- 蘭光生 part10
295 :名無しさん@ピンキー[]:2021/04/24(土) 01:34:52.70 ID:ceLes+Q7 - <処女の死刑台>
体をクルリと回されて、背中を肋木に強く打ちつけられた。後頭部が硬い横木にぶつかりゴツンと大きな音を立て た。一瞬息が止まるような苦痛に、薫は思わず呻きながら、激しくむせ込んだ。 いやーっ!放してーっ!誰か、たすけてーっ! 猿轡の中でくぐもった悲鳴を上げながら、必死にその場にしゃがみ込もうとする薫。しかし、四人の男たちに両腕を 強く掴まれ、荒々しく上に引っ張られて、軽々と吊り上げるように立たされてしまう。両腕を縮めようと精一杯の力で 抵抗するが、若くたくましい大柄な青年たちの腕力に、お嬢さん育ちの非力な薫が適うはずがなかった。いくつもの手 でか細い両腕を、万歳の形に肋木に強く押さえつけられ、なすすべもなくあっという間に、両手首をハチマキで固結び に肋木に縛りつけられてしまった…。
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- 蘭光生 part10
296 :名無しさん@ピンキー[]:2021/04/24(土) 01:44:47.73 ID:ceLes+Q7 - <処女の死刑台A>
「できあがり、か」 嬉しそうな男の声に思わず見上げると、四人の男たちがニヤニヤ笑いながら。薫の顔を楽しそうに覗き込んでいた。 「丸山、悪いがおまえが最初の見張りに立ってくれ。あとで交替してやるから……」 丸山と呼ばれた青年は残念そうな表情を浮かべたが、それでもうなずいてドアに向かった。 「誰か来たら、うちあわせどおりに、な。それまで、ひとりで練習してろよ。十五分たったら交替だ。なかにこいよ」 「オーケー」 薫は愕然とした…。
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- 蘭光生 part10
297 :名無しさん@ピンキー[]:2021/04/24(土) 01:48:56.14 ID:ceLes+Q7 - <処女の死刑台B>
(この連中は、私のために罠をしかけていた!) 思いきり咽喉が張り裂けるような悲鳴を上げた。 「んあぁーっ!」(誰かーっ!) 猿轡でくぐもった自分の声の異様さに、恐怖で胸がしめつけられた。ほとんど無人なった校舎が頭に浮かび、絶望に 顔から血の気が引いてゆくのがわかった…。
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