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49 : ◆mFQw1v5tA2 [sage]:2015/12/16(水) 00:36:37.87 ID:Frpsj3IY - 【ナナ ◆5ilIEDfMboへの置きレスに、お借りします】
(武装商船『灰色の稲妻号』の今回の航海は、正直に言えばハズレだった) (期待した香辛料も、美術品も、宝石も、めぼしい物は手に入らず) (肩を落としての帰りの航路では大嵐に見舞われ、大幅に航路をずらすこととなった) (筋骨隆々、体力自慢の船員達も、体力を削られ、立っているのがやっと、という状態) (水も食料も残り少なく、いよいよ餓死を覚悟した時――) ――島だ!! 島だぁーーーっ!! (マストの上の物見が、大声を張り上げた) (そう大きくはないが、木々が生い茂る豊かな島) (それはつまり、豊富な水と、あわよくば動物の存在を示唆するもので) 「水だ!」「果物もあるかも知れねえ!!」「獣がいりゃ肉が食える!!」「そうでなくても鳥くらい居るだろうよ!!」 (今までの疲労困憊の状況はどこへやら、色めき立つ船員達を前に) ――よおし野郎共!! 上陸の準備だ!! (歴戦の船乗りである船長の、力強い声が響き渡った) (錨を下ろし、上陸艇を浮かべ、普段は見張りを残す所を全員で乗り込む) (それほどまでに、皆ヘトヘトだったのだ) (そして……) 「おい、人だ、人間が居るぞ!!」 (誰かが、ボートを進める先を指さし、叫んだ) (見れば、南洋の人間に多い、黒い肌の人々が、こちらを見つめている) (指差してなにか言ってはいるが、武装している様子も、恐れている様子すら無い) (そして――) なんだあ、こりゃあ…… (長老と思しき年寄りが、恭しく跪き、付いてきた少女達が、果物の入ったカゴと、酒と思しき壷を差し出してくる) (言葉は全く通じないが、その所作に敵意は微塵も感じられず) (船員達は我先に果物籠に手を伸ばし、歓声を上げながらかぶりついた) 「うんんめええええ!」「新鮮な果物なんて何時ぶりだよオイ!」「生きてて良かったぁ……!!」 (涙まで流しながら、果物をあっという間に食いつくし、酒壷を回し飲みしている) (そんな中で、船長と、この船の中で最も博識な副長は、冷静さを保っていた) どういうことだ、こりゃあ。 「――聞いたことが有ります、野蛮人の中には、俺達みたいな船乗りを神様と間違っちまう奴らが居ると。 コルテスってぇ公爵様も、どこぞの野蛮人に神の使いだと出迎えられたとか。 もしかしたら、こいつらも……」 なるほど、じゃあこの女共は、俺らが神様に見えてるってか。 (少女達の先頭で、熱に浮かされたような顔でこちらを見上げる娘を、じろじろと見定める) (ジャラジャラと稚拙なアクセサリーで飾り立てられた姿は、なるほど、神への供物にも見える) ――そいつぁ良いなあ。 (その少女――ナナの腕を掴んで立ち上がらせ、顎を掴むと、柔らかそうな唇にむしゃぶりついた) んじゅっ、んん、ぶちゅ、ちゅう……っ! (唇を割って舌を侵入させ、思う様口内を蹂躙してから引き抜くと) 野郎共!! どうやらこの人々は、我々を歓迎してくださるらしい!! 今回の航海は痛い目を散々見てきたが、やっと運が向いてきたってことだ!! 『せいぜい、楽しませてもらうとしよう』!! (ナナの肩を抱き、船員達に宣言した) 「マジか!?」「やったぜ船長!!」「帰りの航路は楽しくなりそうだぜ!!」「ちょ、俺らも女の子欲しい!!」 (歓声を上げてナナに付き従う少女達のもとに向かい、自分ごのみの少女を侍らせる船員達) (流石に人数は船員のほうが多く、少女一人に複数人の船員がまとわりついていることもあるが、誰も彼も文句など言わず) それじゃあ、合図するまでは紳士的に楽しめ!! お前ら、分かってるな!? (船長の確認の言葉に、船員達は大きく頷くと) 「「「「「男と年寄りはお呼びじゃねえ、女とガキはかっさらえ!!!」」」」」 (ピッタリと息を合わせて、合唱した……)
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