- 【異能】黄昏の学園 47【異端】
172 :紅裂拓兎 ◆wjnBot/Fso [sage]:2014/04/10(木) 20:56:41.48 ID:Y44K6e0r - >>170
(お茶の味に対する意見が分かれたことはさておき――) (問いに対してやや混乱しているゆりかを見て、最悪の事態だけは免れた) (と知り安堵の吐息をこっそりと漏らす。だがそこからどうするべきかわからない) (どう動くか思案している間にゆかりが混乱から立ち直って先手を打った) (小さなテーブルが蹴られて横に退かされる。あ、飲み物が……) (空いたスペースにゆりかが跪いて、左手を取られた) (異国の言葉で紡がれる、恐らくは大事な言葉と共に接吻が落ちる) (羞恥に睫を伏せるゆりかが愛らしいと思う) だからロシア語はわからないと…… まあ、ニュアンスは伝わったよ。 (言葉は分からなくても、その表情や仕草が何よりも雄弁に気持ちを伝えることだってある) (それが理解できるくらいには、ずっと一緒にいて彼女を見ていたのだから) 俺もな、キミのことを想うと胸が軋んだり、切なくなったりする。 すごく、暖かい気持ちになることだって、ある。 キミが人間じゃないと言われてもそれは変わらなかった。 だって、キミには他人を思い遣る気持ちがある。 共感性っていう、人間が持つべき最大の人間性がね。 (違う個性と心を持つ自分と他人、その境界線。超えることなど不可能だ) (違う想いを抱えたまま、それでも一緒にいると空約束する) (違うその想いを同じものとして重ねることはできるのか) (できる。できるはずなのだ。それが「愛」という人類の生み出した大きな共同幻想である) なんだって良いんだよ。キミが人間だろうと、それ以外だろうと。 つまり、あー、上手く言えないが……その…… (言葉に詰まる。いつだって大事な言葉は品切れ状態) (だから言葉の代わりになる行動を。いつか見た夢のように左手を口元に持って行く) 結婚式はできないな。 指輪はいつか買ってやるから、今はこれで勘弁してくれ。 (ゆりかの左手の薬指を甘く噛んで、婚約指輪の代わりとする) (ここまでは夢と同じ。ここから先は違う。自分の左手の薬指を差し出す) (キミも噛めと、視線で促す。指輪を交換するのは本来結婚指輪なのだが) (挙式できないので、ここで一気に済ませる算段だ。なにより特別なことをしたい気分だった) 【置きレスに借りた】
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