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媛名 葵 ◆YJKujNK4t6
【異能】黄昏の学園 41【異端】

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【異能】黄昏の学園 41【異端】
219 :媛名 葵 ◆YJKujNK4t6 [sage]:2011/12/08(木) 00:32:08.57 ID:G9veQ+CU
>>218
(こちらとしても、あまり周りの目をあつめるのはどうかと思って、両親を制することも考えたが、
 しっかりとした真っすぐな気持ちをむけられては、こちらとしてもそれを無碍に扱うことはできない。
 ――ここでの年長者である由美子も何も言わないことからして、ここはこの女も黙っておくことにした)

……、しっかりと貴方がたが、彼女の帰りを信じて待っていてくれたからこそ。
そして、彼女を迎えてくれる貴方達であってこそのことです。
私の場合は、ただ成り行きで彼女を助けただけにすぎません。
それで感謝されていると、なんだかくすぐったいような気も致しますけれど――。

(これが、家族というものなのだろうか)
(感極まった母親を抱き寄せる父親、そしてそれを照れくさそうにしながらもこちらに頭を下げる娘)

(幸福な、"家族"とはこうなのだろうか?)

(異なる姿になっても娘を受け入れ、そしてそんな姿であってもこうして無事に帰ってきたことを喜び、
 兵部はともかくとしても、自分のような相手にまで感謝の言葉をのべる――こういうものなのであろうか)

(だとしたら、彼女は――葵は、"家族"を "知 ら な い ")

感謝していただけるような仕事をできたというのなら、それは、私としても誇らしい限りです。

(その唇がすらりと紡いだ言葉は、本音か。それとも違うものなのか)

……兵部さんが守りたかったもの、守ったもの。
なるほど、貴方がたがいつも"守っている"ものがこういうものなのだと、形にして実感できるとは思いませんでした。
(僅かに笑いながらの言葉は、兵部と由美子に向けてだ)
【異能】黄昏の学園 41【異端】
221 :媛名 葵 ◆YJKujNK4t6 [sage]:2011/12/08(木) 01:25:38.07 ID:G9veQ+CU
>>220
(――自分は、誰かに感謝されるために動いているわけではない)
(自分は、自分の為に。主の狗であるために、異形を狩る。
 一般市民を危険から守るとか、被害を最小限に抑えるなんて言うのは――狩人として世を渡っていくための言葉だ。
 だから、自分の行動で他人から感謝されることがあっても、それを綺麗に受け取ることは上手じゃない)

(そうだったとしても、
 由美子が自分と兵部に何を見せたかったのかは理解(わか)る。
 それに対して返すべき反応も。そして何より、それが"兵部"の方にもたらす心の 動 き も―――)

(だから、彼女にとってはそれらだけで十分だった)


本当に。
可愛らしいむすめさんの夜歩きは、ああいうことでなくとも、危ないのは事実でありますから。
……どうか、素敵なご両親をもうずっと一生、困らせないように。
(最後には茶目っ気をわずかに交えた語調で、愛に向かって小首を傾げる)

兵部さんと、私との、お約束です。

(にこやかに微笑む兵部のとなりで、そういって子指をさしだす)
【異能】黄昏の学園 41【異端】
223 :媛名 葵 ◆YJKujNK4t6 [sage]:2011/12/08(木) 01:51:16.80 ID:G9veQ+CU
>>222
(それは、誰にでも分かる違和感だったはずだ)
(だからこそ、目の前の女性も茫然自失の状態で兵部を見送ってしまったのだろうと、葵は思った。
 足早に、ここからまるで逃げるような後ろすがたに、黒い目だけで見送る)


(去ってゆく兵部。
 その後ろ姿を見つめながら、――表面上はあまり代わりのない葵の方が、落した鞄のなかみをひろう)

……加藤さん。
問題ありません。私の話はいつでもできます、可能なら報告書を渡しましょう。
いまは、あちらをどうにかなさった方が、よいのではないですか?

(そして、軽く拾ったそれに目を通す)
【異能】黄昏の学園 41【異端】
225 :媛名 葵 ◆YJKujNK4t6 [sage]:2011/12/08(木) 02:24:36.24 ID:G9veQ+CU
(瞬間記憶能力なんてものはないけれど、やはりそのファイルのなかにやはり絵や写真があれば
 そちらに目がいき、そしてやはりそういうものは仕事がらなのか強く頭に残りやすい)

(――しかも、それが酷く 特 徴 的 であれば、余計にだ)

(紙を渡し、というよりもひったくられるように取りかえされたところからしても、恐らく重要書類)


あら、私もわかりません。
人間の心の機微だなんて、それこそわたしの専門外の分野でありますから。
……共感できる経験や感情、それかよほどの共感体質でもないと、完全にわかるのは難しいでしょう。

心をやって思いやっても、近寄れる距離にはもしかしたら限界があるのかもしれません。
それでも、するりとその距離をうめてしまうような方も、いらっしゃるのかもしれませんけれど。

(小首を傾げた)

――上司には、そのようなスキルは必要ないとおもいますけれど。
心のケアまで万全にできるようなスキルが必要だというのなら、それはもはや「上司」の域をこえているとおもいます。
別に、あってこまるものでもないですし、もちろんあったほうが佳いとは、それは、存じますけれど。

でも、上司としてでなく人としてなら、
何も見て見ぬフリをするよりは、よほど素敵だとは。


【と、すみません――ここいらで凍結をお願いできますでしょうか?】
【異能】黄昏の学園 41【異端】
227 :媛名 葵 ◆YJKujNK4t6 [sage]:2011/12/08(木) 02:30:36.22 ID:G9veQ+CU
【いいえ、わくわくでかつ先の読めない展開に、十全と楽しませていただいている限りで――わくわく】
【はい。お言葉に甘えてそのような、カタチでお願いできると幸いです】

【今宵もありがとうございました。
 多数役をお任せして、展開までばっちりと頼りっぱなしで申し訳ないかぎりです。
 ――でも、楽しいので続きが気になってしかたないこのわくわく感。本当に感謝でいっぱいです】
【異能】黄昏の学園 41【異端】
229 :媛名 葵 ◆YJKujNK4t6 [sage]:2011/12/08(木) 02:37:18.56 ID:G9veQ+CU
【はい。それではお言葉に甘えて――おやすみなさい、兵部さん。どうぞ、佳い夢をノシ】


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