- 市場主義は経済版の民主主義である。 第4市場 [転載禁止]©2ch.net
408 :堺屋太一[sage]:2017/06/22(木) 13:52:40.34 ID:bd8vorys - 独占が困難になる第三の理由として、一九八〇年以降の「大競争時代」には、新規参入が
しやすくなったことが挙げられる。 七〇年代までは、産業施設は巨大化し、巨大化するほど大量生産利益が出て有利だと信じられて いた。したがって、いったん巨大装置や大規模システムを持つ企業が出現すると、新規参入する ことは事実上不可能だと考えられていた。つまり、企業の吸収・合併や、競争相手の打倒によって 独占を形成すれば、容易に独占価格を維持できたわけである。 ところが、今や国際的な資本の流動が激しくなり、かなりの規模の参入が可能となった。 その一方で、コンピュータ化の進捗と需要の多様化によって、設備そのものが小型化した。 このため、あらゆるところから新規参入が起こりうるようになった。コンピュータ制御装置の 普及で熟練が不要となったため、発展途上国からの新規参入が容易になったことは重要だ。 現に、コンピュータ部品から石油化学製品や航空輸送まで、大小さまざまな商品サービスが 発展途上国の新企業からの挑戦にさらされている。 以上の三つの理由によって、法外な独占価格が長く維持されることは、政府の介入がない限り ほとんど不可能になった。いや、国際競争と代替産業が参入する今日では、日本の国鉄や コメのように、政府の介入があってさえも、独占価格は長期的に見れば破られてしまう
|
|