- 【異能】黄昏の学園33【異端】
512 :藤堂 清香 ◆mBCag4G81c [sage]:2010/12/06(月) 21:08:09 ID:Pv51ltMI - 【藤姫先輩と場所を借りる】
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515 :藤堂 清香 ◆mBCag4G81c [sage]:2010/12/06(月) 21:45:31 ID:Pv51ltMI - (既に日は落ちかけ、辺りはすっかり黒一色)
(そんな暗闇を、一人の少女が制服姿のまま切り裂いていく) …はぁ、はぁ… (―妙な胸騒ぎがした―そしてそれは現実のものへと) (この時間には帰宅しているはずの三咲の姿が何処にもない。自分の携帯にも連絡は入っていなかった) (―自分のこの思いが、どうか杞憂であってくれ、と願う) …なんで、なんで気付かなかった… (竜胆藤姫が発した、藤堂清香を狙う、という言) (あれから、いつ襲ってくるか、と警戒はしていた) (彼女の狡猾な性格なら、妹を狙ってくる事だって考えられただろうに) (―いや、まだ決まった訳じゃない。とにかく早く三咲の姿を―) …………っ…… (ある路地に差し掛かった時目に映ったのは、最も恐れていた光景) (何処か楽しむような目をした女性のそばに横たわる、大切な妹の姿がそこにはあった) 【お待たせ、今日はよろしく】
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517 :藤堂 清香 ◆mBCag4G81c [sage]:2010/12/06(月) 22:12:41 ID:Pv51ltMI - (普段はあまり表情を変えない清香。)
(しかしこの時ばかりは、怒り、絶望、焦りといった様々な負の感情が入り交じって) (いくら平静を保とうとしても、胸の鼓動は鳴りやまず) ………三咲に、なにをしたの。 (ぽつり、とそう呟く) (今自分がすべきことは何か) (ここで下手に魔術を使えば三咲を危険に晒す) (――間を詰めて接近戦に持ちこむか。いや、それはそれで結局三咲を危険に晒すだろう) (既に事の主導権は、あちらの手の中―) …うるさい。 …三咲を、元に戻して。 (この嘆願など所詮無意味。そんな事ははなから分かっている) (しかし八方塞がりのこの状況。自分はどうすればいいのか――)
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519 :藤堂 清香 ◆mBCag4G81c [sage]:2010/12/06(月) 22:44:31 ID:Pv51ltMI - そんなこと、信じられるわけ…ない。
(今すぐ駆け出して三咲を奪還したい。今にも動きだしそうな体を必死に押さえる) (あの余裕を持った表情。三咲の命もあの人の手の中ということか) ………………うるさい、うるさいっ。 (彼女の言葉が否応なく心に突き刺さる) (感情が少しずつ、しかし着実に乱され、冷静さも失われていく) …黙れ…… っ、三咲に触るな! …三咲には、何もするな。何かするなら、私に… (異様な怒気が、真直ぐ竜胆藤姫に向けられる) (そして、睨みつけたまま、その場に立ち尽くす)
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521 :藤堂 清香 ◆mBCag4G81c [sage]:2010/12/06(月) 23:12:30 ID:Pv51ltMI - ……………うるさい。黙れ。
(妹の口調を真似されると、更に腹が立って) (しかし、今の自分にはどうする事もできない) (その事実にも、また怒りが込み上げる) (今にも殺しかねない、という勢いで視線を強くして) ………それで、本当に三咲には何もしない? (この膠着状態を打破する為の言葉が投げかけられる) (やはり、目的はそうだったか) (人質を取る、昔から使い古されてきた卑怯な手法だが) (――自分が三咲の事をもっと気にかけていれば) (そんな自責の年を抱えながら、口をおずおずと開く) ……わかった。
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523 :藤堂 清香 ◆mBCag4G81c [sage]:2010/12/06(月) 23:41:41 ID:Pv51ltMI - (怒りを向ければ向ける程、目の前の存在を喜ばせる)
(しかし、そんなことは意識の外) (三咲を救う為――覚悟は決められた) ……くっ。わ、分かった。 (声を強めて再び承諾の言葉を) …なっ、そんな… …や、やめろ、分かったから…… (三咲の肌に爪が立てられる。それを目の前にしては、その命令に従う他はない) (正に身も心も、竜胆藤姫に喰われていく) ……………っ…… (制服のボタンを少しずつ外して行く) (上下の薄紫の下着が徐々に覗いて) (表情を見せないように、終始うつむいたまま) (その様は、まるで操り人形――)
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