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堺屋太一
市場主義は経済版の民主主義である。 第4市場 [転載禁止]©2ch.net

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市場主義は経済版の民主主義である。 第4市場 [転載禁止]©2ch.net
378 :堺屋太一[sage]:2017/06/03(土) 01:37:37.67 ID:3KW4Kh3T
小説で予測した原油高と食糧価格の高騰は、〇七年に早くも現実のものとなりました。これら一次産品の価格高騰が引き金となり、長らくデフレが続いてきた日本の物価も、軒並み上昇し始めています。
物価上昇が進んだ最大の理由は、ロシアの資源と中国の労働力による世界のデフレ要因が食い尽くされたということです。
九〇年代に国際物価が下がったのは、冷戦終結の「配当」でした。冷戦が終わったことによって、安価なロシアの資源と中国の労働力がドッと国際市場に出てきました。その結果、資源の値段は下がり、安価な労働力の利用で工業品も安くなったのです。
ところが、二〇〇五年ごろからロシアの資源は高騰、中国の労働者賃金も上がり始めました。そのうえ、中国の工業化で資源需要は膨張しています。世界的な過剰流動性によって、一次産品の投機的な価格上昇は、今後も続くと思われます。
日本の財政面でいえば、十二月二十四日、政府は〇八年度予算の財務省原案を閣議決定しましたが、一般歳出は小幅ながら増額となっています。今後、景気が悪化して企業業績が低迷し、税収が減れば、予算の増額と赤字国債の発行は避けられそうにありません。
消費税のアップは、解散総選挙への悪影響を考慮して回避されましたが、早晩、実施されるでしょう。『平成三十年』の予測とほぼ同じです。
一人当たり国内総生産も、国際的にはジリ貧です。福田康夫現内閣総理の父、赳夫氏が総理になった一九七六年、日本の一人当たりGDPは世界で十七位。その後は上昇を続け、九三年には世界一位に輝きました。
ところがこの年を頂点に、順位はどんどん下がり始めます。二〇〇〇年には一時、二位まで回復しましたが、二〇〇六年には、また元の十七位に落ち込んでしまった。日本の国力はついに三十年前と同じレベルまで低下してしまったのです
市場主義は経済版の民主主義である。 第4市場 [転載禁止]©2ch.net
379 :堺屋太一[sage]:2017/06/03(土) 01:40:06.31 ID:3KW4Kh3T
日本の国力低下、日本全体の活力低下は、地価にも反映しています。近年、不動産価格の高騰がいわれているが、以前の高騰期に比べると、場所がごく限られています。
地価は、『日本列島改造論』の時には日本列島の十分の一、三万七千平方キロメートルが値上がりしました。バブルの時には、
百分の一の三千七百平方キロが値上がりした。しかし今回は、千分の一、三百七十平方キロしか値上がりしていない。
しかも値上がりしたのは都心や名古屋や大阪のごく限られた超一等地だけ。地方都市や工業用地は下がりっ放しです。
そればかりか、農地や山林は劇的に値下がりし、買い手が全くありません。東京で思っているのとは大違いの不況なのです。
官僚主導の東京一極集中が進む一方で、地方の過疎化が深刻化しているのです。
そして、小説『平成三十年』と最も一致しているが、日本が「何もしていない」という点です。平成になってからの歴代首相はみな、「改革」、「改革」と口では唱えてはいますが、
抜本的な体制改革や体質気質の変革には、未だ取り組んでいません。ただ、取るに足らない「盲腸の手術」や吹出物の膏薬貼りをしているだけです。
恐ろしいのは、危機が私の予測よりも、前倒しでやってきていることです。超過疎化による地方の疲弊や環境問題、介護保険の問題については小説で詳しく触れましたが、
これらの問題は、もう既に現実のものとなっています。中でも、予測を超えて遥かに早く進んでいるのが官僚の頽廃です。
市場主義は経済版の民主主義である。 第4市場 [転載禁止]©2ch.net
380 :堺屋太一[sage]:2017/06/03(土) 01:43:32.34 ID:3KW4Kh3T
〇七年は、官僚の失敗が顕著に現れた年でした。とくにすさまじい失敗は、住宅着工許可の遅延です。六月、建築基準法が改正されましたが、
運用マニュアルをつくっていなかったことなど官僚の怠慢と無能さによって、建築許可が停滞。その結果、九月十月の住宅着工件数は前年比四割減にまで落ち込んだのです。
しかも、一旦許可を取ると設計変更は認めないという超改悪、日本は不便不都合な建物だらけになるでしょう。建築工事の減少が現れるのは六ヶ月くらい経ってから。〇八年には倒産失業が増えます。
しかし官僚は誰一人責任をとっていません。国交省の幹部は、UR(都市再生機構)の民営化阻止に必死なのです。全国民に何兆円もの負担と迷惑をかけても何とも思わない。ここまで官僚の頽廃が進んだのは、
官僚の政治家ごっこ、いわば院外団化です。逮捕された守屋武昌前防衛省事務次官はまさにその典型、政治家回りで出世したのです。
また、政治家にも「政治家になって日本をこうしたい」というのではなく、「とにかく政治家になりたい」という人が大量当選している。行政に関して悲劇的に無知な政治家が、官僚のやりたい放題を助長しているのです。
その一方で、庶民の痛みは激増しています。労働者の賃金は上がらず、預金金利は実質ゼロが続いています。預金ゼロ金利によって、
年間二十兆〜三十兆円が家計から企業と公共に収奪されているのです。ほとんどの日本国民は猛烈に搾取されている状態です。
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381 :堺屋太一[sage]:2017/06/03(土) 01:56:04.11 ID:3KW4Kh3T
株価の低迷も続くでしょう。「相場が下がったのはサブプライム問題のせいだ」というのは、官僚と金融業者の言い訳にすぎません。主因は日本独自の問題にサブプライム問題が少し追い討ちをかけているというのが実相なのです。
だから、日本の株は外国の株よりも激しく値下がりし、外資も逃げ出しているわけです。日本独自の問題で大きいのは官製不況、頽廃した官僚が作り出している迷惑です。
このままいけば、日本経済は再起不能に陥る恐れさえあります。いわゆるアルゼンチン化です。アルゼンチンは二十世紀のはじめには世界有数の豊かな国でした。第二次世界大戦後も
アメリカに次ぐ金保有高を誇っていました。それが、三十年ほどの間に経済破綻、発展途上国に転落したのです。
今の日本と二十世紀初頭のアルゼンチンの共通点は、第一に旧産業への依存です。当時のアルゼンチンは牛肉と小麦の農業依存から脱却できなかった。今日の日本もまた、
規格大量生産依存から抜け出せていません。この構造をなんとしても変えなければならない。もう一つは首都一極集中、政治家や経済上層部は首都だけに集まっていることです。
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382 :堺屋太一[sage]:2017/06/03(土) 02:02:58.85 ID:3KW4Kh3T
 四月七日、財務省は三月末の外資準備高が8266億ドルになった、と発表した。一年前より3100億ドルの爆発的な増加である。 急増の主たる理由は、政府・日銀の行った為替介入だ。2003年度の円売りドル買いは30兆円にも達する。三年前の小渕・森内閣当時とは、
ケタ違いといえるほど巨額だ。 それに伴う損失は大きく、既に8兆円を超えている。一年間の消費税の税収は約9兆5千億円、その九割近い金額が、外国為替特別会計の評価損になっている。
為替介入の意思決定は主として政府、つまり財務省の財務官ら少数が行っている。彼らは、どういう理論的根拠か説明もせず、円の対ドル相場を円安ドル高に保つべきだ、と考えた。そしてそれを、政府の、というよりも自分たちの権威と権力でできると信じた。
これまで何度も為替介入をしても結局は効果がなかった前例があるにもかかわらずだ。財務官の系統には、派手に動き回りたいという「目立ちたがり症候群」が職務遺伝しているのかもしれない。
それでも関係閣僚の目配りが利いていた時代には、介入額は抑制され、効果的な時期と手法を考える努力はした。ところが小泉内閣は思考停止状態だから、官僚たちはやりたい放題、確たる根拠もなく無制限に為替相場を楽しみだした。
金額に歯止めがかからなくなると、頭脳は止まる。ただただ力ずくで円を売りドルを買った。一時、円が110円まで下がると、押し下げ効果を狙ってさらに円売りをしたが、
そのかいもなく相場は逆転し、すぐ105円前後になった。それが急に三月下旬には介入をやめた。8兆円もの損失を残して。 銀行であれ商社であれ、
これほどの損を出せば担当者はクビどころでは済まない。だが、官僚は誰一人クビにも戒告にもならない。外国の金融業者に「ミスター・ドル」などといわれて悦に入る有り様だ。
官僚の損し放題はこれに限らない。年金基金や雇用保険は、大赤字の保養施設や劇場を造って消費税収入と同じほどの累積損を出している。ここでも責任を取った官僚はいない。
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383 :堺屋太一[sage]:2017/06/03(土) 02:15:53.76 ID:3KW4Kh3T
今、多くの分野で官僚の介入が激しくなっている。タクシーやバスの運行にも、安全性を盾にした官僚の指導や介入が強まっている。医療機関でも、医療事故の防止や医師の名義貸し防止などから調べが増えた。
金融機関に対する監査や指導が厳しくなったのはよく知られている。教育の分野でも文部科学省の「指導」の圧力は衰えない。むしろ、法科大学院の設立などでは官僚の恣意的な選別が強化され、事前予測性が低下してしまった。
地方自治体に対しても、財源と権限を譲り渡す「三位一体改革」がいわれながら、そのほとんどは補助率の引き下げだけで廃止はわずかだ。つまり、中央官僚が事業の取捨選択権はガッチリと握っているのだ。 小泉内閣は「族議員を追放する」という形で、政治家を排除した。
その結果、官僚の権限と裁量が強大化している。 同じことは昔もあった。昭和九年に官僚たちは「帝人事件」なる架空の疑惑事件をデッチ上げた。汚職まみれの議会政治家を政府主要ポストから外した。これが官僚軍人独走をいちだんと進め、戦争につながったことは明らかだ。
そういえばその年、昭和九(1934)年も、大不況後の景気回復が盛んにいわれた年だ。官僚統制の強化は、企業の利益を一時的に引き上げ、表面的な景気上昇をもたらす効果がある。だからこそ官僚介入は何よりも恐ろしい麻薬である。


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