- 母親が他人に犯される 漫画・小説 #13
500 :こんばんは、サクラフブキです[sage]:2012/11/03(土) 05:25:55.17 ID:l3z1wdZr - 予定通り連載を続けます(笑)
景色を見渡してみた。 河はまだ増水するほどでは無く、 今朝と変わり無く水を湛えている。 雨が地面を叩く、静かで優しい音。 家々の屋根を、水が滑るように流れていく。 さっきまで俺たちが佇んでいた端が、 雨の視界の向こうに、霞んで遠く消えていく。 世界は優しい。 冷たくも優しさに包まれているのだ。 雨は冷たくて、暖かいのだ。 そして俺の左手を、熱を持った、たった一つの奴の手が、握り締めている。 俺の手を、奴の右手がそっと包み込んでいる。
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501 :こんばんは、サクラフブキです[sage]:2012/11/03(土) 05:26:53.57 ID:l3z1wdZr - 俺はただ黙って奴の後ろを歩いた。
手を繋いでいるのだから真横を歩けば良いのだが、 奴が前で、俺は後ろだ。 これは絶対に変えられない距離なのだ。 俺は黙って歩いている奴の背中を、切なげな目で見つめた。
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502 :こんばんは、サクラフブキです[sage]:2012/11/03(土) 05:27:44.94 ID:l3z1wdZr - すると、奴は後ろを振り向いた。
まるで俺の気持ちを察したかのように。 俺は奴の手に引き寄せられて、横に並ぶ。 奴は、俺のマフラーの端を、奴の肩に掛けるようにして軽く巻く。 いわゆる、恋人同士がするあれだ。 微笑を浮かべてくる。 俺も微笑んで応える。 会話は無かったが、それでいい。 それでいいんだ。
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503 :こんばんは、サクラフブキです[sage]:2012/11/03(土) 05:31:33.88 ID:l3z1wdZr - 俺は今、奴の隣りに並び、手を繋ぎながら、
雨の中、川原沿いの土手道を歩いている。 冷たい雨が染みる中、奴と繋いだ手だけが、 たった一つの熱源を持っている。 俺と奴の存在を、証明してくれている。
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504 :こんばんは、サクラフブキです[sage]:2012/11/03(土) 05:32:31.64 ID:l3z1wdZr - それから家に帰った俺たちは、
当然のようにして冷えた身体を温めあった。 雨の中の方が興奮した、なんて、 奴には言えない、俺だけの秘密なのである。
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