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紅裂拓兎 ◆QiSi/P5T2Q
【異能】黄昏の学園 46【異端】

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【異能】黄昏の学園 46【異端】
62 :紅裂拓兎 ◆QiSi/P5T2Q [sage]:2013/08/09(金) 23:08:58.43 ID:uwWUXxbb
>>61
心ってのが何なのか、定義し辛いがな。
まあ、そんな怪物がいるとしたら、厄介だろうな。
面倒だからさっさと撃ち殺しておけ、出会う機会があったなら。
人間の弱さを持った怪物なんて危険すぎる。
(人の中に在りて人の心を持った異端なる生き物)
(それはきっと、ある意味において紅裂拓兎の同類だからだ)
(……紅裂拓兎は人の持つ強さと同じくらい人の弱さを確信している)
(心の在り方が全てを決める。そして心とは強く、弱い。硬く、そして脆い)
つまらん事言うからだろ、このボケ。
朝からこんな重苦しくて欝になる話題振るな、この盆暗が。
(ノリノリで乗っていた癖に、一転して責める辺り性格の悪さが隠しきれていない)

わからいでか。まあ、海には漬けるなよ。
海水の塩ってさ、吐き出すのに凄いエネルギー必要なんだってさ。
海水魚にとって海ってのは実は棲み辛い環境なんだとよ。
だから塩の濃度の低い水の方が魚は長生きするんだとさ。
(この話を聞いた時、なんで海水魚はもっとマシな進化をしなかったのか、疑問を感じた)
(役に立つのか微妙な話をしていると、軽快なメロディが流れる。程なくして電車がホームに滑り込んできた)
(プシューと音がして、ドアが開く。客がぞろぞろと降りてくる。降りきった頃、今度は乗る側が次々と乗り込む)
(人波を嫌って暫く立ち尽くしていると、ゆりかの方が先に動いた。はいはいと答えて電車に乗り込む)
(流石に夏休みだけあって、あっという間に乗客で車内が埋まった。座る場所などないので、手摺に掴んでいる)

うっぷ。人と電車の匂いが……
(冗談でもなく露骨に気分を害した表情を浮かべる。電車に乗る機会が少ないので、馴染んでいない)
(それでも発車する頃にはいつもの薄笑みに戻っていた。ここから先は実に単調な時間となる)
(駅に停車する事に人が乗り降りする。目的の駅に近づく度に人が減ってゆく)
(半数以下になった頃には、ボックス席を二人で占拠することもできた)
(くだらない事を言い合い、笑い合って、時には険悪になったり、それでも和解したり)
(概ねいつもどおりの二人と言えた。菓子を貪っていると、電車の外に遠く海が見え始めた)

むぐぅ、そろそろだな。一時間と、半分くらいか?あー、腰いてぇ。
そろそろ降りる準備しておけよ。忘れ物しても知らないぞ。
(塩のついた指を舐めて、一度立ち上がって軽く伸びをする。長く座っていると身体が硬くなって困る)
(かくして、難儀な二人はとある海辺の街へと到着した。小さな駅に降り立つと熱気と蝉の鳴き声が)
(出迎えた。駅のあちこちに祭りに関する告知が貼り付けてある。改札を潜ると汗が吹き出た)
(鄙びた街は、あちこちに今夜の祭りの準備を思わせる飾りが点在している)
く……はは。いいね。
こうして知らない街に来るってのは。何もなくても心が浮き立つものだ。
(海側から風が吹くと、そこから微かに漂う潮の香り。今は黒い髪の男がニヤリと笑う)


【置きレスにお借りしました】


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