- 【アーサー】日垣隆★74【トキワ荘】
146 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/10/24(月) 02:52:29.96 ID:2672DR9T - >>142
幻冬舎は大先生の『すぐに稼げる文章術』の盗作騒動のときに うまく「尻ぬぐい」してやって、大先生には「貸し」がある。 大先生が幻冬舎を利用しているというより、幻冬舎にご奉公する という感じだろうな。
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207 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/10/24(月) 16:58:02.14 ID:2672DR9T - >>199
『すぐに稼げる文章術』 第7章 文章で稼ぐための必読33冊に 内田樹『態度が悪くてすみません』 を挙げている。 ★ 今週の断然お薦め本 ★――――――――――――――――――――――― 内田樹『「おじさん」的思考』(晶文社、1900円):教師生徒間にしばしば生 じてしまうエロティックな雰囲気を、あってはならないこと、と思考停止する のではなく、《「知のありかを知るもの」という機能的立場ゆえに、教師は学 生にとって必然的にエロス的欲望の対象になる》、《セクハラ教師というのは、 自分が「火薬」のど真ん中で仕事をしていることを「知らない」人間のことで ある》と説く章(「教育とエロス」)だけでも是非。なかなか言い難いことで ある。 (ガッキィファイター vol.68 2002.5.27) ところで、無料メルマガ時代に「お薦め本」コーナーで紹介したことのある内田樹(たつる)さん (神戸女学院大学文学部教授)の新刊『期間限定の思想おじさん的思考2』(晶文社、11月10日発売、 1800円)を読みました。この方はパワフルだと思っておりましたら、たった2年でエンストを 起こしてしまったのが内容上明白で、「あとがき」でいろいろ言い訳を書き連ねておられるのも、 お気の毒です。賞味期限の長〜い時評がありうることに気づかぬままの撤退は惜しまれるものの、 やむをえないでしょう。泣く子とネタ切れには勝てません。 で、同書に、こんな記述がありました。「週刊文春」や「週刊ポスト」とかのおじさん的メディアに ついて、内田氏はこう言うのです。 《人のあら探しばかりしていて、お金儲けの事ばかり考えていて、健康に気を使って、頭の中は セックスの妄想でいっぱい、あとはギャンブル……というようなね。総括的にみると大変貧しい人物像 しか浮かんでこない》
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209 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/10/24(月) 16:58:47.93 ID:2672DR9T - ううむ。俺はまさにそういう人物だ。どうしましょ(笑)。
ただし、この文章は矛盾しています。もし本当に《お金儲けの事ばかり考えて》いるのなら、 《健康》や《セックスの妄想》や《ギャンブル》なんか、考える暇などないことになるからです。 それに、この文章を次のように置き換えると、どうでしょうか。一つ一つの意味は同じです。 "批評精神にあふれ、仕事熱心で、健康にも無関心ではなく、性的な想像力も衰えておらず、 ギャンブルにも造詣が深い" ま、そういう堅いことは言わずに。内田氏は続けます。 《ああいう「おじさんメディア」が紡ぎだしている「日本のおじさん」こそ幻想的なもので、 それは実像とはずいぶんずれている、と僕は思うんです》 この指摘もまた陳腐すぎます。自分の言論の陳腐さをチェックするためにも、同時代の言論は できるだけたくさん浴びたほうがいい。内田先生は再び来年正月以降は大学だけに引きこもる、 という旨を本書で宣言されているので、誰も止めはしませんが、そのような試練から逃げたこと だけは自覚されたほうがいいでしょう。あ、自覚してたんですか。すいません。 ご本人も認めておられますが、この方は「おじさんメディア」にもともと拒絶的なのです。 《僕自身、もう一〇年くらい、定期刊行物というのはひとつもとっていないんです》 読まないのはご自由ですが、読みもしないで「おじさんメディア」を妄想で "読み解く"のは お止めになったほうがよろしいでしょう。 (新「ガッキィファイター」 第8号 2002年11月11日発行) ■■絶対お薦め本■■ ★内田樹『先生はえらい』(ちくまプリマー新書、798円)★━━━━━━★ (中略) このように褒めた文脈のなかで、こういう言い方は非常にアレですが、このメルマガの読者であれば、内田樹さんの本は、ぴったりくると思います。 言葉の定義が明確で、論理的なのに普通じゃない、ところが。 (「ガッキィファイター」2005年4月8日号 通巻第136−2号)
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210 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/10/24(月) 16:59:22.94 ID:2672DR9T - ■■絶対お薦め本■■
★内田樹『知に働けば蔵が建つ』(文藝春秋、1,600円)★━━━━━━━━★ せっかく眠ろうとしていたのに、5分だけ、と思ってつい全部読んでしまいました。 (「ガッキィファイター」2005年11月22日号 通巻第168号) ★現役作家自筆原稿流出事件(6) では誰が売ったのか★━━━━━━━★ もちろん、私もヤスケンのしたことを、許されるべきだとは思いません。が、これは何のために なされたのか、と考えてゆきますと、お金のためでしょう。しかも、ご自分のためだけでなく、 家族のためにした、と考えられます。 早合点しないでください。治療や家族のためなら何をしても良い、と言っているのではありません。 この問題について、内田樹さんは以下のように書いておられますが、私は間違いだと思います。 《作家の直筆原稿という生々しいオブジェを換金商品として古書店に売り飛ばしたというところに 私は安原の村上春樹に対する憎悪の深さを感じる。〔中略〕死にかけた人間がいくばくかの金を 求めてそんなことをするはずがない。 これはおそらく作品の「文学性」を毀損することだけを目的としてなされた行為と見るべきだろう。》 ( http://blog.tatsuru.com/archives/001595.php ) なぜ内田樹さんの説を(この点に関して)間違いだと私は言うか。理由は簡単です。内田説が 正しいとしたら、古書店街で大量に売られている生原稿の説明がつかなくなってしまうからです。 (以下略) (「ガッキィファイター」2006年3月18日号 通巻第183‐2号)
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211 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/10/24(月) 16:59:59.21 ID:2672DR9T - ◆内田樹『態度が悪くてすみません』(角川oneテーマ21)……《「プロの条件」とは「自分に厳しく」
ではなく、「クライアントに優しく」である》という一文(P144)。翻訳者になりたい人向けの エッセイなのですが、私にはちょっと目からウロコでした。【派遣社員兼ライター】 * 同書のなかの、《今、学校では子どもたちは「自分の意見をきっぱり言うこと」を奨励されている。 口ごもり、絶句し、言いよどむことは知的劣等の指標としてきびしく難詰される》(P35)とか、 《フリーター諸君が「やりがいのある仕事」というときに、そのほとんどは「需要に比べて供給が 圧倒的に過剰な職種」なのである》(P96)、《人間は必ずその人が必要とするときに必要とする本 と出会う》(P131)、《誤訳というものは訳文の日本語が意味不明の個所があった場合にのみ発見 される》(P145)などが、目からウロコでした。 読者が本当は気づいていなかったのに、「うすうすそう思っていた」と思わせる「読み」が抜群 ですよね。内田さんらしく、そしていきがよく、新しい発見が随所にある。そういう書き手の お一人です。【日垣】 (「ガッキィファイター」2006年5月17日号 通巻第191号)
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212 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/10/24(月) 17:00:34.51 ID:2672DR9T - ■■今週の極上発言■■
★「親の仕事というのは、本来……」by内田樹氏★━━━━━━━★ 《子どもが心身に不調を来(きた)して、危険信号を出している。でも、それを聴取してしまうと、 自分の育児が失敗したことを認めなければいけない。それは認めたくない。だから、子どもの発信する 「助けて」というシグナルに目を閉じ、耳を塞いでしまう。 そういう鈍感な親と暮らしている子どもは確実に心理的に壊れていく。子どもにしても、自分の 感じている心身の不快をうまく言葉にはできないわけです。だから、何を言っているかよくわからない。 シグナルではなく、ノイズしか出せない。でも、親の仕事というのは、本来子どもの発信するノイズを シグナルに変換することだと思うんです。》(『下流志向』講談社、P168〜P169) 私が知るかぎり、付和雷同して集団加害事件の一人になってしまう子どもの親たちは、例外なく 「このタイプ」です。一見すると普通の親なのですが、じっくり話をしているとその鈍感さが溢れ 出てきます。未だ「世界の中心が自分」なのです。 よく見ると、そこらじゅうにいますよね、鈍感な大人たち。 子どもを生み育てる最大のメリットは、「世界の中心が自分」という価値観から抜け出られること なのに、もったいない話です。 (「ガッキィファイター」2007年2月23日号 通巻第228号)
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213 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/10/24(月) 17:01:31.37 ID:2672DR9T - 著作権を50年から70年に延ばすという議論がある。50年というのは、そもそ
もディズニーの要求だ。著作権なんて、2年もあれば充分だと思う。ディズ ニーは自分たちがカネをほしいために、著作権の期限を70年に延ばそうとして いる。内田樹(たつる)さんなんて、生きているうちから著作権を完全放棄し ている。「私の書いていることを使って、あなたの名前で本を出していいです よ」とまで過激な意見を言っている。 著作権の期限=2年は、現実的な意見だと僕は思う。 (「ガッキィファイター」2010年4月1日号 通巻第339号) 内田樹(うちだ・たつる)さんの文章も、試験によく使われています。試験問題にたくさん文章が 使われる人とは、どうも著作権にうるさくない論者ではないのか(会場笑)。内田さんは常々、 自分が発表した文章はどうぞ自由に使ってもらってかまいません、と宣言しています。僕にとっても 著作権などどうでもよく、2年で切れてしまってもいいと思っているくらいです。 僕は著作権になどうるさくはないですし、自分の文章が試験にどう使われようと興味はありません。 内田樹さんのように、試験問題で自分の文章が読まれることが呼び水となり、いずれ本も読まれるように なればいい、という考え方の人もいます。僕の場合、自分の文章を歪められることさえなければ、試験に どう使われようがかまいません。 (「ガッキィファイター」2010年10月11日号 通巻第357号)
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