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名無しさん@ピンキー
山文京伝についてPart60 [無断転載禁止] [無断転載禁止]©bbspink.com

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山文京伝についてPart60 [無断転載禁止] [無断転載禁止]©bbspink.com
768 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:34:00.63 ID:F4yAFMol
バレ( 暁年の場合)

希望どおり単身赴任の期間は短縮され
暁年は久しぶりの我が家の前に立っている。
今日はとりあえず本社に立ち寄り、上司や同僚への
報告だけでよかったので、思いの外早い時間に家に着いた。

このことは唯子には一切話していない。
サプライズで唯子が無邪気に喜ぶ顔が見たくて、
今日帰宅することは内緒にしてきたのだ。
「あなた、お帰りなさい」
弾けるようないつもの笑顔が、暁年を出迎えてくれるはずだ。

子供のようにワクワクしながらドアを開けた暁年だが
(ん?誰もいない…)
買物にでも出ているのかな、どこか
さっきまで人のいた気配が漂っている。
「唯子ー、いないのかぁー」
リビングに入った暁年は、目に入った光景に驚愕した。
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769 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:35:41.61 ID:F4yAFMol
いわゆる大人のおもちゃと言われる
男性器を模した性具が床に何本も乱雑に転がっている。
様々な形、大きさ、中には驚くほどのサイズのモノもある。
どのように使うのか、暁年には分からない器具もある。
気のせいか、部屋の中には淫臭が漂っているような…
あちこちに、娼婦すら身に付けるのを恥らうような
卑猥なランジェリーが、たった今脱ぎ捨てられた
かのように何枚も散らばっている。
そして、物干しとして使っている、と唯子が言っていた
天井や壁に取り付けた金具からは
幾本もの麻縄や手枷のようなものが付いた
鎖が不気味にぶら下がっているではないか。

得体の知れない不安にかられる暁年。

性的な事に疎い暁年にも、この家で唯子が何をしていたのか、
何をされていたのか、漠然と想像がついた。
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770 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:36:55.49 ID:F4yAFMol
(あの唯子が…この家で…まさか…)
どうしても信じられない。信じたくない。
なにか誤解であって欲しい。誤解であるはずだ。
話をしたい。
動揺して立ち尽くす暁年は、背後に人の気配を感じた。
「唯子!」
振り向くと、そこにはあの少年が立っていた。
近所に住む、唯子に懐いた子供だ。聖満君といったか。
しかし、遠慮の無い子だったが、勝手に家に上がるとは。
さすがの暁年も、こんな時だけに不快に感じる。
「おばさんは、ここにいるよ」
無表情で、メモをよこす。
そこには、見慣れない住所が書かれていた。
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771 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:38:11.82 ID:F4yAFMol
そのマンションの一室は、意外な広さがあった。
男たちの熱気のなか、一番後ろの席に所在無げに座る。
何なんだ、ここは…いかがわしいショーを見せる店か?
こんなとこに唯子がいるというのか。
イヤな予感に胸の動悸が収まらない。

観客の視線は、一斉にステージに向けられている。
そこでは、暁年にとっては刺激の強過ぎる
淫微な見世物がまさに佳境を迎えていた。
縛られ、吊るされ、屈強な男にいいように蹂躙され、
啼泣を上げている全裸の女…ま、まさか!
暁年は不安にさいなまれながらも、
意を決し、目を凝らして女の顔を見た。
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772 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:39:21.70 ID:F4yAFMol
違う。唯子じゃない。
大きく安堵しつつ、妙な想像をした自分を恥じた。
唯子があんな事するわけがないじゃないか、
それに見てみろ、あの女。
乳首にピアスなんかして。普通じゃない。
そういう世界のプロの女なんだろう。

「紗夜子、イキますうっ…!」
こんなに大勢の男達に見られているというのに
女は名前まで名乗りながら、感極まった声を上げ絶頂を迎えた。
(なんて、はしたない女だ。)
潔癖な彼は、侮蔑的な視線で女を見てしまう。

どうやら、あの子にからかわれたようだな。
マセた子供だ。
帰ろうと席を立った、その時…
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773 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:40:37.25 ID:F4yAFMol
場内の照明が落ち、真っ暗になった。
観客からどよめきが起こる。
司会「皆様、大変お待たせ致しました!
いよいよ本日のメインイベントの始まりです!」

ほどなくステージ奥の大モニターが点灯し
素人がとった様な生々しい動画が流れ始めた。
天井から下がる麻縄で立位で縛られた全裸の女が、
カメラに背を向けた太った男に激しく手マンされている。
女はカメラを避けるように俯いているので、顔は見えない。
しかし、アンアン…とすすり泣くような淫声と
秘部から溢れ出す愛液のジュボジュボという音で
女が充分に感じていることはうかがい知れる。

(…この部屋って…まさか…)
映像が捉えている部屋の雰囲気に
暁年の内にどす黒い不安が広がる…
と、彼の疑念に答えるかの様に、映像の男は女の顎を掴み、
無理やりカメラへと顔を向けさせた。
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774 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:42:15.99 ID:F4yAFMol
司会「調教師の極太チンポ一本で釣り上げられ
人妻であり母親でありながら、マゾ奴隷として
他の男に所有される事を誓った不貞の良妻賢母……」

(ゆ、唯子!!)
エロ動画に記録されているのは
見間違いようもない愛妻の痴態だった。
先ほどの家の有り様にも合点がいった。
やはり唯子は我が家で何者かに乱暴されていたのだ!
まさに今日に至るまで。

家の中だけではない。
なかにはどこかの公園のような場所で裸を露出し
野外セックスを興じているシーンすらある。
「来てぇ〜…!」と自ら男を求めながら
愛液を迸らせ、オンナの絶頂を極めている妻…
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775 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:44:16.70 ID:F4yAFMol
(あの貞淑な唯子が…)
まるで変態女の様な行為をしている。
確かに感じている様に見えるが、誰かに脅されて
強要されて、やむなくそうしているに違いない。
せめて、そう信じたい暁年だった。
だが、その後も、調教を甘んじて受け入れる
唯子の様々な動画や画像が流れ続ける。

司会「ご覧のような調教を受け続け、家族の知らぬ間に
メス快楽の極みを徹底的に教え込まれた淫乱マゾ……」

最後の映像は、暁年のすでに傷だらけの心を
さらに奥深く抉るものだった。
今日まで見た事もない、惚けた表情の唯子の顔のアップ。
トロ〜ンとしたカメラ目線で唯子が言う。
「…お帰…り…なさい…っ」
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776 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:45:32.68 ID:F4yAFMol
今日、自分にかけられる筈だった言葉をこんなカタチで聞くとは。
2人がいない間は自分が家を守る、と言っていた
唯子の健気な表情が脳裏に蘇る。それが今…
そんなだらしない顔で、いったい誰に言っているのだ?
守る、と言っていた我が家に、何者を迎え入れているんだ?

司会「それでは本人にご登場願いましょう!
牝豚唯子の調教の成果をじっくりとご鑑賞ください!」

照明が再び点いた。先程の男女と入れ替わって
ステージ中央に立っているのは
全裸を厳しく緊縛された美しい女と、
その縄尻を引いている太った中年男。
暁年は血走った目を見開いて、2人を見る。
映像を見せられてさえ、何か間違いであって欲しいと
一縷の希望をもっていた暁年だが、
そこに居るのは間違いなく自分の愛妻だった。
(あぁ…唯子…どうして…!? )
そして、隣の男を見て、さらに驚愕する。
(え…? 卍君…!?)
淫靡な舞台に並んで立つ、全裸の愛妻と親戚の婿…
頭がおかしくなりそうだ。なぜ彼が、唯子と?
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777 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:48:09.53 ID:F4yAFMol
今日、自分にかけられる筈だった言葉をこんなカタチで聞くとは。
2人がいない間は自分が家を守る、と言っていた
唯子の健気な表情が脳裏に蘇る。それが今…
そんなだらしない顔で、いったい誰に言っているのだ?
守る、と言っていた我が家に、何者を迎え入れているんだ?

司会「それでは本人にご登場願いましょう!
牝豚唯子の調教の成果をじっくりとご鑑賞ください!」

照明が再び点いた。先程の男女と入れ替わって
ステージ中央に立っているのは
全裸を厳しく緊縛された美しい女と、
その縄尻を引いている太った中年男。
暁年は血走った目を見開いて、2人を見る。
映像を見せられてさえ、何か間違いであって欲しいと
一縷の希望をもっていた暁年だが、
そこに居るのは間違いなく自分の愛妻だった。
(あぁ…唯子…どうして…!? )
そして、隣の男を見て、さらに驚愕する。
(え…? 卍君…!?)
淫靡な舞台に並んで立つ、全裸の愛妻と親戚の婿…
頭がおかしくなりそうだ。なぜ彼が、唯子と?
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779 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:50:27.90 ID:F4yAFMol
久しぶりに見た妻のカラダは、
以前にも増してオンナの濃厚な色香を放っている。
より豊満になった乳房、その先端の乳首も
主張するかのように大きさを増した気がする。
よく見れば、先ほどの女同様、そこには
ピアスがしっかりと打たれているではないか!
(なんてことだ…あの唯子が…あんなモノを…)
そう言えば以前、唯子がノンホールピアスから
耳に穴を開ける本物のピアスに変えたことを
こんな時に思い出す暁年だった。

さらに驚いたことに、下の毛は綺麗に剃り上げられ、
翳りを失った秘部が照明を浴びて
生々しくそのカタチや色までを衆目に晒している。
充分に熟したオトナの女らしい肉体なだけに、
子供のように無毛の秘部がアンバランスで
滑稽ながらも妙に淫靡な印象を放っている。

夫の自分が良く知っているはずの愛妻のカラダが
いつの間にか他人好みに作り変えられている…
娼婦のような男が遊ぶ為のカラダに仕上げられている…
夫として、これ以上の屈辱はあるだろうか。
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781 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:55:48.48 ID:F4yAFMol
卍は様々な淫具を使って立位の唯子を責め苛んでいる。
女ってのは、こう啼かせるもんだ、と誰かに教え込むかのように。
唯子はこれまで暁年が聞いた事のない淫らな声を上げ続け、
無毛の股間から糸を引く愛液でその行為に応えている。

「そら、唯子、皆様に自己紹介するんだ。
自分が何者なのかを。いつものように」
卍に促され、躊躇しながらもハッキリと屈辱の言葉を口にする。
「私、三好唯子は…身も心も卍さんに支配されている…牝豚です!
卍さんだけの、い、淫乱な…しょ…所有物ですぅ…」

三好…三好唯子…
暁年の中で何かが確実に壊れていく。
それから続く唯子の長い独白は
追い打ちをかけるように、さらに彼の心を打ち砕いていく。

卍のチンポとテクニックに心酔しきっていること。
夫のペニスでは、もう感じないカラダになっていること。
今後夫とは、セックスはもちろんキスも許す気がないこと。
主人である卍への貞操を、しっかりと守りきる覚悟があること。
こんなカラダに仕上げてくれた卍に深く感謝していること。
以前は家族が生き甲斐であったが、
いまでは卍との時間が何より大切であること。
………
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782 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:57:05.67 ID:F4yAFMol
やがて、縄をほどかれた唯子はステージに置かれた
ベッドに自ら上がり、四つん這いの尻を振って卍を誘う。
「あなたぁ…きてぇ…」
誰に強要されるわけでもなく、
自分の意志で浅ましく男を求めている。

「…あなた…」暁年は思わず呟く。
あなた、と呼んでいるのか、卍君を…あなた、と。
暁年の心は、狂おしい嫉妬心と屈辱感で張り裂けそうだ。

「コイツが欲しいんだろ?もぉガマン出来ね〜んだろぉ?」
卍はぶっとい亀頭の先で唯子の頬を
グリグリと抉りながら、意地悪く言う。
「さっきまでお前の家で、おもちゃを使って、焦らしてぇ
焦らしてぇ、イカせないよぉ〜にイカせないよぉ〜に
寸止めを繰り返してやったからなぁ。へへっ」
涎を垂らしながら、卍のセリフに何度も大きく頷く妻。

卍は観客に挿入部分がよく見えるような体位で
唯子の秘肉にその太マラをズブズブと沈み込ませていく。
「おいおい、壊れちまうぜ、あんなデカいのブチ込まれたら(笑)」
客席のどこかから、そんな声が聞こえる。
しかし、唯子の性器はその人並外れた巨根を、
慣れた様子でなんなく呑み込んでいくのだった。
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783 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:58:55.34 ID:F4yAFMol
それからは、激しい性行為が延々と続く。
「あなたぁ…あなたぁ…」とすすり泣くような甘えた声で
自らキスを求め、卍の手管に翻弄され乱れまくる妻の姿。
これまで「あなた」と呼ばれていた男は
何も考えられないまま、何もできないまま
真の夫婦のようにピッタリと息の合った
2人のセックスをただ見つめ続けるだけだった。

「お、そろそろとどめだな」
隣の男が身を乗り出して興奮した声で言う。
卍は観客に唯子の全てが隅々まで見えるよう、
大きく股を開かせた背面座位で責め立てる。
汗で濡れた艶やかな肌、舌を出した蕩けた表情、
背後から荒々しく揉みしだかれる豊かな乳房、
恥ずかしいまでに乳輪ごと勃起した乳首、
毛がないのでピンと屹立したクリトリスまでが丸見えだ。
割れ目を押し広げて、巨根が烈しく出入りする。
「ホラ、今日も中出しされますよ、あの女。
旦那持ちだってのに、妊娠が怖くないんですかねぇ(笑)」
暁年には隣の男の揶揄さえ、もう耳に入らない。
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784 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 13:59:52.77 ID:F4yAFMol
「あなた…私…もう…」「イクのか?」
「はっ、はい…!」「皆様にしっかり見てもらえ!」
卍がひときわ烈しく唯子を突き上げる。
「唯子、イキ…イキますっ!…みんな、見てぇ〜〜っ!」

あまりに激しい絶頂だった。
ジックリと唯子の中に射精を終えた卍がマラをズボリと抜くと、
ポッカリ開いた膣から白濁した液が大量に溢れ出した。

(もういい…もう駄目だ…)
暁年は、自分の心がすでに壊れたことを自覚する。
失意のどん底の彼であったが、しかし闇はもっと深かった。
追い討ちをかけるように、さらに目を疑う光景が飛び込む。
(あの子は…!?)
唯子が近所の子と言っていた聖満が舞台に現れ
快感を極めグッタリと横たわる唯子の裸体に絡みつく。
唯子は当然のように年端もいかぬ少年を受け入れ
やがて卍を加えた3人の狂宴が始まるのだった…

(どおりで唯子の行方を知ってた訳だ…
そうか、卍君の息子さんだったんだねぇ…)
暁年はフラリと立ち上がり、虚ろな瞳で
意味も無くうんうんと頷きながら
夢遊病者のような足取りで席を後にした。
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785 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 14:02:12.59 ID:F4yAFMol
家に帰る気になれず、暁年は安酒場で苦手な酒をあおっていた。
いくら浴びる様に呑もうとも、さっきまでの光景は頭を離れない。
あんな子供とまで…妻は気がおかしくなったのだろうか…
自分はこれからどうすればいいのか。
卍を訴える?いや…悔しいが、どう見てもあれは和姦だろう…
それに、あんな非合法なショーに出演している事実、
それ以上にあんな未成年と性行為をしている事実は、
世間に知れたら、唯子のみならず秋月家の破滅を意味する。
親族にまで、とんでもない迷惑が及ぶだろう。
唯子と話し合う?貞淑な彼女のことだ、自分を責め苛み、
言い訳もせず、自ら家を出て行くに違いない…
そうなれば暁人はどうなる?思春期の彼には、
その理由を絶対に知られるわけにはいかない。
自分はどうだ。情けない事に、この事実を知った今でも
唯子のいない自分の人生は考えられないのだった。

暁年は思う。
いや、唯子は悪くない。悪いのは自分なのだ。
人一倍寂しがり屋の唯子を、長い間一人にした自分が悪いのだ。
いい歳して稚拙でひとりよがりなセックスしかできず
唯子を充分に満足させてやれなかった自分が悪いのだ。
卍君とは比べようもない、粗末なぺニスの自分が悪いのだ。
そして、3年前の葬儀の日、唯子を侮辱した卍君に
夫として毅然とした態度を取らなかった自分が悪いのだ。
そうだ、唯子は悪くない。すべて自分が悪いのだ。
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786 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 14:04:18.05 ID:F4yAFMol
我を失うほど酔っても、結局足取りは我が家へ向かう。
ドアの前に立つ。他人の家の様なよそよそしさを感じる。
酒の勢いを借りて、思い切ってドアを開けた。
「…あなた…!」ビックリした顔の妻が立っている。
夫の予期せぬ帰宅にかなり驚いたようだが、
すぐにいつもの優しい表情に戻り、そして…
「お帰りなさい…」

そのセリフを聞いて、暁年の中で何かが弾けた。
力づくで唯子を抱きしめ、唇を求め、
薄手のセーターに包まれた豊満な胸を揉みしだく。
「ちょっ…やめて!」
妻は初めて見せる嫌悪感に満ちた表情で、暁年を突き放す。
「ご、ごめんなさい…酔ってる人は苦手なの…」
すぐにいつもの唯子らしく、申し訳なさそうに俯いた。
「あは…すまん、今日は送別会だったもんで、
ちょっと飲み過ぎちまったかな、ははは…」
気まずい空気を打ち消すように、引きつった笑顔を浮かべる
暁年であったが、たった今、セーター越しに乳首に触れた
指先には、肉ではない固い何かの感触が確かに残っていた。
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787 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 14:05:38.11 ID:F4yAFMol
………

暁人が寮生活を終え、帰って来た。
待ち望んだ家族3人の生活が戻ってきた。
暁年の良き妻として、暁人の良き母として、
唯子は毎日忙しく生活をきりもみしている。
あれは、酔って見た悪夢だったのでは、とさえ思えてきた。
どこにでもある、普通の家庭。
以前と変わることはない、平凡だが平穏な日々。
ほんのわずかな変化をのぞいては…

夜の夫婦生活は、あれから一切無くなった。
暁年と暁人で計画していた家族旅行は、うやむやになった。
昼間、唯子と連絡がつかない時がよくある。
家に帰ると、誰か人がいた気配を感じる時がある。
聖満君が頻繁に家に来るようになり、泊まっていく日もある。
唯子がひどく疲れている日が増え、そんな夜の飯は出前になる。
しかし、この程度は、大した問題ではない。
こうして家族3人一緒に暮らせることが、何より大切なのだ。

いつものように3人で食卓を囲み、暁人の話しを気のせいか
うわの空で聞いているように見える妻の横顔を
ぼんやりと眺めながら、暁年は力なく呟くのだった。

「なべて世は事もなし …か」

END
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788 :名無しさん@ピンキー[]:2018/06/12(火) 14:08:23.96 ID:F4yAFMol
またしても鬱陶しい長文になり、大変申し訳ないです。
書いてる本人だけが喜んでる代物ですが
月下香の次回掲載までのホンの暇つぶしになれば、と。

776と777が重複してしまいました。
読み苦しくてすみません…


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