- 【現代古典派経済学】塩沢由典【複雑系経済学】
80 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2019/03/07(木) 15:55:12.47 ID:AbvMbn2P - >>75 のようなセンスは、経済学においても益々必要になると思う。
塩沢は数学出身で、物理学は詳しくないと思うが、数学だけでは なかなか経済の複雑な現象に迫れないと思っているのではないか。 複雑系は、数学と物理学(広い意味で化学を含む)の両者ないしその 交流から生まれたが、数学だけだと「カオスが出てきた」で満足し てしまう(西村某大先生のように)。 2016年のA Guided Tour of the Backside of Aent-Based Simulation という論文(Realistic Simulation of Financial Marketsの第1章) には、数学的方法の限界が詳細に議論されている。 塩沢によれば、数学は科学の三つの研究方法の最初の理論(theoria) =論理的思考の現代的形態で、その起原はギリシャ時代にある。こ れに対し、実験はもっと新しい方法で、科学的研究方法の第二に当 たる。しかし、それでも分析しにくい現象や領域がたくさんあり、 20世紀後半以降、第三の科学的研究法としての計算/シミュレーショ ンが出てきた。塩沢の考えでは、経済学はこれら三つをすべて動員 して研究しなければならない対象だというのだ。 実際、こういう感覚は、物理学(化学だけでなく、生物や宇宙物理) では普通のものだが、主流の経済学はまだまだ簡単なマクロ方程式 と計測で行けると思っている。というより、むしろこれ以外に方法 がないと思って、そうしているのだろう。
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