- ----最終痴漢電車 7号車----
146 :森野瑠璃 ◆jL7jXeIyIA8H [sage]:2014/03/25(火) 21:29:35.59 ID:UGnigdgd - >>142-143
【ごきげんよう】 【お待たせ致しましたわ】 【痴漢は女性の敵ですもの。甘くなんて見ておりませんわ。ただ、悍ましいだけですもの】 (電車のスピードやカーブに合わせて、隣り合う人々と自然に肩が微かに触れる) (帰宅ラッシュの電車内は、車外の温度に反して暖房と人熱れでむっとしていた) 『帰宅ラッシュ時間帯の一般車両がこんなに混んでいるなんて、全く予想外でしたわ。 この中で痴漢に遭えば、里奈ちゃんでなくてもあまり抵抗出来ませんわね』 (想像以上の混雑に、痴漢を捕獲した時のことを考える) (さすがに今までのように、護身術を使って相手の腕を捻り上げるだけのスペースはないように感じる) (さて、どうしたものかと思案し始めた時、後ろの殿方が鼻を鳴らすのに気づく) 『お風邪か花粉症かしら? 今日体育で汗をかきましたから、まさか匂っているのではありませんわよね?』 (人熱れで蒸して、身体が微かに熱を帯びているのを感じる) (制汗剤でケアし日頃体臭が濃い方ではないとは言え、年頃の女の子としてはやはり気になる) (手持ち無沙汰で視線を斜め上に向け、今月号のティーン向けファッション誌の広告を読む) (面白そうな記事が一つ二つあったが、購買意欲を唆られるような記事はなかった) (これなら購入しなくても、この雑誌をいつも購入している友人に見せてもらえばいいと思った) 『それにしても、少々息苦しさを感じますわ……』 (女性としては身長が高い方ではあるが、さすがに周りを男性の囲まれ、皆が自分と同等か背が高いとなれば、やはり圧迫感を感じる) (それに車内が人熱れでむっとしているとあれば、息苦しさを感じても仕方ないこと) 『里奈ちゃんが痴漢に悪戯されたときもこんなに混んでいたのかしら? 痴漢されたことは話してくれたけど、具体的なことは何一つ話してくれなかったけど……、 嫌で怖くて思い出したくもないでしょうね……きっと』 (自分が思い違いをしていることなど、露ほども気づいていない) (今は、周りの気配に注意を払いながら、痴漢が現れるのをひたすら待つことに集中する) (緊張のあまり、どうしても背筋に力が入り、身体が少し強張ってしまう) 『後ろの方、寝ていらっしゃるのかしら? 先程から何度か背中が触れるのですけれど、さすがに少々気になりますわね』 (背後の殿方と何度か背中が触れ合う) (何とか首を捻って様子を伺えば、頭をコクリとして、どうやら仕事で疲れたのかうたた寝をしているように見える) (制服越しに殿方の背中が触れると、やはり硬くてゴツゴツしていて逞しいのを朧気に感じる) (電車が減速を始めると、今度は左右のサラリーマンと身体が軽くぶつかる) (日頃なら、それほど気にならないものの、痴漢を捕まえに来てる状況では、必要以上に気になってしまう)
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