- 経研院生の雑談部屋★4
100 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2013/02/05(火) 08:27:28.88 ID:s4eG1CvO - 実は、マルクス自身は「分配の平等」を主張したことは一度もない。
それどころか、彼は『ゴータ綱領批判』でこう主張しているのだ: 権利とは、その本性上、同じ基準を適用するということにおいてのみ成り立ちうる。 しかし不平等な諸個人は、同じ基準によって測定できるが、それはただ彼らを同じ視点のもとに おき、ある特定の側面からだけとらえる限りでのことである。[・・・] これらの欠点のすべてを避けるためには、権利は平等である代わりに、むしろ不平等でなければならない。 マルクスは「平等の権利」や「公正な分配」などの言葉を「時代遅れの決まり文句のがらくた」と決めつけ、政府が所得再分配に介入すべきだ とする社会民主党の綱領を「生産様式を変えないでその結果だけを変えようとするごまかし」と激しく批判した。 これはリバタリアン対コミュニタリアンの図式でいえば、ノージックよりも右(左?)のリバタリアンであり、アナーキズムに近い。 これはGrayも指摘するようにハイエクと似ているが、マルクスのほうが過激だ。 ハイエクもフリードマンも最小限度の所得再分配は必要だと認めたが、マルクスはそれも認めなかった。 来るべき自由の国では、ブルジョア社会の非効率性(社会的な生産と生産手段の私有の矛盾)が 解消され、「爆発的な富の噴出」によって稀少性は解決すると彼は想定していたからだ。 『共産党宣言』で、グローバル資本主義がローカルな旧秩序を徹底的に破壊した延長上に理想の社会を展望した彼は、ラディカルな「市場原理主義者」だった。 残念ながらマルクスの予想は間違っていたが、彼の論理は一貫している。 それは徹底的に自由で効率的な生産を行なえば、分配の平等は問題ではなくなるということだ。 マルクスの構想した世界の労働者が自由に地球上を移動することになるが、日本と バングラデシュの労働者の「平等」は問題になりえないし、それを再分配する政府も存在しない。
|
|