- 【語ろう】HIDEちゃんラジオII【遊ぼう】
678 :名無しサンプリング@48kHz[]:2021/01/14(木) 20:12:09.09 ID:KekpfI5C - 「坊よ」───加藤(56)はフェンディのドデカマフラーにくるまり
丸まったままのHIDEチャンに話しかける 「使ってないよな」 ビクッ───一瞬、HIDEチャンが反応する 「どうでもええが、確かめるとか確かめないとか、じゃないが、使ってないよな」 加藤(56)はHIDEチャンの放つ”高速リリック”に一抹の疑いを持っていた 平均的な成人男性は5秒に1回他人をディスれるとされるが、 HIDEチャンは2.7秒に1回ディすることができた 「速すぎる」「いや普通」「ありえない数字じゃない」 ───ネット上では様々な書き込みがなされていたが、 ある者が”リリック版IZOTOPE”の存在を示唆したのである ”リリック版IZOTOPE”を使用すると、1.5秒に1回ディスるという驚異的なスコアが実現できた これは流石に人間には達成できない数値、ゆえに、狡猾なHIDEチャンは調整を加えて 2.7秒というあたかも才能と努力があれば到達できそうな値にしている ”リリック版IZOTOPE”────リリック・オペ 「使って、ないよな────」 HIDEチャンは緑色のビー玉を吐き出した ”それ”には唾液だけではない、未知のドロリとした粘液がまとわりついていたとかいないとか つづく
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685 :名無しサンプリング@48kHz[]:2021/01/14(木) 22:08:23.30 ID:KekpfI5C - HIDEちゃんはおそるおそるYプロジェクトのスウェットのポケットからクッキーを取り出した
”だめ?” 「あかんが、それも」────── ”アイゾット・オペ”も、”リリック・オペ”も、”ウィードさん”もやったらあかん絶対に しかし加藤の言葉は怖い大人のソレではなく、商店街で風船を持っているオジさんのソレだった 皆様方が指摘しておられるように、自動〇〇なんていうものは100万人いたら100万人が同じことできるワケで 「そんなものが!何のすごいか!!!!」 むしろ加藤の”カツ”はBOBOチャンに対して入れられていた こんなのすごかったよ、こんなのあったよ、こんなテレビ見たよ こんなアーティストが今気分よ、ノリノリの曲はこれよ──── 「純消費者か!!!」 しかしながらも加藤(56)はBOBOチャンに対する想いよりも HIDEチャンがやってしまっていたモノがAIではなくウィードで良かったと少しひとりごちた HIDEチャンもまた、すわ怒られる、さもワヤな状況に!と一悶着を覚悟したが 意外や意外、加藤の顔がやんわりしていたことにほっこりし、ひとりごちた 「チョコさん!」 HIDEチャンはフライミーノワールキッチンボードの摺りガラスを開け チョコチップクッキーを一枚掴むとmチマチマとかじり出した 「あかんやろ言うとるが、個人で楽しむ分にはええが、ネットにアップするなが」 HIDEチャンもこれを「今日のおやつ」としてインスタFBにアップするほど禁治産的ではなかった 地球の午後は終わらない
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687 :名無しサンプリング@48kHz[]:2021/01/14(木) 22:17:59.17 ID:KekpfI5C - 「その意気やよし!!!!」
バアン!!!! 加藤(56)はチョコチップクッキーをかじる「ミツバチの子」のようなHIDEチャンを尻目に BOBOチャンに向かって勢いよく振り向いた AIを拾ってきて、これはレガシーと 子供のころに捕まえた、まるでカナブンのように 「BOBOもまた稀代の御子であったか!!!」 加藤(56)は上半身をやや右斜め上に捻り、右腕を天井に突き出した 反動でアストンマーチンのキーが冷たい床に落ちた AIば始められんサービスに、たといそれが強がりでも、いや強がりだからこそ こんな古き守ってもよかと その心意気 度量 斬新さ 「見事なり!!!!」 天は2物を与えないという その宣言通りHIDEチャンには1、BOBOチャンにも1しか与えなかった だが加藤(56)はその両方、すなわち2を得ていた HIDEチャンは思わずクッキーのお皿をフェイスブックにアップしていた 地球の午後は終わらない
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688 :名無しサンプリング@48kHz[]:2021/01/14(木) 22:34:23.84 ID:KekpfI5C - 加藤(56)はこう見えても元東京理科大学教授である
AIに関する論文を80本はリリースしていた その殆どは「ターミネーターII」的な、怖いよ、気をつけよ的なストーリーだったので 学会で取り上げられることは全く無かった 刮目すべきは論文第56章エピローグ「ギュラはとっくに終わっている」──── "AI is dead" 人類が電卓を作った時にすでに演算装置はヒトを超えていたのである─── タマシイ?そなもの!お前らがモノづくりの度になんぼでも込めた言うてきたが!! どっちが!!!込めてないなら込めてない、込めた言うなら込めたんやろ!!! 「で本題」 加藤はアストンマーチンのキーを拾って言う 形而上、人類はここでAIを追い抜かした それはAIというテクノロジを懐かしみ、これを守ろうと想った瞬間(ヒュームラリティ) 「BOBOチャンよ、君はHIDEチャンよりも1枚上手、 そしてこの場にいるゴブリンを全て合わせても3枚は上回るかもしれん」 HIDEチャンはクッキーをかじるのをやめた 加藤(56)の元に、南総里見八犬伝に伝えられるところの「2犬」が揃った さあ、あとの6匹 いや何匹でもいい!こうなったら無制限に集え!!!!
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