逆上していた。
「気にしてないけど、なるべく早く可愛いとか、綺麗だねとかいう褒め言葉に慣れてくれたら、俺は嬉しいけどね」

【ラブコメ】有川浩総合3【図書館戦争】
419 :空の中 高巳×光稀 背中[sage]:2011/02/03(木) 20:52:04 ID:o+8sYHV7
そう言われ…しばらく考えて声を立てずに笑った。
高巳からそう言われる度、身の置き場がなくて憎まれ口か、手か足が出るのは自覚があった。考えたらひどい話だ。でも、きっとそうなる。やや、反射だから仕方がない。
「高巳…少しぐらい体重かけて構わん…」
ん?と苦笑いした気配がした。気がつかないと思っていたのだろう。ずっと中腰で背中を指圧していた。鍛えていないサラリーマンには結構きつい姿勢のはずだ。
「いや…光稀さん、薄くて…」
そう言われ、わからずに首を振る。
「…女性って、こんなに身体薄いのかとちょっと、驚いた」
背中に手の平が当たる。ゆっくりと手の平で身体を押さえられ…あぁと溜め息が漏れる。薄い…そう高巳が呟いた。
「…鍛え方が違う。乗れ…」
何気なく言った言葉に、少し後から後悔した。はしたなかったか?
「…じゃあ…」
ゆっくりと腰の上に体重がかかる。それでも加減している高巳にまた、声を立てずに笑った。

闇に目が慣れて、白い背中が空気のように揺れる。安心しきったように身体をシーツに投げ出し、顔の下で腕を組んでる。
気持ちがいいのだろう…髪の間から覗く口元が柔らかい微笑みを浮かべている。
両肩に流れるように落ちた髪から項が覗き…色っぽかった。
自分の手の平の下に…光稀がいる。あの戦闘機の前の座席に座っていた背中は…こんなに華奢だったのか…。不思議な気がした。
肩幅でも…自分の手の平二つ分ぐらい…。背中を真っ直ぐに走る背骨。二つ丘を作る肩甲骨。括れた腰。
「…光稀さん…」
名前を呼ばれ、光稀が少し眠たげな声で返事をした。
「背中に触ってもいい?」
改めて聞かれ…また声を立てずに笑われた。…一応、了解得たからな…。心の中で小さく舌を出し、さっきと違うタッチで首の後ろの窪みに触れた。

「…ふぅ…ん…」
甘い声が漏れた。でも…気がつかなかった。指が…背中を走る。ゆっくりと…柔らかく…。触るか、触らないかの柔らかい指の走りは、静かに光稀の身体を捩らせた。
目を閉じ、夢うつつのように口元には笑みを浮かべたまま…光稀の唇が小さく開く。
「…気持ちいい?」
囁くように聞くと、少し頬を染めた光稀がシーツに顔を擦り付けるように頷く。その表情が見たくて、光稀の顔にかかっていた髪を耳に掻き揚げた。
頬に触れた指に少し眉を潜める。約束は覚えているらしい…。

【ラブコメ】有川浩総合3【図書館戦争】
420 :空の中 高巳×光稀 背中[sage]:2011/02/03(木) 20:54:01 ID:o+8sYHV7
可愛いんだか、強情なんだか…高巳は小さく笑った。目を閉じたままの光稀の横顔が闇に浮かぶ。
「…キスは、だめ?」
返事が無かったので、横顔に啄むだけのキスを落とす。んっ…と光稀が息を詰めゆっくりと吐いた。
あやすように首筋を撫でる。すると解けたようにまた口元に笑みが浮かぶ。左の肩に唇を落とした。

背中が…熱い…。
はぁっ…と息に熱が籠る。熱い…。脇腹に添えられた高巳の手が熱い。高巳がゆっくりと唇を背中に当てた後が熱い。その唇の間から伸びた舌先が熱い…。
「…ん…高…巳…」
「動いたら、駄目」
制止されると動きたくなる。
「…あつ…い…」
やんわりと首筋を唇で覆われて、息を吐かれる。軽く甘噛みされて身が捩る。
シーツの土手が崩れた。光稀の腕が堪え切れず上半身を上げようとする。それを背中に置いた手の平で押し返す。
「…今日は、背中だけ」
光稀の喉が小さく唸った。目を閉じて、約束を反芻する。
鎖骨に触るだけ
腰に跨がるだけ
身体を起こさない
「…んなの…知らない」
身を捩るように上半身をくねらせ高巳を見上げた。あらわになった胸を見て、高巳が苦笑いをする。
「…理性きかないって」
光稀の腕が高巳の首に回された。
「そんなの…いるか…」
誘うようにキスをねだり、誘われたようにキスを落とす。
ようやく甘い雰囲気に流れてくれた光稀の耳に囁いた。
「エロじじいって言った…」
「…悪かった…」
謝るように光稀が唇を啄む。女性にしては薄い唇が柔らかく高巳の唇で遊ぶ。
光稀は、深いキスが少し苦手だった。深いキスを光稀から仕掛けても途中、どういうわけか高巳が主導している。いつか、主導してやると思っても、今の所無理なのでバードキスを好きなだけ高巳に仕掛ける。
「…結構、傷ついた」
高巳の珍しく拗ねた物言いに声を立てずに笑う。
「…後でさっきの下着…ちゃんとつけて見せて」
そこか…もう一度、笑って…。ぐいっと自分の方に高巳の身体を引き寄せた。
「好きなだけ…見せてやる…」
高巳の為に買ったものだ。
「…可愛かったか?」
聞いた口を塞がれた。
「中身が、可愛い…」
二の句が告げず、思わず固まる。みるみる赤くなる顔をしっかり見つめて…高巳がようやくすっきりしたように笑って肩に顔を埋めた。

おわる
【ラブコメ】有川浩総合3【図書館戦争】
421 :空の中 高巳×光稀 背中[sage]:2011/02/03(木) 20:54:46 ID:o+8sYHV7
この二人好きだ。

失礼しました。
煩悩の十二国記*十四冊目
27 :名無しさん@ピンキー[sage]:2011/02/03(木) 22:50:47 ID:o+8sYHV7
なかなか、日常に帰れません。
仕事中、頭だけあーだから、こーしてと考えているうちに、無表情になったと笑われました。

前スレでも、書きましたが、気をつける事があったら教えてください。

おやすみなさい


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