- 戯(たわ)けないで、DTM諸君!〜音老八玉伝〜
209 :名無しサンプリング@48kHz[]:2021/09/29(水) 23:10:31.66 ID:SEKpb3mE - 「なあにエッジが足りないとか言っちゃってもうね、というワケなんだけどォ」
充分すぎるほどのクリープの入った珈琲カップを片手に現れたのは”マダム鬼子母神”こと井上照美(64)だった 照美は先の総裁選で丸川珠代を応援し、氏のイメージカラーであるマニパニバンパイアレッドに襟足を染めていた そんな矢先の「敗戦の報らせ」 さぞ落胆しているのかと思いきや、気持ちの切り替えができている様子であった 「角度が何?角度が足りてないか残る2辺の合計が150度って?んもォ」 「冗談じゃないわよォ!!」 そう言うとカップをレースの刺繡が施されたテーブルクロスの上に置く 「アンタ達わかってる?気づいてないようだから言っておくケド」──── 「山手線あるじゃない?──かりそめにもニッポンの首都、中心部を走る列車なわけぇ 知ってるって待ちなさいよォ!そんなの知ってるわって最後まで アンタ 最後までハナシ聞けないのォ?」 ────「でさァ」 照美(64)の指摘はこうであった 山手線という、仮にも帝都の中枢を周回する線路 その車窓から見える風景がとにかく”古い”のである 毎日見慣れているゴブリンらは案外気づかないだろうが立ち並ぶビル、住宅、建物すべてがレトロなのである 築40年50年は立っているであろう旧耐震構造基準のもとで建てられた初老ビルディング それらが平然と駅前に立ち並ぶ光景 それは先進国としてはあまりにも異様と感じるほかなかった 「もうお金がないのよォ、建て替える余裕がァ この国にはサァ」 イヤよね〜と言わんばかりであった どうなる!つづく!
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